著者
戸倉 剛
出版者
THE SOCIETY OF PHOTOGRAPHY AND IMAGING OF JAPAN
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.265-269, 2004

デジタルー眼レフカメラのより低価格機種への期待が高まる中,「高画質」「小型軽量・低価格」「簡単操作」「基本機能充実」をコンセプトにEOS Kiss Digitalを開発した. 同時に専用レンズEFLS18-55mmも開発しカメラ本体とのトータルで小型軽量・低価格であることの魅力を強めた. 2003年9月の世界同時発売後, マーケティング戦略にも支えられ市場で広く受け入れられている. 本稿では開発の背景とコンセプト実現の技術要素について解説し, 市場で大きな反響を得るに至った戦略と市場に与えた影響についての考察を報告する.
著者
西岡 里奈 阿部 睦子 金子 京子 倉持 清美 妹尾 理子 望月 一枝
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.61, 2018

<背景と目的><br> 学習指導要領の改訂により、平成29年3月に告示された小学校学習指導要領から、小学校家庭科でも「A 家族・家庭生活(3)家族や地域の人々との関わり」の中で幼児又は低学年の児童との関わりができるよう配慮することが求められている。中学校や高等学校では、幼児や小学校低学年児との関わりは行われている。しかし、小学校では特別活動などで異学年との交流は行われているものの、家庭科の授業では少ない。そこで、本研究では六年生と一年生でスイートポテトを作る交流調理実習を行うことで、新たに小学校低学年児との関わりを取り入れた授業を開発し、小学校家庭科で異なる世代の人々との関わりを学ぶことの効果を検討する。<br><br><br><br><方法><br><br>①対象: 東京都内国立小学校六年生全3クラスのうち、1クラス34名を対象とした。このクラスについて全7時間(一年生との交流は2時間)の授業を開発した。<br><br>②ナラティブ分析:交流調理実習後に六年生が交流を思い出してナラティブを作成した。書かせる際には「文章で書くこと。時間の流れに合わせて、始めから終わりまで書くこと。そのとき自分が思ったことや、相手の様子・思っていることを書くこと。」とした。 <br><br> 一クラス分のナラティブを6人で読みあい、児童によるナラティブの特徴と、授業の効果をカテゴリーのまとまりとして確認した。カテゴリーは、中学校で小学校低学年児と交流を行った論文(倉持ら,2009)を用い、他のカテゴリーが抽出できる場合は、その点について話し合った。<br><br><br><br><開発した授業><br><br> 六年生と一年生の交流を取り入れた学習として、以下のような授業を開発した。<br><br>第一次:一年生の特徴を考えると同時に、自分の成長を実感できる授業を設定した。一年生との縦割り班(特別活動の異学年交流)やお世話での経験をふまえて、自分たちと一年生の違いを考えると同時に、自分が一年生だった頃の写真を見て自分の成長を実感する場を設けた。<br><br>第二次:六年生だけで試し調理としてスイートポテト作りを行った。自分たちで試し調理を行うことで、一年生と一緒に行うときに気をつけることやどのように関わっていったらよいかを実際に調理を通して考えられるようにした。(2時間)<br><br>第三次:試し調理をふまえて、一年生を楽しませるために交流調理実習を行うときのポイントや関わり方を考える場を設定した。<br><br>第四次:一年生と一緒にスイートポテト作りを行った。(2時間)<br><br>第五次:ナラティブを記入し、一年生と交流調理実習をして、一年生の様子で気付いた点等や自分の関わり方についてまとめを行った。<br><br><br><br><授業の効果><br><br> 中学生のカテゴリーに当てはめて、六年生の記述を分類した結果、「問題解決」に関わる内容として、「接し方」「調理安全」「前次の学び」に細分化することができた。「接し方」とは、一年生との関わり方に言及したもので「待ち時間にあきてしまわないように、たくさん話しかけるようにした」などで、「調理安全」とは調理の際の安全に関わるもので、「前時の学び」とは「前回の授業で、一年生に楽しんでもらうために、調理器具の名前クイズをするとあったので、実際にやってみました」など既習事項を活用したものである。このことから、六年生が一年生との交流を通して様々な問題に直面したが、一年生に楽しんでもらうために自分達で課題に対して向き合い、解決していったことが分かった。
著者
倉永 善太郎
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.176-183, 1975

