著者
斎藤 泰紀 赤荻 栄一 永元 則義 佐藤 雅美 岡田 信一郎 太田 伸一郎 今井 督 須田 秀一 橋本 邦久 仲田 祐 中川 潤 佐藤 博俊
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.151-161, 1984

喀痰細胞診により発見された胸部レ線写真無所見肺癌21例について, 気管支鏡検査による局在部位同定法とその所見を検討した。全例扁平上皮癌であったが, 亜区域支より末梢に局在するものがあった。11例は, 正常粘膜からの高さが約2mm以上あり, ポリープ状隆起, 結節状隆起, 扁平な隆起等の目立つ所見を呈した。7例は, 約2mm以下の小結節, 表面の扁平な隆起・腫脹, 表面の不整等の目立たない所見を呈した。3例は無所見で, 気管支鏡可視範囲内にあっても病変が微細で認識できなかったものが2例, 気管支鏡可視範囲外の末梢にあり, レ線写真でも確認できなかったものが1例であった。これらの症例は, 気管支鏡下に, 気管支分泌物・洗浄吸引物・擦過物の細胞診, および生検を系統的に用いることにより, 局在部位を同定することが可能であった。
著者
新名 庸生 佐藤 雅彦 馬谷 誠二 八杉 昌宏 湯淺 太一
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.31-31, 2010-12-10

プログラミング言語Zには簡潔で厳密なセマンティックが与えられており,将来的にはZで記述したプログラムついてもその数学的,論理的性質を素直に記述,証明できる言語になることを目指している.今回はZのコア言語となるpure Zと,Javaで書かれたLisp処理系JAKLDを基にしたpure Zの実装を紹介する.JAKLDは携帯電話でも動くコンパクトさと改造しやすさからpure Zの実装に適している.今回のpure Zの実装は今後の拡張に備え,コンパクトさと改造のしやすさを引き継いだ実装になっている.The programming language Z is given a simple and strict semantics, and we expect we will be able to easily describe mathematical and logical properties of programs written in Z in the future. In this search, we introduce a core language of Z called pure Z and its implementation based on JAKLD, a Lisp system written in Java. JAKLD is suitable for the purpose because it is so compact that some versions of it runs on mobile phones and designed so that it will be easy to add, delete, and modify its functionalities. Our implementation of pure Z keeps the compactness and easiness for the next extension.
著者
佐藤 雅彦 高橋 玄 渡部 英 根上 直樹 斎藤 徹也 山田 正樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.1039-1043, 2009 (Released:2009-10-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は36歳,男性.平成19年5月より嘔吐あるも自然に軽快した.同年10月再び嘔吐あり水分摂取も不可能となり入院精査となった.内視鏡検査では胃前庭部に約10cm大の粘膜下腫瘍が認められ,上部消化管造影では同部に境界明瞭な陰影欠損があり造影剤の通過は不良であった.腹部CTでは胃の前庭部に嚢胞性病変が認められた.絶飲食後の内視鏡検査で腫瘍は6cm大にまで縮小し,同時に施行した腫瘍穿刺では無色漿液性の液体を吸引し,細胞診はclassI,アミラーゼ19,588IU/l,CEA 253.9ng/ml,CA19/9 184716.0U/mlと異常高値を呈し,異所性膵,胃嚢胞などを疑った.症状の増悪軽快を繰り返し,また悪性疾患の合併も否定できず同年12月に手術を施行し,病理検査は胃の異所性膵であった.胃の異所性膵によって前庭部での狭窄をきたした症例は比較的稀であり,文献的考察を加えて報告した.
著者
澤田 暖 佐藤 雅明 植原 啓介 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-03-02

