著者
高清水 奈央 安達 裕行 伊藤 誠人 高橋 勉 太田 翔三 新井 浩和 下田 勇樹 三浦 広志 佐藤 朗
出版者
秋田医学会
雑誌
秋田医学 = AKITA JOURNAL OF MADICINE (ISSN:03866106)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.51-55, 2017-06-30

Despite a negative result for syphilis in a maternal serological test in the first trimester, we experienced a case of congenital syphilis. The mother was a 23-year-old primipara who had been undergoing regular prenatal care since early pregnancy ; a serological syphilis test at 10 weeks of gestation was negative. She was admitted to our hospital with preterm labor, fever, liver dysfunction, and skin rash at 29 weeks of gestation. Her fetus had ascites and hepatomegaly, although the cause was unclear. The mother delivered a male infant by emergency C-section at 32 weeks of gestation due to concerns over fetal status. The neonate had severe persistent pulmonary hypertension. He also had epidermolysis, hepatomegaly, and thrombocytopenia. CRP value and serum IgM level were abnormally elevated. Considering the clinical findings, and the mother’s previous medical history, we checked the serological syphilis tests for both infant and mother. As both tests were positive, we made a diagnosis of congenital syphilis and commenced treatment with penicillin. Treatment was effective and the patient was discharged from the neonatal intensive care unit at 75 days of age ; developmental follow-up is ongoing. Our case shows that even if a syphilis test is negative during the first trimester, it is important to consider congenital syphilis in infants with suspicious clinical findings.
著者
宮島 佐輔 佐藤 弘喜
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

現在「かわいい」という言葉は日本のみならず、世界各国で「kawaii」として使われている。しかし、「kawaii」とは英語で言う「cute」、「beautiful」、あるいは「pritty」とはまた違った意味で使われている。さらに日本での「かわいい」という言葉は元々容姿などに用いられていたのだが、外見だけでなく、行動や雰囲気、物に対して以外にも使われるようになってきている。現代の女子高生やOLが普段使っている「かわいい」というのはどのような感覚なのか、概念なのか、明確な記述もなければ詳細な定義も存在しない。<br> 本研究では、現在日本で使われている「かわいい」とは何なのかをを明らかにすることが目的である。製品やファッション、いろいろなものを「かわいい」という女子高生や、クールジャパンとして、海外に「かわいい」を輸出している現代で、何がかわいいか明らかにすることができれば、プロダクトデザインの分野でかわいいものを作為的に作れるのではないかと考える。また、「かわいい」の中心である原宿、渋谷などがある日本発という「made in japan」ブランドの確立にも役立つのではないかと考えた。<br>
著者
山崎 捨夫 大井 修三 佐藤 亮平
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

我々は,鳴禽類の研究ではセキセイインコを被験体として音声コミュニケーション行動を神経行動学的アプローチで解析し,魚類の研究ではキンギョを被験体として視覚性振動刺激の認知について検討した。インコを被験体とした研究では,雌のインコを防音箱の中に入れ,同種の雄のSong(さえずり)を聞かせ、最初期発現遺伝子Zenkの産生物であるZENKタンパク質(ZENK)の発現を指標として,認知的な情報処理を行っている脳の部位を検討した。初年度の研究では,高次聴覚関連野(neostriatum caudale pars medialis ; NCM)のニューロンが,song(言語性音声)認知に関与していることを明らかにした。また,刺激Songの複雑度が増すにつれて、NCMにおけるZENK発現細胞数が増加した。次年度以降の研究では,この様な関連核としてNILが,また前脳部分ではfield L1,field L3,caudomedial neostriatumが関与していることを明らかにした。キンギョを被験体とした研究では,当初の予定とは異なり,聴覚性振動刺激の認知機構を調べるにあたり,聴覚刺激のみを使用するのではなく視覚的刺激を併用する形で認知機構を検討することが振動性刺激認知の解明に有用であることが分かってきたので,視覚性振動刺激として白黒縞模様を用い,その認知機構の解明を先に行うこととした。その結果,水平あるいは垂直方向の傾向情報の弁別が可能であることが分かった。さらに,この傾向情報からの偏角情報(傾角情報)をも認知情報として弁別方略に使用していることが明らかとなった。ただし,この傾角情報の弁別では,傾角が大きくなるに従い弁別能が低下していた。傾向と傾角の弁別方略においてどちらの情報を主に使っているかについては,被験体ごとでの一定した認知方略が認められなかった。
著者
佐藤 由梨 Yuri Sato
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 = The Doshisha law review (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.247-278, 2017-05

