著者
伊関 丈治 高見 実 伊藤 徹 出月 康夫
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.277-279, 1986-03-20

良性上皮性腫瘍の分類 従来,胆嚢の良性上皮性腫瘍として腺腫があげられてきた.腺腫は乳頭状ないし腺管構造からなるポリープ状の隆起性病変と規定される.1)しかし肉眼的に隆起が軽度であるか隆起を示さない腫瘍性病変も腺腫に含めるとする見解もある.2)著者は肉眼的に隆起が明瞭な良性の腫瘍性病変と,肉眼的に隆起が明らかでない中等度ないし高度の異型上皮からなる腫瘍性病変は,その組織像も異なることから別個に扱い,前者を腺腫,後者を異型上皮巣と呼称することが適切ではないかと考えている.異型上皮からなる病変がすべて腫瘍性病変であるとは限らない.しかし,そのなかには異型性が強く,癌との境界領域病変とみなさざるをえないものがあり,それらは良性上皮性腫瘍に含めることが妥当と思われる。
著者
伊藤 裕子
出版者
研究・技術計画学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1051-1054, 2010-10-09

一般講演要旨
著者
伊藤 善翔 小井戸 薫雄 大草 敏史
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.13-18, 2021 (Released:2021-02-03)
参考文献数
25

膵疾患は急性膵炎といったcommon diseaseから自己免疫性膵炎や癌まで様々である.そのなかで,膵臓癌は我が国においてだけでなく,全世界的に未だ予後不良の疾患であり,その対応には急務が求められている.近年,様々な消化器癌において腸内細菌(Gut microbiota)の関与が報告されているが,膵疾患領域においても細菌叢の解析が蓄積されてきている.膵疾患においても良悪性疾患を問わず細菌が疾患に関係することが示唆されてきており,細菌叢から疾患を考察することは,未だ解明されていない癌化プロセス等の解明に繋がると考える.
著者
因田 恭也 坪井 直哉 伊藤 昭男 辻 幸臣 山田 功 七里 守 吉田 幸彦 山田 健二 三輪 田悟 平山 治雄 前田 聰 栗山 康介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Supplement6, pp.54-60, 1995-10-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
6

症例は69歳男性.約2週間の便秘があり,その後1~2分の意識消失発作を頻回に繰り返すため当院に入院した.入院後,咳嗽や嘔吐の後に,意識消失発作を繰り返した.ホルター心電図で発作の時間に一致して洞停止を認めた.洞停止は,時に補充調律を伴わず,最高40秒の心休止を呈した.VVIペースメーカーを植え込んだ.この洞停止の発作は一過性であり,1週間の間に頻回に発作がみられたが,その後は全くみられなくなり,ペースメーカーが作動することもなかった.冠動脈造影では有意狭窄を認めず,スパズムも誘発されなかった.心臓電気生理学的検査では洞機能に異常を認めなかった.頸動脈洞マッサージ,チルトテストにても心拍,血圧に異常な変化を示さなかった.洞停止が頻回にみられた時期の心拍変動は日内リズムが消失しており,高周波成分,低周波成分ともパワーの不規則な乱れを示した.長い洞停止の発作直前の心拍変動は高周波成分,低周波成分ともに徐々にパワーの増大を示した.洞停止の原因として自律神経の異常が関与していたことが推察された.本症例では数週間の経過で一過性に自律神経の異常をきたし,それが補充収縮を伴わない長い洞停止を引き起こしたと考えられた.いわゆる洞機能不全症候群とは異なり,補充調律の抑制されるこのような症例では突然死に至る危険性が高いと考えられた.

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著者
伊藤 康安
出版者
早稻田大學國文學會
雑誌
國文學研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
no.9, pp.351-366, 1954-03-31
著者
清水 宏樹 伊藤 将希 岡野 圭吾 谷口 守
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.553-560, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
37
被引用文献数
1

近年,我が国では人口減少・少子高齢化社会の進行に伴って空き家問題や財政悪化などの新たな都市問題が進行している.このような都市問題は実際,各自治体の枠を超えた広域的な問題であるが,問題進行の程度には地域差があり,広域的な連携による問題対応の足並みは揃わない.本研究ではこうした問題進行の地域差を明らかにするため,大都市雇用圏に着目して人口減少・少子高齢化社会の都市問題の進行実態と近年の傾向を把握した.その結果,対象とした都市問題の進行はどの自治体も順次悪化が進むカスケード化の様相を呈しており,圏域内で特定の小自治体が一人勝ちとなる傾向も明らかとなった.
著者
出口 喜勇爾 伊藤 武
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.7, no.9, pp.516-526, 1968-09-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
74
被引用文献数
2
著者
伊藤 晶文
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要. 自然科学編 (ISSN:03896692)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-8, 2006-02-28
被引用文献数
3