九州地方のマツカレハ個体数変動について,金峰山と大浦の2試験地で, 1956年より8世代にわたる調査結果に基づぎ,その要因の解析をおこなった。1)金峰山では1957年と1963年,大浦では1958年と1963年に突発的に大発生が起こり,いずれも1世代で終息して,大発生の前に漸進的な密度の高まりはなかった。2)全期間を通じて生命表を作り,VARLEYとGRADWELLのグラフ法により個体数変動要因の解析をおこなった。金峰山では全ステージについて調査がでぎた1957年から1962年まで6世代のうち,はじめの4世代までは卵期から越冬前幼虫期の死亡が,また,あとの2世代では雌成虫の中で繁殖雌数が占める割合が総死亡の変動主要因となった。大浦では世代ごとに異なった要因で変動がおこり,変動主要因は明らかでなかった。3)金峰山のデータから,回帰法によって越冬前幼虫密度から次世代の卵粒数を推定する式を導き出した。この式からの推定値ば,第3世代から第5世代までの適合はきわめてよかったが,第8世代(大発生)の予測はできなかった。このモデルを大浦にあてはめると適合はきわめて悪く,両試験地間では個体数変動要因にかなりの違いがあると推定された。4)この調査は8世代の長期におよび,その期間の初期と終期では林相や林内生物相などの環境変化も大きく,このような林分での少数要因による個体数変動の説明はむずかしいと思われる。
著者
東山薫 IMUTA Kana# SLAUGHTER Virginia# 北崎充晃# 板倉昭二#
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第58回総会
巻号頁・発行日
2016-09-22

問 題 心の理論(theory of mind)は,幼児を対象に主に誤信念課題を用いてその通過年齢について議論されてきた。そのデータが蓄積され,誤信念課題の成績に関するメタ分析が行われた。最もデータ数の多い欧米を基準とすると韓国の子どもは同じくらいの年齢で通過し,オーストラリアやカナダの子どもはそれより早く,日本やオーストリアの子どもは最も通過が遅れることが指摘された(Wellman, Cross,& Watson, 2001)。この通過年齢における文化差については,“個人主義vs.集団主義”理論がよく引用される(Markus & Kitayama, 1991)。西洋は個人主義であるため,誤信念課題のように自分と他者の視点を切り離した課題に関して,集団主義である東洋の子どもと比べて早いうちから通過できるというのである。しかし,同じ集団主義である韓国の子どもは西洋の子どもと同じくらい年齢で誤信念課題を通過できると報告されているため,個人主義vs.集団主義理論では説明がつかないと考えられる。そして,これまで個人主義vs.集団主義の観点から心の理論の文化差を検討した実証研究はない。文化とは“ヒトの生活を媒介する人工物の集合で,多くは世代を超えて共有されるもの”(波多野・高橋, 2003)とあるように,子どもの心の理論の文化差を論じる際に大人の文化差を考えることが重要である。そこで本研究では,西洋の子どもよりも早く誤信念課題を通過できるオーストラリアと西洋よりもかなり通過が遅れる日本の大学生における個人主義もしくは集団主義の程度と心の理論の成績との関連を見ることで文化差を説明できるか否かを明らかにすることを目的とする。方 法1.調査対象者:日本人大学生334名とオーストラリア人大学生131名を対象とした。2.調査内容:(1)7種からなる心の理論課題(東山,2011; Wellman & Liu, 2004))を実施した。すなわち,①自分と他者の異なる欲求の理解,②自分と他者の異なる信念の理解,③自分と他者の異なる知識の理解,④予期せぬ中身課題タイプの誤信念の理解,⑤位置移動課題タイプの誤信念の理解,⑥自分と他者の異なる信念と感情の理解,⑦他者の隠された感情の理解に関する課題である。日本の大学生には質問紙もしくはwebで回答できる形式を用い,オーストラリアでは質問紙で回答を求めた。ターゲット質問は他者の隠された感情の理解課題で2問,他の6課題は1問ずつ計8問であるため合計点8点満点となった。また,記憶質問も含めると合計14点満点となった。(2)相互独立・相互協調的自己観尺度(木内,1995)を用いて個人主義が集団主義かの得点を算出した。この尺度は16問からなり,得点が高いほど集団主義の傾向が強く,64点満点であった。結 果1.心の理論課題得点 8点満点での日本人の平均は7.60点(レンジ4-8,SD=.73)でオーストラリア人は7.76点(レンジ6-8,SD=.50)であった。14点満点での日本人の平均は12.91点(レンジ8-14,SD=.99)でオーストラリア人は13.02点(レンジ10-14,SD=.75)であった。8点満点においてのみ,日本人よりもオーストラリア人の方が得点が有意に高かった(t(463)=2.23, p<.05)。2.個人主義vs.集団主義得点 日本人の平均は44.34点(レンジ16-64,SD=7.78)でオーストラリア人は33.63点(レンジ21-55,SD=6.84)であった。