著者
海老原 和雄 浴本 久雄 一町田 裕子 安部 史紀 井上 博 青柳 祥子 山下 巧 小結 明子 高橋 克俊 吉岡 修 松田 明
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.872-885, 1978-12-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
19

1962年, 梅沢, 等1) によつて発見されたブレオマイシン (以下BLM) は, 墓礎的研究をへで, 1965年はじめて市川, 等2) によつて臨床研究がおこなわれ, 陰茎癌に著るしい効果がみいだされた。その後, BLMは過去10年間の間に, 皮膚, 頭頚部, 口腔等の扁平上皮癌, ホジキン病, 睾丸腫瘍等に単独または併用によつて, 秀れた効果を発揮し, 固型癌の化学療法の治療体系の中に, 確固たる立殿確立した。BLMの臨床的研究は, 国の内外で広くおこなわれたが, その結果, 種々の扁平上皮癌, 睾丸腫瘍等の有効疾患, 投与方法, 併用療法について, 数多くの知見が得られたが, 薬剤の安全性の面からみると, BLMは多くの他の制癌剤と異なって, 骨髄毒性, 免疫抑制を示さない特徴をもっとともに, 肺に対する毒性が注目され, 高頻度ではないが, 時に致死的な副作用ともなる肺の線維症は, BLMの臨床使用上の1つの制限因子として, 臨床家の注目を集めた。梅沢, 等は3), BLMの研究の初期において, そのマウスの生体内分布性を抗菌活性および, 放射活性の両面から詳細に検討して, 抗腫瘍性をもつ物質の生体内分布の研究によつて, それが, 臨床応用されたばあいの有効性, 毒性の標的臓器を推定しうる方法論を確立した。それは, 「物質が高濃度に分布し, 分解を受けにくいか, 活性化を受けやすい腫瘍または臓器組織には有効性または毒性を発現する」と要約される。一方, 臨床研究の進行と平行しておこなわれたBLMの化学, 生化学, 発酵工学的研究の進歩によつて, 約300種に及ぶ末端アミンを異にする誘導体がつくられた。我々は4), これらの物質を梅沢の方法論にしたがつて, 従来のBLMと比較して,(1) BLMと同じ制癌スペクトルであるが, 抗腫瘍力が強い,(2) BLMより制癌スペクトルの拡大のあるもの,(3) 生体内分布に特徴をもつ,(4) 肺毒性が減少しているもの等を目標として選択をおこなつた。第1次スクリーニングにおいては, 抗菌, 抗腫瘍性 (HeLa S3細胞培養, マウスエールリッヒ腹水および固型癌) マウスを用いる臓器分布およびマウスを用いる肺線維化能について検討した。1次スクリーニングで選抜さ物質の中には, ラットAH66, AH66F, マウスL1210移植癌について検討したものもある。2次評価においては, 特定臓器の癌への有効性を検討することを主とし, 動物移植癌では代用し得ない癌においては, 実験方法および評価の困難性, 充分な動物数を得られない等の制約があるが, 動物自然発生腫瘍および, 化学発癌腫瘍を用いて検討した。本報告においては, 上記の方法によつて選抜した硫酸ペプレオマイシン (以下NK631と略) の諸性状について, 同時におこなったBLMの成績と対比して報告する。NK631の構造は, Fig.1に示すとおりである。
著者
後藤 時政 井上 博進
出版者
Japan Management Diagnosis Association
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18834930)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.243-254, 2006

本研究では, わが国大手企業の特許認識を調査するため, 2004年度四季報に掲載されていた上場企業の中から, 一般機械, 電気機器, 輸送用機器, 精密機器, 化学工業製品企業882社にアンケートを送り, 特許取得状況, 特許活用および特許トラブルの状況などについて調査した。本調査から得られた結果を中小企業の結果と比較しながら, 大手企業の特許認識の状況を明らかにし, その特許戦略について提言を試みた。
著者
稲葉 雅幸 星野 由紀子 井上 博允
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.80-86, 1998-01-15
被引用文献数
17 7

We present design and implementation of a tactile sensor system, sensor suit, that covers the entire body of a robot. The sensor suit is designed to be soft and flexible and to have a large number of sensing regions by using electrically conductive fabric and string. The whole signals from the sensor suit are superimposed on a visual image of the robot. The construction of sensor suit with 160 sensing elements for a full-body humanoid and the experimental results to evaluate electrically conductive fabric and the tactile sensing unit are described.
著者
井上 博允
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會誌 (ISSN:00214728)
巻号頁・発行日
vol.73, no.618, pp.946-954, 1970-07-05
被引用文献数
4
著者
矢野 博美 田原 英一 田中 祐子 村上 純滋 前田 ひろみ 伊藤 ゆい 吉永 亮 上田 晃三 土倉 潤一郎 井上 博喜 犬塚 央 三潴 忠道
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.99-106, 2015 (Released:2015-08-12)
参考文献数
10

