著者
殷 福星 高森 晋 大澤 嘉昭 佐藤 彰 川原 浩司
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.607-613, 2001 (Released:2008-04-24)
参考文献数
19
被引用文献数
11 17

Control of noise and vibration remains to be solved for the lowering of environmental load in all the industrial fields. It is necessary to take account of the noise and vibration problem when designing machines or structures. Therefore the development of damping materials suitable for structural parts that are easy to process and recycle, is urgently required. Mn-Cu damping alloys show the most satisfactory mechanical properties and damping capacity among the developed damping alloys. The M2052 damping alloy, which has a nominal composition of Mn-20Cu-5Ni-2Fe (at%), shows both a high damping capacity and a high strength. The damping capacity of M2052 alloy increases to a high level below a certain temperature, and the damping level also varies sensitively to the changes in vibration frequency and strain amplitude. By the peak-shift method the thermal activation energy for the {101} twin boundaries responsible for the low-temperature damping peak is calculated to be 4.88×104 J/mol. The tensile strength of the alloy is 500 MPa, accompanied with a superior workability for practical applications. It is confirmed experimentally that M2052 damping alloy is quite effective in damping the intolerable vibrations when used as structural parts.
著者
松下 寛治 佐藤 周也 大前 学
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.763-769, 2017 (Released:2018-05-15)
参考文献数
12

本研究では,制御判断の分かりやすい伝達やドライバの危険感覚に適合した自動運転を目的とし,90年代に提案された前方視野の危険感に基づくドライバモデルの自動運転制御への適用を試みた.従来のモデルに走行パス,曲率の危険感,速度による許容リスクの変動を加えることで,複雑な形状の構内走路の走行を可能とした.
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.975, pp.78-81, 1999-01-25

ビクターの開発したVHSかソニーのベータマックスか。家庭用ビデオの世界標準規格を目指した争いは、国内から米国、欧州へと飛び火した。VHS陣営には国内で松下電器と日立製作所、シャープ、三菱電機が加わり、ベータ陣営には東芝と三洋電機が参加した。米国ではソニーが米最大のテレビメーカー、ゼニスを自陣営に引き入れると、そのライバルであるRCAを松下がVHS陣営に取り込んだ。
著者
佐藤 哲司 福原 知宏 宝珍 輝尚 斉藤 和巳
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ブログやツイッターなどのUGC(User Generated Contents)は, 複数の著者によって断片的に書かれた記事の集合体である.本研究では, 大量な記事集合における、記事間の関連性や類似性を手がかりに, 記事間や著者間の経時的な変容の解明手法、文章の印象評価手法を確立するとともに, それらの知見に基づく新たな情報探索手法を考案した.質問回答サイトのアーカイブデータ等を用いた評価を行い, 考案手法の有効性を確認した.
著者
佐藤 恵子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.211-215, 2003
参考文献数
6
被引用文献数
1

科学技術振興事業団(JST)は,日本の電子ジャーナルサイトが,他の電子ジャーナルサイトやデータベースとのリンクを効率的に行うために,JSTリンクセンターを開発し,2002年9月より運用を開始した。JSTリンクセンターの中核となるデータベースであるリンクマスタ,リンク情報を管理するためにJSTリンクセンターに登録されたコンテンツに対して付与されるJOI(JST Object Identifier),引用文献の自動解析等を中心にJSTリンクセンターの仕組みについて述べる。また,JSTリンクセンターの利用イメージをJ-STAGEからPubMedへの引用文献リンクを例に挙げて紹介する。
著者
嵯峨 宣彦 手銭 聡 佐藤 俊之 永瀬 純也 遠藤 匠
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00548-17-00548, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
28
被引用文献数
3

In disaster areas, rescue work by humans is extremely difficult and dangerous. Therefore, rescue work using rescue robots in place of humans is attracting attention. This study specifically examines peristaltic crawling, the movement technique used by earthworms, because it can enable movement through narrow spaces and because it can provide stable movement even in various difficult environments. Moreover, we designed each part of the robot based on required specifications and developed a real robot. We present results of motion experiments conducted with robot movement on level ground.
著者
齋藤 智子 佐藤 由美 Saitou Tomoko Satou Yumi サイトウ トモコ サトウ ユウミ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.8-14, 2006-12-30
被引用文献数
4