オーストラリア人よりも日本人の方が集団主義傾向が強かった(t(463)=9.89, p<.001)。3.心の理論課題と集団主義との関連 日本人における8点満点の心の理論課題と集団主義得点の相関は認められず(r=.08, n.s.),14点満点の心の理論課題と集団主義得点には有意な正の相関が認められた(r=.14, p<.05.)。オーストラリア人においては8点満点,および14点満点のいずれの心の理論課題とも集団主義得点と有意な相関は認められなかった(それぞれr=.01, n.s.; r=-.01, n.s)。考 察 オーストラリアと日本では確かに日本の方が集団主義傾向が強かったが,心の理論の文化差を“個人主義vs.集団主義”でを説明することはできなかった。今後は,同じ集団主義である韓国でも同様の検討をする必要があるだろう。謝辞:本研究は,科研費若手研究(B)15K21577の助成を受けて行っている。また,オーストラリアのデータはクイーンズランド大学のスローター先生に協力を得て収集してもらった。
著者
大澤 絵里 秋山 有佳 篠原 亮次 尾島 俊之 今村 晴彦 朝倉 敬子 西脇 祐司 大岡 忠生 山縣 然太朗
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.67-75, 2019-02-15 (Released:2019-02-26)
参考文献数
26

目的 日本での乳幼児の予防接種は,個別接種化,種類や回数の増加により,接種スケジュールが複雑化している。本研究では,目的変数である乳幼児の適切な時期の予防接種行動と,かかりつけ医の有無,社会経済状態など(個人レベル要因)および小児科医師数など(地域レベル要因)の関連を明らかにする。方法 本研究は,「健やか親子21」最終評価の一環として,1歳6か月児健診時に保護者および市町村(特別区・政令市も含む,以下市町村)を対象に行われた調査,市町村別医師数などの既存調査のデータを用いた分析である。本研究で必要な変数がすべて揃った430市町村23,583人を分析対象とした。分析はBCG, DPT,麻疹の予防接種の適切な時期での接種を目的変数として,個人レベル変数(かかりつけ医の有無,社会経済的状況など)を投入したモデル1,地域レベル変数(市町村の小児科医師数など)をいれたモデル2,モデル2に市町村の取り組みに関する変数をいれたモデル3として,マルチレベル・ロジスティック回帰分析を行った。結果 88.3%の保護者が,適切な時期に乳幼児の予防接種行動をとっていた。かかりつけ医がいない(オッズ比[95%信頼区間],0.45[0.36-0.55]),第2子以降(第4子以降で0.23[0.19-0.28]等),母親の出産時年齢が29歳以下(19歳以下で0.17[0.13-0.24]等),母親が就労(常勤で0.52[0.47-0.58]等),経済状況が苦しい(大変苦しいで0.66[0.57-0.77]等)者では,適切な時期に予防接種行動をとる者が少なかった。地域レベルの要因では,市町村の小児科医師数四分位最大群(15歳未満人口1,000人対),15歳未満人口1,000人対の診療所数,予防接種率向上の取り組み,かかりつけ医確保の取り組みは,適切な時期の予防接種行動に関連していなかった。市町村の予防接種情報の利活用は,適切な時期の予防接種の完了と負の関連がみられた(0.84[0.73-0.96])。結論 乳幼児期にかかりつけ医をもたないこと,若年の母親,出生順位が遅いこと,経済的困難,母親の就労が,複数の予防接種の不十分な接種との関連要因であった。乳幼児の予防接種において,不十分な接種のリスクがある家庭への特別な配慮と,乳幼児がかかりつけ医をもつことができるような環境整備が必要である。
著者
名倉 秀子 山﨑 芳江 栗﨑 純一 志村 二三夫 橋本 真 八巻 公紀 尾崎 健市 白砂 正明 大村 相哲 松村 千香 堀江 寿美 中林 富嗣 河西 康太 岩下 隆
出版者
一般社団法人 日本食育学会
雑誌
日本食育学会誌 (ISSN:18824773)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.25-34, 2017-01-25 (Released:2017-10-17)
参考文献数
16

