著者
鵜瀬 亮一 中村 絵美 佐藤 勉 石川 智雄 佐藤 和也
出版者
新潟医療福祉学会
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.57-60, 2021-11-30 (Released:2021-11-30)
参考文献数
9

現在野球界では、年代を問わず球数制限やイニング制限による投球障害防止の議論が盛んになされている。中学生は発育スパート期にあり、特に身体のバランスが大きく変化しやすい。本調査は、中学野球選手の公式戦と練習試合における登板人数と球数の実態把握を行なうことを目的に、新潟県中学校体育連盟に所属する軟式野球部(前期147校、後期151校)を対象に調査を行なった。調査期間は前期と後期の2期に分け、それぞれ前期2019年3月から7月、後期2019年7月から11月であった。その結果、1試合平均登板人数は公式戦の前期が1.68±0.73人、後期が1.89±0.77人、練習試合の前期が2.16人±0.97、後期が2.23±0.94人で前期・後期ともに公式戦が有意に少なかった。1試合を完投する投手の割合も前期が公式戦46.6%、練習試合が25.7%、後期が公式戦32.9%、練習試合が19.7%と前期・後期ともに練習試合の方が有意に低かった。また、公式戦で完投した投手の平均球数は前期92.1±24.3球、後期89.9±20.6球であった。今後はチームの所属人数や強さなども考慮に入れながら、平均登板人数が少なくなる要因を検討していきたい。さらに、中学軟式野球において定められた投手の球数制限(1日100球)については、その医学的な根拠を示すことも求められるだろう。
著者
佐藤 萌都子 田村 幸嗣 吉田 裕一郎 河野 芳廣 森山 裕一(MD)
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100387, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 癌患者、その家族にとって終末期をどのように過ごすかは大きな問題のひとつである。今回、癌の進行に伴い、ADLおよび活動意欲が低下し、目標喪失となった終末期癌患者への理学療法を担当した。本症例を通し、意識変化のきっかけを与えることで、共通目標の設定・自宅退院が可能となった症例を経験する機会を得たため、報告する。【方法】 症例は30歳代女性。子宮肉腫に対し、他院にて子宮全摘+両側付属器切除施行。その6年後、子宮肉腫クラスV再発を認められ、当院にて抗癌剤治療目的に入院となる。生命予後については、主治医より“年単位は難しい”と入院時のインフォームドコンセントにて症例・ご家族に対し告知済みである。ご家族は夫・両親・義理の母親を中心に終日誰かが病室にいる状態であり、症例に対し非常に協力的であった。【倫理的配慮、説明と同意】 ヘルシンキ宣言に沿って個人情報保護に配慮し、患者情報を診療記録から抽出した。症例ご家族に対し、本学会にて症例報告を行うことについて同意を得た。また、当院の倫理委員会の承諾も受けた。【結果】 当院入院から退院までを以下の3相に分け、経過を報告する。(介入初期)当院入院約1ヶ月経過し、機能改善目的にリハビリテーション(以下リハ)開始となった。介入当初は、PS2~3と個室内トイレへは点滴台歩行にて自立レベルであったが、終日嘔気・嘔吐に加え間欠的な腹部痛、下腿浮腫を中心とした倦怠感により臥床傾向であった。また、人目を気にすることで個室外出はほとんどみられず、“リハが入っても何もできない”とリハ介入に対しての強い不安が聞かれた。そこで、まずは「個室からリハ室までの外出」を目標に、他の利用者のいない昼休み時間を利用するなど環境設定をしながら、少しずつ離床を図った。(活動範囲拡大期)点滴台歩行に加え自転車エルゴメーターを中心に運動耐容能改善を図るなかで、“思ったより歩けた”“動けるなら自宅に帰って妻らしく家事がしたい”など心理的変化に加え、意欲的な発言がみられ始めた。一時的には病棟内を散歩するなど、人前に出る機会も多くなり、身体機能の向上を図ることができた。PTに対して、在宅復帰への希望がある一方で、ご家族の負担となることへの不安を話す場面もあったが、症例、ご家族、病棟スタッフを含め「自宅退院」という目標を共有した。その後、抗癌剤治療の合間に自宅退院の予行を含め、訪問看護を導入しながら一時退院となった。(自宅復帰移行期)再入院に伴い再び介入したが、抗癌剤治療開始に併せ、腹水の増加や熱発・嘔吐が持続し、誤嚥性肺炎を呈するとNGチューブ・ドレーン留置となり、徐々にベッドサイドでの身体機能維持を目標とした緩和的な介入が中心となった。加えて、症状の不安定性により積極的な介入が行えない日が増えた。そのため、病棟との連携の中で疼痛コントロールを図った上での介入を行い、リラクゼーション・下腿浮腫に対するマッサージをはじめとし、体調に合わせたプログラム設定の中で、個室内の点滴台歩行の継続を図り、機能維持に努めた。最終的な自宅退院が近づく中、希望がみられる一方で“家に帰っても家族の迷惑になるのでは”という強い不安が聞かれたが、家族の受け入れを得ることができ、再入院から2ヵ月後、状態維持のまま自宅退院となった。【考察】 介入当初、活動意欲の低かった症例に対し目標設定を行うことに大変苦慮したが、症例に合わせた環境設定を行うことで個室外への離床を図ることができ、そこから前向きな意識変化を生み出せたことが自宅退院という共通目標設定に大きく繋がったと考える。また、終末期においてADL低下は避けられないが、緩和的介入へ移行し症状が不安定な中でも介入し続けることで治療はまだ続いているという精神的な支えとなり、身体機能低下を遅らせるだけでなく、目標への意欲を保持することも可能であると考える。自宅退院が決まったのち、症例からは笑顔とともに“やっぱり家が良いね”と、ご家族からは“家に帰らせることができて良かった”という発言が聞かれ、QOL向上を図れたことから今回のPT介入は適切なものであったと考える。【理学療法学研究としての意義】 癌の終末期において、QOLの向上を図ることは重要である。ADL機能の向上が図れなくなった時こそ、身体機能面への介入だけでなく、症例に合わせた理学療法を行い、目標を共有し意識を高めることはQOL向上に有効なアプローチと考える。
著者
大久保 博志 原田 恭輔 渡辺 大誠 佐藤 強 藤井 裕矩 丸山 勇祐 岩原 誠
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp._OS0201-1_-_OS0201-2_, 2016

