著者
青木 久 岸野 浩大 早川 裕弌 前門 晃
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

津波石とは,津波により陸上に打ち上げられた岩塊のことである.先行研究によると,宮古島や石垣島をはじめとする琉球列島南部の島々には,過去の複数の津波によって石灰岩からなる巨礫,すなわち津波石が打ち上げられていることが報告されている.本研究では,津波によって陸上に打ち上げられた津波石のうち,海崖を乗り越えて海岸段丘上に定置している津波石に焦点をあてて野外調査を行い,過去に琉球列島南部,宮古諸島と八重山諸島に襲来した津波営力の違いについて考察を行うことを目的とする.本研究では,宮古諸島に属する宮古島・下地島,八重山諸島に属する石垣島・黒島の4島を調査対象地域として選び,宮古島東平安名崎海岸,下地島西海岸,石垣島大浜・真栄里海岸,黒島南海岸において,津波石の調査が実施された.これらの海岸では琉球石灰岩からなる海崖をもつ海岸段丘が発達し,段丘上や崖の基部,サンゴ礁上に大小様々な津波石が分布する.各海岸の背後には,岩塊が供給されうる丘陵などの高台が存在しないため,段丘上の岩塊は津波によって崖を乗り越えた可能性が高いと判断し,本研究では3 m以上の長径をもつ巨礫を津波石とみなした.津波石の重量(W)と海崖の高さ(H)に関する以下のような調査・分析を行った. Wを求めるため,津波石の体積(V)と密度(ρ)の推定を行った(W=ρgV,gは重力加速度). Vは津波石の長径と中径と短径の計測および高精細地形測量(TLSおよびSfM測量)による3D解析を併用し求められた.ρは弾性波速度の計測値から推定された.Hはレーザー距離計を用いて計測された.津波石は,宮古島ではH=17 mの段丘上に14個,下地島ではH=10 mの段丘上に1個,石垣島ではH=3 mの段丘上に4個,黒島ではH=3~4 mの段丘上に6個,計25個が確認された.段丘上の津波石が津波によって崖下から運搬されたと仮定すると,W・Hは津波石の鉛直方向の移動にかかった仕事を示すことから,津波石を崖上に運搬するのに必要な津波営力(運動エネルギー)の指標となる.さらに各島のW・Hの最大値は,各島における過去最大の津波を示すと考え,それらの値を比較してみると,その大小関係は下地島≧宮古島>石垣島>黒島となった.この結果は,過去に宮古諸島に八重山諸島よりも大きな津波が襲来したことを示唆し,石垣島周辺で最も大きい津波が襲来したとされる1771年の明和津波とは異なっている.
著者
前川 正信 柏井 浩三 丸毛 博昭
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.110-116, 1959-02

A case of solitary cyst of the spleen in a 8-year-ol d girl is reported. The content of the cyst measured approximately 850cc. and it was dark brown, hemorrhagic and sparkling due to large amount of the cholesterol crystals contained in it. It is very difficult to clinically differentiate the paranephric cyst from the splenic cyst. Displacement of the stomach to the right and the splenic flexure of the colon and the left kidney downwards on the roentgenogram is the characteristic findings of the splenic cyst. The m arsupialization was performed in this case and the result was satisfactory.
著者
北澤 宏泰 金田 北洋 岩村 惠市 越前 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMM, マルチメディア情報ハイディング・エンリッチメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.138, pp.205-212, 2013-07-11

紙メディアは電子化が進んだ現在においても重要なメディアであることは間違いない.しかし,紙を用いた印刷物に対する保護技術の研究は少ない.その保護技術の1つとして,金田らによって提案された単一ドット方式がある.単一ドット方式は,印刷物に小さな点を打ち込むことで情報を埋め込み,印刷物に違和感なく情報を埋込むことができるが,今までの研究ではその抽出精度が低く,100%の情報抽出は困難であった.そこで,本論文では単一ドット方式の抽出法を改善することで,元となる誤り率を低減し,かつ,誤り訂正符号を適用することで,低い冗長度でほぼ100%正確な情報抽出を実現した.
著者
前原 裕之 野津 湧太 野津 翔太 行方 宏介 本田 敏志 石井 貴子 野上 大作 柴田 一成
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

Recent space-based observations (e.g., Kepler mission) enable us to investigate the nature of “superflares” on solar-type stars (G-type main sequence stars). The bolometric energy of superflares ranges from 1033 erg to 1036 erg which is 10-104 times larger than that released by a typical X10 class solar flare. Most of the stars with superflares show large-amplitude photometric variations associated with the stellar rotation which suggest that the stars with superflares have large starspots. Spectroscopic studies of superflare stars revealed that the chromospheric activity correlates with the amplitude of brightness variations.We analyze the correlation between starspots and superflares on solar-type stars using the data from the Kepler mission. Our analysis shows that the fraction of the stars showing superflares decreases as the rotation period increases and as the amplitude of photometric variations, which is thought to correlate with the area of starspots, decreases. We found that the fraction of superflare stars among the stars with large starspots also decreases as the rotation period increases. This suggests that some of the slowly-rotating stars with large starspots show a much lower flare activity than the superflare stars with the same spot area and rotation period.Assuming simple relations between spot area and life time and between spot temperature and photospheric temperature, we compared the size distribution of large starspots with the area of >104 MSH (micro solar hemispheres; 1 MSH=3x1016 cm2) on slowly-rotating solar-type stars with that of sunspot groups. The size distribution of starspots shows the power-law distribution and that of larger sunspots lies on the same power-law line. The size distribution of spots from the Kepler data suggests that the average appearance frequency of the starspots with the area of >3x104 MSH on the solar-type stars with the rotation period similar to that of the Sun is once in a few hundred years.We also found that the frequency-energy distributions for flares originating from spots with different sizes are the same for solar-type stars with superflares and the Sun. These results suggest that the magnetic activity on solar-type stars with superflares and that on the Sun is caused by the same physical processes.
著者
前原 宗太朗 福井 健一 冨田 智彦 小野 智司
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