We conducted an examination of quality control for five school lunch meals offered in June and November. The differences in weight and nutrient content between the time of menu planning and the time the meals were served were measured as yield and nutrient retention factors, respectively. The yield factor was derived from the ratio of the weight of the total ingredients at the time of menu planning to the weight of the school lunch meal served. The yield factors for the five school lunch meals ranged between 87% and 94%, revealing a loss during the preparation process. Furthermore, seasonal ingredients were found to affect the yield factor of dishes using such ingredients. The nutrient retention factor was obtained by measuring the ratio of the nutrient content value of total ingredients at the time of menu planning to the value of the content analysis of school lunch at the time of serving. In all five school lunch meals, a significant decline in the nutrient retention factors was observed for energy content, calcium, magnesium and zinc. Furthermore, significant increases in vitamin A and dietary fiber were observed. However, no differences were observed for protein, fat, carbohydrates, sodium, iron, vitamin B1, vitamin B2, and vitamin C. as the intake amounted to 95% of the weight of the food served and the nutrient intake exceeded 95% for most nutrients except vitamins A and C, the school meals were found to be of high quality,. The quality evaluation of school lunch based upon the yield and nutrient retention factors revealed the need for identifying and investigating the causes of loss or gain during the preparation process to achieve quality improvements.
著者
亀倉 正博
出版者
極限環境生物学会
雑誌
極限環境微生物学会誌 (ISSN:13485474)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.3-6, 2008 (Released:2011-04-25)
参考文献数
17
著者
宮倉 崇 大越 加奈恵 水上 潤哉 室 繭子 山本 真実 荒井 佳恵 永井 彩子 入澤 亮吉 山崎 正視 坪井 良治
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.2, pp.213-219, 2008-02-20 (Released:2014-12-03)

2005年末のフィナステリド(プロペシア®)の発売以来,東京医科大学病院皮膚科では2006年11月までに449名の患者が内服治療を受けている.初診時に男性型脱毛症の病型分類と患者の体毛の濃さを診察し,あわせて家族歴,環境因子,現在までの治療,内服薬への期待などについてアンケート調査を行った.また,6カ月以上内服した症例については,使用前の臨床写真と比較して有効性を判定した.これらの調査の結果,受診患者のNorwood-Hamilton分類は軽症のII型が43%,III型が17%と両者で約半数を占め,重症のVI型,VII型は10%以下であった.有効性の判定では,「やや改善」以上は内服半年後で66%であった.髭,胸毛,四肢など体毛同士の比較では,その他の体毛と比べて髭,下肢が濃い傾向が認められた.家族歴では患者の父親に男性型脱毛症があるのが68%で,祖父は44%であった.また,内服脱落例は全体の17%であり,受診時年齢,家族歴,飲酒の有無が脱落症例と関連が認められた.内服経過中に重大な副作用を生じた症例はなく,服用中止は1例であった.
