著者
中島 正己 原 睦子 沼倉 茜 加瀬 康弘
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.201-206, 2016-06-10 (Released:2016-09-27)
参考文献数
14

アメリカ睡眠学会により2014年に睡眠障害国際分類第3版が公表され, 閉塞性睡眠時無呼吸症 (Obstructive sleep apnea, OSA) の診断基準が変更された. 大きな変更点としては, 簡易モニターによる無呼吸低呼吸指数 (Apnea hypopnea index, AHI) でもポリソムノグラフィー (Polysomnograpy, PSG) と同等の基準で診断できること, AHI が5回/時以上かつ無症状であっても, 高血圧や, 糖尿病などの合併症が存在すれば OSA と診断されることの2点である. そこで, 以前に行われた PSG と簡易モニターの検査結果を retrospective に検討し, 診断結果の影響について考察した. 本邦では診断機器の選択について, 医療従事者の判断に委ねられている現状にあるため, 本邦の現状に即した診断機器選択のガイドラインを早急に作成する必要性がある.
著者
西尾 直也 朝倉 暢彦 乾 敏郎
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.32, 2014 (Released:2014-10-05)

心の理論による他者の心的状態を理解する過程には,心についての一般的な知識に基づくとする立場の理論説と自己の心的状態を他者に投影して他者理解を行うとする立場のシミュレーション説が提唱されている.先行研究では,他者の心的状態のうち誤信念を推測する理論説に基づくモデルが提案されているが,誤信念理解の発達過程や誤信念以外の心的状態の理解との関連やシミュレーション説が考慮されていない.そこで,本研究ではシミュレーション説に基づいた心の理論のベイジアンネットワークモデルを提案し,様々な心的状態の理解の発達過程と相互関連を検討した.その結果,他者の信念や知識を理解する心的機能の同時発達が誤信念という高次の心的機能の獲得に必要であることが示唆された.
著者
相馬 優樹 片嶋 充弘 倉内 静香 沢田 かほり 徳田 糸代 駒目 瞳 村下 公一 中路 重之
出版者
日本栄養・食糧学会
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.19-26, 2019 (Released:2019-06-21)

本研究は,職域における健康教育プログラムがメタボリックシンドローム指標に及ぼす効果を検討することを目的とした。参加者は,青森県弘前市に事業所を置く3企業の社員92名とした。参加者は介入前の健康チェック後,3カ月間の健康教育プログラムに参加し,介入後の健康チェックを受けた。プログラムは,月1回の内臓脂肪面積の測定によるモニタリング,内臓脂肪低減を意図した食教育,およびそれを補助する職域給食としての弁当の提供の3要素で構成されていた。介入前後で,参加者の腹囲,内臓脂肪面積,収縮期血圧が改善しており,男性においては体重も減少していた。弁当の提供だけでなく,モニタリングや食教育も含めたメタボリックシンドローム対策プログラムにより,食生活全般の改善を介して効果が得られると考えられた。
著者
松本 昌二 宮腰 和弘 会田 洋 熊倉 清一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.10, pp.299-306, 1990

1945(昭和20)年8月、新潟県長岡市の市街地は空襲を受け、その被災率は79%を越えた。本研究は、土地利用、街路、公園緑地、多雪に関する戦災復興都市計画の策定・決定の過程、および街路、土地区画整理の事業の開始から完工迄を考察し、長岡市の復興都市計画の特徴をまとめたものである。(1)復興都市計画の原案づくりはかなりスムーズに進捗し、都市計画街路と区画整理区域は正式決定されたが、用途地域の変更はされなかった。(2)戦災復興院の嘱託制度によって東京大学助教授高山英華が派遣されたが、その土地利用計画案は採用されなかった。(3)戦災復興院は、多雪都市復興計画の調査研究を行おうとしたが、中途で挫折した。(4)1949(昭和24)年に行われた再検討で、区画整理事業の施工面積は幾分縮小されたが、その後順調に進み、全国のトップを切って完工式を迎えた。(5)戦災復興は、広幅員の街路網を形成し、冬季間の道路交通を確保することに貢献した。しかし、公園面積はきわめて少なかった。

1 0 0 0 OA 牛乳飲用の栞

著者
角倉邦彦 著
出版者
愛光舎
巻号頁・発行日
1899

1 0 0 0 OA 神道叢話

著者
小倉鏗爾 著
出版者
錦正社
巻号頁・発行日
vol.第2刊, 1941
著者
倉地 茜 矢野 亨治 西川 佐紀子 岡島 亜衣 船橋 美和 日比 陽子 河野 紀子 宮川 泰宏 永井 拓 山村 恵子 山田 清文
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.161-168, 2017-03-10 (Released:2018-03-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

Warfarin is a useful and effective oral anticoagulant. The management of the prothrombin time-international normalized ratio (PT-INR) is important for ensuring appropriate warfarin-based anticoagulation therapy. Here, we developed an anticoagulation management support (ACMS) system involving self-monitoring of the PT-INR and an Internet-based reporting system for outpatients. In the ACMS system, outpatients monitor their own PT-INR values using a CoaguChek® XS rapid measuring device and report the data to medical staff via a website. Then, the medical staff reply to the patients with information about their next dosage of warfarin based on the reported PT-INR data. We employed protocol-based pharmacotherapy management (PBPM), which was conducted by pharmacists, linked to the ACMS system to treat outpatients who received combination therapy involving warfarin and drugs that can have drug-drug interactions with warfarin, such as rifampicin, miconazole, 5-FU, and S-1. In the present study, we investigated the safety and efficacy of PBPM in 6 patients. There were no major discrepancies between the PT-INR values measured by self-monitoring and those obtained at hospital, and the patients did not make any errors when inputting their data via the website. By applying PBPM, anticoagulation therapy with warfarin was found to be safe and effective, and the time in therapeutic range was 82.1 ± 7.3% (mean ± SD). No major adverse events, such as bleeding or embolisms, occurred in any patient during the observation period. These results suggest that PBPM linked to the ACMS has beneficial effects on warfarin-based anticoagulation therapy in outpatients.

