著者
鳩野 逸生 伴 好弘 佐々木 博史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2009-IOT-7, no.1, pp.1-5, 2009-10-02

神戸大学では,2009 年に,神戸大学キャンパスネットワークシステムの更新を行った.本ネットワークは,部局間接続に 10GbE を採用するとともに,VRF を用いて複数の論理ネットワークに分けた構成となっている.本稿では,旧ネットワークシステムにおけるネットワーク運用の問題点について考察するとともに,問題点を踏まえたネットワークの設計方針について述べる.さらに実際に拘置したネットワークの物理構成および論理構成について概説する.
著者
佐々木 空美 長松 康子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-32, 2008-03
被引用文献数
2

【序論】在日外国人は200万人を超え,医療面での対応が急務とされている。インターネットは安価で簡単に情報を得ることができる。そこで本研究では,自治体のホームページの外国人向け医療情報の提供状況を明らかにすることを目的とした。【方法】2000年度国勢調査において,外国人人口が1万人を超える17自治体を対象とし,そのホームページを,使用外国語・情報量・操作しやすさの3点で評価した。さらに,外国人人口,外国人割合,連携機関の有無についての関連を調べた。【結果】17すべての自治体がホームページを有していた。予算が多く,外国人が多い自治体ほど情報量が豊富で,外国人割合の多い自治体ほど外国版ホームページは操作しやすい傾向があった。使用している外国語は,英語が最も多く,次いで韓国語,中国語,ポルトガル語であった。13件(76%)が外国語の医療情報を掲載し,医療サービスシステム,日本の保険制度,母子保健等の情報を載せていた。外国語のできるスタッフのいる医療機関や電話による外国語医療相談を紹介する自治体もあった。【考察】人口の多い外国語については概ねホームページの外国語に取り入れられていた。しかし人口が多いにもかかわらずタイ語を用いているホームベージがないことは問題である。外国人人口の多い自治体ほど外国版医療情報が充実していたのは,ニーズに対応した結果と思われる。【結論】すべての自治体がホームページを有し,76%が外国語医療情報を提供していた。
著者
佐々木 顕
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.53-62, 2006-04-25
被引用文献数
4

ショウジョウバエにはコマエバチ科の寄生蜂に対して、包囲作用による抵抗性を持つ系統がある。この抵抗性には遺伝的変異があり、抵抗性の低いショウジョウバエ系統を寄生蜂存在下で継代飼育すると、わずか数世代で抵抗性(寄生蜂卵に対する包囲作用で寄生を阻止する確率)は急上昇する。本稿ではこのような寄主抵抗性と捕食寄生者の毒性(ビルレンス)の共進化理論を紹介する。寄主と捕食寄生者の個体数変動はニコルソン・ベイリー型動態に従い、それぞれの集団は抵抗性の程度とビルレンスの程度の異なる多数の無性生殖クローンからなるとする。また抵抗性や毒性への投資にコストを仮定する。この共進化モデルから二つの重要な結果が導かれる。第一に、抵抗性のコストが毒性のコストと比較して大きいとき、捕食寄生者は有限の毒性を維持するのに、抵抗性に全く投資しな、寄主が進化する。このとき寄主にとって寄生のリスクよりも抵抗性のコストの方が重いのである。この結果に該当するかもしれない実例をいくつか報告する。第二の結論として、上記を除く広いパラメータ領域において、寄主の抵抗性と捕食寄生者の毒性の軍拡競走が起きることが分かった。抵抗性と毒性はお互いに進化的に上昇し、寄主の抵抗性がコストに耐えかねるほど大きくなり、ついに寄主が抵抗性を破棄する(抵抗性最小の寄主遺伝子型が侵入して置き換わる)まで続く。寄主の抵抗性放棄につづいて捕食寄生者の毒性も低下し、系は共進化サイクルの出発点に戻る。この共進化サイクルは報告されている抵抗性と毒性に関する高い相加遺伝分散の維持を説明するかもしれない。また、共進化サイクルによる寄生リスクの分散は個体群動態の安定性にも寄与する。
著者
佐々木 政司
出版者
一宮女子短期大学
雑誌
一宮女子短期大学紀要 (ISSN:1349936X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.55-62, 2006-12-21
被引用文献数
1

