著者
伊藤 昭
出版者
空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学 (ISSN:03864081)
巻号頁・発行日
vol.86, no.9, pp.849-854, 2012-09-05
参考文献数
13
著者
勅使 宏武 寺田 和憲 伊藤 昭
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.445-456, 2015-11-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
32

We are developing a method of emotion expression with blinking pattern. Our previous study confirmed that emotions expressed by blinking pattern are perceived correctly, and are able to elicit prosocial behavior from those who see the emotion expressions. In the present study, we investigated whether our artificial emotion expression reinforces perceived emotion when people listen to short stories from a robot. Experimental results showed that, for some stories, blinking colored eyes of a robot reinforce the subjective perception of the target emotion and weaken the other emotions.
著者
伊藤 昭 崎村 雄一 森本 正一 網中 眞由美 堀 賢 平松 啓一
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.352-357, 2008-09-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
11

インフルエンザから地球規模で瞬時に拡大するような未知の感染症に至るまで, 感染症に対する病院での万全を期した備えの必要性はますます高くなっている. 特に外来領域は, 病院に対して外部からの感染因子が持ち込まれる入口であることから, 感染症疑い患者に対する迅速なトリアージによる振り分け, 感染制御に配慮した環境作りが求められる. ここでは, 順天堂医院の医師, 看護師を対象にアンケート調査を行い, 外来領域の使用実態, 建築空間の感じ方, 感染制御に対する考え方, 環境・設備機能の改善点を抽出した. 診察室や処置室において感染対策上で問題を感じていること, 外来初診患者の適切な振り分けによる待ち時間の短縮を図ること, 感染症患者専用の診察待合や隔離スペースが必要との回答が得られた. また, 国内・海外の従来事例の比較検討においては, ある程度の隔離スペースを保持するものの, 動線の区分や感染症発生時期以外に有効に運用されているかどうかなどについて不明瞭なケースも多いことが分かった. このような結果から, 感染制御に配慮した外来領域の計画や建設, 環境整備が必要と考えて, 感染制御に最適なトリアージモデルプランを提案する. 通常時から感染症発生時, さらに大流行時といったフェーズ毎にフレキシブルに運用可能な診察ユニットを配置し, 清潔・汚染区域や人・物の動線分離を明確に設定, 感染制御に適した建築・設備面の仕様を示す. 本トリアージプランを実践することは, 機能性, フレキシビリティー, 省スペースといったデザイン上のコンセプトをかたちにするのみでなく, 病院建築において常時, 効率的な運用を図るという観点からも重要であると考えられる.
著者
上井 雅史 伊藤 昭 田中 隆晴 平野 弘之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.D3P2516, 2009 (Released:2009-04-25)

【はじめに】ベゲタミンの大量服用で横紋筋融解症を呈した統合失調症症例の大腿四頭筋麻痺の1例を経験した.リハビリテーション(以下リハ)の経過につき報告する.今回の報告はヘルシンキ宣言に従い症例に説明をして了承を得た.【症例】31歳、女性.既往歴:統合失調症、糖尿病.【現病歴】2007年6月中旬にベゲタミンを大量服用し意識障害が出現.某大学病院救命センターに搬送され血液浄化療法を受ける.発症10日目からリハが開始され、7月12日に退院となった.7月13日に当院を受診しリハ開始となった.【初期評価】徒手筋力テスト(MMT)の結果:両股関節屈曲4および外転が4であった.両膝関節伸展が0、屈曲が4であった.両足関節伸展が4、屈曲が4であった. ADL能力:Barthel index 55点、起居動作は手すりつき椅子自立、歩行能力はロフストランド杖使用で屋内監視、屋外歩行は軽介助であった.【経過】2007年7月17日から筋力およびADL訓練を開始した.8月11日に歩行が自立、階段昇降も監視で可能となった.9月1日には大腿四頭筋に筋収縮が感じられMMTが1となった.9月14日に階段の上りが自立した.9月21日には階段の下りが自立した.11月6日に膝関節伸展が2となった.1月28日には膝関節伸展が3となった.4月22日には膝伸展筋力が4であった.春先になると思考がまとまらないなど統合失調症の症状が増悪、および筋力訓練が辛いとなどの理由で通院頻度が減少した.そのため運動プログラムを一時中止、ストレッチや温熱療法などに変更することで、通院中止による社会参加の機会が減少するのを防止した.その後、活動面は徐々に増加し10月中旬より授産施設に復帰が可能となった.【考察】統合失調症を合併する横紋筋融解症の経過報告は我々のみた限りで少ない.類似した事例として阪神大震災時のクラッシュ症候群の報告がある.それによると16週以降でも歩行に至らなかった症例が10例中3例と筋力回復には長期要すると予想された.統合失調症へのリハが社会適応を目的としている事も考慮し、筋力回復主体ではなくclose packed position(CPP)で骨靭帯性の支持力を利用した歩行をさせることで、早期に歩行を自立させ早期社会復帰に向けモチベーションを維持させた.筋力が十分でない場合Closed kinetic chainでは靭帯、軟部組織に対し負担を増加させる.そのためOpen kinetic chainから開始するのが良いといわれている.本症例でもADL自立度が改善する一方で、膝関節に力学的負担が増加し膝関節痛が出現し筋力改善がプログラムを中断してしまった.統合失調症は自己管理能力が必要以上に乏しく肥満、関節負担の軽減が困難である.歩行動作を優先しプログラムが中断した点は反省すべき点であった.筋力訓練の停滞はあったが、一旦獲得した機能が著しく低下することがなかった.通院による身体活動および社会への参加の増加が身体機能維持につながったためと考えられた.
著者
岩尾 一生 小林 道也 及川 孝司 中駄 優作 藤崎 博子 室谷 光治 伊藤 昭英 辻 昌宏 井出 肇 遠藤 泰 関川 彬 齊藤 浩司
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.112-117, 2008 (Released:2009-09-04)
参考文献数
14
被引用文献数
4 1