1 0 0 0 OA CPS SLAMの研究

著者
倉爪 亮 戸畑 享大 村上 剛司 長谷川 勉
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, pp.1234-1242, 2007-11-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
15
被引用文献数
15 11

In order to construct three-dimensional shape models of large-scale architectural structures using a laser range finder, a number of range images are normally taken from various viewpoints, and these images are aligned using post-processing procedures such as the ICP algorithm. However, in general, before applying the ICP algorithm, these range images must be registered to roughly correct positions by a human operator in order to converge to precise positions. In addition, range images must be made to sufficiently overlap each other by taking dense images from close viewpoints. On the other hand, if the positions of the laser range finder at viewpoints can be identified pre-cisely, local range images can be directly converted to the global coordinate system through a simple transformation calculation. The present paper proposes a new measurement system for large-scale architectural structures using a group of multiple robots and an on-board laser range finder. Each measurement position is identified by a highly precise positioning technique called Cooperative Positioning System (CPS), which utilizes the characteristics of the multiple-robot system. The proposed system can construct 3D shapes of large-scale architectural structures without any post-processing procedure such as the ICP algorithm or dense range measurements. Measurement experiments in unknown and large indoor/outdoor environments are successfully carried out using the newly developed measurement system consisting of three mobile robots named CPS-V.
著者
田村 毅 倉持 清美 及川 裕子 久保 恭子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.135, 2006 (Released:2008-02-28)

目的 出産後、夫婦関係の親密性や満足度が低下することがBelskyらの研究で明らかになっており、国内でもその傾向は同様で、菅原(1998)によると夫のサポートが出産後の夫婦関係に関連する。演者らは妊娠・出産・子育て期における夫婦関係の変化を、質問紙による追跡調査によって明らかにしようとしている。妊娠中の夫婦に対する第一回調査から、第二回(出産後4ヶ月)、第三回(1歳時)、第四回(2歳時)までの結果は、昨年の大会にて発表した。今回は引き続き第五回調査(3歳時)を加え、全体の概要を報告する。方法 対象者は、首都圏の保健機関・医療機関での母親学級・両親学級に参加した夫婦4623組である。調査項目は、夫婦関係尺度として、QMI (Quality Marital Index)、MLS (Marital Love Scale)、およびDAS (Dyadic Adjustment Scale) を用いた。結果 経時的な夫婦関係の低下が見られ、Belskyらのデータを確認する結果となった。特に、男性と比較して女性の下げ幅が大きいことが特徴的である。 生活時間の配分、女性の就労状況、夫の家事・子育て参加、子どもの発達、親の社会的サポートなどを独立変数として重回帰分析を行った結果、夫婦のコミュニケーション、パートナーの収入、夫の出産時の協力および子育て参加などが夫婦関係を規定する主要な要因であることが明らかになった。 出産・子育て体験は夫婦に大きな喜びをもたらすと共に、家事・育児など日常生活での負担から、家族にストレスが加わり、夫婦関係が相対的に低下すると考えられる。特に育児による拘束感、妊娠期以前に担っていた社会的役割からの撤退などが問題となる。
著者
佐倉 衛 澤田 賢治 金子 修 新 誠一 松田 功
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.140, no.9, pp.1064-1073, 2020-09-01 (Released:2020-09-01)
参考文献数
19

In model-based development in the automotive industry, functional tests are performed using models made by CAE tools. The model needs to reproduce some physical properties of the target system correctly. The previous research of the current authors proposes energy balanced based verification (EBBV) that verifies the correctness of the model focused on the energy conservation law. EBBV confirms the balance of input and output energy of the model from output information of the model. In this paper, we develop three tools to automate EBBV processes. Also, we make a modeling guideline suitable for EBBV, which is composed of tagging and a hierarchical model structure. Through numerical experiments, we check that three tools automate EBBV processes for models according to the modeling guideline. The target model of the experiments is a mild hybrid electric vehicle model made by MATLAB/Simulink, MapleSim, and CarMaker.
著者
中村 誠 三村 治 若倉 雅登
出版者
日本眼科学会
雑誌
日本眼科学会雑誌 (ISSN:00290203)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.339-346, 2015-05
著者
岩佐 真弓 塩川 美菜子 山上 明子 井上 賢治 若倉 雅登
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.55-58, 2018

Leber遺伝性視神経症(LHON)は10~20代の若年男性に好発するとされるが,比較的高齢発症する症例の臨床的特徴を検討した.2002年から2015年に受診したLHON92例のうち,発症年齢が50歳以上であった14例に対し,その年齢・性別・ミトコンドリアDNA変異の種別,臨床経過をレトロスペクティブに検討した.50歳以上で発症した14例(男性11例,女性3例)のDNA変異はm.11778G>Aを有し,そのうち8例で家族内発症が明らかであった.最低視力の平均は0.01,最終視力の平均は0.02であり,視野はゴールドマン視野計で5~30度の中心暗点を呈した.また,アルコール依存症,網膜静脈閉塞症,胃全摘などの既往歴がみられた.当院で経験したLHONのうち,50歳以上の症例は10%を超えており,稀ではなかった.いくつかの既往歴は,誘因としての役割という観点から今後注意していくべきものと考えられる.