著者
高津 良介 牧 宥作 権藤 聡志 井上 智雄 岡田 謙一
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.42, pp.1-8, 2015-01-19

オーケストラをはじめとした大人数の演奏形態は身近な存在となり,アマチュアを中心としたオーケストラも多数見られるようになった.大人数による音楽演奏の場において,指揮者の存在は演奏をまとめる上で重要である.指揮者に求められる専門知識の敷居は高く,アマチュアオーケストラにおいては指揮者不足が問題として挙げられている.その状況に焦点を当てた,指揮者不在でも演奏を成立させるための仮想指揮者の研究が存在する.しかし,それらの仮想指揮者は人間の指揮ほど多種多様な表現を行えないため,演奏内容を豊かにするだけの指揮能力を持たせることは困難である.そこで我々は,演奏者一人一人に指揮を行う環境を提案する.本システムでは,演奏者全員の面前にタブレット端末を配置し,これに演奏者の役割に応じた個別の仮想指揮者を表示する.それぞれの仮想指揮者のタイミングは同期を取る.このシステムによって,高い指揮能力を持つ仮想指揮者を実現し,指揮者不在でも演奏しやすい環境を提供できることが期待できる.Instrumental performances which consist of a large number of people, such as the orchestra, have been familiar. In addition, orchestras consist of many amateur musicians are often seen. When music is played by a large group, what becomes most essential in order to put together a performance is the existence of the conductor. A conductor is required of a wide range of expertise, and shortage of conductors due to this load, has been a serious problem within amateur orchestras. Focusing on such situations, there are studies using a Virtual Conductor in order to make performances workout in the absence of the conductor. Unfortunately, these Virtual Conductors obviously lack variety of expressions than human conductors, so it is difficult for the conductor to have conducting abilities to enrich the performance. Therefore, we suggest an environment where each performer can have one conductor to conduct them. In this system, tablets are placed in front of each player. Separate Virtual Conductors are in display that could provide personalized directions that suit their role in the orchestra. Timing of each Virtual Conductor is synchronized. This system can realize a Virtual Conductor with high conducting ability, and is expected to make possible to provide supportive playing environments for amateur players without the conductor.
著者
佐藤 克 村中 志朗 増川 洋史 杉山 和寿 小林 元郎 今林 徹 南 尚人 渡辺 智之 鈴木 綾香 重松 美加 井上 智
出版者
獣医疫学会
雑誌
獣医疫学雑誌 (ISSN:13432583)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.33-34, 2011-07-20 (Released:2013-01-04)

Overseas, the surveillance on companion animals have been reported by "NASPHV (National Association of State Public Health Veterinarians)", "CCWHC (Canadian Cooperative Wildlife Health Centre)", "ECDC-EFSA (European Center for Disease Prevention and Control - European Food Safety Authority)", "CSVID (Chilean Society of Veterinary Infectious Diseases)". According to pet boom in Japan, the disease surveillance of pets utilized IT (information technology) becomes available by spreading of "insurance-for-pets" and Electric Health Record in animal hospitals. We report challenges and results of new pet-surveillance by using of clinical data in animal hospitals. Clinical data of companion animals were analyzed by using cloud computing and electrical patient records without personal identifiers. Analyzed history, profile and clinical information of cases were rapidly feedback to veterinary surgeons in automated fashion from the system. The surveillance is designed with intention to answer some questions of the transmission routes of zoonotic diseases. Cloud computing combined with electrical patient records provided environment for easy daily operation with automated real-time feedback of data collation and limited descriptive analysis as additional advantage. Public and animal health epidemiologist may be able to provide further time trend, statistical, and geo-spatial analysis using with whole or subsets of this readily available database. Together the surveillance will improve understanding of pet animal health in the community and transmission of zoonosis in between human and animal.
著者
平井 佑樹 井上 智雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.61-66, 2011-08-19

