著者
中野 雅則 松永 利明 松永 真由美
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-4, 2012
参考文献数
6
被引用文献数
1

無線LAN、長距離RFIDのような移動体通信がコンクリート壁や窓ガラスや人により電波伝搬に影響を受けることに注目し、家族が住んでいる部屋の日常生活を想定して、コンクリート構造における集合住宅内部の電界強度分布を、コンクリートやガラスによる縮小モデルを用いた実験及びFVTD法を適用した数値計算により解析を行う。比較対象として窓ガラスがある場合と無い場合を比較し、窓ガラスがある場合はガラスの反射の影響で無い場合よりも室内の電界強度が高くなる。窓ガラス後方ではガラスを透過する際に減衰し、ガラスが無い場合に比べ電界強度が低いことが分かった。また計算値と実験値は同様な傾向を示した。
著者
中野 雅則 松永 利明 松永 真由美
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.9-12, 2011
参考文献数
5
被引用文献数
2

無線LAN、長距離RFIDのような移動体通信がコンクリート壁や人により電波伝搬に影響を受けることに注目して、コンクリートを用いて縮小モデルを製作し、家族が住んでいる部屋の日常生活を想定して人を配置する。そのコンクリート構造における集合住宅内部の電界強度分布の実験を行い、FVTD法を適用した数値計算値との比較を行う。その結果、部屋の仕切りを透過する際に大きく減衰し、計算値と実験値は同様な傾向を示した。また比較対象として複数室間に人がいる場合と無人の場合を比較すると、無人の場合に比べ人がいる場合は、人より波源側では人からの散乱や反射で無人に比べ電界強度が高い値を示し、遠方では人を透過する際に減衰し、無人の場合に比べ電界強度が低い値を示した。このことから人がいる場合は無人に比べて複雑な伝搬をすることが分かった。

1 0 0 0 OA 騒音 (4)

著者
中野 有朋
出版者
一般社団法人 ターボ機械協会
雑誌
ターボ機械 (ISSN:03858839)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.297-303, 1974 (Released:2011-03-18)
著者
中野 秀樹 岡崎 誠 岡本 浩明
出版者
遠洋水産研究所
雑誌
遠洋水産研究所研究報告 (ISSN:03867285)
巻号頁・発行日
no.34, pp.43-62, 1997-03
被引用文献数
4

まぐろはえなわ漁業で漁獲される魚類の漁獲深度は,漁具の漁獲効率,魚類の生息深度を評価するために有効である。特に日本のまぐろはえなわ漁業は歴史的にその漁具深度を深くしているので,浅縄および深縄の漁獲効率を比較することは,魚種に対する歴史的な漁獲効率の変化を定量的に評価するための基礎的な資料となる。本研究では,まぐろはえなわの枝縄別漁獲資料から,魚種の漁獲水深を推定し,あわせて敷設水深の異なる漁具の漁獲効率についても比較した。まぐろはえなわ操業の枝縄別漁獲資料は1992年から1995年までの間に太平洋の3つの海域から収集された。魚類の深度別釣獲率を懸垂曲線の当てはめにより推定し,魚類を水深が深くなるほど釣獲率が増加するもの,水深が増すと釣獲率が減少するもの,釣獲率が深度で変化しないものの3つのグループに大別した。ビンナガ(Thunnus alalunga),メバチ(T. obesus),アカマンボウ(Lampris guttatus),ミズウオ(Alepisaurus ferox),ヒレジロマンザイウオ(Taractichthys steindachneri)は釣獲率が深度とともに増加した。一方,カツオ(Katsuwonus pelamis),マカジキ(Tetrapturus audax),クロカジキ(Makaira mazara),バショウカジキ(Istiophorus platypterus),フウライカジキ(T. angustirostris),シイラ(Coryphaena hippurus),カマスサワラ(Acanthocybium solandri),クロタチカマス(Gempylus serpens),ヨゴレ(Carcharhinus longimanus)は水深が深くなると釣獲率が減少した。キハダ(T. albacares),メカジキ(Xiphiasgladius),アブラソコムツ(Lepidocybium flavobrunneum),アオザメ(Isurus oxyrinchus),ヨシキリザメ(Prionace glauca)は釣獲率に水深に伴う顕著な変化が認められなかった。また,東太平洋の調査海域と他の海域間で釣獲率が高くなる深度に違いがみられ,ビンナガ,メバチ,サワラ,アカマンボウ,アオザメなどで釣獲率の高い深度が他の海域より浅くなる傾向が観察された。まぐろはえなわの浅縄と深縄の操業ごとの釣獲率の平均値を魚種ごとに比較した結果,22種のうち13種で平均値間に統計的に有意な差が認められた。深い水深で釣獲率が高い種類の浅い枝縄との釣獲率の比は,1.51~20.6の値を示した(ビンナガ1.51-2.15,メバチ2.14-3.14,アカマンボウ20.6,ミズウオ1.63,ヒレジロマンザイウオ6.76,ハチワレ2.67)。一方,浅い深度で釣獲率の高い種類の比の値は0.4~0.92の範囲であった(マカジキ0.4-0.64,クロカジキ0.75,バショウカジキ0.92,フウライカジキ0.42-0.74,シイラ0.46,クロタチカマス0.72)。
著者
大井 和裕 義平 邦利 荒木 和美 落合 爲一 中野 昭夫 佐竹 元吉 今吉 有理子 岩渕 久克
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.174-182, 2011-12-15 (Released:2017-01-27)
参考文献数
15