仙台平野の浜堤列は従来4列に大別されるが,最も海側に位置する第III浜堤列は,さらに細分できる。本研究では,細分した浜堤列の形成時期について,放射性炭素年代測定,テフラおよび史跡の分布状況に基づいて推定した。さらに,浜堤列の分布や形成時期から,歴史時代における海岸線の変化を考察した。第III浜堤列は,陸側から順に,第IIIa浜堤列,第IIIb浜堤列,第IIIc浜堤列に細分され,それぞれの形成開始時期は,約1,300cal.BP,約1,100cal.BPおよび約350cal.BP以前である。歴史時代以降の海岸線の変化には地域差があり,阿武隈川以南の地域において海岸線が顕著に前進した。第IIIa浜堤列形成期には仙台平野全域で海岸線が急速に前進しており,その要因として,流入河川および平野南方からの土砂供給量の増加,もしくは供給される土砂の質の変化が考えられる。
著者
伊藤 玲子
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.21-25, 2021-02-01 (Released:2021-04-22)
参考文献数
16

It is expected that knowledge on the relationship between respiration and sports is beneficial for promoting both physical and mental health. With that knowledge, we can learn to exercise effectively every day. We supply oxygen to tissues by breathing. During exercise, respiration and circulation work closely together to carry oxygen to the mitochondria in muscles to generate energy. Exercise increases oxygen demand and carbon dioxide emissions. We increase the minute ventilation volume (MVV), thereby increasing V̇ O2 (oxygen consumption) as the exercise intensity increases. Endurance athletes exhibit higher levels of these parameters. MVV (maximum voluntary ventilation), which is a parameter used for evaluating the strength and endurance of inspiratory and expiratory muscles, improves after strength training. Strength training is thought to be effective in increasing the strength of the respiratory muscles. The combination of endurance training and strength training can improve lung function. Not only strengthening the respiratory muscles but also increasing the elastic contraction force of the lungs by training can improve respiratory ability. There are diseases in which sports affect lung function. Attention should be paid to exercise-induced asthma, vocal cord dysfunction, and COPD (chronic obstructive disease).
著者
横山 茂之 関根 俊一 伊藤 拓宏 藤井 佳史 関根 俊一 伊藤 拓宏 藤井 佳史
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

遺伝子発現の根幹である転写および翻訳においてそれぞれ中核的な役割を担うRNAポリメラーゼおよびリボソームについて、転写・翻訳の構造基盤を解明すべく構造生物学研究を行った。原核生物のRNAポリメラーゼやリボソームを中心に形成される巨大複合体の構造解析を行うとともに、真核生物の転写・翻訳関連因子の調製法の確立および構造解析を行った。
著者
百瀬 容美子 伊藤 宏
出版者
常葉大学教育学部
雑誌
常葉大学教育学部紀要 = Tokoha University Faculty of Education research review (ISSN:2188434X)
巻号頁・発行日
no.38, pp.297-305, 2017-12

本研究は,日本トップ水準の先天全盲ゴールボール選手の守備場面におけるイメージ生成構造を解明して,ゴールボール版の視覚障害児童・生徒・成人向け運動イメージ生成評価基準の項目作成することを目的とした.個人別態度構造分析の結果,1)音を聞いて攻撃者となるボールを持っている相手選手を特定する,2)その選手から投げられるボールの道筋と守備防壁となる味方同士の重なりを想定する,3)センターポジションでボールを待ち守備するという3 つの構造が見出された.この知見に基づいて,「ボールが弾む軌跡をイメージすることができますか?」「自分と味方、相手、ボールの動きを俯瞰的にイメージすることができますか?」といった20 項目,7 段階評定の質問項目を作成した.今後の課題は,信頼性と妥当性の確認を行うことである.
著者
伊藤 芳久 須川 晃資 小菅 康弘
出版者
日本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

Prostaglandin E2 (PGE2)は、様々な生理学的プロセスにおいて重要な役割を果たす脂質メディエーターである。私達は、PGE2がPGE2受容体EP2サブタイプの活性化を介して、マウス運動ニューロン由来で未分化のNSC-34細胞の神経突起伸長を促進し、細胞増殖を抑制することを見出した。また、ALS発症直後のモデルマウスの運動ニューロンではEP2発現が増加すること、ニューロン様に分化したNSC-34細胞のEP2発現はPGE2処置により上昇することを明らかにし、運動ニューロンにおけるPGE2誘発性のEP2発現増加がALSにおけるニューロン変性に関与することを示した。