プログラミングを行う方法の1つとして,2人1組になって行うペアプログラミングがある.ペアプログラミングによるプログラミングは協調作業であるが,これはプログラミング学習の方法としても用いられている.本研究では,プログラミング学習時のペアプログラミングの成功事例と失敗事例を比較分析した.分析では作業中の会話に着目し,失敗事例の方が発話が長いこと,説明の繰り返しが多いこと,一方的な発話が多いことが分かった.この知見は,ペアプログラミングにおいて協調作業がうまく進んでいるかどうかを判断する手がかりを提供し,協調作業の状態推定に有効であると考えられる.
著者
北原 圭吾 井上 智雄 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.3054-3062, 2006-11-15
被引用文献数
9

情報通信技術の発達により,初等教育などでは,野外での学習活動にも情報機器が利用されるようになってきているが,学習を深めるためには,野外での活動はもちろん,それと対となる事前事後の学習が重要であると考えられる.本論文では,野外で集めた動植物のデータを使って協調的に復習を行うためのテーブルトップインタフェースについて報告する.写真や草花といった実物体の周りに動植物の成長や周辺の関連データといった電子データを表示させるなどして,現実空間における学習と情報空間における学習を組み合わせることで,両者の利点を活かした学習を行える.協調学習という観点から考えると,効率的なデータの受け渡し手法が必要であると考えられるため,数種類のデータ受け渡し機能を実装した.評価実験の結果,情報空間における学習を取り入れることで,より短時間で必要な情報を把握できること,実装した情報の受け渡し手法が有用であることが分かった.We focused on face-to-face collaborative learning in a classroom using spatio-tempral contents, which is typically conduted after outdoor class in an elementary school. We have developed a tangible collaborative learning support system that uses real objects and associating spatio-temporal contents. Temporal data sequence that shows growth of a plant and geographic data collection are presented by the system. Methods for exchanging contents on the system that are thought to be suitable for face-to-face collaborative learning have been also implemented. Better information accesibility is proved to be provided by the system than conventional pen and paper method.
著者
高津 良介 牧 宥作 権藤 聡志 井上 智雄 岡田 謙一
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-93, no.42, pp.1-8, 2015-01-19

オーケストラをはじめとした大人数の演奏形態は身近な存在となり,アマチュアを中心としたオーケストラも多数見られるようになった.大人数による音楽演奏の場において,指揮者の存在は演奏をまとめる上で重要である.指揮者に求められる専門知識の敷居は高く,アマチュアオーケストラにおいては指揮者不足が問題として挙げられている.その状況に焦点を当てた,指揮者不在でも演奏を成立させるための仮想指揮者の研究が存在する.しかし,それらの仮想指揮者は人間の指揮ほど多種多様な表現を行えないため,演奏内容を豊かにするだけの指揮能力を持たせることは困難である.そこで我々は,演奏者一人一人に指揮を行う環境を提案する.本システムでは,演奏者全員の面前にタブレット端末を配置し,これに演奏者の役割に応じた個別の仮想指揮者を表示する.それぞれの仮想指揮者のタイミングは同期を取る.このシステムによって,高い指揮能力を持つ仮想指揮者を実現し,指揮者不在でも演奏しやすい環境を提供できることが期待できる.
著者
佐々木 孝輔 林 勇吾 井上 智雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.53, pp.1-8, 2014-03-06

プログラミング学習手法の 1 つに,コーディングを行う Driver と,Driver に対してアドバイス等を行う Navigator の役割に分かれて作業を進めるペアプログラミングがある.このペアプログラミングにおける学習者の行動および会話と,学習の成否については関係性があることが報告されている.本研究では分散同期環境を想定した,テキストチャットを用いるペアプログラミング支援システムを開発するため,音声対話における行動および会話と学習の成否についての関係性がテキスト対話においても認められるかを検証する実験を行った.その結果,Driver が課題において発生するエラーを解決するために要する時間が長くなるほど,2 者のテキスト対話後における Driver のコーディング動作の頻度,および両者によるチャットの頻度が減少することが判明した.また本研究では,この結果を生かしたシステム開発の指針についても言及する.
著者
幡鎌 一弘 井上 智勝
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