本稿では,車載が容易なスマートフォンを用いて構築された,車両間アドホックネットワークにおいて,位置情報に即した情報の流布を行うプラットフォームである 「iDANS」 を構築した.iDANS は特定エリア内の車両同士で,迅速かつ多くの情報を共有することを目的としている.目的を達成するために,iDANS は走行中の場所に応じて,最も流布すべき情報を優先的に流布する機構を備えている.また,位置情報を正確に取得出来ない端末を中継ノードとして有効利用することも可能としている.iPhone を用いた iDANS の実機動作検証とシミュレーションによる効果測定の結果,iDANS は特定エリア内の車両間で多くの情報を迅速に流布する上で有効であることを確認できた.In this paper, iDANS, which is a location based information dissemination platform for smartphones in vehiclar ad-hoc networks (VANETs), is proposed and evaluated. The primary objective of iDANS is to disseminate and share information swiftly between vehicles within a designated area. In order to meet the demands, iDANS disseminates the information most relevant to the current location on a priority basis. It also makes use of devices which can't acquire the current location accurately as relay nodes. As a result of operation tests and simulations, iDANS was verified that it is effective in disseminating information swiftly among vehicles within a designated area.
著者
熱田 裕司 後藤 英司 武田 直樹 松野 丈夫 佐藤 雅規 猪川 輪哉
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

今年度においてはin vivoにおいて神経根由来の異所性発火を観察できる実験モデルを作成し、以下に述べる2種類の検討を行った。実験にはラットを用い、除脳後に後枝腓腹神経より双極電極にて知覚神経を逆行する神経発火活動を導出記録した。この手法によって、腰部神経根が刺激されることに基づいて発生する異所性発火が評価できることを確認した。(1)実験1:髄核投与による異所性発火の発現ラットの第5、6腰部神経根を露出し、尾椎から摘出した髄核を留置した。その後1、2,4週において腓腹神経から異所性発火にもとづく自発性神経活動を導出し、発火頻度を測定した。無処置対照と比較していずれの時期においても発火頻度は有意に増大しており、2週で最大値をお示した。一方、馬尾刺激により坐骨神経で得られた誘発電位を用いて神経伝導速度を測定すると、その値に低下は見られなかった。これらのことから、髄核は神経根に作用して異所性発火を誘発するが、伝導障害を引き起こすことは無いと考えられた。(2)馬尾圧迫による一酸化窒素感受性変化ラット馬尾レべルにおいてシリコンチューブを脊柱管内に挿入し、1週間経過させた馬尾圧迫モデルを作成した。1週間後の観察において、腓腹神経の活動は有意に増大しており、異所性発火が発現していることが確認された。この動物において神経根に一酸化窒素やセロトニンを作用させると、著名な発火増大が見られた。このような変化は馬尾圧迫の無い動物では少なかった。以上の結果は坐骨神経痛の発生機序を理解する上で重要な、髄核の影響、ならびに物理的圧迫と化学的刺激の相互関係、を明らかとしたと考えられた。
著者
宮本 太郎 山口 二郎 空井 護 佐藤 雅代 坪郷 實 安井 宏樹 遠藤 乾 水島 治郎 吉田 徹 田中 拓道 倉田 聡
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は大きく三つの領域において成果をあげた。第一に、日本の政治経済体制、とくに日本型の福祉・雇用レジームの特質を、比較政治経済学の視点から明らかにした。第二に、レジームを転換していくためのオプションを検討し、各種のシンクタンクや政府の委員会などで政策提言もおこなった。第三に、世論調査でこうしたオプション群への人々の選好のあり方を明らかにし、新しい政党間対立軸の可能性を示した。
著者
眞鍋 勝司 佐藤 雅彦
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

