著者
久保田 義弘
出版者
札幌学院大学総合研究所
雑誌
札幌学院大学経済論集 (ISSN:18848974)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-20, 2013-03

15世紀末から16世紀前半のイングランド王国やフランス王国の対立する国際情勢の中で,スコットランド王国のアイデンティティを模索した国王ジェイムズ4は,イングランド王国の支配や征服を回避したが,徐々にイングランド王国との一体化政策に飲み込まれていった。本稿では,宗教改革前夜のスコットランド王国の歴史的出来事からそのことを検証する。イングランド王国によるスコットランド王国の征服・併合策謀は,エドワード1世(在位1272年-1307年)やエドワード3世(在位1327年-1377年)時代からすでに現れていたが,しかし,スコットランド王国のイングランド王国からの第1次独立戦争(1306年から1328年まで)や第2次独立戦争(1329年から1377年ごろまで)でのスコットランドの勝利によって回避された。その両イングランド国王は,スコットランド王国に臣従を迫り,スコットランドを直接的に支配しようとした。テューダ朝においては,ヘンリー7世の治世下での経済力伸展に基づいて,ヘンリー8世のフランス侵攻戦略と呼応させ,イングランド王国による一体化攻勢がスコットランドに向けられた。1603年のジェイムズ6世(在位1567年-1625年)による同君連合や1707年のイングランドとスコットランドの議会連合によるイングランド王国とスコットランド王国の併合・一体化に到る萌芽がすでにヘンリー8世の永久平和条約とジェイムズ4世とマーガレット・テューダの結婚(1503年)に始まっていたことを提示する。国際情勢下におけるスコットランド王国とウォーベック問題に対するジェイムズ4世の外交政策とその後のジェイムズ4世のイングランドとの対応とフロドゥンの戦いについて概観する。最後に,ジェイムズ5世の政治体制の特徴を概説する。論文
著者
久保 高明 安田 大典 渡邊 智 石澤 太市 綱川 光男 谷野 伸吾 飯山 準一
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.124-134, 2017-10-31 (Released:2017-12-21)
参考文献数
49

背景:頻回のバスタブ浴を行う日本の中高年者は,睡眠の質やメンタル面が良好であるとの諸家の報告がある.  目的:本研究の目的は,大学生の入浴スタイル(シャワー浴,バスタブ浴,無機塩類含有炭酸ガス入浴剤添加浴)の違いが,睡眠と気分・感情に及ぼす影響を検討することである.  対象と方法:普段シャワー浴のみの健常学生20名(平均年齢20.3±2.1歳)を対象とし,41℃の浴槽に肩まで浸漬し10分間入浴する群(BB)と,前述の浴槽に無機塩類含有炭酸ガス入浴剤常用量30gを添加し入浴する群(BBK)について,各々を2週間で実施するcrossover研究を行った.なおwashout期間を2週間とし,研究開始の1週間前からのアンケート調査を含めて,計7週間の研究を2015年10~12月に実施した.計測項目は睡眠に関するものはOSA睡眠感調査票MA版(OSA-MA)および1ch式ポータブル睡眠脳波計(EEG)で,OSA-MAは毎朝記載させ,EEGは毎就寝中に計測した.気分・感情に関するものは日本語版Profile of Mood States短縮版(POMS),うつ病自己評価尺度(SDS),やる気スコア(AS)で2週間ごとの計4回記載させた.  結果:睡眠について,OSA-MAの「起床時眠気」と「疲労回復」はシャワー浴に比べBBKで有意差を認めた.EEGについては有意差を認めなかった.気分・感情について,POMSのT得点は,シャワー浴に比べBBで活気(V)が有意に値が高かった.そしてシャワー浴に比べBBKで活気(V)が有意に値が高く,疲労(F)で有意に値が低かった.POMSのtotal mood disturbance (TMD)スコアは,シャワー浴に比べ,BBおよびBBKで有意に値が低かった.SDSスコアはシャワー浴に比べBBKで有意に値が低かった.ASはシャワー浴に比べBBおよびBBKで有意に値が低かった.  考察:睡眠については,BBKでは炭酸ガスによる血管拡張作用や無機塩類による浴後保温持続効果,そして香りや色調による疲労軽減・活力低下予防効果がOSA-MAの主観的評価に影響を及ぼしたと考えた.気分・感情については,睡眠脳波では有意な差を認めなかったため,睡眠とは独立した因子,すなわち温熱暴露習慣が気分や感情に関する中枢神経機能に影響を及ぼしたものと考えた.  結論:シャワー浴習慣からバスタブ浴習慣に行動変容することは,健常学生のメンタルヘルスを向上させる.
著者
田久保 浩
出版者
イギリス・ロマン派学会
雑誌
イギリス・ロマン派研究 (ISSN:13419676)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.67-80, 2015