本稿は、少年である被告人が、禁錮以上の刑に当たる罪の事件である無免許運転の罪と故意の通行禁止場所通行の罪について、家庭裁判所から検察官へ送致がなされたところ、検察官において、故意の通行禁止違反の事実を事実の同一性が認められる罰金以下の刑である過失による通行禁止違反の罪に認定を替えて公訴提起・略式命令請求がなされ、当該請求が認められて略式命令が確定されたことに対する非常上告申立事件である最高裁平成26年1月20日判決について、これまでの判例の動向と学説の状況を整理した上で、本判決の理解と評価について考察し、本判決がこれまでの判例の中にどのように位置づけられるものであるかを分析して、本判決の意義と射程を明らかにしようとするものである。判例研究(Case Study)
著者
宮城島 一史 対馬 栄輝 石田 和宏 佐藤 栄修 百町 貴彦 柳橋 寧 安倍 雄一郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.291-296, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

【目的】本研究の目的は,腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対する入院中の電気療法の継続効果を検討することである。【方法】対象は,腰椎後方手術後に下肢症状が遺残した50 例とし,症状部位に10 分間電気療法を実施した。入院中に電気療法を継続した例(電気継続群),電気療法の継続を中止した例(電気中止群)の2 群に分類し,下肢症状のVAS を調査した。【結果】電気継続群は39 例,電気中止群は11 例であった。電気継続群のVAS(術前→初回電気療法前→退院時)は70 →40 →14 mm であり,各時期で有意差を認めた。電気中止群のVAS は63 →45 →41 mm であり,初回電気療法前から退院時で有意差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,退院時のVAS(オッズ比:1.04)が選択された。【結論】腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対し,入院中に電気療法を継続した群は,退院時の症状の回復が良好であった。
著者
佐藤朝泰著
出版者
立風書房
巻号頁・発行日
1987
著者
大島 登志一 佐藤 清秀 山本 裕之 田村 秀行
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.699-705, 1999
参考文献数
12
被引用文献数
12

This paper introduces a collaborative shooting game - "RV-Border Guards," which uses Mixed Reality (MR) technologies. This system is designed to emphasize MR-specific features for entertainment. Three players wearing HMDs cooperatively battle with virtual invaders flying around them in the MR space. Each player is armed with a virtual gear such as a helmet and a gun, and can intuitively interact with the MR space using easy gestures. Total reality of the MR space is carefully tuned. This project tries to achieve a novel multi-player entertainment, which has never been realized without MR technologies.
著者
宇都宮 智昭 佐藤 郁 白石 崇 乾 悦郎 石田 茂資
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_1-I_6, 2014 (Released:2014-10-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1 4

わが国における洋上風力の導入ポテンシャルは膨大であるが,水深50m以上の海域におけるポテンシャルがその大半を占めている.この膨大なポテンシャルを活かすためには,浮体式洋上風力発電の実用化が必要となる.しかしながら,浮体式洋上風力発電は世界的にもまだ実証段階であり,わが国における浮体式洋上風力発電の早期実用化を図るため,平成22年度から環境省により浮体式洋上風力発電実証事業が開始されることとなった.本論文では,本実証事業の概要とこれまでの主な成果を紹介する.
著者
太田 節子 佐藤 禮子
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.26, pp.75-83, 2004-03

