著者
佐川 元保 中山 富雄 芦澤 和人 負門 克典 小林 健 櫻田 晃 佐藤 雅美 澁谷 潔 祖父江 友孝 竹中 大祐 西井 研治 原田 眞雄 前田 寿美子 丸山 雄一郎 三浦 弘之 三友 英紀 村田 喜代史 室田 真希子
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.929-935, 2020-12-20 (Released:2020-12-28)
参考文献数
2
被引用文献数
1

「肺がん検診の手引き」は2020年に大幅な改訂を行った.この稿では特に重要と思われる「胸部X線検診の読影医の条件」と「症例検討会の実施」に関して背景とねらいを解説する.2017年版の読影医の基準はわかりにくいという批判が多くの自治体職員から寄せられており,改訂が必要であった.2020年版では,「症例検討会等におおむね年に1回以上参加すること」を条件とするとともに,上級医には読影経験も条件とした.「症例検討会」を実施する場合の留意点に関しても併せて述べた.本稿が今後の肺がん検診の精度管理に役立つことを望みたい.
著者
佐藤 雅男
出版者
専修大学学会
雑誌
専修人文論集 (ISSN:03864367)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.121-148, 2010-10-20
著者
桐山 孝司 佐藤 雅彦
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.65-70, 2019 (Released:2019-05-22)
参考文献数
5

This paper discusses two interactive exhibits in the perspective of design and behavioral analysis. The first exhibit, Pool of Fingerprints, was created for the exhibition of The Definition of Self. The second exhibit, Arithmetik Garden, was exhibited at Mori Art Museum in 2007 and NTT InterCommunication Center [ICC] in 2008.
著者
佐藤 雅浩
出版者
埼玉大学教養学部
雑誌
埼玉大学紀要. 教養学部 (ISSN:1349824X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.51-70, 2019

本稿の目的は、「うつ」で通入院経験のある人々を対象とした社会調査の結果を分析することで、精神疾患に関する医学的知識が、どのような経路を辿って人々に受容されているのか、またその結果として、人々の意識や行動にどのような影聾を及ぼす可能性があるのかについて考察することである。これまで「うつ」をはじめとする各種の精神疾患の流行現象については、理論的・実証的な諸研究が蓄積されてきたが、精神疾患に関する大衆的な知識の普及という現象に着目し、当該の過程を精緻に検討した研究は少ない。本研究では、上記の人々を対象としたアンケート調査の結果を分析することで、精神医学的知識の普及過程とその自己への影聾について、社会学的な観点から考察を行った。またこのことにより、精神疾患の流行に関するI.Hackingの「ループ効果」概念の妥当性を、経験的なデータに基づいて検証することを目指した。
著者
平田 雅之 佐藤 雅昭 依藤 史郎 加藤 天美 神谷 之康
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

(1)MEG、皮質脳波(ECoG)を用いた脳律動計測ECoGとMEGとで同一課題施行し、解析ソフトBESAを用いて時間周波数解析、coherence解析を行った。詳細な脳内処理過程が明らかになるとともに、言語領野に共通の律動帯域と特有の律動帯域があることが明らかなり、現在論文投稿準備中である。(2)脳磁図(MEG)での言語優位半球の評価、言語機能局在の評価単語黙読課題を用いた場合、アミタールテストとの比較で85%一致、電気刺激によるマッピング法との位置の差は6.3±7.1mmであり、非侵襲的検査法として優れた方法であると証明された。アミタールテスト、脳表電気刺激の結果と比較し、成果を論文に投稿した。(3)脳信号解読まず、言語機能解読の基礎となる運動機能についてもsupport vector machineを用いて運動内容解読を試みた。運動内容推定については3種の運動内容弁別が80-90%の正答率でリアルタイムに弁別できることが明らかとなり、英文誌Neuroimageに発表した。言語に関しても時の皮質脳波を計測し、support vector machineを用いた脳信号複号化により発語内容推定を行った。カテゴリー別語想起課題にたいするカテゴリー識別は有意差のある結果が得られなかった。ピ、ポ、ギ、ゴなど単純な発語課題の識別率は運動内容解読には及ばないものの、本方法で言語内容解読がリアルタイムに可能なことが明らかになった。今後さらに性能向上のために計測・解析方法に工夫が必要であると考えられた。
著者
司 隆 佐藤 雅明 伊藤 昌毅 厳 網林
雑誌
研究報告高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS) (ISSN:21888965)
巻号頁・発行日
vol.2017-ITS-71, no.18, pp.1-8, 2017-11-08

