著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 松野 省吾 大山 実
出版者
関東学院大学理工/建築・環境学会
雑誌
研究報告 = Journal of technological researches (ISSN:21886679)
巻号頁・発行日
vol.62, no.109, pp.49-54, 2019-03

筆者らは,肢体不自由者のコミュニケーション支援などを目的として,2種類の意図的な瞬き(随意性瞬目)の動作をユーザの入力意図として識別可能な,瞬目入力インタフェースを開発している.このインタフェースでは,2種類の入力意図にことなる機能をそれぞれ割り当てることができる.たとえば,通常の入力決定のほかに,誤り訂正の機能を割り当てることなどができる.そのため,2種類の瞬目識別を入力インタフェースとして適用することで,入力効率の改善が期待できる.本研究では,自然光下の画像処理によって眼球開口部の面積変化(瞬目波形)を解析する瞬目計測法を採用している.これまで,3種類の瞬目から得た瞬目波形の形状特徴パラメータを対象に,2種類の随意性瞬目の識別法を開発した.この瞬目種類識別法を視線入力システムの入力決定に採用し評価を行ったところ,瞬目種類の識別の誤りが散見された.本稿では,瞬目の新たな形状特徴パラメータをもちいた瞬目種類識別の結果を示す.また,その結果を用いて,新しい特徴パラメータとこれまでに採用していた特徴パラメータとの識別性能を比較する.
著者
仲間 妙 佐藤 和紀 梶本 佳照 磯崎 ひろみ 高橋 純
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Suppl., pp.125-128, 2018-12-20 (Released:2018-12-21)
参考文献数
6

教員志望学生を対象に,小学生向け漢字ドリル指導法を学ぶための講義パッケージを開発し実施した.講義内容は,漢字ドリルの基礎知識を学び,模範授業映像の視聴後,指導法を練習するものであった.講義の事前事後に漢字ドリル指導の自信や,講義から学んだこと,さらに学びたいことは何かを明らかにする質問紙調査を行った.その結果,漢字ドリル指導の自信向上が見られた(研究1).また,本講義が漢字ドリル指導のイメージを具体的に伝えることに効果的なことが示唆された.さらに,授業以外での指導法などについての講義も求められる可能性も示唆された.また,感想の共有や指導法の練習が,学びにつながった可能性が考えられた(研究2).
著者
佐藤 克己 高橋 岩仁 保坂 成司 森田 弘昭
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.326-335, 2020-11-20 (Released:2020-11-29)
参考文献数
19

「トイレに流せる」と表示している衛生製品は,日本や欧米で製造販売され,その利便性のために急速に普及している.これらの衛生製品には世界の下水道関係者団体と欧米の製造者団体が制定した2つの国際規格がある.一方で,日本では規格化の途上にあるのが現状である.本研究では,トイレに流せるとする衛生製品の水解性について,国内規格化に向けた課題整理を念頭に,世界の下水道関係者団体が定めた規格(IWSFG PAS3)と日本のトイレットペーパー規格(JIS P 4501)により製品の水解性を検証するとともにそれぞれの試験方法を評価した.その結果,トイレットペーパーと同様に水解するものからまったく水解しない製品が流通していることが判明した.そして,国内規格が制定されていないなか,JIS P 4501を代用することには,ある程度の合理性があることが明らかになった.また,IWSFG PAS3は下水道施設の維持管理にとって安全側見地に立った試験法であることが確認できた.
著者
松下 一郎 大野 淳 佐藤 正壽 吉原 佐知雄 白樫 高史
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.9, pp.603-608, 1997
被引用文献数
1

本研究では,水晶振動子マイクロバラソス(QCM)法をエマルションの調製過程における経時変化のモニタリングに使用することを試みた.W/O型エマルションの場合,試料として,水相には塩化ナトリウム水溶液,油相には流動パラフィン:ケロシン=9:1の混合油を,また,乳化剤にはソルビタンセスキオレアートを用いた.O/W型エマルションの場合,水相には蒸留水,油相には流動パラフィン,乳化剤にはテトラオレイン酸ポリ(オキシエチレン)ソルビトールを用いた,油相または水相と乳化剤中に白金QCM電極と撮牟器のプロペラを挿入し,撹拝しながら,水相または油相をビュレットを用いて滴下していく過程に対してQCM法を用いて,その共振周波数を測定した.W/O型エマルションにおける共振周波数変化は,乳化初期から一時的に上昇を示し,その後は,水相滴下終了(水相比率60vol%)まで減少を示し,その後は緩やかな減少を示した.O/W型エマルションにおける共振周波数変化は,油相滴下終了までは上昇を示し,その後はわずかな減少を示した.一般的に,共振周波数は,その接する液体の密度の上昇により減少し,その接する液体の粘度の上昇により減少することが知られている.よって,本研究における周波数変化は,油相に水相を滴下していくことによるパルクの密度上昇,または,水相に油相を滴下していくことによるバルクの密度減少による効果およびエマルションの乳化の進行に基づくバルクの粘度上昇の効果によると考えられる.
著者
辻 隆 祖父江 義明 岡崎 廉治 川島 隆幸 齋藤 太郎 井本 英夫 新井 良一 雨宮 昭南 霜越 文夫 長谷川 修司 小嶋 壮介 下園 文雄 川村 正義 飯島 健 鈴木 英雄 佐藤 寅夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.4-21, 1998-03