<p>Frederick Jones suggested in his notes to Shelley's letter to John Gisborne that the poet's own description of <i>Epipsychidion</i> as a mysterious poem written only for the <i>Synetoi</i>, the initiated, was an intentional mystification. In spite of critics who agree with Jones's view considering either Shelley's anxiety about finding an audience for the poem or the need to protect himself from attacks based on misconstrued relationships, it seems worthwhile to see the poem as indeed an "esoteric" poem. </p><p>Shelley always felt like a <i>Synetoi</i> as part of an intellectual minority carrying, like Prometheus, secret wisdom as their only weapon against the powerful and repressive establishment. Shelley's increasing sense of disappointment in finding audience in his later years led him to the idea of poetic tradition in which the best poetic spirit is disseminated across time as he eloquently argued in <i>A Defence of Poetry</i>. He saw himself as participating in that great tradition. <i>Epipsychidion</i> has characteristics as an esoteric text with its assumed distinction between the initiated and the uninitiated. Reading the poem as an exoteric text with ritualistic elements answers a number of questions, including the issues of its elaborate Renaissance style, the ambiguous identity of the "Sweet Spirit," the relevance of the philosophic statement on love to the idealized history of the poet, its concern with poetry and language, the reason for the apparently escapist message of the <i>envoi</i> to get away from the ignorant mass, and finally, the political implications this poem may possibly have. The ideal esoteric audience for Shelley would appreciate the imaginative poetic language of the poem, understand the poetic tradition that celebrates love as exemplified by Dante, and share Shelley's view that the social institution of marriage sustains the sexual discrimination, the property system, and inequality. The poem is supposed to provide a ritual for the purpose of inspiring visionaries to unite and follow the imagination and the love principle so that, despite the adverse time, the tradition of imaginative poetry can be transmitted to future generations.</p>
著者
水野 紀子 河上 正二 早川 眞一郎 渡辺 達徳 小粥 太郎 久保野 恵美子 米村 滋人 中原 太郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、先端的医療・医学研究の実施に際して、患者・被験者等の利益を保護し、生命倫理の観点から逸脱した行動を規制しつつ、適正な範囲での先端的医療・医学研究の発展を可能にすべく、その法的規律を明確化することを目指した。アドホックな個別の利益衡量ではなく、民法の一般法理論との関連において、生殖補助医療やヒト生体試料の法的地位などの具体的問題について分析・検討して,解決に向けた具体的指針を提供した。
著者
久保 俊一 新井 祐志 高橋 謙治
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

分子シャペロンであるheatshockprotein70(HSP70)は,低酸素環境に対するストレス応答機構として軟骨細胞に誘導され,基質代謝を亢進し,細胞を保護していた.われわれは,関節軟骨にHSP70を安全に,効率的に誘導する方法としてアミノ酸であるグルタミンを関節内注射し,すでに臨床応用されているマイクロ波で温熱刺激を加える方法を開発した.このHSP70誘導療法は,動物実験で変形性関節症の進行を抑制した.グルタミンと温熱療法を併用したHSP70誘導療法は変形性関節症の新規保存療法として臨床応用につながる可能性がある.
著者
小林 弘明 久保田 泰徳 山田 博道 保本 朋宏 沖田 美紀 平田 晴美 金森 久幸 豊田 安基江
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.15-20, 2003-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