A concept of a "Kite-type Wind-Power Generator" system is studied for evaluating the potential of an innovative high altitude wind power technology which utilizes a tethered buoyant WPG to extract energy from wind at higher altitude. The demonstration model consists of a straight blade windmill, a specially designed kite to elevate to high altitude, and a generator on ground, where the windmill and the generator are connected each other with a loop tether and wind energy is transferred from the windmill to the generator. A small demonstration model is studied experimentally by wind tunnel tests. Result of the present analysis and experimental study show an expecting facility to provide natural and eternal energy for the habitants in the city area.
著者
鈴木 健大 柿坂 庸介 北澤 悠 神 一敬 佐藤 志帆 岩崎 真樹 藤川 真由 西尾 慶之 菅野 彰剛 中里 信和
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.167-171, 2017-02-01

症例は28歳女性。てんかん発症は19歳。頭部MRIで右傍シルヴィウス裂に多小脳回を認めた。発作症状は,体性感覚前兆,意識減損発作,健忘発作など多彩であった。家族より,寝言が多い翌日は発作が増加する,との病歴が聴取された。長時間ビデオ脳波モニタリングにより「寝言」は右半球性起始のてんかん発作と判明した。医療者は「寝言」が発作症状である可能性を念頭に置き,積極的に病的な「寝言」の存在を聴取する必要がある。
著者
谷本 忠明 佐藤 明子 林田 真志 川合 紀宗
出版者
広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター
雑誌
広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター研究紀要 = The bulletin of the Center for Special Needs Education Research and Practice, Graduate School of Education, Hiroshima University (ISSN:18835406)
巻号頁・発行日
no.15, pp.33-41, 2017-03

平成25(2013)年度より,特別支援学校(聴覚障害)高等部に現行学習指導要領が学年進行で施行された。その際,それまでの教科内容が大きく変わったのが外国語(以下,英語科)であった。他方で,近年のグローバル化を踏まえて,中央教育審議会は,平成34年度からの新たな教育課程の施行に向けて,「審議のまとめ」(2016)の中で,高等学校英語科の新たな科目案を示した。しかし,聴覚障害教育においては,「聞く」,「話す」ことに困難のある生徒に対する英語科指導の教育的手立てについて,これまでも課題が指摘されてきている。他方で,「読む」,「書く」ことについても,基礎となる日本語習得の手立てを考慮しながら進めていく必要があることや,生徒の状態の多様化を踏まえた指導方法の工夫などの対応も求められている。本稿では,現行学習指導要領が施行された初年度において全国の特別支援学校(聴覚障害)高等部において開設された英語科に関して行った調査の概要を報告するととに,そこから得られた結果を踏まえて,次期学習指導要領に向けて何が求められるのかについて検討した。本稿は,平成26年度広島大学大学院教育学研究科博士課程前期特別支援教育学専攻の課題研究報告書の内容の一部に基づき作成されたものである。
著者
寒河江 健一 ハンブレ マーク 小田原 啓 千代延 俊 佐藤 時幸 樺元 淳一 高柳 栄子 井龍 康文
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.2, pp.117-136, 2012
被引用文献数
10