Five samples of lavenders including four different varieties were collected in Hokkaido Furano area from five different populations. The flowering tops of the samples were soaked into dichloromethane and the extracts were analyzed using GC/MS. Fifty four peaks were observed and 45 of them were identified or their reasonable structures were estimated. Most abundant components common to all samples were linalyl acetate (1), linalool (2), lavandulyl acetate (3), coumarin (4), (E)-β-farnesene (5), 7-metheoxy coumarin (6). Statistical analyses (a clustering analysis, a principal component analysis) were performed on the abundance of the 54 components. The results were as follows: (1) Chemical profiles of the samples which belong to the same variety collected at the same site were essentially the same regardless their collecting time of the day. (2) The difference in the variety resulted in different chemical profile.
著者
中野 明德
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学大学院紀要 = Bulletin of Beppu University Graduate School (ISSN:13450530)
巻号頁・発行日
no.19, pp.49-67, 2017-03

ジョン・ボウルビィの愛着理論は、マターナル・デプリケーションの研究から始まり、精神分析学に比較行動学を取り入れて提唱された。愛着行動とは乳幼児が母親に接近する本能的行動であり、ボウルビィは愛着人物との分離に伴う不安や恐怖、それに愛着対象喪失によって起きる悲哀の過程を精神病理学的に追究した。子ども虐待が急増する今日、愛着理論は母子臨床に貢献するであろう。母子を結ぶ絆は「愛着」だけではなく、バリントの「一次愛」や土居健郎の「甘え」などの概念もあり、こうした精神分析理論と繋いで治療論を展開することが今後期待される。
著者
中野 有朋
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, pp.567-573, 1987-08-30 (Released:2010-03-18)
著者
鈴木 達也 野呂瀬 準 須田(二見) 章子 鈴木 一成 関水 憲一 大内 基司 猪狩 吉雅 渡邊 健太郎 中野 博司 大庭 建三
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.135-139, 2010 (Released:2010-06-28)
参考文献数
7
被引用文献数
1

In recent years, elderly patients with dementia have been increasing in Japan. It is currently estimated that behavioral and psychological symptoms of dementia (BPSD) occur in approximately 80% of the elderly patients with dementia. As BPSD occur more frequently in elderly patients with dementia, the caregivers burden increases. Although non-pharmacological interventions can reduce BPSD in patients with dementia, antipsychotic medications have been used to treat severe BPSD. Physicians should be particularly careful in the use of antipsychotic medications in the elderly, which have been associated with dangerous adverse effects. Donepesil not only improves the cognitive dysfunction of Alzheimer disease patients, but may also relieve BPSD in these patients. Moreover, the effects on BPSD of yokukan-san, Kampo medicine, have been reported in elderly patients with dementia. A multicenter randomized crossover study, which we participated in, confirmed that yokukan-san is effective in the treatment of BPSD and that no rebound related deterioration occur after withdrawal of yokukan-san. The effects of yokukan-san on BPSD have been reported to influence gamma-amino-n-butyric acid and serotonin receptors.
著者
中野 幡能
出版者
大分県地方史研究会
雑誌
大分縣地方史
巻号頁・発行日
no.36, pp.36-64, 1965-02

論説
著者
小見山 二郎 宮崎 由伊 中野 麻子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.247, 2006