平成12年3月, 黒毛和種繁殖牛を9頭飼育する農家で, 畜主が牛舎近くで枝打ちした木の枝を敷料として使用したところ, 約12時間後に5頭が神経症状を示し, そのうち3頭が約60時間以内に死亡した. 病性鑑定の結果, 第一胃内容からシキミ葉を多数認め, また, シキミ葉から0.5mg/gのアニサチンを検出した. さらにシキミ葉抽出液をマウスに投与したところ, 立毛, 嘔吐様症状, 開脚姿勢, 歩様異常等の神経症状を認めたことから, 本症例をシキミによる中毒と診断した.
著者
日野 光紀 小野 靖 小久保 豊 杣 知行 田中 庸介 小俣 雅稔 市野 浩三 上原 隆志 工藤 翔二 葉山 修陽
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.347-354, 2002-04-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
17

1998年日本結核病学会予防委員会より院内感染対策についてのガイドラインが指導され, ツベルクリン反応 (以下, ツ反) 二段階法が推奨されている。これにはブースター効果を含めた結核感染診断に際して対照値 (ベースライン値) の記録を必要とする。われわれは612名の医療関係者に対しツ反二段階法を行った。その結果を分析し至適方法を確立すること。さらに, ツ反施行前に質問用紙を用いて過去のBCG接種歴, ツベルクリン反応歴およびその反応値を聴取し, その保存状況を把握することを目的とした。ほとんどの者が過去の測定値管理が不十分であった。二段階法の結果, 発赤径, 硬結径ともにブースター効果を認めた。さらに, 年齢別の硬結径の拡大径で壮年群のほうがより拡大傾向にあった。さらに, 職種別, 勤務部署別の計測値には統計学的有意差は得られなかった。二段階法ツベルクリン検査1回目の発赤径値が30mm以上の計測値でありながら2回目で10mm以上の拡大を認める被検者が多くいることから, 院内感染管理の上でこのような対象者に対しても二段階法を施行することが必須であると考えられた。
著者
安高 啓明 久保 春香 長屋 佳歩 川端 駆
出版者
熊本大学大学院人文社会科学研究部安高啓明研究室
巻号頁・発行日
2018-05-29

安高啓明研究室×附属図書館連携企画展IV 解説シート
著者
大久保 直美
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.102-106, 2011-03-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
6

強い芳香を持つユリは,狭い空間に置くとにおいが充満するため,不快に感じられることがある.強い香りを持つ花の利用を広げるため,ユリ「カサブランカ」を用いて花の香りの抑制方法を検討した.「カサブランカ」の香気成分を分析した結果,不快臭を有する成分は芳香族化合物と考えられたことから,香気成分生成抑制剤としてフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL : phenylalanine ammonia-lyase)阻害剤を選択した. PAL阻害剤処理区において,香気成分量はコントロールの10〜20%程度となった.官能的にも,PAL阻害剤処理を行ったユリの香りは,無処理区に比べ弱まった.以上のことからPAL阻害剤は,「カサブランカ」の香りの抑制に利用できると考えられる.
著者
小橋 有里 井口 真理子 大久保 剛揮 藤井 崇 熊谷 武久 渡辺 紀之
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science (ISSN:0913882X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.46-50, 2013-06-25
参考文献数
19