A questionnaire survey was conducted to investigate the use of health foods among outpatients with diabetes mellitus (DM) at the Health Sciences University of Hokkaido Hospital.Responses were obtained from 69.2% of the patients (180 out of 260).The proportions of patients who had used health foods previously or were using them at the time of the survey were 16.7 and 37.2%,respectively,indicating that more than half of the patients had experience of taking health foods and this was irrespective of sex and age.The most frequently consumed health foods were Aojiru (n=25)followed by Kurozu (n=24)and blueberry extract (n=17).Among the health foods taken,those that influence blood sugar considerably were guava leaves polyphenol (n=16),Gymnema sylvestre extract (n=1),Gymnema sylvestre tea (n=1),and Aloe Vera (n=1).One patient was taking a Chinese health food that contained glibenclamide.Many patients took health foods to keep healthy and as a nutritional supplement,and most of them had not consulted their doctors or pharmacists about the use of health foods.More than 70% of the patients targeted by this study had complications such as hypertension.Since there is a possibility of health foods aggravating DM and its complications and of interactions between them and drugs used to treat DM,doctors,pharmacists and other co-medical workers should provide patients with information on the ingredients of health foods as well the adverse effects that they could have.
著者
伊藤 昭 矢野 博之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.944-952, 1997-05-15

自己の利益をのみ追求するエージェントの社会では,どのようにして協調が発現するのであろうか.我々は,過去の対戦履歴が公開されるという条件の下で,エージェントが囚人のジレンマと同型の対戦を,相手を次々と替えながら行わねばならないとき,どのような対戦戦略を採用すればよいのかを調べてきた.今回は,どのようにして協調的戦略が社会的に発現(進化)するのか,またそのための条件は何かなどを,遺伝的アルゴリズムの手法を用いて調べる.我々は,まず対戦戦略アルゴリズムを抽象計算器の上で定義する.次に,エージェントは対戦利益に応じて子を生成できるものとし,また子エージェント生成に際しては,戦略アルゴリズムに突然変異を導入してその進化を促す.その結果,最初単純なしっぺ返し戦略TFTから出発して,系は非協調的戦略を含む様々な戦略を持つエージェントを生成するが,生存競争の中でより強い協調的な戦略が成長してくることを示す.
著者
伊藤 昭 田中 隆晴 上井 雅史 平野 弘之(MD、PhD)
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第28回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.117, 2009 (Released:2009-08-11)

