著者
木村 友子 菅原 龍幸 福谷 洋子 佐々木 弘子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.153-160, 1997-02-15
被引用文献数
6

An ultrasonic treatment during extraction with hot water was investigated as a new procedure for preparing chicken-bone soup stock. The relationship between the preference and the soluble components of the chicken soup stock was studied to determine the most appropriate conditions for the preparation method. Compared to the conventional method without an ultrasonic treatment, the time for extraction was reduced to one third by the ultrasonic treatment, and a high-quality soup was obtained from chicken-bones. The combined method was thus found to be more suitable for preparing the soup stock. The best conditions for preparing the chicken soup stock with 20% bone involved hot-water extraction at 98℃ accompanying the ultrasonic treatment for 30 min. The resulting color tone of the soup was light with and slight clouding, and the dissolved components, including 5'-IMP, crude proteins, and free amino acids such as Glu, Ala, Ser and Gly were rich in the soup. A high evaluation of the resulting soup was given. (Received April 9, 1996)
著者
水谷 郷一 幕内 博康 町村 貴郎 島田 英雄 菅野 公司 森屋 秀樹 堀江 修 宋 吉男 杉原 隆 花上 仁 佐々木 哲二 田島 知郎 三富 利夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-86, 1993-01-01
被引用文献数
12

われわれは4例の特発性食道破裂を経験しその臨床的検討を加えたので報告する.年齢は40〜63歳ですべて男性であり,4例ともに飲酒後の嘔吐を契機にして発症した.初診時に診断できたものは4例中1例のみであり,他の3例は正診できなかった.治療は1例が保存的に他の3例は手術を施行した.手術を施行した1例が敗血症で死亡したが他の3例は軽快退院となった.診断に際しては本疾患の認識が最も重要であり,胸部X線写真,胸部computed tomography(以下:胸部CTと略す),ガストログラフィンを用いた食道造影を早期に行うことが大切である.また治療は,1)破裂孔が比較的小さい.2)破裂が縦隔内にとどまっている.3)縦隔内の汚染が軽度である.4.胃内容が持続的に逆流しない4つを満たすものは保存的治療とし,それ以外の症例は手術により穿孔部の閉鎖,胸腔および縦隔内の洗浄,確実なドレナージを行うことが原則と考えられた.
著者
佐々木 全 加藤 義男 SASAKI Zen KATOU Yoshio
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.8, pp.245-262, 2009

高機能広汎性発達障害を含む,いわゆる発達障害児者に対する教育や福祉の制度による支援は,充実・発展に向かいつつも,開発の途上にあると思われる.そこにインフォーマルな支援グループが力を発揮する余地がある.その一例として,休日や放課後の活動の提供と支援があるだろう(佐々木,加藤2007).そして,これに当たる実践として,「適所支援教室」があり,岩手県内各地で成果を挙げている(はままき軽度発達障害児の教育と生活を考える会,2005 ; 2006 ; 2007 ; 2008).筆者らが1998年以来取組んでいる「エブリ教室」もその一つである.エブリ教室は,高機能広汎性発達障害のある小学生を対象とし,月一回第4土曜日に開催の実践である.ここでいう高機能広汎性発達障害とは,知的障害のない自閉症(いわゆる「高機能自閉症」),アスベルガー障害,特定不能の広汎性発達障害を包括する概念である. 筆者らは,エブリ教室において,参加児童にとっての豊かな休日活動をねがう.ここでいう豊かさとは,参加児童にとっての自己実現であり,自立的・主体的な活動の実現である.佐々木,加藤(2008a ; 2008b)は,その実現に向けた実践的課題として以下を指摘している.すなわち,(1) 中心活動(単元化された活動内容)に沿った「一人一人のための支援計画(通称, IEP)」の作成と活用のあり方に関する検討,(2) ねがいの実現と支援方法の機能の関係性の分析,である.
著者
廉澤 剛 野崎 一敏 佐々木 伸雄 竹内 啓
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1167-1169, 1994-12-15
被引用文献数
11

1.5歳の雌雑種犬に自然発生した骨肉腫から直接細胞培養し, 骨肉腫細胞株POS細胞を樹立した. この細胞は, 33時間で倍加し, 形態的にはいくつかのタイプの細胞が観察された. 透過型電子顕微鏡で, 多数の拡張した粗面小胞体が認められ, また高いALP活性を持つことから, 骨芽細胞由来の細胞と考えられた. さらに, この細胞のヌードマウス移植腫瘍を病理組織学的に調べたところ, 原発腫瘍と同様の骨肉腫組織像を示すことが明らかになった.
著者
佐々木 与志実
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.237-241, 1978-04-05
被引用文献数
2

鉛(II)のエチルキサントゲン酸錯体{Pb(EtX)_2と略記}を作成し,これのクロロホルム溶液を滴定剤とする銀(I)と銅(II)の抽出滴定法を作成した.銀(I){(0.2〜8.8)mg}と銅(II){(0.1〜2.2)mg}を含む水溶液を分液漏斗に採り,酢酸塩緩衝溶液を加えてpHを3〜5にする.滴定剤を加えて振り混ぜ,有機相を捨てる.この操作を,有機相が黄白色{Ag(EtX)の色}から,かっ色{Cu(EtX)_2}になるまで繰り返す{銅(II)の終点}.更に抽出滴定を続け,かっ色から無色{Pb(Etx)_2}になるまで繰り返す{銅(II)の終点}.初めの振り混ぜで抽出定数の大きい銀(I)が鉛(II)と交換抽出され,次に銅(II)が鉛(II)と交換抽出される.銀ろう及び合金中の銀と銅を本法で定量できた.
著者
佐々木 将央 高橋 篤司 梶谷 洋司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 設計自動化研究会報告
巻号頁・発行日
vol.97, no.17, pp.89-96, 1997-02-14