沖縄本島南部には,主に第四紀更新世のサンゴ礁複合体堆積物からなる琉球層群が広く分布する.本地域の琉球層群は,糸満層,那覇層,港川層よりなる.糸満層は本地域内に散点的に分布し,主に溶解・侵食を受け赤色化した現地性の皮殻状無節サンゴモに富む石灰岩からなり,層厚は2 mを超える.那覇層は糸満層と不整合ないし同時異相の関係にあり,その分布高度は約170 m,層厚は50 mに達する.本層は4つのユニットの累重体であり,ユニット1~3は浅海相であるサンゴ石灰岩から沖合相である石灰藻球・<i>Cycloclypeus-Operculina</i>・砕屑性石灰岩へと上方深海化する整合一連のシーケンスよりなり,ユニット4は沖合相のみから構成される.石灰質ナンノ化石生層序は,那覇層の堆積は1.392~1.706 Maに始まり,0.853 Ma以降まで継続したことを示す.港川層は港川と喜屋武岬西方に分布し,層厚は約20 mに及ぶが,分布標高は50mを超えない.本層の地質年代は不明である.
著者
武田 美雄 藤多 哲朗 佐藤 利夫 掛川 寿夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
薬学雑誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.105, no.10, pp.p955-959, 1985-10
被引用文献数
2

From the aerial part of Stachys sieboldi MIQ. (Labiatae), three glycosides were isolated and characterized as isoscutellarein. 4'-methyl ether 7-O-β-(6'''-O-acetyl-2"-allosyl) glucoside (1), isoscutellarein 7-O-β-(6'''-O-acetyl-2"-allosyl) glucoside (2), and acteoside (8). The effects of these glycosides on the activity of hyarulonidase were also examined.
著者
佐藤 昭子 寺尾 通徳 本間 ゆかり
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.328-332_1, 1990-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
16
被引用文献数
5 6

主な食中毒菌及び腐敗細菌23菌種25株を供試し, ニンニク抽出液の抗菌作用を検討した. その結果, 大部分の供試菌に対するニンニク抽出液のMICは, 0.62~1.25%の範囲で, 強い抗菌作用を有することが認められた. なお, 検液1mlはニンニク0.5g水抽出液に相当する. 次に, 抗菌活性の安定性について, 加熱及びpHによる影響について検討した. その結果, 抗菌活性は加熱による影響が顕著で, 100°10分間の加熱で半減し, 20分間加熱で完全に失活した. また, pH 6.0~7.0付近の抗菌活性は最も強く安定していたが, pH 5.0やpH 8.0以上では減少することが認められた.
著者
川島 信吾 植田 広 佐藤 恒久 鈴木 興太 鈴木 祐二 山口 裕充 内崎 紗貴子 鈴木 明
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.816-819, 2010-09-15

麻酔科関連の学会では一つの目玉になる企画として,学術機器展示がある.機器展示場は最新機器の特徴や情報を得る絶好の場であるが,研修医や若手医師のなかにはそれぞれの企業とのやり取りが苦手で有効に活用できていない場合がみられる.ベテランの医師でも効率よく回れないブースの配置もある.そこで,日本臨床麻酔学会第29回大会では,初の機器展示場のラウンドツアーを企画・実行した.担当のモデュレータが,各企業ブースへ案内をするツアーである.参加者には高評価をいただき,今後も継続してよい企画であると考え,反省点も含めて紹介する.
著者
米屋 武文 佐藤 泰
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.363-367, 1979