大学キャンパスへのバスが混雑している地域の分布とその対策について,11 の大学キャンパスにおいて調査した.都市郊外型の大学キャンパスにおいてバス待ちができるキャンパスが点在し,各々列を整備する人を配置して対応するキャンパスが相当数存在した.またバスの時刻表を調べるアプリケーションが実装されている大学も多かったが,バス待ち列に対応するアプリケーションはあまり製作されていない状況であることがわかった.
著者
中丸 幸一 菅井 利寿 木下 宣祐 佐藤 雅子 谷口 偉 川瀬 重雄
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.447-457, 1994 (Released:2007-02-06)
参考文献数
38
被引用文献数
9 7

特発性炎症性腸疾患(IBD)である潰瘍性大腸炎とクローン病に対する治療薬としてメサラジン(mesalazine)顆粒(Pentasa®)が開発された.我々はすでにメサラジン顆粒の実験的大腸炎モデルに対する有効性を見い出した.本研究では,メサラジン(5-aminosalicylic acid)のラジカルおよび活性酸素の消去作用をin vitroの系で,脂質過酸化に対する作用をin vitroおよびin vivoの系で,さらにはロイコトリエンB4(LTB4)生合成に対する作用を検討した.その結果,メサラジンはフリーラジカルである1,1-diphenyl-2-picrylhydrazylを還元し,IC50値は9.5μMであった.また,活性酸素である過酸化水素と次亜塩素酸イオンの消去作用を示し,IC50値はそれぞれ0.7μM,37.0μMであったが,スーパーオキサイド消去作用は示さなかった.さらに,ラット肝ミクロソームでの過酸化脂質の生成を抑制し,IC50値は12.6μMであった.in vivoの系では,幽門部を結紮したラットにおいて,胃を虚血再灌流することで生じる胃粘膜過酸化脂質量に対する効果を検討した.メサラジン25,50mg/kgの胃内投与で十分量のメサラジンが胃粘膜に分布するとともに,用量依存的に過酸化脂質抑制効果を示し,50mg/kgでは有意(P<0.01)であった.ラットの腹腔から採取した好中球でのLTB4生合成に対してメサラジンは抑制作用を示し,IC50値は44.9μMであった.メサラジンの代謝物であるN-acetyl-mesalazineは高濃度(1mM)でLTB4生合成を抑制したが,ラジカル,活性酸素の消去作用および過酸化脂質の抑制作用は示さなかった.以上の成績から,メサラジンは炎症部位で生じる活性酸素を消去することで細胞障害を抑制すること,さらにはLTB4生合成を阻害することで好中球の浸潤を抑制することが示唆された.そして,メサラジン顆粒はこれらの作用機序を介してIBDに有効であることが示唆される.
著者
小山 洋 鬼頭 英明 佐藤 雅彦 遠山 千春
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.547-555, 2002-09-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
69
被引用文献数
10 12

We reviewed studies on genotoxicity and carcinogenicity of cadmium (Cd). Salmonella typhimurium and Escherichia coli exposed to Cd did not show mutagenicity, whereas cultured mammalian cells exposed to Cd showed mutation, DNA strand breaks, and chromosomal aberrations. Carcinogenicity tests showed that exposure to Cd increased the occurrence of tumors in testis, lung, prostate, hematopoietic tissues, and injection sites. On the other hand, recent epidemiologic studies are not supportive of earlier observations on the association between Cd and prostate cancer. The US NIOSH data on a possible association between Cd and lung cancer may need reevaluation. No studies which show a positive relationship between oral Cd exposure and carcinogenesis have been reported. All available data suggest that Cd should be reassigned to IARC Group 2A (probably carcinogenic to humans) from the current Group 1.
著者
佐藤 雅美 白神 豪太郎 廣田 喜一 福田 和彦
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.603-610, 2010 (Released:2010-10-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

京大病院デイ・サージャリー診療部(DSU)は本邦国立大学附属病院としては初めての日帰り手術専用施設として設立され,2000年1月より診療を開始した.DSUでは2009年12月までに総計10,148件の麻酔科管理手術が行われたが,患者個々の周術期情報を収集・解析し,麻酔・周術期ケアの改善を図ってきた.例えば,婦人科子宮鏡手術ではmonitored anesthesia care(MAC)の導入により術後回復時間が短縮し,日常生活回復度の患者自己評価が向上した.安全かつ患者満足度の高い日帰り麻酔・周術期ケアを提供し,さらに向上させていくためには,患者からの周術期情報を取得しフィードバックしていく不断の努力が緊要であり,そのためには麻酔科医のみならず看護師,外科医との協働が必須である.
著者
新井 利明 関口 知己 佐藤 雅英 木村 信二 大島 訓 吉澤 康文
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.2492-2504, 2005-10-15