欧州食品安全機関(EFSA)は2012年6月4日,ヒト及び動物に重要な抗菌剤への細菌の感受性の評価に関する手引書を公表した(EFSA,2012)。薬剤耐性の問題から,抗菌剤の使用の際には,感受性の評価が欠かせなくなっているのが現状である。動物用飼料に使用する抗菌性飼料添加物及び抗菌剤については,1997年のEUでのアボパルシンの使用中止以来,様々な議論がなされてきている。デンマークでの抗菌性飼料添加物の使用を中止したことによる家畜の疾病増加や生産性低下,また治療用抗菌剤の使用量の増加といったマイナス面等を踏まえ(小林,2004),我が国でも,内閣府食品安全委員会が2004年に「家畜等への抗菌性物質の使用により選択される薬剤耐性菌の食品健康影響に関する評価指針」を作成(内閣府食品安全委員会,2004),2006年に「食品を介してヒトの健康に影響を及ぼす細菌に対する抗菌物質の重要度のランク付けについて」を決定(内閣府食品安全委員会,2006),その後も個別の薬剤についてワーキンググループによる調査を続けている。その一方で,抗菌性飼料添加物に依存しない減投薬飼養管理システムの構築を目指した研究も行われている(農林水産省農林水産技術会議事務局編集,2009)。離乳子豚に乳酸菌を添加した発酵リキッド飼料を給与すると,抗体応答を賦活化すること(MIZUMACHIら,2009),薬剤耐性菌を減少させること(KOBASHIら,2008),腸内細菌の多様度が高まること(TAJIMAら,2010)などが報告されており,抗菌性飼料添加物の代替効果が注目されている。また,近年,乳酸菌の生菌剤だけでなく,殺菌菌体による腸管免疫活性化作用も注目されており,子豚にEnterococcus faecalis殺菌菌体を摂取させると,志賀毒素産生性大腸菌(STEC)によって引き起こされる浮腫病の改善が見られたとの報告もある(TSUKAHARAら,2007)。このような殺菌菌体成分による作用はバイオジェニックスのひとつで,バイオジェニックスとは「腸内フローラを介さず直接,免疫刺激,抗変異原作用,抗腫瘍作用,抗酸化作用,コレステロール低下作用あるいは腸内腐敗抑制作用などによって,生体に有利に働く成分」であり,乳酸菌発酵生産物,免疫強化物質を含む生理活性ペプチド,植物フラボノイドなどの成分が該当すると言われている(光岡,2002)。現在,多くのバイオジェニックス製剤が市販されており,様々な効果が報告されているが,実際の動物を用いた効果は様々であり,適用の範囲は不明である。本研究では,既にヒトやマウスでアレルギー症状の緩和等の免疫活性効果が確認され,市販されている殺菌乳酸菌Lactobacillus paracasei K71(以下K71,MOROIら,2011;KUMAGAIら,2013)粉末を用い,抗菌性飼料添加物を排除した条件で,知見のない離乳子豚に対する発育,下痢,小腸組織および病原因子に及ぼすK71の効果を検証した。
著者
長岡 智明 櫻井 清子 国枝 悦夫 渡辺 聡一 本間 寛之 鈴木 保 河川 光正 酒本 勝之 小川 幸次 此川 公紀 久保田 勝巳 金 鳳洙 多氣 昌生 山中 幸雄 渡辺 敏
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.239-246, 2002 (Released:2011-10-14)
参考文献数
16
被引用文献数
11

We have developed high-resolution voxel models of the whole body from MR images of Japanese adult male and female volunteers. These models can be used for dosimetry simulation of exposure to radiofrequency electromagnetic fields over 1GHz. The MR images were taken by making a series of scans over several days; that is, a subject was scanned in several blocks. Scan parameters were optimized for head and body, respectively, in order to get practical contrast and to save data acquisition time. An implement was used to keep the position and form of the subject. All of the MR images were converted to TIFF format. The continuities between different blocks of the data were corrected to form a whole body. Furthermore, the resolution of the images was changed into 2×2mm. Male and female models were segmented into 51 tissues and organs. This segmentation was performed manually using popular image-processing software. The developed models consisted of isotropic voxels with a side of 2mm. Although the masses of the skin and small-sized tissues and organs of the models deviated from the averaged values for Japanese due to the limitation of spatial resolution, the masses of the other tissues and organs and the morphometric measures were nearly equivalent to those of the average Japanese. The models are the first voxel models of the average Japanese that can be used for the dosimetry of electromagnetic fields over 1GHz. Furthermore, the female model is the first of its kind in the world. The models can also be used for various numerical simulations related to Japanese human bodies in other fields of research.
著者
溝口 亨 加藤 葉子 久保田 仁志 竹腰 英夫 豊吉 亨 山崎 則之
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.257-263, 2004-12-10
被引用文献数
2