7日目の黄化エンドウ芽生えから抽出し、ほぼ純粋になるまで精製したフィトクロムA分子を原子間力顕微鏡によって観察した。生の溶液試料をマイカ板に載せ窒素パージによって軽い乾燥状態にしたフィトクロムを観察した結果、像が時間的に変化するので余りはっきりした像は得られなかった。これはAFMのプローブの位置検出に用いている赤色レーザーが試料のフィトクロムの光変換をもたらす結果と考え、軽く固定した分子を観察することにした。Pfr状態で0.1%グルタルアルデヒドにより固定した試料は碁石のような円盤が2個つながった全体として上から見れば雪だるま、あるいは殻つきピーナッツのような像を与えた。像の大きさプローブの大きさが10nmと仮定して計算すると約250kDaになり、フィトクロム・ダイマーの分子量と一致するし、水力学的に測定した値とも矛盾しない。一方Prの状態で固定した試料は碁石状の円盤が2つ重なった、全体として1つの厚い球に近い楕円体の像を与えた。PfrにフィトクロムのN末端から354番目からのDAVLという配列に結合することが分かっている抗エンドウフィトクロムA単クローン性抗体Mep-1をつけてAFM観察した。雪だるま像に1個の抗体が付いた像は観察されたが2個同時に付いたものは観察されなかった。これは抗原に1個の抗体が付いた状態ではもう1個は立体的に結合できなくなっているものと推定される。IgGでなくMep-1のFab'断片を用いた場合も同様に1個しか付かなかった。以上より、フィトクロムAはPrでは薄いほぼ円盤型のものが2個重なった形を形成し、Pfrになるとその円盤が開き、雪だるま型になる。雪だるまを構成する個々の円盤はフィトクロムの単量体に対応するのではなく、2つの円の付け根付近にエピトープ部分が2つ存在する可能性が大きいと解釈している。
著者
薄田 勝男 斎藤 泰紀 相川 広一 桜田 晃 陳 炎 遠藤 千顕 菅間 敬治 佐藤 雅美 佐川 元保 藤村 重文
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.875-881, 1994-10-20
被引用文献数
9

症例の寄せ集めといった人為的影響を極力排除するため, 一定地域で一定期間内で, tumor doubling time(DT)の検討可能な原発性肺癌例をいかなるselectionも行わないで収集し, それらを対象としてDTの分布および臨床病理学的特性を検討した.1)DTの対数変換後の分布は, 歪度が0.7204, 尖度が-0.0643と小さくなり, DTは対数正規分布に従がった.2)症例のDTは最小30日, 最大1077日であり, DTの算術平均は163.7±177.5日, 幾何平均は113.3日であった.3)DTの平均値は, 男性例が女性例に比較し, 喫煙例が非喫煙例に比較し, 有症状例が無症状例に比較し有意に短かった.またDTの平均値は, 扁平上皮癌および未分化癌が腺癌に比較し, T2, T3およびT4例がT1例に比較し, III期例がI期例に比較し有意に短かった.DTは密接に他の予後因子と関係していた.
著者
永元 則義 斉藤 泰紀 佐藤 雅美 佐川 元保 菅間 敬治 高橋 里美 薄田 勝男 藤村 重文 仲田 祐 大久田 和弘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.399-405, 1993

胸部X線写真無所見肺癌切除例149例中に認められた37例の隆起性病変の気管支における増殖特性を検索し, 術式の選択について考察した。肉眼所見から四型に分類できた。隆起した癌が内腔に全周性に増殖し気管支を狭窄しているもの(AC型 : 輪状狭窄型), 非全周性に一部が内腔に突出し, その周囲に表層浸潤を伴うもの(PSE型 : 進展性ポリープ型)と伴わないもの(LP型 : 限局性ポリープ型)があり, LP型はさらに有茎性(PLP型)と無茎性(NLP型)に分けられた。これら四型についてさらに組織学的に検索し, 気管支壁への深達性, 癌の広がり, リンパ節転移を検討した。以上の結果, (1)四型とも気管支鏡検査で隆起型をある程度推定しうる可能性がある, (2)PLP型, 横径小のNLP型およびPSE型は局在部位によっては区域切除やスリーブ葉切の適応となりうる, (3)AC型と横径大のNLP型は癌の根治性から考えて標準的な術式が妥当であろう, と考えられた。
著者
高槻 成紀 吉田 邦夫 須田 知樹 佐藤 雅俊 佐藤 喜和
出版者
麻布大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