本研究は,介護支援専門員(以下CMとする)がケアマネジメントを行う上で感じる対応困難の実態を明らかにし,CMへの支援の方向性を検討することを目的とした。調査方法は,N県内の居宅介護支援事業所に勤務するCM693名を対象に,無記名の自記式アンケート調査を実施し,345名(回収率49.8%)からの回答を得た。対応困難の実態として,独自に作成した対応困難内容41項目について(1)対応困難と思う程度(2)実際に対応困難を感じた経験頻度について尋ねた。その結果,困難と思う内容として特に高かったのは虐待への対応,独居認知症者へのケアプラン立案であった。困難を感じた経験では,家族内の意見が不一致の際の意見調整が高かった。対応困難内容41項目を困難感の程度と困難経験の頻度との関係でみると,困難感・経験頻度とも高い項目,経験頻度は低く困難感は高い項目,困難感は低く経験頻度は高い項目,困難感・経験頻度とも低い項目に分類された。また,困難感の程度には,経験年数,基礎資格,以前の在宅療養支援経験の有無が関連している項目もあった。CMへの支援として,困難感・経験ともに高い項目は,CM全般に対する研修内容として優先的に取り上げていく,経験頻度は低く困難感は高い項目は,個別支援に重点を置いていくなど,対応困難の実態やCMの特性に合わせた支援内容・方法を検討していくことが必要であることが示唆された。The purposes of this study were to identify difficulties experienced by care managers in care management and to find ways to adequately support them. The anonymous self reporting questionnaire survey was conducted to 693 care managers in N prefecture. Forty one items of difficulties were extracted from the preceding research. The questionnaire asked the subjects to rate the degree of difficulty and frequency of their experience. The highest degree of difficulties they perceived were response to abuse cases and care plan designing for the demented living alone. In terms of frequency, many reported coordination of families with different and contrasting opinions. Forty one items were further grouped by degree and frequency into four; "high in both degree and frequency", "high in degree but low in frequency", "low in degree but high in frequency" and "low in both degree and frequency". We have to prioritize and plan our support of care managers based on the data we collected. It is important to train all care managers on the items of high degree of difficulty and frequency. Concerning items of high degree but low frequency, individual support of managers is recommended. It was also found to be critical to design adequate training, taking the care managers' professional experience into consideration since sense of difficulty was correlated with their years of experience, type of background qualification and previous experience in home care.
著者
佐藤 裕
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.59, pp.1-33, 2013

ウィトゲンシュタインの哲学,特に「哲学探究」を中心とする,いわゆる「後期」のそれは,社会学という学問分野においても多くの議論を呼び起こしてきた。とりわけ,「規則(に従うこと)」や「私的言語」といった論点は,「言語(活動)」と「社会」との接点に位置しており,社会学者にとって意義のある検討課題であろう。 しかし,後期ウィトゲンシュタインの「中心テーマ」と評されることもある,「言語ゲーム」という概念それ自体は,それほど主題化されてこなかったのではないかと私は考えている。これは,ウィトゲンシュタイン自身がこの概念を明確には定義しておらず,むしろ積極的な定義を避けているようにも見える,といったことにもよるだろうし,この概念を理論的な概念であるというよりは理論の方向性を(漠然と)示すものとして受け止められてきたためではないかとも思う。 しかしながら,少なくとも社会学にとっては,この「言語ゲーム」という概念は,それ自体が詳細に検討する価値のある概念なのではないかと私は考えている。そこで,本論では「言語ゲーム」という概念そのものを主題化することにより,社会学におけるこの概念の利用可能性を検討したい。
著者
加納 隼人 佐藤 理史 松崎 拓也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-7, 2015-01-12

本年度新たに実装した,大学入試センター試験 『国語』 評論傍線部問題を解くソルバーについて報告する.実装したソルバーは,傍線部問題の本文と選択肢に対して節境界検出による節分割を行い,その結果を用いて類似度計算を行うことで,解答を選択する.本ソルバーをセンター試験の過去問 40 問に適用したところ,昨年度のソルバーを上回る最大 28 問の正解数を示した.This paper describes a new solver that solves comprehension questions in Contemporary Japanese of the National Center Test. A target question consists of a text body, a question sentence, and five choices. Our solver divides the text body and the choices into clauses by using clause-boundary detection and selects a choice based on clause similarity. Our solver correctly solved 28 questions in 40 previous questions of the National Center Test.
著者
佐藤 信夫
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

我々は人間の行動やコミュニケーションの定量計測を可能にするセンサデバイスの研究を2007年から行っている.研究内容は,センサデバイスの開発だけでなく,行動分析からその利活用までと多岐にわたる.本報告では、我々が今まで取り組んできた行動計測/行動分析手法,及び,ビジネスの事例から,顧客の課題をどのようして解決に導いてきたのかを実例を交えて紹介する.
著者
杉本 秀樹 佐藤 亨
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.39-44, 1999-03-05
参考文献数
16
被引用文献数
7

