著者
古宮 誠一 今泉 俊幸 橋浦 弘明 松浦 佐江子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-03-12

プログラミングの初学者にとって,プログラムの記述から,そのプログラムの挙動を思い描くことは難しい。その原因は,初学者がプログラムの実行を制御する構文の記述内容が変わるとプログラムの挙動がどのように変化するかということを理解できていないからだと考えられる。そこで著者らは,制御構文と再帰関数を採り上げ,これらの構文の記述内容によってプログラムの挙動がどのようになるか,プログラムの挙動を可視化するシステム AZUR を開発した。そして,AZUR をプログラミングの演習授業に導入し,学生達が使用した結果を分析することにより,AZUR の可視化機能がプログラミングの学習に有効であることを示している。It is difficult for beginner programmers imagine how a program does behave. It is thought that the cause is because beginners cannot understand it how the behavior of the program changes when control statements (e.g. if-statement, while-statement, switch-statements) are changed. Therefore they focused on control statements and recursive function, and developed system AZUR which visualized the behavior of the program. And they introduce AZUR into a programming class and verified that a visualization function of AZUR is effective for learning of the programming by analyzing the result that students used.
著者
高林 克日己 末石 真 冨岡 玖夫 今泉 照恵 吉田 尚 杉山 隆夫 木村 亮 井坂 茂夫 島崎 淳
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.1579-1585, 1985-11-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
14
被引用文献数
3 10

全身性エリテマート一デス(SLE)にまれながら間質性膀胱炎を合併することが最近示され,これはlupus cystitis (ループス膀胱炎)と呼ばれている.今までにこのループス膀胱炎の本邦におけるまとまつた報告はなかつたが,われわれは最近4例のループス膀胱炎と思われる症例を経験した.いずれも中年女性で,頻尿などの膀胱症状を訴えて発症し,亜急性に進行して水腎症に至つている.これらの患者はまたいずれにも悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状を合併していた.うち1例はステロイド療法・腎瘻造設術後も腸管運動の低下からイレウスを繰り返し,消化管出血により死亡した. 1例は腎瘻造設後にネフローゼ症候群が出現しSLEと診断された.他の2例はループス膀胱炎と診断後,ステロイド療法により膀胱・消化器症状の改善をみた.本疾患はまれではあるが,膀胱の他消化器症状を合併するなど特有の臨床像をもつたSLEのsubgroupの一つと考えられる.しかし既知の特定の自己抗体との相関は認められなかつた.また1例で消化管粘膜下の血管にimmune depositsを認めたが,膀胱では明らかな血管炎はみられなかつた.この疾患は初期には他覚的所見に乏しく,診断が遅れる傾向があるが,早期治療により症状の改善が期待できることから,膠原病患者の膀胱症状に遭遇した際には,念頭におかなければならない疾患と考えられる.
著者
中村 明夫 今泉 晃 柳川 幸重
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.124, no.4, pp.427-434, 2004-10-01
被引用文献数
2

β<sub>2</sub>アドレナリン交感神経受容体(β<sub>2</sub>-AR)刺激薬の大部分は未変化のまま腎臓より排泄されるため,ネフロンを通過する過程でなんらかの薬理学的効果を発揮すると思われる.しかしながら,β<sub>2</sub>-ARの腎機能調節における役割が明らかにされていないため,実際の使用時には,このような薬理効果は考慮されていない.腎臓のβ<sub>2</sub>-ARは主に近位尿細管上皮細胞と,腎動脈の平滑筋細胞膜に分布している.これらの発現の部位を考えれば,β<sub>2</sub>-ARは糸球体機能や,ネフロンでのナトリウムと水分バランスに作用していると思われる.実際,β<sub>2</sub>-AR刺激薬を投与すると腎糸球体濾過率は著しく低下する.一方,β<sub>2</sub>-AR刺激薬は腎臓での炎症性サイトカイン,例えばTNF-αの産生を阻害する.さらに,β<sub>2</sub>-AR刺激薬は溶血性尿毒症症候群(HUS)の志賀毒素によるアポトーシスの誘導を抑制することがわかっている.腎臓のβ<sub>2</sub>-AR機能に関して薬理学的根拠に基づいた理解を進めることは,呼吸器疾患で投与されるβ<sub>2</sub>-AR刺激薬の腎機能を考慮した適正使用についてや,敗血症とHUSに伴う腎臓の炎症や障害に対する治療について重要かつ新しい情報を提供することになる.<br>