<目的>昨年、表題の現象について社会心理学的に考察した。ジーンズのボロ化現象は続いているが、今回、各社会的要因、個人化、アメリカ化、環境意識などの重要度とこれらと個人の意識の連関について、少し深く再考した。また前回はこれらを取り上げた理由を直感としか説明しなかったが、少し詳しい説明が必要と考えた。実践女子大学生活科学部紀要43号(2006)に投稿するに際し、これらのことを再考したのでお話したい。<方法>その後の文献調査により、この取り扱いは、デカン「流行の社会心理学」岩波書店(1981)の亜流といってもよいことがわかった。戦後の日本社会の変化はいろいろの視点で捕えられるが、本説の捕え方は50年間に書物と経験から得た知識の集大成としか言いようがない。当日要点を説明する。またボロ化が前近代への突き抜けであるとの考察では、柳田國男の視点を参考にした。現代の個人の意識については、聞き取った言葉から抽象した。<結果>衣服文化論を離れて、戦後の日本社会の変化が、人々の心にどういう変化をもたらしたかを概括した。ジーンズのボロ化に対する影響における重要度の順に、個人化、アメリカ化、環境意識とした。ボロ化における個別性、下から上への流行の波及、自然化と前近代化、がこれらの3つのそれぞれの影響であると考えた。個人の意識と社会的意識を納得できるように結ぶことも重要で、この点は当日説明する。さらにボロ化の3分類、すだれ状の破れ、脱色、つぎはぎ、の今後についても議論する。
著者
中野 陽太 鈴木 郁弥 荒井 弘和 Suzuki Fumiya 荒井 弘和 Arai Hirokazu
出版者
法政大学スポーツ研究センター
雑誌
法政大学スポーツ研究センター紀要 = Bulletin of Sports Research Center, Hosei University (ISSN:21879168)
巻号頁・発行日
no.33, pp.37-39, 2015-03

本研究の目的は、大学体育会運動部を対象として、性差に着目して、リーダー(キャプテン・主将)とサブリーダー(副キャプテン・副将)について詳細な検討を行うことであり、「大学生競技者は性別によって求めるリーダー像、サブリーダー像が異なる」という仮説を検証した。体育会運動部に所属する大学 1 ̶ 4 年生 87 名を対象として、主将のリーダーシップ尺度を用いて、理想のリーダー像と理想のサブリーダー像を調査した。その結果、主将の「人間関係調整」のみにおいて、女子の方が有意に高いという結果が得られた。よって、仮説は部分的に支持されたといえる。
著者
馬場 景子 中野 典子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.30, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 正月のとろろ飯の調査開始から、正月に食されるとろろ飯は、年取りの魚や雑煮の餅の形と同様に、東西文化の指標となる儀礼食であることが判明した。とろろの材料である山芋は、日本の農耕文化の発達過程において稲に先行する作物であり、儀礼食として東日本を中心に連綿と食されてきた食であったにも関わらず、全国的な調査が行われていないのが現状である。その結果、正月のとろろ飯は、郷土食として位置付けされているに留まっている。本研究では、正月のとろろ飯を東西文化の指標となる儀礼食であると捉え東西文化の分岐集中地域を、調査より知多半島であることを確認した。<BR><B>【方法】</B><BR> 知多半島の市町村の教育委員会に調査を依頼し、地域特徴が明確になる中学校に在籍する生徒の父兄にアンケートを実施した。また地元の郷土学習会へもアンケートを実施し、世代差間の調査を行った。<BR><B>【結果】</B><BR> アンケートの結果から知多半島では一月二日の朝にとろろ飯を食べることが多いことが分かった。また一月二日は、知多半島では予祝儀礼である「仕事はじめ」の儀式が行われていることから、半田市ではこの儀礼と結び付き正月のとろろ飯が食されていた。また半田市に隣接する武豊町では、松の内に食する習慣があり、必ずしも正月のとろろ飯が一定の日程で行われている行事ではなく、日程のバリエーションが存在することが判明した。さらに全国的に見た場合は、明治初年の改暦により儀礼の意味に差が存在することが判明した。儀礼のバリエーションとしては、新しい儀礼食の発生を意味するで、あろう事例も発見できた。分布に関しては、北高南低の分布傾向があった。
著者
木平 真 小菅 律 岡村 和子 中野 友香子 藤田 悟郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.212-221, 2016-10-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
11