神道の本所である吉田家の玄関帳「御広間雑記」元禄12(1699)年~宝永7(1710)年のインデックス約6200点を作成し、近世神道史研究を発展させるための基礎的作業を行った。あわせて、吉田家・白川家の対抗を考える上で重要な人物である臼井雅胤の活動と、臼井と一条兼香・道香によって創設された白川家八神殿の背景を明らかにした。さらに、17世紀後半における神職による神仏分離の活動が祭礼の由緒の説明に影響を与えていることを示した。
著者
井上 智雄
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2010-2012
著者
武川 直樹 木村 直樹 井上 智雄 湯浅 将英
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

人が共に食事をする「共食」を例題に会話コミュニケーションを分析し,日常的コミュニケーションの相互行為の仕組みを明らかにし,共食支援システムを実現する研究を実施した.共食評価用会話コーパスを作成し,書き起こしたデータから共食中の会話の順番交替,食事動作の構造を解明した.たとえば,聞き手は会話への関与の度合いに応じて摂食タイミングを調整しコミュニケーションの構築に寄与していることを明らかにした.また,人と共食をするエージェントSurrogate Diner,ビデオメッセージを通じて疑似的に非同期な共食をするKIZUNAシステムを開発した.共食コミュニケーションに改善効果があることを明らかにした.
著者
井上 智洋
出版者
早稲田大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

「技術進歩による生産性の上昇」と「産出ギャップ(需要不足)を解消しようとする市場調整」とが同時継続的に起こる経済をモデル化した。そのような経済では貨幣成長率を技術進歩率に等しくするような金融政策を維持しなければ、長期的な産出ギャップとデフレーションが発生する。すなわち、長期的なデフレ不況に陥るのである。
著者
北原 圭吾 丸山 祐太 井上 智雄 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.49, pp.37-42, 2005-05-26
被引用文献数
2

近年,協調学習を支援する様々な研究が行われている.本稿では,小学校で行なわれている野外学習に注目し,中でも教室における復習作業が重要であると考え,実世界指向インタフェースを用いて効果的な野外学習の復習支援を行う手法を提案する.時空間情報を保持したデータを用い,動植物の成長を示すデータやその周辺のデータを効果的に提示する手法を実装した.また協調学習を行なう上では,効率的なデータの受け渡し手法が必要であると考え,そのための機能についても実装した.We focused on collaborative learning in a classroom using spatio-tempral contents, which is typically conduted after outdoor class in an elementary school. We propose and implemented a tangible collaborative learning support system that uses spatio-temporal contents. Temporal data sequence that shows growth of a plant and geographic data collection are presented by the system. Moreover, we implemented methods for exchanging contents on the system that are thought to be suitable for face-to-face collaborative learning.
著者
井上 智雄 瓶子 和幸
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.1962-1971, 2008-06-15

近年,インタラクティブな広告や対象者に合わせた情報提示手法が研究されている.しかし,従来の研究では対象者の属性情報の獲得が容易ではなく,嗜好情報の登録や専用機器の携帯が必要であるなど利用者の負担をともなっている.そこで我々は,利用者の負担をなくしながらも有効な広告を提示するシステムとして,複数人の関係に基づく適応的広告システムGAS(Group-adaptive Advertisement System)を提案・開発した.本システムの特長は,複数人の間の対人距離からその関係を判別し,それに応じて適切な広告を提示する点にある.評価実験から,対人距離情報などから75%程度の精度で対人関係が判別できることが分かり,また,複数人の関係に基づく広告が,そうでない広告と比べて有効であることが認められた.
著者
野原 精一 広木 幹也 井上 智美
出版者
独立行政法人国立環境研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