1 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.武家名目抄(塙保己一), 1906
著者
飯島 健太 今泉 祥子 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
no.2013, pp.1-2-1-"1-2-2", 2013-12-18

Aiming an automatic method for creation of pixel art, four Imaging processes, Lanczos-Resampling, MDA-Clustering, Canny Edge Detector, and Coloring of Contour process were used. The last process is particularly new proposal of pixel art and results in an expression almost like 16-bit video-game console.
著者
赤星 正純 飛田 あゆみ 今泉 美彩 瀬戸 信二
出版者
(財)放射線影響研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

放射線影響研究所・長崎研究所では原爆の後影響を縦断的に調査する目的で、1958年より原爆被爆者7,564名(男性3,374名、女性4,190名)を対象として、2年に一度検診を行っている。1958年から2003年(平成15年)までに死亡したり、他市へ転居したりしたために平成15年と16年に実際に受診した対象者は1,691名(男性586名、女性1,105名)である。この対象者で、問診、診察、身長・体重測定、血圧測定、一般検血、生化学検査(血清コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、CRP、インスリン)、腹部超音波検査、心電図検査、脈波速度測定を行い、このうち325名ではアディポネクチン測定を行った。肥満度が大きいと血圧、中性脂肪、LDL-コレステロール、尿酸、空腹時血糖、HbAlcが高く、逆にHDL一コレステロールは低値であった。肥満に伴いHOMO-IRは高くなり、インスリン抵抗性が増大する事が示唆された。肥満者では脈波速度の増大を認め、肥満に伴い動脈硬化が進展していると考えられた。また肥満者では脂肪肝の合併が多く、この脂肪肝では高血圧、高中性脂肪、低HDLコレステロール、耐糖能異常、高尿酸血症を伴い、アディポネクチンが低下していた。脂肪肝ではアディポネクチンの低下によりインスリン抗性が増大する事で高血圧、高中性脂肪、低HDL-コレステロール、耐糖能異常、高尿酸血症を合併し、動脈硬化が引き起こされると考えられた。原爆被爆で脂肪肝が増える事により、被爆者では脈硬化が進展し、心筋梗塞の増大が認められると考えられた。
著者
今泉 光雅 大森 孝一
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.209-212, 2015 (Released:2015-08-31)
参考文献数
11

外傷や炎症,術後に形成される声帯瘢痕は治療困難な疾患である.その治療は,動物実験や臨床応用を含めて,ステロイド薬や成長因子の注入,種々の細胞や物質の移植などにより試みられているが,現在まで決定的な治療法がないのが実情である.2006年,山中らによってマウス人工多能性幹細胞(iPS細胞)が報告された.2007年,山中らとウイスコンシン大学のDr. James Thomsonらは同時にヒトiPS細胞を報告した.iPS細胞は多分化能を有し,かつ自己由来の細胞を利用できるため声帯組織再生の細胞ソースの一つになりうると考えられる.本稿では,幹細胞を用いた声帯の組織再生について述べるとともに,ヒトiPS細胞を,in vitroにおいて声帯の上皮細胞に分化誘導し,声帯上皮組織再生を行った研究を紹介する.
著者
関口 和正 今泉 和彦 藤井 宏治 千住 弘明 水野 なつ子 坂井 活子 笠井 賢太郎 佐藤 元 瀬田 季茂
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本鑑識科学技術学会誌 (ISSN:13428713)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.33-40, 1997 (Released:2010-02-06)
参考文献数
29
被引用文献数
11 11