パトカーは,警察活動における特殊な使われ方のため弁別されやすい外観をしているが,他の交通参加者との衝突を防ぐためにはパトカーの視認性は重要である.本論文では車両後部デザインの変更が車間距離の評価にどのように影響するか,コンピューター画面による実験で基礎的な検討を行った.結果,「POLICE」表記を付加すると車間距離の評価に影響を及ぼす可能性があること,および「POLICE」表記に下線を追加することによりこの実験環境では距離の評価が改善し,改善案になり得ることが判明した.
著者
西園 昌久 高橋 流里子 対馬 節子 松永 智子 福屋 靖子 土屋 滋 大貫 稔 高橋 美智 浅野 ふみぢ 小松崎 房枝 鈴木 小津江 平山 清武 中田 福市 鈴木 信 壁島 あや子 名嘉 幸一 鵜飼 照喜 福永 康継 浪川 昭子 高田 みつ子 岩渕 勉 森脇 浩一 加藤 謙二 早川 邦弘 森岡 信行 津田 司 平野 寛 渡辺 洋一郎 伴 信太郎 木戸 友幸 木下 清二 山田 寛保 福原 俊一 北井 暁子 小泉 俊三 今中 孝信 柏原 貞夫 渡辺 晃 俣野 一郎 村上 穆 柴崎 信吾 加畑 治 西崎 統 大宮 彬男 岩崎 徹也 奥宮 暁子 鈴木 妙 貝森 則子 大橋 ミツ 川井 浩 石川 友衛 加世田 正和 宮澤 多恵子 古賀 知行 西川 眞八 桜井 勇 三宅 史郎 北野 周作 竹洞 勝 北郷 朝衛 橋本 信也 斉藤 宣彦 石田 清 畑尾 正彦 平川 顕名 山本 浩司 庄村 東洋 島田 恒治 前川 喜平 久保 浩一 鈴木 勝 今中 雄一 木内 貴弘 朝倉 由加利 荻原 典和 若松 弘之 石崎 達郎 後藤 敏 田中 智之 小林 泰一郎 宮下 政子 飯田 年保 奥山 尚 中川 米造 永田 勝太郎 池見 酉次郎 村山 良介 河野 友信 Wagner G. S. 伊藤 幸郎 中村 多恵子 内田 玲子 永留 てる子 石原 敏子 河原 照子 石原 満子 平山 正実 中野 康平 鴨下 重彦 大道 久 中村 晃 倉光 秀麿 織畑 秀夫 鈴木 忠 馬渕 原吾 木村 恒人 大地 哲郎 宮崎 保 松嶋 喬 桜田 恵右 西尾 利一 森 忠三 宮森 正 奥野 正孝 江尻 崇 前沢 政次 大川 藤夫 関口 忠司 吉新 通康 岡田 正資 池田 博 釜野 安昭 高畠 由隆 高山 千史 吉村 望 小田 利通 川崎 孝一 堀 原一 山根 至二 小森 亮 小林 建一 田中 直樹 国府田 守雄 高橋 宣胖 島田 甚五郎 丸地 信弘 松田 正己 永井 友二郎 向平 淳 中嶌 義麿 鎮西 忠信 岡田 究 赤澤 淳平 大西 勝也 後藤 淳郎 下浦 範輔 上田 武 川西 正広 山室 隆夫 岡部 保 鳥居 有人 日向野 晃一 田宮 幸一 菅野 二郎 黒川 一郎 恩村 雄太 青木 高志 宮田 亮 高野 純一 藤井 正三 武内 恵輔 南須原 浩一 佐々木 亨 浜向 賢司 本田 麺康 中川 昌一 小松 作蔵 東 匡伸 小野寺 壮吉 土谷 茂樹 岡 国臣 那須 郁夫 有田 清三郎 斎藤 泰一 清水 強 真島 英信 村岡 亮 梅田 典嗣 下条 ゑみ 松枝 啓 林 茂樹 森 一博 星野 恵津夫 正田 良介 黒沢 進 大和 滋 丸山 稔之 織田 敏次 千先 康二 田中 勧 瓜生田 曜造 尾形 利郎 細田 四郎 上田 智 尾島 昭次 大鐘 稔彦 小倉 脩 林 博史 島 澄夫 小池 晃 笹岡 俊邦 磯村 孝二 岩崎 栄 鈴木 荘一 吉崎 正義 平田 耕造
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.145-173, 1984
著者
〓刀 正行 藤森 一男 中野 武 原島 省
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.1001-1008, 2002-11-05
参考文献数
8
被引用文献数
4 4