エゾウコギ根抽出物 (EUE) の機能性を探索することを目的とし, 動物試験を実施した。EUEの安全性評価において, 最大用量6,000mg/kgの単回投与毒性試験および最大用量3,000mg/kg/dayの2週間反復投与毒性試験では, 異常は認められなかった。ビタミンC欠乏飼料で飼育したモルモットを対照群, ビタミンC欠乏飼料にEUEを0.25%の割合で配合した飼料で飼育した群をEUE投与群とし, 30日間飼育し, 飼育28日目に除毛して背部皮膚に紫外線照射を行い, 30日目に紫外線照射部位の過酸化脂質含量および紫外線非照射部位のコラーゲン含量を測定した。その結果, EUE摂取により皮膚の過酸化脂質生成およびコラーゲン含量低下が有意に抑制されることが認められた。冷水に15分間浸漬したラットの体温低下状態からの回復時間を測定した試験では, EUE 500mg/kgの2週間投与により対照群と比較して体温回復時間が有意に短縮され, その作用は末梢血液循環改善によるものと考えられた。マウスを用いた強制水泳負荷後の水泳耐久時間測定試験では, EUE 500mg/kgの2週間投与により対照群と比較して水泳耐久時間の有意な延長がみられ, この作用はEUEの抗疲労作用による可能性が示唆された。以上の結果, EUEは皮膚過酸化脂質生成抑制作用およびコラーゲン減少抑制作用, 末梢血液循環改善作用, 抗疲労作用を有する可能性が示唆された。
著者
大久保 いづみ
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.4_25-4_51, 2015

<p>This paper examines the influence of foreign alliances on competitive advantage in the Japanese record industry prior to World War Ⅱ. In pre-war Japan, the main industry competitors were Nihon Chikuonki Shokai (NCS), Nihon Victor Chikuonki (NVC), Nihon Polidor Chikuonki (NPC), King Record (King), Teikoku Chikuonki (Teikoku), and Dainihon Chikuonki (Dainihon). NCS and NVC had alliances with companies in the United Kingdom and the United States, while NPC and King partnered with German record companies. In contrast, Teikoku and Dainihon remained purely Japanese companies, without foreign affiliations.</p><p>What benefits did the record companies receive from their foreign partnerships? And, how did the alliances influence the strategies of their counterparts?</p><p>As concerns Western music recordings, the companies with foreign alliances maintained a formidable competitive advantage throughout the pre-war period. On the other hand, for recordings of Japanese music, technological disparity between firms with foreign alliances and solely Japanese firms were essntially erased, and the latter rose to competiveness with the former, especially in the so-called "ryukoka" (Japanese popular songs) market. Thus, the foreign-allied-companies were forced to focus on Japanese music more than ever, this in turn accelerated the expansion of the Japanese music records market. In this context, foreign-partnered companies, such as NCS and NVC, made important contributions to "the golden age of ryukoka".</p><p>Until the beginning of the 1930s, the keys to competitive advantage in the Japanese record industry involved the introduction of new technologies and the sale of Western music records, based on alliances with foreign companies. After the mid-1930s, however, the capability to produce and sell records of Japanese music played a larger role in determining competitive advantage within the industry.</p>
著者
舟木 匡志 内田 大貴 久保田 潤一
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.61-77, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
57

狭山丘陵は,埼玉県と東京都の県境に位置する,豊かな自然環境が広がる首都圏有数の丘陵地のひとつであり,現在も豊富な水資源に由来する谷戸やため池,湿地が点在し,多様な水生生物の生息が確認されている.本報告では,2020 年に狭山丘陵の都立公園内の水域で,水生甲虫類と水生半翅類を対象として調査を実施した.その結果,水生甲虫類8 種,水生半翅類13 種の計21 種が採集・確認された.そのうちレッドデータブック東京2013 選定種はヒメガムシ,オオアメンボの2 種であり,東京都初記録がツヤナガアシドロムシの1 種であった.