Nucleotide sequences of 2 hypervariable regions (HV1, HV2) within the control region of human mitochondrial DNA (mtDNA) were analyzed from 55 unrelated Japanese. About 700 nucleotides were sequenced by using the nested PCR and the solid-phase direct sequencing methods. Comparison of these sequences with Anderson's reference sequence revealed 97 mutation types within 93 positions, and 11 positions of them were novel. Fifty five samples analyzed were classified into 52 different sequences, while 3 pairs have shown the same sequences. Comparison of the Japanese sequences to those reported from other populations indicated many differences in such a point that the substitutions at 16,223 and 73 in Japanese were more frequent than those in Caucasian, while the substitutions at 16,126 and 16,311 in Japanese were less frequent than those in Caucasian. Twenty one of 55 samples analyzed showed a T-to-C transition at the position 16,189 of the C-stretch region in the HV1 region. This replacement caused the blurred bands on the sequence image, which resulted in the ambiguity of exact number of cytosine in the C-stretch region of HV1. For this ambiguity, the number of cytosine in the C-stretch region should not be currently taken into account in forensic practices of individualization of evidence samples. Regardless of such problem, the polymorphisms of HV1 and HV2 regions are highly useful for individual identification.

1 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.安斉随筆(伊勢貞丈), 1906
著者
阿波 邦彦 堀江 淳 長江 真弥 村田 伸 林 真一郎 今泉 裕次郎 市丸 勝昭 直塚 博行 白仁田 秀一 江越 正次朗 堀川 悦夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Db1202-Db1202, 2012

【はじめに、目的】 COPDの骨格筋筋力低下は、全身持久力、ADL、健康関連QOLの低下、予後にも影響している。今回、外出に制限が生じ始める6分間歩行距離400mをもとに、大腿四頭筋筋力を体重で除した体重支持力指数(WBI)のカットオフ値を求めた。そして、そのカットオフ値でCOPD患者を2群に分け、身体機能、身体能力、ADL、健康関連QOLの比較をすることでWBIのカットオフ値の有用性を検討した。【方法】 対象は、研究の参加に同意が得られた男性COPD患者116名であった。平均年齢は74.4±8.7歳、BMIは20.6±3.8、%FEV<sub>1.0</sub>は50.8±23.6%であった。なお、対象の選定は、歩行に支障をきたすような骨関節疾患、脳血管障害や重篤な内科的合併症の有する者、理解力が不良な者、測定への同意が得られなかった者は対象から除外した。主要測定項目はWBIとした。副次測定項目はmMRC息切れスケール、呼吸筋力検査(PImax、PEmax)、握力、片足立脚時間、5m最速歩行時間、Timed Up and Go Test(TUG)、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)、6分間歩行距離(6MWD)、漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)、長崎大学呼吸ADL質問票(NRADL)、健康関連QOLはSt George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)とした。予後指標はupdated BODE indexとした。統計学的解析は、外出に制限が生じ始めるWBIのカットオフ値を6MWD-400m以上群と未満群に分け、ROC曲線にて分析した。また、分析されたWBIのカットオフ値でWBI高値群と低値群に分け、2群間にて副次測定項目の比較をStudents' t-testで分析した。なお、帰無仮説の棄却域は有意水準5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は、佐賀大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施し、ヘルシンキ宣言に沿った研究とした。なお、対象には研究の主旨、方法、同意の撤回などについて文書を用いて口頭にて説明したうえで同意を得て実施した。【結果】 外出に制限が生じ始めるWBIのカットオフ値は54.7であった。なお、ROC曲線下面積は0.798、感度は0.735、1-特異度は0.348であった。WBI高値群とWBI低値群における副次測定項目の比較は、mMRC息切れスケール(1.8±1.0vs2.3±1.0、p=0.008)、PImax(85.1±35.3vs56.0±28.8cmH<sub>2</sub>0、p<0.001)、PEmax(82.4±37.5vs54.4±32.1cmH<sub>2</sub>0、p=0.001)、握力(33.5±7.2vs 25.5±7.8kg、p<0.001)、片足立脚時間(67.0±42.0vs 22.7±30.2秒、p<0.001)、5m最速歩行時間(2.9±0.9vs3.9±1.5秒、p=0.001)、TUG(6.0±1.8vs9.1±4.6秒、p<0.001)、CS-30(18.3±4.5vs13.4±5.0回、p<0.001)、6MWD(416.7±110.6vs281.0±139.4m、p<0.001)、ISWT(411.9±170.4vs247.3±149.5m、p<0.001)、NRADL(78.7±20.3vs63.9±26.7点、p=0.001)、updated BODE index(3.7±3.0vs7.4±4.8、p<0.001)に有意差が認められた。しかし、SGRQ(39.3±17.5vs45.9±18.1、p=0.06)には有意差は認められなかった。【考察】 COPD患者における外出に制限が生じ始めるWBIは中等度の予測能を認めた。WBI低値群は、WBI高値群よりも各身体機能、身体能力、ADL、予後指標において有意に低値を認めた。これは先行研究と同様の結果であった。しかし、健康関連QOLに有意差は認められなかった。その原因として、健康関連QOLには筋力などの身体機能以外にも不安や抑うつなどの精神的症状も関与しているためと考えられる。今回の研究では、外出制限を6MWDの測定値で検討しているため、想像の域を脱していないことである。そのため、今後の課題は外出制限の具体的な設定や患者背景を検討してゆく必要がある。【理学療法学研究としての意義】 本研究は、外出に制限を生じ始めるWBIのカットオフ値を推定する一つの指標となりうる可能性が示唆された。しかし本研究では検討課題も多く残された。そのため今後も研究を重ねていき臨床の場面にて活用できるような指標に展開したいと考える。
著者
佐々木 元延 飯田 和己 阿部 代樹 今泉 一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.359-360, 1991-02-25