著者
相馬 優樹 片嶋 充弘 倉内 静香 沢田 かほり 德田 糸代 駒目 瞳 村下 公一 中路 重之
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.19-26, 2019 (Released:2019-02-15)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本研究は, 職域における健康教育プログラムがメタボリックシンドローム指標に及ぼす効果を検討することを目的とした。参加者は, 青森県弘前市に事業所を置く3企業の社員92名とした。参加者は介入前の健康チェック後, 3カ月間の健康教育プログラムに参加し, 介入後の健康チェックを受けた。プログラムは, 月1回の内臓脂肪面積の測定によるモニタリング, 内臓脂肪低減を意図した食教育, およびそれを補助する職域給食としての弁当の提供の3要素で構成されていた。介入前後で, 参加者の腹囲, 内臓脂肪面積, 収縮期血圧が改善しており, 男性においては体重も減少していた。弁当の提供だけでなく, モニタリングや食教育も含めたメタボリックシンドローム対策プログラムにより, 食生活全般の改善を介して効果が得られると考えられた。
著者
細田 耕 荻原 直道 今西 宣晶 名倉 武雄 清水 正宏 池本 周平 菅本 一臣 成岡 健一 MACEDO ROSENDO Andre Luis 伊藤 幸太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題では,脳やせき髄からの投射がない場合の,歩行状態における人間の足部の機械的特性を計測するために,歩行状態を再現するための歩行シミュレータを作成し,これに屍体の足部を取り付け,二方向エックス線透視撮影装置の中で歩行させることによって,足部内部の骨の動きを観察するためのプラットフォームを開発した.これに関連して,歩行状態を再現するための歩行シミュレータの制御や,透過画像から各骨の三次元運動を精密に再構成するための画像処理技術などを開発した.足部に存在する機械的特性のうち,中足骨関節に着目し,同等の機能の足部をもつ二足歩行ロボットを開発,実験によって中足骨関節の歩行安定性への寄与を調べた.
著者
板倉 陽一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.128, pp.9-14, 2006-11-30
参考文献数
10

昨今,ブログやSNSが「炎上」したとの報道が後を断たない。「炎上」状態にあっては,民事・刑事的に名誉毀損にすら該当する批判的書き込みが溢れ返り,情報発信源は①閉鎖,②意見欄停止,③放置,などの対応を余儀なくされる。しかしながら,民事・刑事的な対応は稀である。本稿は,炎上状態の背景には「意図せぬ公人化」現象があると考える。「公人」概念を扱った裁判例の分析により,「公人」概念は幅を持ち,私人が「公人性」を備えることで名誉毀損からの保護が減弱するとの帰結が得られる。そして,「意図した公人化」と異なり,「意図せぬ公人化」においては保護減弱が不当であることを明らかにし,対応策として「公人」概念の不適用と名誉毀損罪の非親告罪化を提案する。These days, there is much news that blogs and SNS profiles are "burned". On "burned" blogs and SNS profiles, many libelous comments are posted, owners of them are forced 1)closing, 2)stopping space of comments, or 3)giving up. However, they scarcely institute civil action, or accuse them. In this paper, "Unintended being public figure" is supposed as a background of "burning". From Cases about "public figure", we can find that a concept of "public figure" has width, and to be "public figure", private figure lost protection from libels gradually. In the case of "Unintended being public figure", to lost protection is injustice, a concept of "public figure" must not be applied, and libel should not require accusation.