低温度星の分光学とともに/辻先生を送る/東京大学を去るにあたって/岡崎廉治先生を送る/新しい化合物を求めた30年/齋藤太郎先生を送る/大学を去るにあたって/新井良一先生を送る/シモコシ・回路の完成を追い求めた日々/霜越さんを送る/再見!東大・小石川植物園/小嶋壮介事務主任を送る/云うべき事と云わざるべき事:流転/川村さんのこと/三崎臨海実験所退官にあたって/鈴木英夫さんを送る
著者
工藤 慈士 佐藤 大典 草薙 健太 杉山 佳生
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_51-1_62, 2022 (Released:2022-01-20)
参考文献数
27

Coronavirus (COVID-19) disease has become a global pandemic, causing various activities to be restricted in Japan. Thus, we investigated university swimmers’ perceptions of the COVID-19 restrictions and how they thought these impacted their sport, along with an exploratory identification of their psychological states. We asked 108 university swimmers (men 74 and women 34; mean age 19.82, [SD 1.17] years) to describe their psychological states during the pandemic. Data analysis involved collection of descriptions and quantitative context analysis or text mining using the KJ method with KH coder software. Following analysis, six categories emerged: “infection prevention and control,” “gratitude,” “preparing for the restart,” “uncertainly about the future,” “physical decline,” and “psychological decline.” In addition, results of the qualitative analysis confirmed the relationship between the words “swimming” and “feeling,” “feeling” and “can swim.” These results suggest that university swimmers consider their sport and themselves during periods of inactivity and that it will be useful for the sporting community to research the psychological states of university swimmers during the global pandemic.
著者
深谷 公宣 佐藤 真基子
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Art and Design University of Toyama (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
no.12, pp.108-110, 2018-02-28

日時:平成28 年7月8日(金)13:00 ~ 16:15場所:富山大学高岡キャンパス 講堂/B-211講義室講師:ジョナサン・カハナ博士(デンマーク、オーフス大学研究員)、佐藤真基子教授(富山大学教養教育院)、深谷公宣准教授(富山大学芸術文化学部)参加者:「映像文化論」「卒業研究・制作(深谷担当)」履修学生、本学教職員。\n学部授業「映像文化論」(2年前期)及び「卒業研究・制作(深谷担当)」(4年)において、映像作品に見られる宗教モチーフの意味について考えるイベント「宗教とポピュラー文化」を開催した。発案者は本学教養教育院教授、佐藤真基子である。佐藤のコーディネートにより、比較宗教学を専門とするデンマーク王国オーフス大学研究員ジョナサン・カハナ氏をゲスト講師として招聘した。 イベントはシンポジウム、セミナーの2部構成とした。シンポジウム(第1部)では「映像文化論」の履修学生(107名登録)、オープン・クラスの参加者(1名)、及び学内外からの来場者を対象に、3つの映像作品(『ゴーストバスターズ』、『マトリックス』、Thunder Perfect Mind )を事例に挙げ、宗教のモチーフに着目しながら議論を展開した。セミナー(第2部)では「卒業研究・制作」の履修者(大谷知穂学生、大廣優里学生、岡川春樹学生)に学内からの参加者(小田夕香理芸術文化学部講師、小坂真里江学生)を加え、カハナ氏による講義と質疑応答をおこなった。
著者
佐藤 義倫 田路 和幸 湯田坂 雅子
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.202-206, 2009-04-10 (Released:2009-04-15)
参考文献数
25

We introduce biological applications and toxicity of carbon nanoutbes and carbon nanohorns, and discuss the interaction of these materials with the biological systems in vivo.
著者
佐藤 慧 丹保 亜希仁 奥田 勝博 清水 惠子 南波 仁 一宮 尚裕 山蔭 道明
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.454-457, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)
参考文献数
10

要約:急性カフェイン中毒は用量依存性の反応を示し,同じくキサンチン誘導体であるテオフィリン中毒に症状や機序が類似する。致死量の急性カフェイン中毒に対して血液透析(hemodialysis, HD)を施行して改善を認めた症例を経験し,経過中のカフェインおよび中間代謝産物のテオフィリン血中濃度の推移から治療戦略について検討した。本症例のカフェインとテオフィリンの血中濃度は,内服後早期で異なった推移を示した。HD施行後,腸管再吸収に伴うカフェイン血中濃度再上昇時も含め,両者は相似的に推移した。HD効果によるカフェイン血中濃度低下の指標や,再吸収による血中濃度再上昇の指標として,テオフィリン血中濃度の推移は参考となる可能性が示唆された。
著者
高田 知紀 藪内 佳順 佐藤 祐太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_165-I_174, 2020
被引用文献数
1

<p> 本研究の目的は,神社空間を核とした防災コミュニティを形成するためのひとつの実践モデルを提示することである.そのために本研究では,和歌山市・伊達(いたて)神社において社会実験を展開した.伊達神社の位置する有功地区は,地震,津波,河川氾濫,土石流,斜面崩壊など多様な災害リスクにさらされている地域である.地域防災上の課題としては,地域住民が種々の災害リスクのポテンシャルを認識していない,地域内で実効性のある避難計画が周知されていない,古くからの集落と新興住宅街の住民が交流できていない,といった点があげられる.これらの課題を解決するために,伊達神社において,氏子やその他の地域住民と神職,絵地図アーティスト,学識経験者がワークショップとフィールドワークを繰り返し,地域内の史跡名所を巡ることでハザードエリアが把握できる「無病息災マップ」を作成するプロジェクトを展開した.</p>