人為起源の有害化学物質による海洋汚染は, 様々な輸送過程を経て全球的な規模の汚染へと進みつつある. 本研究は, フェリーを観測プラットフォームとして海水中の有害化学物質の存在状態とその動態を従来に比較して時間的・空間的に密な観測態勢を確立することにより明らかにするものである. 海水中の低濃度有害化学物質を高密度に観測するためにポリウレタンフォームを抽出剤とする固相抽出法を用いたフェリー搭載型連続濃縮捕集システムを開発し, 同システムにおける最適捕集条件を把握するとともに, 大阪-沖縄間の航路における観測を実施した. また, システムの一部自動化を実施した. 同航路上における有害化学物質は, 主にHCH, クロルデン, ノナクロルなどの農薬を中心として, 数pg/lから数百pg/lの広い濃度範囲で検出された. &beta;-HCHは, 瀬戸内海の大阪湾から数百pg/lの比較的高い濃度で検出された以外は, 太平洋沿岸域で100pg/l前後, 黒潮及び沖縄周辺で100pg/l以下と低濃度であり, 季節や気象条件の変化に関係なくほぼこの傾向が見られた. 一方, &alpha;-HCHの濃度分布はおおむね&beta;-HCHと類似しているが, 気象条件 (輸送過程の変化) によりその濃度がかなり変化することが明らかとなった. また, クロルデンは, 多くの観測域で数pg/l程度と極めて低濃度であり, ほとんどの地点で検出限界近くであったが, 瀬戸内海及び沖縄近海で若干高い傾向が見られた. ノナクロルは, クロルデンよりも更に濃度及び変化が少ないが, 検出される位置はクロルデンと類似している. これらの濃度分布及びその変動は, 使用が禁止された以後も様々なリザーバーに蓄積している有害化学物質が徐々に再放出しているか, あるいはより汚染度の高い地域から輸送されてきていることを示唆している.
著者
平井 裕子 井上 敏江 中野 美満子 大瀧 一夫 児玉 喜明 中村 典
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.147, 2009

広島の原爆被爆者より提供された大臼歯のエナメル質を用いて、電子スピン共鳴法(ESR)により、放射線被曝線量を推定している。今回、歯の提供者で末梢血リンパ球の染色体異常頻度を測定した92人(FISH法とギムザ法の両方またはいずれか一方の方法で測定)について、ESRによる測定を行い、両者を比較した。ESR信号強度はコバルトガンマ線量の検量線を用いて線量に換算した。染色体異常検査はギムザ法とFISH法を用いた。前者はギムザ染色した100個の分裂像を、後者は染色体1,2,4をFISH により蛍光染色して500個の分裂像を観察し、得られた頻度から年齢ならびに中性子の影響を差し引いてガンマ線量に換算した。調査した被爆者の中で、両方の方法で染色体異常頻度を調べた37人については得られた結果は互いによく一致していた。これらの被爆者のデーターとしてはFISH線量を用いることとし、その他のギムザ染色法によるデーターしかない35人とFISH染色法によるデーターしかない20人計92人について、ESR線量と染色体線量を比較したところ良い相関が得られた。しかし、染色体線量は高いのにESR線量が低い例が7例あった。これらは1例を除いては知歯や被爆時年齢が5歳以下であったので、測定した歯が被爆時に十分発達していなかったと解釈される。他方ESR線量が染色体線量よりもかなり高い例が9例あった。これらについては医療被曝の可能性を調査したが、現在までのところ医療被曝の情報は得られていない。以上の生物学的線量評価の結果を被爆時の爆心地からの距離と遮蔽条件を基に計算したDS02線量に対してプロットすると分布の幅が大きくなることが分かった。今回、92名という少ない対象数ではあるが、全く異なる方法(ESR法 とFISH法)を用いて推定した個人線量が良い相関を示したことは、既に4000人もの被爆者から情報を得ている染色体異常頻度から推定した個人線量を、DS02線量と比較すれば、個人線量の偏りの程度と方向を推定できる可能性がある。
著者
鈴木 知代 中野 照代 藤生 君江 入江 晶子 仲村 秀子 顧 寿智 片山 京子 任 輝 謝 小燕
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
聖隷クリストファー大学看護学部紀要 (ISSN:13482017)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.99-107, 2004-03-31
被引用文献数
1

個人・家族・地域の力量を高めるための地域看護活動の要因を検討する目的で、中国の重慶市の中心地にある市区と郊外にある大足県の4家族の家庭訪問調査と地区踏査を実施した。その結果より「育児のサポートカの強さ」、「家族のきずなの強さ」、「近隣の相互扶助力の強さ」そして「個人のセルフケア能力の高さ」が共通の特徴として抽出された。家族機能と家族・親族・近隣が支え合う伝統的な地域コミュニティの存在が確認された。