夏季における新ソバ供給と水田の高度利用を目的にした, 西南暖地における夏ソバ栽培技術の確立に関する研究の一環として, 播種期の違いが夏ソバの生育ならびに収量に及ぼす影響について調査した. 普通ソバ品種キタワセソバの種子を, 愛媛大学農学部内の雨よけビニルハウスに設置したポットに3月中旬から6月初旬まで10日ごとに播種した. 播種期が遅くなるほど開花数は増加したが, 結実率の著しい低下により粒数が減少し, さらに千粒重も低下して子実重は減少した. 特に, 開花始〜成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えると結実率は顕著に低下した. したがって, 西南暖地における夏ソバの播種は, 遅霜の心配がなければできるだけ早く, かつ開花始〜成熟期における日最低気温の平均値が17.5℃を越えない時期までに終える必要があることが明らかになった. さらに, 瀬戸内地域においては遅霜と梅雨入り時期ならびに上記臨界温度を考慮すると, 播種期は3月下旬から4月中旬に限定されること, 4月中旬までに播種すれば収穫は6月初旬となり, 初夏には新ソバの供給ができるばかりでなく, その後作に水稲はもちろんダイズ, 飼料作物などの栽培も可能となり, ソバを水田における輪作体系に組み込むことができることも明らかになった.
著者
杣川 知香 福田 雄高 吉村 正太 佐藤 慧 日宇 健 小野 智憲 牛島 隆二郎 戸田 啓介 堤 圭介
出版者
医学書院
雑誌
Neurological Surgery 脳神経外科 (ISSN:03012603)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.629-635, 2017-07-10

Ⅰ.はじめに 内頚動脈-後交通動脈分岐部動脈瘤(internal carotid-posterior communicating artery aneurysm:IC-PC AN)に合併する同側動眼神経麻痺(oculomotor nerve palsy:ONP)は,切迫破裂の警告症状やくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)に伴う局所神経症状として広く認知されているが,対側に生じることは極めて稀である19).今回われわれは,SAH発症約1日後に対側ONPを発症したIC-PC ANの稀な1例を経験した.文献的考察を加えて報告する.
著者
佐藤 一子 森本 扶 新藤 浩伸 北田 佳子 丸山 啓史
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.321-347, 2005-03-10
被引用文献数
1

This paper intends to discuss some theoretical issues of Action Research as a methodology of educational research. Action research has been developed in the field of social investigation, especially in workplaces. In the 1970s, some argument was brought out on the cognitive problems in social science and on the way of understanding of the world, not only as the objective existence but as emergent and interactional forms constructed with others. Also, Participatory Research has been created through adult educational practices in developing countries, and research networks have been constructed by International Council of Adult Education. Theoretically, this movement was first influenced by the philosophy of Paulo Freire. Considering these historical backgrounds, our discussion will focus on some controversial issues of AR and PR; a) problems of practical or reflective knowledge derived from the process of research; b) relationships between researchers and participants; and c) attributions as a way of inquiry. Finally, we examine some problems of validity of AR or PR.
著者
佐藤 義則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.526-531, 2009
参考文献数
45

GIS(Geographic Information System)は,地図インターフェイス上でのさまざまな情報の視覚化にとどまらず,分析と意思決定を支援するツールとして大きな発展を遂げた。近年では,時間軸を導入した歴史GIS(Historical GIS)の活用も進んでいる。本稿では,図書館や情報センターにおけるGISの活用,特に,古地図等の資料のデジタル化や時間空間データベースの活用および関連するツールの整備について,現状を整理することを目的とする。また,今後の整備においては,図書館・情報センターという枠組みを超えた幅広い協力が必要であることを示す。
著者
木村 容子 清水 悟 田中 彰 鈴木 まゆみ 杵渕 彰 稲木 一元 佐藤 弘
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.265-271, 2008-03-20
参考文献数
19
被引用文献数
6 10

抑肝散およびその加味方の有効な頭痛の患者タイプを検討した。対象は,随証治療にて抑肝散およびその加味方を投与した頭痛の患者45人(男性6人,女性39人,中央値38歳,範囲25-68歳,片頭痛34例,緊張型頭痛6例,混合型頭痛5例)とした。年齢,性別,身長,体重と,初診時に認められた体質傾向と随伴症状からなる31項目を説明変数とし,頭痛改善の有無を目的変数として,多次元クロス表分析により最適な説明変数とその組み合わせ検討した。この結果,単変量解析では,抑肝散による頭痛改善に有効な情報は,「眼痛」,「背中の張り」,「目の疲れ」,「イライラ」の順であった。多変量解析では,「眼痛」,「イライラ」,「背中の張り」の組み合わせが,抑肝散による頭痛改善を予測する一番よいモデルとなった。古典的考察を加え,抑肝散およびその加味方は「肝」と関連する頭痛において治療効果を期待できると考えられた。また,抑肝散およびその加味方は,呉茱黄萸で軽快するもののストレスによって再び増悪する頭痛にも有効で,ストレスなどの頭痛発作の誘因や増悪因子を抑えるはたらきがあると推察された。従来,抑肝散には緊張興奮型などの腹証が重要視されてきたが,本研究では興味深いことに,むしろ背部所見に頭痛改善と強い相関を認めた。これまで抑肝散に関する背部所見の有用性について述べた報告はなく,今後は抑肝散証では背診も重要となることが示唆された。