【目的】平成18年4月に厚生労働省が「医療機能の分化・連携と在宅生活への早期復帰」を掲げた。平成20年8月時の一般病床平均在院日数が18.8日と、平成15年の20.7日に比べ短縮した。在宅リハビリテーション(以下:リハ)を担う診療所リハの役割が重要になってきた。今回、我々は診療所の運動器リハ開設から1年8ヶ月間の運動器リハの来院数の推移、疾患群別来院比率及び天気変化による来院数変化の関係について検討した。 【対象】平成19年6月~平成21年1月の間に運動器リハを行った512例(男性131、女性381)平均年齢が66.2±16.3歳であった。 【方法】平成19年6月~平成21年1月までの月別来院数を集計した。対象の疾患を肩関節疾患群(以下:肩群)腰部疾患群(以下:腰群)膝関節疾患群(以下:膝群)頸部疾患群(以下:頸群)2種類以上の疾患複合群(以下:複合群)骨折後リハ群(以下:骨折群)手術後リハ群(以下:手術群)及びその他群(脳血管障害、難病等)に分け検討した。天気と来院数の変化の関係を気象庁のデーターを参考に検討した。 【結果】平成19年6月の一日平均リハ施行者数が40.3名で、平成20年12月には66.3名となった。対象疾患割合がそれぞれ、肩群8.3%腰群23.9%膝群15.7%頸群8.7%複合群25.7%骨折群1.9%手術群5.3%及びその他群10.5%であった。開設後に手術治療を施行した症例が6例であった。晴れ曇り雨の日及び日内気温変化が7度以上の来院率に有意差がなかった。悪天候日に来院率が上昇した群がその他群及び複合群で、下降した群が肩群及び膝群であった。前日との気圧が10hPa降下したとき肩群及びその他群の来院率が上昇し、腰群が下降した。他の群に変化がなかった。 【考察】平成19年6月から平成20年12月までに一日平均リハ施行者数が64.5%増加した。1998年の厚生労働省調査で日本の有訴率が腰痛、肩こり及び四肢関節痛の順に多く、日常生活及び外出に影響ある者が65歳以上で11%あった。当院の約8割の対象症例に同様の症状を認め、痛みで日常生活に影響する程になると症状の悪化防止・改善目的で来院すると考えられる。天気の変化では悪天候日及び気圧下降でその他群の来院率が上昇した。その他群の内訳が52%が脳血管障害、パーキンソン氏病等の難病疾患で19%が50歳以下の症例であった。他群と異なり付き添い者が多く、若く、ニーズ及びモチベーションが高い為天候に左右されず来院したと考えられる。また、その他群と肩群が気圧変化に伴う疼痛の変化が少ないと考えられた。一方、腰群は佐藤らと同様に気圧降下で痛みが増強し外出を控えたと考えられた。
著者
伊藤 昭 上井 雅史 田中 隆晴 平野 弘之
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 第27回関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
pp.24, 2008 (Released:2008-08-01)

【目的】肩関節周囲炎の治療期間に関する先行研究及び報告は多い。治療期間と運動療法の頻度及び注射療法の頻度に関する統一見解がない。今回、我々は肩関節周囲炎の治療期間と運動療法の頻度及び注射療法の関係について検討したので報告する。【対象】平成18年6月から平成20年1月の間に当院を受診した肩関節周囲炎患者28例34肩(右肩19肩、左肩15肩)であった。男性4例、女性24例、平均年齢64.7±9.6歳であった。リタイヤ患者及び変形性肩関節症など病変部位が明らかな患者は除外した。【方法】治療期間を、短期間群(1~4ヶ月間通院、n=17)及び長期間群(5ヶ月間以上通院、n=17)の2群に分けた。運動療法を週2回未満施行群(n=21)と週2回以上施行群(n=13)に分けた。注射療法をヒアルロン酸ナトリウム(以下、ヒアルロン注)の注射頻度及びステロイドの注射回数に分けた。ヒアルロン注の頻度がそれぞれ月1回(n=10),2週間に1回(n=13)及び2週間に1回以上(n=11)に分けて検討した。治療開始時と最終時の肩関節屈曲及び外転角度で治療成績を評価した。統計処理にStatcel2を用いた。各群間の比較に対応のあるt検定を用いた。治療期間と運動療法の頻度及びヒアルロン注頻度の相関関係をPearson’sの相関係数検定を用いた。有意水準を1%未満とした。【結果】長期間群の治療開始時と最終時の屈曲及び外転角度の間に有意差を認めた(p<0.01)。運動療法の週2回未満群と週2回以上群の治療開始時と最終時の屈曲及び外転角度の間に有意差を認めた(p<0.01)。ヒアルロン注の2週間に1度群の治療開始時と最終時の屈曲及び外転角度の間に有意差を認めた(p<0.01)。ステロイド注射回数の1回(n=12)と3回以上(n=6)の治療開始時と最終時の外転可動域の間に有意差を認めた(p<0.01)。治療期間と運動療法及びヒアルロン注との間には相関関係が認められなかった。治療期間とステロイド注射回数との間に正の相関関係が認められた(r=0.58)。【考察】先行研究で運動療法とヒアルロン注を併用することで関節可動域の改善と自覚・他覚所見(自発痛、夜間痛、運動時痛及び圧痛)の改善が得られるといわれている。今回の検討では、運動療法が週2回以上おこなっている症例でヒアルロン注を2週間に1度実施し、かつ通院期間中1回のステロイド注射をうけていた症例は有意に関節可動域の治療成績がよかった。治療期間が5ヶ月以上必要でだった。それぞれ治療期間、運動療法の頻度及びヒアルロン注頻度の間に相関関係が認められなかった。この理由として、肩関節の運動痛の強さがあげられる。
著者
寺田 和憲 山田 誠二 伊藤 昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.73-81, 2012