<i>Rhizopus javanicus</i>の有機酸およびエタノールの生産量に及ぼす好気培養条件の影響ならびにそのときの菌体発育状況,酵素活性の変化等を調べ,さらに本菌のアルコール発酵乳製造への利用性についても若干の言及を行った.その結果,有機酸生産量は培養液への通気量増加とともに上昇し,エタノール生産量は特定の条件下で最大値を取ることが認められた.酸素供給量が菌体の要求量を上回る条件下では培養液は高酸低エタノール型となり,逆の条件下では低酸高エタノール型となった.いずれの場合にもフマル酸,コハク酸,リンゴ酸,酒石酸が含まれ,後者では酢酸も検出された.両者の差異は菌体内酵素活性にもみられ,アルコール脱水素酵素およびチトクロム酸化酵素はどちらも低酸高エタノール型培養液中の菌体に高い活性が検出された.本菌による有機酸・エタノールの生成比率は培養時の通気攪拌条件によってコントロールしうるとともに,その生成量は主として酵母と乳酸菌の混合培養によって製造される既存のアルコール発酵乳に劣らないことが示され,利用性が認められた.
著者
鬼怒川 雄久 杉田 祐子 佐藤 公光子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.183-190, 2002-02-15

原因不明の眼瞼痙攣47症例に対し抑肝散を内服させた。抑肝散は漢方薬で,神経症・不眠・更年期障害に有効とされている。男性14名,女性33名であり,開瞼困難などの症状はすべて軽症で,角膜障害はなかった。抑肝散の投与量は,40名に対しては7.5gを1日3回,7名に対しては5gを1日2回とした。連続投与3〜7日で自覚症状が45例で改善した。随伴症状としての不眠と神経症も同時に改善した。副作用として軽度の食欲不振が3例に起こった。全症例中26例が40歳以上の女性であり,眼瞼痙攣と更年期障害との関連が推定された。以上から,原因不明の軽度の眼瞼痙攣に抑肝散の内服投与が有効であると結論される。
著者
白石 涼 佐藤 圭祐 千知岩 伸匡 吉田 貞夫 尾川 貴洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.572-578, 2021

<p>【目的】大腿骨近位部骨折患者を対象に,腹部Computed Tomography(CT)の大腰筋面積で推定した骨格筋量と機能的予後の関連を調査した。【方法】回復期病棟に入院した113 名を骨格筋量減少群と対照群に分け,患者背景,機能的予後を比較した。Functional Independence Measure(以下,FIM)利得を目的変数とした重回帰分析を行い,骨格筋量との関連性を検討した。【結果】平均年齢は83.5 ± 8.3 歳,男性35 名,女性78 名であった。骨格筋量減少群は56 名だった。骨格筋量減少群は対照群に比べ,高齢で,痩せており,入院時認知FIM,退院時FIM 合計,FIM 利得が有意に低かった。多変量解析で,骨格筋量減少とFIM 利得に有意な関連を認めた。【結論】大腿骨近位部骨折患者における大腰筋面積で推定した骨格筋量減少は,機能的予後不良と関連することが示唆された。</p>
著者
砂本 順三 佐藤 智典
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.2, pp.161-173, 1989-02-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
70
被引用文献数
4

卵黄レシチンリポソームの構造強化と標的指向性を達成するために, 本研究では疎水性アンカーとしてパルミトイル基やコレステリル基で一部修飾した天然由来多糖でリボソーム表面を被覆した。多糖被覆リボソームの構造安定性は, 内包蛍光ブローブの流出抑制およびリボソームの酵素的分解抑剃により確認された。また多糖の構造に依存した標的指向性も発現した。すなわち, アミロペクチンやマンナン誘導体で被覆したリボソームは貧食細胞との親和性に優れ, 動物に静脈投与したのち肺への特異的な集積がみられた。この特異性を利用して, 抗菌剤 (アンホテリシンB, ミノサイクリンおよびシソマイシンなど) や免疫賦活剤 (ポリアニオンポリマー) をこれらの多糖被覆レポソームにカプセル化することで, それぞれ, 細胞内増殖菌に感染した動物モデルでの抗菌活性およびマクロファージの活性化を顕薯に向上することに成功した。つぎに, がん細牌への特異牲を付与するために, プルラン被覆リポソームへ抗体を化学的に結合した immunoliposomeを作製した。認識素子として CSLEX1 のサブユニット IgMs を結合したリボソームは, 特異がん細胞との高い結合性および, PC-9 肺がん移植マウスでの腫瘍指向性を示した。また, 抗がん剤アドリアマィシンを immunolipasame にカプセル化することで, 動物モデルでの顕著な腫瘍増殖抑制効果も観察された。