- 著者
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三浦 美奈子
井上 智子
- 出版者
- 一般社団法人 日本がん看護学会
- 雑誌
- 日本がん看護学会誌 (ISSN:09146423)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.2, pp.14-22, 2007 (Released:2017-02-01)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
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1
要 旨本研究の目的は,食道がんに罹患し3領域リンパ節郭清を伴う食道切除再建術を受けた患者が,手術後の経口摂取開始時から退院後早期までの時期に直面する食の再獲得の困難を明らかにし,その過程を支えるために必要な看護支援について検討することである.胸部食道がんにより右開胸開腹胸部食道切除胸壁前胃管再建術を受け,経口摂取が開始された患者9名を対象とした.面接と参加観察によりデータを収集し,得られたデータを質的帰納的に分析した.分析の結果,食道がん術後患者の食の再獲得の困難を表すカテゴリーとして,【食べるまでに非常な労力を要する】【嚥下・消化・吸収のすべてに苦労する】【不快な症状の予測・対策・対応ができない】【不快な症状により生活に影響が生じる】【食べたいのに食べられない】など,9つが導き出された.そして,食の再獲得の困難の構造は,〔食の構え〕〔不快な症状の出現と予測の困難さ〕〔食がもたらす生活基盤の混乱〕〔食の喜びの喪失〕の4つの部分から構成された.これらのことから,食の再獲得を促すための看護支援として,症状アセスメントに基づいた看護ケア,自分らしい食の構築,新たな楽しみの獲得と人生の創造に向けたかかわりが重要であることが示唆された.