We conducted an experimental investigation on human adaptation to change in an agent's strategy through a competitive two-player game. Modeling the process of human adaptation to agents is important for designing intelligent interface agents and adaptive user interfaces that learn a user's preferences and behavior strategy. However, few studies on human adaptation to such an agent have been done. We propose a human adaptation model for a two-player game. We prepared an on-line experimental system in which a participant and an agent play a repeated penny-matching game with a bonus round. We then conducted experiments in which different opponent agents (human or robot) change their strategy during the game. The experimental results indicated that, as expected, there is an adaptation phase when a human is confronted with a change in the opponent agent's strategy, and adaptation is faster when a human is competing with robot than with another human.
著者
大木 典雄 望月 茂喜 伊藤 昭浩 阿部 文昭 小川 修 保坂 陽之助 秋山 稔 持田 泰秀
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.19-22, 1998-10-20 (Released:2017-01-25)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

The seismic isolation retrofit of the main building of the National Museum of Western Art required excavating the foundation ground under the existent building and installing isolation devices beneath the existing footings. Before the installation of isolation devices, it was necessary to construct piles beneath the existing footings in order to support the weight of the building temporarily during excavation process. The piles were made of steel pipe segments, and were driven by oil jacks utilizing the weight of the building for reaction force. During the retrofitting process, the subsidence of the building supported by the piles were monitored and controlled to avoid causing damage to the superstructure.
著者
上井 雅史 伊藤 昭 田中 隆晴 平野 弘之
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.73, 2008

【目的】<BR> プライマリケア診療ではうつ病患者の80% に頭痛、腹痛、腰部・関節・首など骨格筋系の疼痛のような身体症状がみられる。気象各要素と痛みの度合いの関係に関する報告が多い。能力障害、VAS(Visual alanogue scale)および抑うつの相関関係をみる報告もある。しかし、VAS増減値から比較した報告は少ない。今回、我々は当クリニックを受診した患者に対しアンケートを行い、VASの増減、うつ傾向の度合いおよび天候に注目して検討した。これらの結果につき文献的考察を交え報告する。<BR>【対象】<BR> 対象者は運動器疾患を有し運動療法を実施している患者52名(男3名、女49名)であった。アンケート調査の実施に合意を得られたのは30名(男1名 女29名)、平均年齢は72.8±8.1歳であった。データ欠損、回答の拒否などを対象から除外した。<BR>【調査の方法と内容】<BR> 調査期間を2008/2/4より2/10の一週間とした。VAS測定時間を全例午前9時頃に行った。うつの評価にSDS(Self-rating Depression Scale)を用いSDS40未満を正常群、40点以上を抑うつ群とした。疼痛の評価にVASを使用した。疼痛の期間内でのVAS最大値から最小値を引いたものを疼痛の増減値とした。気象データは東京管区気象台の午前9時のデータを用いた。期間内での最大、最小VAS値を測定した。検討項目がVAS増減値とSDS、および天候それぞれのデータの、最大および最小の日時のVAS変化とした。統計学解析にMann-whitney U testを用いた。<BR>【結果】<BR> SDS40点未満の正常群が15例であった。40点以上の抑うつ傾向群15例であった。SDSとVAS増減値(p<0.05)の間には関連性が認められた。SDS40点未満の正常群ではVAS増減値の平均が1.34±0.89であった。一方SDS40点以上の抑うつ傾向群VAS増減値平均が3.80±2.86であった。期間内での気圧、温度および湿度とVAS値の間に相関関係を認めなかった。<BR>【考察】<BR> 今回の調査でVAS測定を9時としたのは、運動量による変動を極力除外するためであった。抑うつ群にVAS値の増減が有意に高かった。気象条件よりもうつ因子の方が疼痛の増悪に影響していた。現在セロトニン系とノルアドレナリンの下行経路に異常が発生すると機械的な感覚刺激が、不快なまたは痛みを伴う身体症状へと転換されることがわかっている。よって運動器疾患であっても、身体と心理面の疼痛原因の判別が重要で、精神心理面を考慮した評価、治療が必要である。
著者
熊本 忠彦 伊藤 昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.86, pp.31-36, 1997-09-11
参考文献数
10