島嶼における河川水や地下水の物質輸送が,どの程度沿岸域に影響をおよぼすのかを評価することを目的として,東京都小笠原諸島と八丈島および伊豆大島の島嶼で,1997年~1999年及び2005~2008年に陸水及ひ、海水の採水.i海藻の調査を行った。小笠原父島や母島の河川水の栄養塩環境は夏期に低く,冬期に高い季節変化が見られた。伊豆の島岨の地下水の硝酸態窒素は高い濃度にあり,沿岸域の海藻の重要な窒素源となっているが,近年の生活形態や農業による水需要の変化によって,陸からの沿岸域への陸水供給減少に伴う栄養塩供給の減少と考えられた。海藻のi515N値から陸水の栄養塩の影響を受け沿岸域の富栄養化が時代とともに進んで、きたと推定された。その影響は伊豆大島,八丈島,小笠原と本州から離れるにつれて小さくなってきていた。近年の伊豆大島,八丈島の海藻のi5 15N値の低下は,陸からの陸水の栄養塩類供給が減少してきていることを示唆した。
著者
柳井 晴夫 亀井 智子 中山 和弘 松谷 美和子 岩本 幹子 佐伯 圭一郎 副島 和彦 中野 正孝 中山 洋子 西田 みゆき 藤本 栄子 安ヶ平 伸枝 井上 智子 麻原 きよみ 井部 俊子 及川 郁子 大久保 暢子 小口 江美子 片岡 弥恵子 萱間 真美 鶴若 麻理 林 直子 廣瀬 清人 森 明子 奥 裕美 外崎 明子 伊藤 圭 荘島 宏二郎 植田 喜久子 太田 喜久子 中村 洋一 菅田 勝也 島津 明人 金城 芳秀 小林 康江 小山 眞理子 鶴田 恵子 佐藤 千史 志自岐 康子 鈴木 美和 高木 廣文 西川 浩昭 西山 悦子 野嶋 佐由美 水野 敏子 山本 武志 大熊 恵子 留目 宏美 石井 秀宗 大久保 智也 加納 尚美 工藤 真由美 佐々木 幾美 本田 彰子 隆 朋也 中村 知靖 吉田 千史 西出 りつ子 宮武 陽子 西崎 祐史 山野 泰彦 牛山 杏子 小泉 麗 大西 淳子 松本 文奈 鶴見 紘子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

近年、看護系大学の急増と医療の高度化に伴い、卒業までに取得すべき看護実践能力の評価の重要性が増加している。その一環として、臨地実習に入る直前の段階までに看護学生が取得すべき知識・能力を正しく評価しておくことは看護実習の適正化のための急務の課題である。このような状況に鑑み、申請者は、2008~2010年に科学研究費補助金を受け、看護系大学の学生が臨地実習以前に必要とされる知識・能力の有無を検証することを目的として、看護学18領域から約1500の多肢選択式形式の設問を作成し、730名の学生に紙筆形式のモニター試験、および、220名の学生に対するコンピュータ試験(CBT:Computer Based Testing)を実施し、その結果を比較し、全国看護系大学共用のコンピュータ試験の有用性を確認した。
著者
高崎 智也 井上 智生 藤原 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム
巻号頁・発行日
vol.96, no.291, pp.1-8, 1996-10-09
被引用文献数
3

通常の部分スキャン設計では一部のフリップフロップ(FF)をスキャンFFに置き換えてテスト生成容易な順序回路に変換している. 本論文では, FFに限らず順序回路内の信号線をバイパスFF(スキャンとバイパスの機能を有するFF)に置き換え, テスト生成容易な順序回路に変換する拡張部分スキャン設計の方法を提案する. テスト生成容易な順序回路としては組合せテスト生成複雑度でテスト生成可能な内部平衡構造順序回路を対象とする. この拡張部分スキャン設計において, スキャン化による面積オーバーヘッドが最小となるようにフリップフロップや信号線を選択する方法を述べる. さらに, 拡張部分スキャン設計された回路のテスト生成問題を考察する.