研究目的は,大腿骨頚部骨折で観血的治療後退院した高齢患者の退院後1年間の身体・精神・社会的特徴とその関連を明らかにし,看護援助の方法を検討することである.研究協力を得た意志疎通可能な65歳以上の患者9名とその家族・介護者を対象とし,退院後1年間数回の半構成質問による面接調査を行い,質的・帰納的に分析した.その結果,1.高齢患者は退院時歩行機能の良否に関わらず,適切な生活訓練により1~3ケ月でほぼ骨折前の生活に戻る.2.身体的,精神的および社会的特徴は①身体・社会的生活は縮小しても,家族の中で役割を果たし無理のない生活を送る②障害を持ちながら努力して生活するが家族は更なる自立を求めるため患者の不満がつのる③補助歩行となり,生活範囲が縮小したが介護者に見守られ規則的な生活を営む④施設リハビリ後,家族支援と介護保険を活用して生活を維持する⑤自宅退院後歩行は回復したが,持病悪化で死の転帰となるの5つを認めた.1年後も復職困難となる本障害の特徴,老化や危険要因を理解し,入院中はもとより外来,訪問看護等の継続看護が必要である.
著者
佐藤 隆徳 矢澤 進 並木 隆和
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2-3, pp.25-31, 1984-09-30 (Released:2010-06-22)
参考文献数
31

発芽に変温を必要とするボリビア産トウガラシ‘No.3341’ (Capsicum chinense) の発芽特性について調査検討した.1.発芽温度を30℃とした場合, 播種7日後に15℃・24時間の変温処理を行うと, 非常に早く発芽し, 発芽率も高かった.2.発芽温度を30℃とした場合, 播種7日後に行った25℃・24時間の変温処理 (変温幅5℃) も, 発芽を促進した.3.発芽温度を30℃とした場合, 播種1日後に行った15℃・24時間の変温処理も, 発芽を促進した.4.30℃恒温で, 照明下では半数近くが発芽し, 光発芽性種子 (好光性種子) であることが認められた.5.暗黒下であっても, 変温処理を繰り返し行うと, 高い発芽率が得られた.6.GA3 (ジベレリン酸) 処理は, 最適濃度であれば, 照明の有無にかかわらず, 30℃恒温下で発芽を促進した.7.GA3の最適濃度からはずれた濃度の処理では, 発芽は光の影響を受けることが認められた.8.暗黒下でGA3処理した場合, 照明下での処理に比べ, 100および250ppmで著しく発芽が抑制された.
著者
佐藤 忠雄
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.745-748, 1957-07-01 (Released:2009-05-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Recently the heat resisting alloys have made remarkable developments. There are few differences in the essential consideration of chemical constituents, but the aging time has been so prolonged that the stability of structure and strength at elevated temperature much increased. In heat-resisting alloys, some phenomena such as creep and fatigue take place under repeated stresses during practical use.The transformation and precipitation of the alloys are accelerated by these repeated stresses so that there occurs a change of the volume and a decrease in the creep or the fatigue strength.Further, a systematic research on these problems is needed. It is also presumed neccessary that new manufacturing techniques, for example, vacuum-melting, vacuum-casting and hotextrusion should be introduced for further improvements in heat resisting alloys.
著者
佐藤 康彦 茂木 和彦 喜連川 優
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.259-260, 1995-03-15

近年のコンピュータシステムの性能の向上に伴い、莫大なデータを扱うアプリケーションに対する要求が高まっている。そのデータの記憶先として、低価格・大容量化して来ている磁気ディスク装置も考えられるが、それ以上に扱うべきデータのサイズは増大しており、より大容量の記憶装置が必要とされている。その大容量のデータを記録する記憶装置の1つとして、磁気テープをロボティクスで管理するテープ・アーカイバが存在する。現在の商用テープ・アーカイバにおいては、その容量は装置の構築時に決定され、容量を増やすためには全く独立な装置を追加することになる。また、価格的にも極めて高価である場合が多い。現在、我々はコモディティ化した小規模テープアーカイバを任意台数結合可能なスケーラブルアーカイバの研究を進めている。数十~数千台からなるシステム構築に際しては、その負荷分散が極めて重要な課題となる。本稿では、カセットマイグレーションが可能なアーカイバを用い、負荷分散機構を導入することにより、スケーラブルアーカイバの有効性について検討する。