研究の目的は野生馬タヒを自然復帰した保護区におけるギルドの解析であった。草食獣については大型のタヒとアカシカの群落選択と食性比較をおこない、タヒは草原をアカシカは森林を利用し、食物もタヒはイネ科を主体とし、アカシカはイネ科と双子葉を半々程度食べていることがわかった。最終年には当初予定していなかったユキウサギとシベリアマーモットを含めた比較ができた。肉食動物については鳥類は営巣崖値の調査が危険であるためにサンプルの確保ができず、断念した。しかしオオカミとキツネの比較はできた。ただし糞分析法を採用したため、アカギツネとコサックギツネの区別はできず、「キツネ類」としてまとめた。この分析によりオオカミはもっぱら哺乳類を食すが、キツネは夏は昆虫をよく食すことがわかった。またオオカミは保護区外の家畜をよく採食していることがわかり、保全上の問題が浮上した。タヒ個体数の順調な増加は保護区の設立目的からして歓迎されているが、保護区を生態系保全という視点でみた場合、草食獣による影響が強くなりつつある。そこで森林群落での影響調査を実施したところ、構成樹木の非常に高い枯死率、ディア・ラインの形成、若木の生長阻害が認められた。資源利用とこれらの結果から、タヒ・草原系とアカシカ・森林系の関係において、タヒ・草原系には有利に葉たらしているが、アカシカ・森林系が縮小・退行していることが懸念される。全体としては初期の目的をほぼ達成することができたが、食肉鳥類が分析できなかったこと、肉食獣の同定に限界があった点は課題を残した。これらの成果は順次論文として公表する予定であり、資源利用の基礎となるバイオマス推定についてはすでに投稿中であり、食性などは論文準備中である。
著者
佐藤雅彦編
出版者
ポプラ社
巻号頁・発行日
2008
著者
丸森 健司 矢部 清寿 宮本 洋寿 小林 寛 佐藤 雅昭
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.112-116, 1993-01-01
被引用文献数
3

症例は46歳の男性.心窩部痛を主訴として来院した.上部消化管造影および上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸球部小彎側に一部陥凹を伴った粘膜下腫瘍を認め,生検を施行したところ,平滑筋由来の分類不可能な腫瘍細胞があり,CT検査でも十二指腸に腫瘍像を認めた.このため十二指腸粘膜下腫瘍の診断のもとに開腹.腫瘍は十二指腸球部小彎側と膵頭部の間に存在したが,膵臓など周囲臓器との癒着なく,十二指腸切開腫瘍摘出術を施行した.組織所見では,紡錘型および多角型の類上皮性細胞が多数存在し,その豊富な細胞質は好酸性であった.以上より腫瘍は平滑筋芽細胞腫と診断された.平滑筋芽細胞腫は,その多くが胃原発であり,十二指腸原発は極めて希である.今回われわれは十二指腸原発平滑筋芽細胞腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
著者
佐藤 嘉洋 矢垣 真也 吉田 親子 能代 英之 佐藤 雅重 青木 正樹 杉山 芳弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.654, pp.23-28, 2006-03-07

高集積MRAM用のトンネル磁気抵抗素子(MTJ)として、低い反転磁界と高いディスターブ耐性を同時に満たすアステロイド特性と、最小セルサイズ8F^2を実現する砂時計型MTJを提案する。Landau-Lifshitz-Gilbert (LLG)シミュレーションによると、この砂時計型MTJは反転磁界が低減するように磁化反転時のスピン分布状態が動く特徴であり、従来のMTJ形状の磁化反転過程とは異なる。今回我々は260×420nm^2サイズの砂時計型MTJと200×400nm^2サイズの楕円MTJを試作した。LLGシミュレーションの結果と同様に、理想的なアステロイド曲線と楕円MTJよりも50%低い反転磁界を実現した。
著者
佐藤 雅浩
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