個人の組織社会化過程において、組織参入前に抱いていた期待と組織の現実の間のギャップから幻滅を感じ、離転職行動に繋がることが多いが、この問題に対し、心理的リアクタンス理論と現実的職務予告の観点からアプローチし、新たにリアクタンスモデルを提出し、その妥当性について検討した。その結果、現実的職務予告による参入前の期待の低減効果が確認されなかったが、幻滅を感じたときに喚起された心理的リアクタンスが離転職傾向を高めることや、上司との垂直的な交換関係の構築によって職務満足度が高まることによりその傾向を緩化することができることが見出され、当該モデルの妥当性が確かめられた。また、リアクタンスによって賃金などの周辺的な要因に対する期待が高まり、離転職傾向を高めることも確認された。現実的職務予告については従来からの期待を低減し幻滅を感じさせないようにするのではなく、幻滅を感じたときにそのショックを緩和するように機能する可能性が示唆された。
著者
森 定雄 西村 泰彦 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 清田 光晴 高田 かな子 森 佳代 杉本 剛 葛谷 孝史 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 中野 治夫 杉谷 初雄 太田 恵理子 大関 博 加々美 菜穂美 上山 明美 中橋 計治 日比 清勝 佐々木 圭子 大谷 肇 石田 康行 中村 茂夫 杉浦 健児 福井 明美 田中 鍛 江尻 優子 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.497-504, 1995-06-05
被引用文献数
9 9

サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定において, 異なる測定機関における分子量測定値がどれくらい異なるかを知る目的で, 傘下26測定機関で共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)3種, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種で, 被検試料の測定条件と較正曲線作成条件は各測定機関で用いている要領で行った.その結果, 各測定機関での相対標準偏差は1〜3%と良好であったが、26測定機関による全平均値の相対標準偏差は13〜32%となった.測定データを吟味し, 望ましい測定条件からかけ離れているデータを除外した場合, PSのRSDは数平均分子量で13.6〜15.5%, 重量平均分子量で6.0〜9.4%となり.又PMMAではそれぞれ14.3〜16.0%, 7.8〜12.2%であった.
著者
大西 仁 田中 健二 永岡 慶三 松川 正樹 高津 直己 佐々木 正實 鈴木 龍太郎 川村 洋介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.578, pp.33-39, 1997-03-15
参考文献数
4
被引用文献数
1

光ファイバーケーブル等の通信基盤が各家庭まで整備され、各家庭と講師が映像、音声、データを双方向で自由にやりとりできる時代を想定し、その時代における在宅学習のモデルとして、双方向教育番組の制作実験を行った。制作は、放送教育開発センターに講師、通信総合研究所、新世代通信網実験協議会、大阪産業大学に学生を配し、ATMネットワークにより接続し、映像、音声、計算機データの交換を可能にすることにより実現された。番組は、「住空間における断面図」をテーマとし、講師と学生が映像、音声による質疑応答、共有CADソフトを用いての演習等のインタラクションが盛り込まれた。
著者
佐藤 智子 黒岩 幸子 佐々木 肇
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.215-243, 2000-11-01

1999年9月、岩手県の全市町村に対して実施した「姉妹都市および国際交流に関するアンケート」は、100%の回収率で集計、分析を行った。岩手県内の9市町およびその提携先であるアメリカ、カナダ、オランダの8都市については、現地に出向いて調査も行った。これらの結果を総合することにより、岩手県の市町村レベルにおける姉妹都市および国際交流の現状と問題をある程度把握することができた。政治・経済・文化の中心地東京から遠隔の地というイメージが強く、国際化や国際交流とは疎遠と思われている岩手県だが、県内59市町村の約3割にあたる18市町村が10カ国23市町と姉妹都市提携を行っており、市町村レベルでの積極的な国際交流への取り組みの姿勢が見られた。岩手県の姉妹都市交流の特徴は、欧米先進国志向、青少年交流、官主導に集約される。この三つの特徴は、岩手県の姉妹都市交流の推進力であると同時に、交流の意義や継続にかかわる問題も孕んでいる。交流の問題点および今後の課題としては、民間レベルでの交流の拡大、アジア諸国との交流、姉妹都市交流の意義と目的の見直しがあげられる。
著者
佐々木 惠雲
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.232-233, 2005-03-01

日本仏教は「葬式仏教」と化していると批判されて久しい.しかし最近,一般の人々の間で「葬式仏教」のイメージと葬儀や中陰,年忌法要のもつ重要性が混同されているように感じられる.確かに,いわゆる「葬式仏教」は仏教の本質とはまったくかけ離れたもので,仏教の教えそのものを人々に伝えることが大切であることはいうまでもない.しかし葬儀や法要を単なる儀式ととらえ,意味がないと捨て去るのではなく,これらのもつ新たな可能性や重要性を見直す時期に来ているのではないだろうか.最近,グリーフケアが世界中で注目されている.グリーフとは,愛する人や近しい間柄の人との死別に対する反応である.しばしば悲しみのあまり,不眠や食欲不振,不安感などの症状が現れることもあるが,この反応は誰にでも起こりうる正常な反応で,普通は自然に消滅していくものである.ところが長期間経過しても悲しみから抜け出せずうつ病になる場合や,喪失直後はそれほど深いグリーフを示さず,何年か経てうつ病を発症することもある.
著者
大島 英子 樋上 純子 山口 美代子 殿畑 操子 山本 悦子 石村 哲代 大喜多 祥子 加藤 佐千子 阪上 愛子 佐々木 廣子 中山 伊紗子 福本 タミ子 安田 直子 米田 泰子 渡辺 豊子 山田 光江 堀越 フサエ 木咲 弘
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.338-345, 1999-11-20
被引用文献数
9