接続すべき端子集合(ネット)が多数指定されているメッシュで区切られている配線領域モデルにおいて,1ネットずつ順に経路決定していくことに対する弊害に対しては,従来から予測とか引き剥し再配線手法を含めて様々な対策が考案されてきた.本研究では各ネットの密度への影響を予測しながら,ネットの端点を両側から少しずつ伸ばすようにして経路を決定して行くことで,すべてのネットを同時に配線する新しいアルゴリズム『端点成長法』を提案する.また,ランダムに生成した実験データに対し実験を行ない,その有効性を確認した.
著者
阿部 健太 佐々木 正巳 鈴木 勝裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.605, pp.29-36, 2002-01-17

本論文では、SARデータの位相情報を利用して積雪の深さと密度(比誘電率)を推定する2つの方法を提案している。一つは、オフナディア角を可変することができるSARを用いる方法である。この方法では、同一軌道からの観測により得られる位相情報と、異なる軌道からの観測により得られる位相情報を利用する。そこで、そのSARデータの位相情報のみから積雪の深さと密度の値を推定するアルゴリズムについて、理論的な検討を行っている。もう一つは、異なる周波数で観測する二つのSARを用いて、積雪がある時期と無い時期に同一軌道から観測して得た二つのSARデータを干渉させたときに得られる干渉縞から、積雪深の変化量と比誘電率を推定する方法である。その方法についても理論的な検討を行っている。理論的な解析の結果、積雪の深さと密度を推定する上でオフナディア角を可変できるSARの利用は有効であることを示した。また、異なる周波数のSARを用いることで、積雪深の変化量と比誘電率を推定できることを示した。
著者
篠田 光秋 上田 祐輔 佐々木 良一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.195, pp.77-82, 2003-07-10
被引用文献数
1

電子商取引や電子政府の進展に伴い,デジタル署名文書を長期的に利用・保管する必要性が高まっており,長期的にデジタル署名の証拠性を保つ事ができる署名技術の一つとしてヒステリシス署名が考案されている.しかし,特定の第三者機関を利用するシステムに関しては検討されているが,第三者機関を利用しないヒステリシス署名システムに関しては,具体的に検討されていない.そこで,本稿では,既に現代社会の業務の一環として成り立っている紙文書によるやり取りをシステムに取り込み,特定の第三者機関を利用しないヒステリシス署名システムの提案と評価を行う.
著者
佐々木 朋三 田代 純利 藤永 英司 石井 友章 軍司 康義
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 : hoken buturi (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.208-221, 2002-09
参考文献数
20
被引用文献数
4 10

The transfer factors (TFs) of uranium (U), thorium (Th), radium (Ra) and lead (Pb) from soil to agricultural products were determined in order to estimate the internal radiation dose to the human body through ingestion. Samples of rice, potato, onion, cabbage, mandarin orange, spinach, apple and soil were collected from various districts in Japan. After appropriate pretreatment of the samples, concentrations in the sample solutions were measured by LCP-MS (for U, Th and Pb) and liquid scintillation counter (for Ra). It was recognized that TFs were 4.9×10^-6 (apple) and 3.6×10^-4 (spinach) for U, 2.8×10^-6 (apple) and 2.3×10^-4 (spinach) for Th, and 4.0×10^-3 (hulled rice), 7.0×10^-5 (onion) and 5.0×10^-3 (hulled rice) for Pb. The TF of Ra, however, was not determined due to detection limitations. TF values obtained in the present study range from the same order of magnitude to 1/100 compared to the data in TRS364 as reported by IAEA. It was revealed that the internal radiation dose caused by the intake of uranium series radioactive nuclides through agricultural food ingestion was 16 μSv/y, where Pb was the most contributory nuclide.
著者
佐々木 整 水野 一徳 浅井 智也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.163, pp.45-48, 2009-07-24
被引用文献数
1

近年,日本で学ぶ留学生は増加傾向にあるが,その一部には日本語の習得が十分ではない学生も見受けられる.そこで,著者らはこのような日本語能力が高くはない学生を対象として,授業中に講師が用いる用語に特化した学習システムの開発を行ってきた.しかし,e-Learningの利用やWebを用いた情報検索など,授業時間以外でも日本語の文章を読んだり,理解したりするための支援も必要である.本稿では,留学生の日本語能力に応じた,Webページのひらがな化の方法を中心に,現在取り組んでいる支援について報告する.
著者
佐々木 宏
出版者
広島大学大学院総合科学研究科
雑誌
環境科学研究 (ISSN:18817696)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.43-66, 2007

Focusing on class disadvantages in relation to conditions for the development of children born and raised in impoverished families in developing countries, and on disadvantages related to education particular, this paper sought to generally outline the framework by which disadvantages are formed in the process of a child's growth. To that end, an interview survey of 16 youth of different classes was conducted in 2006 in a provincial city in the Indian state of Uttar Pradesh and comparison of the life histories and current living conditions of the interviewed youth was attempted. Results revealed two points. First, children of impoverished families were found to suffer various disadvantages throughout their lives, from a young age to adolescence, in comparison to children of wealthy families. In addition, disadvantages for such children of impoverished families were found to be severely affected and formed by not just a dearth of resources in terms of the family's financial, cultural, and social relationships but also by societal context (production system, labor market, educational and other systems, etc.).