オペレーティングシステム(OS)はこれまでに多くのものが開発されているが,ユーザの要求が多様であり,すべての要求を満足するOS開発は不可能に近い.そこで,1台のマシン上に汎用OSと特定の目的を持つ専用OSを共存させ各々機能補完する仮想計算機機能のナノカーネルを提案し,実現した.豊富なソフトウェア資産を活用できる汎用OSと特殊機能を有する専用OSを1台のマシン上に共存させ,互いに機能補完させることができる.ナノカーネルは,上記の目的を達成するために,(1)複数OS共存オーバヘッドを削減するための資源分割機能,(2)OS間の機能補完を可能とするOS間連携機能,(3)OSの信頼性を向上させる障害監視,回復機能と擬似不揮発メモリ機能などで構成する.これらの限定した機能を実現することで,ナノカーネルは複数OSの共存を可能とし,補完環境をオーバヘッド2%以内で達成できることを確認した.また,汎用OSとリアルタイムOSの共存環境を構築し,汎用OS環境では不可能であったマイクロ秒単位の応答性を確保できることを確認し,ナノカーネルの持つOS間機能補完を実証した.さらに,専用の高信頼OSからの汎用OS障害情報の収集や汎用OSの再起動処理を実現し,システムの信頼性向上にも有効であることを確認した.
著者
内田 肇 宮脇 陽一 山下 宙人 佐藤 雅昭 田邊 宏樹 定藤 規弘 神谷 之康
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.588, pp.79-84, 2007-03-07
参考文献数
13

近年,機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)と機械学習アルゴリズムを用いることで,視覚刺激の傾きや動き方向などヒト視知覚の一部を復号化できることが示されている.本研究では,ヒト視知覚の復号化を目的とし,被験者に提示した任意の画像をfMRI信号から再構成する.まず,fMRI信号から提示画像の局所平均コントラストを推定する局所画像復号器を解像度ごとに学習させた.次にそれら局所画像復号器の統合を,1)ピクセル基底表現,2)多重解像度基底表現, 3)fMRI信号の生成モデルに基づいたベイズ推定,の3種類で行った.その結果,任意の画像を高い精度で再構成できることがわかった.本手法を用いることで視覚野の詳細な情報表現・情報処理過程の解明が期待される.
著者
佐藤 雅男
出版者
専修大学学会
雑誌
専修人文論集 (ISSN:03864367)
巻号頁・発行日
no.91, pp.113-141, 2012-10
著者
小山 洋 佐藤 雅彦 遠山 千春
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.624-635, 2003-01-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
90
被引用文献数
2 1

As the last manuscript in our series of review articles on cadmium (Cd) and health effects, we reviewed research articles on epidemiologic and experimental studies on exposure levels of Cd in occupational and environmental settings in various countries, disposition and body burden of Cd, critical concentrations of Cd in the kidney of humans and animals with a focus on biomarkers for renal dysfunction, and life expectancy in Cd-polluted areas and reference areas. After this manuscript was compiled, cadmium levels in rice crops received significant attention, since the risk assessment of cadmium is now under review and discussion by the Joint Expert Committee of Food Additives and Contaminants organized by the Food Agricultural Organization and World Health Organization in 2003. We hope that the information compiled in this review may provide directions for future studies on the health risk assessment of Cd.
著者
徳本 真紀 李 辰竜 藤原 泰之 佐藤 雅彦
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第44回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-50, 2017 (Released:2018-03-29)

【目的】カドミウム (Cd) は、鉄の体内動態に影響を及ぼすことが報告されているが、その機構はほとんど検討されていない。そこで本研究では、Cdを慢性曝露したマウスにおける肝臓中鉄濃度および十二指腸中の鉄輸送関連遺伝子の発現変動を検討した。【方法】5週齢の雌性C57BL/6Jマウスに300 ppmのCdを含有した餌を21ヶ月間自由摂取させた。経時的に血清、肝臓および十二指腸を採取し、各種解析に用いた。十二指腸は胃の直下2 cmとした。【結果および考察】Cd曝露によりGOT・GPT活性およびBUN値が有意に高値を示したため、肝毒性並びに腎毒性が出現していることが示された。Cd曝露群の肝臓中Cd濃度は300 µg/g以上となり、投与期間に依存して増加したが、肝臓中の鉄濃度は対照群の50%以下となり顕著な低値を示した。次に、十二指腸における鉄輸送関連遺伝子の発現レベルを測定した。非ヘム鉄 (Fe3+) は十二指腸刷子縁膜上でDuodenal cytochrome b (Dcytb) により二価に還元され、Divalent metal transporter 1 (DMT1) により小腸上皮細胞内に取り込まれる。CdはDMT1 mRNAレベルに影響を及ぼさなかったが、Dcytb mRNAレベルを曝露期間を通じて有意に減少させた。また、葉酸輸送体であるHeme carrier protein 1 (HCP1) はヘム鉄 (Fe2+) の輸送にも関与することが知られているが、HCP1 mRNAレベルはCdの曝露期間を通じて有意に低下した。以上の結果から、Cdは十二指腸における鉄吸収機構に影響を及ぼしてヘム鉄・非ヘム鉄の吸収をともに阻害し、生体内鉄蓄積量を減少させることが示唆された。