近年、プロセスブログラミング等ソフトウェア(以下S/W)開発プロセスそのものをS/Wと考え、プロセスを記述する研究が進められている。最近の当社QCサークル活動の活動テーマにおいてもこの様な設計手順や、設計の生産物であるドキュメント作成方法等、設計プロセスに関するテーマが増カロしておりプロセスの標準化が要望されている。一方、S/W品質向上のために品質機能展開を活用したQC工程表によってソフトウェアの開発工程における品質の作り込みが図られている。そこで、開発手順の標準化を、プロセスプログラミングの思想を取り入れると共に品質の作り込みも同時に実現出来るようにQC工程表の形式で実施した。本稿では工程の考え方、QC工程表作成状況について報告する。
著者
中尾 喜久 佐藤 茂秋 内村 英正 三浦 恭定 藤岡 成徳 衣笠 恵士 今泉 真澄 武藤 徹一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.246-251, 1968-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

トロトラストによる遅発障害は,肝硬変•胆管癌など,肝を中心としたものがかなり報告されているが,血液疾患を来たした例は少ない.われわれはトロトラスト注入後22年目に発症したと思われる赤白血病の症例を経験したので報告する、症例は59才男で,昭和19年に左大腿動脈よりトロトラストによると思われる血管造影術を受け,昭和39年ころよりパーキンソン症候群が出現し, 41年当科を訪れて高度の貧血と後に末梢血中に幼若細胞を発見され,骨髄所見などから臨床的に赤白血病と診断され,同時に腹部X線像で異常陰影があり,ヒューマンカウソター,オートラジナグラフィーでトロトラスト沈着が確認された.剖検でも脾•リンパ節•骨髄•肝にトロトラスト沈着が発見され血液細胞の異型性,各臓器への細胞浸潤などから病理学的にも赤白血病と診断され,放射能を持つトロトラストと赤白血病発症との関係が問題となつた.
著者
松田 時彦 山崎 晴雄 中田 高 今泉 俊文
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.795-855, 1981-03-07

The Rikuu earthquake (M = 7. 2) occurred in the Mahiru Mountains in Tohoku district on 31 August 1896. Associated with the earthquake, reverse faults appeared on the surface along the western and the eastern feet of the Mahiru Mountains (Table 1 and Fig. 1), which are known as Senya and Kawafune earthquake faults (YAMASAKI, 1896), respectively. This was the largest on-land surface faulting of reverse fault type among events in historical time in Japan. These surface faults were re-studied.

1 0 0 0 OA 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.安斉随筆(伊勢貞丈), 1906