54歳女性。左大腿ヘルニアが,整復不可能となり,外科で1ヵ月後に左大腿ヘルニア根治術を受けたが,イレウスのため入退院を2度繰り返した。小腸壁の浮腫はあるが,諸検査で器質的な閉塞機転を認めなかった。しかし腹痛が持続するため,当科に転科した。腹痛のために食事が摂れず47kg から37.5kg まで減少したので中心静脈栄養管理を行った。陣痛のような激しい腹痛により額に冷汗を認め,倦怠感のため臥床がちであった。皮膚は枯燥し,脈候は浮,大,弱,濇であった。腹候は腹力弱で,下腹部優位の腹直筋緊張を認め,腹壁から腸の蠕動が観察された。附子粳米湯で治療を開始したが無効で,腸管の蠕動が腹壁から見えることから大建中湯,皮膚枯燥と腹直筋の緊張を認めることから当帰建中湯の証があると考え,中建中湯加当帰に転方したところ,転方5日目から腹痛は消失した。大腿ヘルニア術後の偽性腸閉塞症に漢方治療が有効で試験開腹を免れた。
著者
松山 雅子 土山 和久 住田 勝 井上 博文 畠山 兆子 香山 喜彦 羽田 潤
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

現職教員向けメディア学習実践理論書と学習ソフトをセットした『自己認識としてのメディア・リテラシーPARTII』(学習ソフトDVD付)(松山雅子編著・香山喜彦プログラムデザイン、畠山兆子、羽田潤、粟野志保、増田ゆか、松尾澄英、土居安子分担執筆)』(教育出版、2008年8月20日、全262頁)を刊行し実践現場に寄与するべく、平成18年度から継続的行ってきた学習プログラム試案とそれに基づく小中学校および大学におけるパイロット授業、学習者反応の検討、現職研修ワークショップと指導者反応の考察を行った。
著者
井上 博子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.61-78, 2012-03-26

Unter Kurrenden versteht man die vom Mittelalter bis zum frühen 19. Jahrhundert vornehmlich aus bedürftigen Knaben der unteren Klassen der Lateinschulen gebildeten Chöre. Die vorliegende Abhandlung behandelt die Entstehung der Kurrende, die Eisenacher Kurrende, den historischen Hintergrund der Kurrende, ihre Geschichte im Mittelater, in der Reformationszeit, den Gesang in der Kurrende. Der Staats- und Domchor Berlin führt teilweise die Geschichte der Kurrende fort. Gegenwärting gibt es sehr viele Knabenchöre in Deutschland. Es besteht Grund zu Annahme, dass sich der Begriff der Kurrende später mehr oder weniger auf alle mit einem öffentlichen Auftrag versehene Chöre ausdehnte, unabhängig von ihrer Zusammensetzung und näheren Zweckbestimmung.
著者
井上 博子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.55-72, 2013-03-25

Die Kantate "Das klagende Lied" war das erste Werk Mahlers. Er schrieb das Libretto anhand der Märchen "Der singende Knochen" aus den grimmschen Kinder- und Hausmärchen und "Das klagende Lied" aus Ludwig Bechsteins Neuem deutschen Märchenbuch. Die erste Fassung vollendeter 1880. Aber nach der Fertigstellung bearbeitete Mahler das Manuskript mehrmals nach. Mahler teilte in der ersten Fassung dem "Knochen-Lied" eine Knabenstimme zu, änderte dies jedoch in der überarbeiteten Fassung in eine weibliche Stimme um. Der vorliegende Aufsatz geht der Frage nach, warurm die Knabenstimme, der in der ersten Fassung ein großes Gewicht zukam in der überarbeiteten Fassung durch eine weibliche Stimme ersetzt wurde, wie diese Veränderung zu bewerten ist, und welche musikalische Wirkung dies entfaltet. In der gegenwärtigen Aufführungspraxis wird trotz dieser durch Mahler vorgenommenen Veränderung häufig die Urfassung aufgeführt. Das Ergebnis des Vergleichs der Urfassung mit der überarbeiteten Fassung lenkt die Aufmerksamkeit auf die Notwendigkeit und die musikalische Wirkung der Knabenstimme. Mahlers Bearbeitung wirft somit erneut die Frage nach der Bedeutung der Knabenstimme auf.
著者
井上 博允
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.7, no.12, pp.839-844, 1968-12-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
9

Artificial hands have been investigated for various aims; one such aim is to use them for industrial robots for automation of material handling and assembling.In this paper, fundamental problems lying in the industrial robot are considered, and one prototype mode ldeveloped by the author is introduced.This artificial hand has the senses of touch, force and position. The signals from these detectors are processed logically, and are used for controlling the motion of the hand. This hand can perform five fundamental operations, and if a simple program composed of a sequence of fundamental operations and of position references is given, it can carry out a sequence of various operations automatically.Such artificial hands may be useful for flexible automation. Moreover, the usefulness of such hands may be largely increased if they are incorporated with artificial eyes which can detect positions and recognize patterns.
著者
日野 瑛太 森口 昇 杉谷 勇二 井上 博文 山田 健治
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.707-709, 2013-09-25 (Released:2013-11-26)
参考文献数
6

Crowned Dens Syndromeとは,1985年にBouvetらによって報告された,急性の後頸部痛をきたす軸椎歯突起周囲の結晶誘発性関節炎である.今回,我々はCrowned Dens Syndromeの3症例を経験したので報告する.症例は男性1例,女性2例で,いずれも70代で急性発症の頸部回旋時痛で発症した.うち2例はCRPの上昇が見られ,3例とも軸椎歯突起周囲の石灰化像は単純X線像では見出せなかったが,単純CT像で確認することができた.いずれもNSAIDsで数日以内に症状は改善した.高齢者の,急性に発症する強い頸部痛の原因としてCrowned Dens Syndromeを念頭に置く必要がある.