本実験では,焼成条件の違いがハンバーグの内部温度に及ぼす影響について検討し,次の結果を得た。 1.ハンバーグ内部の最低温度を示す点は,焼き始めはオーブン皿に接している底面の近くにあるが,生地の焼成とともに,底面から上の方に移動し,約10分経過の後からは厚さのほぼ中心付近にあることが明らかとなった。2. ガスオーブンの庫内温度を180℃,200C,230℃と変えてハンバーグを焼成した場合,焼成温度の違いは75℃到達時間の違いにあらわれるだけでなく,余熱にも影響を及ぼした。焼成温度が230℃の場合では,75℃到達後すぐに取りだしてもなお内部温度上昇が顕著に起こるので,75℃以上1分の条件を満たすことは十分可能であり,焼成時間の短縮も期待できる。 3.焼成開始時のハンバーグ生地品温が0℃,10℃,20℃と異なる場合,75℃到達時間は0℃では22分,10℃と20℃では16分となり,有意差が認められた。このことから,チルドなどの0℃付近の品温のハンバーグは,焼成の時間設定を長めにする必要があるが,焼成後オーブンから取りだしてからの内部温度の推移に差はなかった。 4.電気オーブンとガスオーブンでの焼成を比較すると,庫内を230℃に予熱して焼成した場合,ガスオーブンの方が75℃到達時間は0.9分早く,余熱最高温度も6.5℃高くなり,75℃以上保持時間も5.7分長かった。これらの差はガスと電気の熱量の違いによるものと思われる。 5.70℃まで焼成したハンバーグと,75℃まで焼成したハンバーグとを官能検査したところ,両者の間に有意差は認められず,75℃まで焼成しても焼き過ぎとは判定されなかった。厚生省指導による75℃以上1分間加熱は,ハンバーグの焼き色,香り,触感,味などの点で十分賞味できるものであることが認められた。
著者
佐々木 芳宏 正木 忠良 小林 俊央 鷲谷 貴洋 西田 眞 中村 雅英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.72, pp.61-66, 2008-07-17
被引用文献数
2

情報漏洩対策やソフトウェア資産の集中管理,運用メンテナンスの容易さ等の特徴をもつシンクライアントシステムを平成 19 年度に本学の情報教育用端末約 210 台に導入した。本システムは,ミドルウェアとして "Ardence" を適用し,ローカルディスクキャッシュ方式を採用することで,端末の起動時間の改善を図った。本研究では授業による一斉アクセス時におけるシンクライアント構築の手法に着目し,キャッシュ方式の違いによる影響やネットワークブート時のトラフィックについて検証した。The thin client computer with the features, such as a measure against a leak of information, central control of software property, and ease of employment maintenance, was introduced into about 210 units in 2007. This system applied "Ardence" as middleware, and attempted the improvement of computers at start-up time by adopting the local disk cash form. This research verified the influence by the difference of the each cash form and the traffic when the computers does boot over a network.
著者
關 茉莉絵 御領 政信 佐々木 淳 岡田 幸助
出版者
社団法人岩手県獣医師会
雑誌
岩手県獣医師会会報
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.88-91, 2009-01-01

野外採卵鶏の眼鏡下洞が腫脹し,化膿性肉芽腫が認められた成鶏より緑膿菌が分離され,幼雛に対する病原性を病理学的に検索した.10^9接種群では接種日齢にかかわらず接種後3日以内にほぼ全例が死亡したが,10^8接種群では接種日齢が高いほど死亡数が減少した.10^9接種群では接種12時間後で沈うつ,頭部下垂を示し,接種4日後の一部のひなでは遊泳運動,ふらつきなどの神経症状,片側眼瞼の閉鎖が認められた.肉眼的に死亡例では接種部位を中心とする胸腹部,大腿部などにおける重度の皮下水腫,組織学的にはほほすべての死亡例で化膿性筋炎,細菌塊を伴う血管周囲炎がみられたが,生残例では病変がほとんど認められなかった.