本年度は、主として明治末から昭和初期にかけて発行された医学書・医学雑誌・マスメディア資料などを収集・分析し、当時の精神医学者らによって構成された病理学的心理学言説を通時的に考察した。その結果、20世紀初頭には大衆レベルで「神経衰弱」や「神経病」に関する言説が幅広い注目を集めていたこと、また1920〜30年代に入ると、欧米から導入された「精神衛生(Mental Hygiene)」概念が、医学者・福祉事業家などを中心とする専門家の広範な関心を集めていたことを見出した。次にこれら戦前の病理学的心理学言説を考察した結果、そこでは従来指摘されていたような精神医学による「逸脱の医療化」の実践とともに、より軽微な疾患(神経衰弱・ノイローゼ等)を社会的に発見・治療するための「日常生活の医療化」の実践が開始されていたことを実証した。これは現代社会における「メンタルヘルス」概念の起源を考察したものであり、近代日本における精神医学が、全人口の精神的健康を診断する「社会医学としての精神医学」へと変貌した過程を分析したものといえる。さらに以上の考察を行う中で、近代日本の病理学的心理学言説を分析する際に「逸脱の医療化」と「日常生活の医療化」という二系列の言説を包括的に射程する必要性を見出した。すなわち、従来の歴史社会学的研究では前者の実践のみが分析される傾向にあったが、近代日本における病理学的心理学言説を総体的と把握するためには、両者の言説=実践がどのように関連しつつ構成されてきたかに注目する必要がある。たとえば戦前の「精神衛生」概念には、日常的な精神疾患に対処する「日常生活の医療化」という側面と、触法精神障害者や「変質者」に対処する「逸脱の医療化」の側面が並存しており、本年度の研究では20世紀の病理学的心理学言説の原型がこの概念(精神衛生)に象徴されていることを示した。
著者
山中 淳彦 佐藤 雅彦
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.388-401, 1997-07-15

本論文では、代入を持つ関数型言語Λを提案する.この言語の定義を示し、操作的意味論がChurch-Rosser性や参照透明性のような良い性質を持つことを示す.次に、Λと[5]で提案された同様の関数型言語Λ94とを比較し、両者の間に成り立つ関係を調べる.Λの操作的意味論はΛ94のそれよりも簡潔に与えられており、そのためΛに対しては決定的な操作的意味論を自然に定義することができる.
著者
植原 啓介 湧川隆次 佐藤 雅明 渡辺 恭人 砂原 秀樹 寺岡 文男 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.286-296, 2001-02-15
被引用文献数
6

現在の自動車の情報システムは,サービスごとにセンタシステムや通信基盤を含んだ独立したシステムとして構築されており,新たなサービスを始めるためのコストが高い.そこで我々は,安価にサービスを実現するための基盤として,通信部分をサービスから分離したインターネット自動車システムを提案している.本稿では,インターネットを利用した自動車用通信システムを設計・実装した.このシステムは,高速移動する自動車に安定したInternet Protocol(IP)通信環境を提供するため,インタフェース切替え等の新技術を導入している.車載コンピュータのハードウェアおよびインターネット自動車システムを基盤としたアプリケーションソフトウェアを開発し,実走行環境での実験を行った.実験では,複数の無線通信媒体が切り替わる環境において,連続的に安定したIP通信機能が実現できることが分かった.この結果,今回構築したシステムが自動車の情報化に十分利用できることが検証された.In current information systems for automobiles, each service is an independent system including its own communication system.For this reason it is costly to start a new service.In this paper, to realize an afordable service, we propose a new information system called InternetCAR.In this system the communication system and the service has been seperated.This paper describes the design and implementation of a automobilar communication system which utilized the Internet.The system makes use of interface switching and other new technologies to provide stable IP connectivity for automobiles moving at high speeds.On-board hardware and application software based on the InternetCAR system have been implemented and evaluated in an actual situation environment on board a moving car.The experiments proved that it was possible to provide stable IP connectivity in an environment where different wireless communication mediums are constantly being switched.As a result,it can be said that this system has the ability to safely and reliably connect automobiles to the Internet.