近年,話し言葉を対象とする自然言語処理の分野において対話コーパスを利用した研究が盛んに行われている.しかしながら,従来利用されている対話データは,模擬的な実験環境において収集された対話 (模擬対話) であり,実際の状況下で得られるであろう対話 (実対話) と言語的・対話的性質が同じであるとは限らない.そこで,我々は,模擬対話と実対話の定性的,定量的な共通点/相違点を明らかにするための材料として,2つの対話領域において模擬対話と実対話をそれぞれ収集した.本稿では模擬対話と実対話を規定する要因について考察し,実対話を収集するための実験環境を設計する.また,この設計に基づいて実際に行った実対話収集実験についても述べる.In recent years various kinds of dialogue corpora have been constructed and used for studies on dialogue and spoken language. In conventional dialogue collection, however, systematically collecting a large amount of dialogues and constructing a very large corpus are considered critically important, while the spontaneity of the dialogues collected is not a point to be carefully considered. "Spontaneous dialogue" does not mean that the dialogue itself is spontaneous but means that an utterance in the dialogue is spontaneous. However, it is obvious that the spontaneity of a dialogue determines the structure and aspect of the dialogue. Therefore, in this article, we consider the spontaneity of a dialogue and propose a method for collecting spontaneous dialogues in an experimental environment. We also describe the two kinds of experiments which we actually conducted for collecting spontaneous dialogues.
著者
瀧 寛和 石川 幹人 伊藤 昭 岡 夏樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.57-65, 2002-01-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

この解説では,人の心や認知的な心をそのまま論じるのではなく,工学的に機械の心をどのように捉え,どのような仕組みとして実現すれば,有用な機械を構築できるかを考えてみる.鉄腕アトムのような心を持った,より人に近い機械を実現していくには,どのような技術が必要になってくるのかを,その歴史と技術動向からみていきたい.
著者
伊藤 昭 矢野 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.944-952, 1997-05-15
参考文献数
13
被引用文献数
2

自己の利益をのみ追求するエージェントの社会では, どのようにして協調が発現するのであろうか. 我々は, 過去の対戦履歴が公開されるという条件の下で, エージェントが囚人のジレンマと同型の対戦を, 相手を次々と替えながら行わねばならないとき, どのような対戦戦略を採用すればよいのかを調べてきた. 今回は, どのようにして協調的戦略が社会的に発現 (進化) するのか, またそのための条件は何かなどを, 遺伝的アルゴリズムの手法を用いて調べる. 我々は, まず対戦戦略アルゴリズムを抽象計算器の上で定義する. 次に, エージェントは対戦利益に応じて子を生成できるものとし, また子エージェント生成に際しては, 戦略アルゴリズムに突然変異を導入してその進化を促す. その結果, 最初単純なしっぺ返し戦略TFTから出発して, 系は非協調的戦略を含む様々な戦略を持つエージェントを生成するが, 生存競争の中でより強い協調的な戦略が成長してくることを示す.
著者
三宅 雄大 寺田 和憲 吉川 雅博 松本 吉央 高橋 英之 伊藤 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.73-78, 2013-11-02

本研究では,人がアンドロイドを人のようなインタラクション対象とみなすかどうかを繰り返し非ゼロ和ゲームを用いて検証した.実験タスクには協調も搾取も可能な繰り返し非ゼロ和ゲームである1,2,5じゃんけんを用いた.対戦相手としてアンドロイド,PC,人を比較した.実験の結果,実験参加者は対人条件の場合は相手との協調を優先したが,対アンドロイドの場合には対PCと同様に自己利益を追求し搾取を行った.実験結果の解釈を定めるために,追加実験を行い,対人であっても,その人が実験者である場合には自己利益を追求することが確認された.以上の結果から,金銭に関して価値を共有しないことがアンドロイドの人らしさを減退させていると結論づけた.