降水量などの気象情報を観測する目的として,地域気象観測システム(アメダ ス)が全国約1,300か所に設けられている. しかし,観測地点の移転や周辺に 建造物の建立などの環境変化が生じることがあり,わずかに観測データの性質 の変化が起こる. 本研究では,系列データを扱う再帰型ニューラルネットワー クを用い,上記のような微小な環境変化による気象観測データの性質の変化の 検知を試みる
著者
上野 雅代 前原 加奈子 吉住 亜紀子 池内 忠宏 真島 宏太 山本 知佳 DennisM. Williams 二神 幸次郎
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.9, pp.882-890, 2008 (Released:2010-02-07)
参考文献数
16
被引用文献数
3

Smoking is a risk factor for pulmonary diseases,cardiovascular diseases and many other morbid conditions but it is difficult to get patients to cease smoking due to the strength of nicotine dependence.As one of our pharmaceutical management and counseling services,we conducted a smoking cessation intervention program for inpatients in which we counseled them on the proper use of nicotine replacement products using a smoking cessation guidebook,and evaluated the usefulness of such counseling.We interviewed 228 patients and from among them enrolled 18 current smokers and 11 people who had stopped smoking during the past 30 days as subjects.The content of the program was evaluated through a questionnaire survey of patients and the success of the counseling by pharmacists was evaluated by smoking cessation status at discharge.Immediately after the program,44.4% of the smokers had ceased smoking and this figure had increased to 83.3% at the time of discharge.All subjects who had stopped smoking during the past 30 days continued to refrain from smoking until discharge.The results of the questionnaire survey showed that the use of a smoking cessation guidebook in the intervention enhanced awareness of the importance of ceasing smoking in 89.7% of the subjects.Though they were frequently made aware of nicotine replacement products,only about 10% had wished to use them.The findings of the questionnaire survey suggest that our smoking cessation intervention program for inpatients involving counseling on the proper use of nicotine replacement products improved patients’awareness of the importance of smoking cessation and reduced the smoking rate.
著者
野村 哲郎 祝前 博明
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

自然選択は、生物の適応的進化を説明する上で中心的な役割を果たしてきた。しかしながら、野外で実際に自然選択が働いたことを示す実例は極めて少ない。本研究では、ナミテントウの鞘翅斑紋多型における地理的勾配ならびにその年代変化を全国規模で調べ、環境変化とくに気候の温暖化との関係について調査した。本州、四国および九州のほとんどの採集地において、過去60年の間に黒化型(二紋型、四紋型、斑型)の遺伝子頻度が上昇し、非黒化型(紅型)の遺伝子頻度が低下していた。遺伝子頻度に見られた変化は、採集地に近接した気象測候所における繁殖季節の気温の上昇と呼応する傾向を示した。これらの結果は、自然選択による小進化の一例になり得るものと考えられた。
著者
渡部 保夫 鳥居 枝里子 大野 一仁 前田 耕作
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.182-185, 2011-04-15
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

本研究は,愛媛県が生産量1位である裸麦類に属するもち麦を食品原料としての利用を活性化するためにGABA機能付加を試みた.精麦した精麦もち麦粒とグルタミン酸溶液を混合して浸漬後,水切りして湿った精麦もち麦をもう一度保温することで,高含量のGABAを含むもち麦粒が製造できた.0.3%から1%グルタミン酸溶液(pH4から8)に浸漬するが,もち麦の表皮を剥いだ精麦もち麦粒を用いることが重要であった.
著者
前川 素子 大西 哲生 吉川 武男
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.103-107, 2012 (Released:2017-02-16)
参考文献数
31

統合失調症脆弱性形成の有力な説として,神経発達障害仮説が考えられている。神経発達障害には,環境要因と遺伝要因の両方が関わることが知られているが,特に環境要因については妊婦の栄養不良,妊婦のウィルス感染,産科合併症・周産期障害,母子間のRh血液型不適合などの関与が想定されている。本稿では母体栄養が出生後の児に及ぼす統合失調症脆弱性形成に対する影響について, DOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)仮説の視点から概説したい。
著者
石垣 一彦 矢加部 茂 竹尾 貞徳 前川 宗一郎 吉田 康洋 池尻 公二
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.325-328, 1986-04-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
10

精神障害者同士の結婚例12組について, 主として社会適応面から調査し報告した.1) 病名は夫婦とも精神分裂病である組合せが7組で, 12組のうち11組の両方あるいは片方の患者は分裂病者であつた.2) 結婚の様式は恋愛結婚6組, 見合結婚5組で, 見合結婚の経過が良好であった.3) 結婚の動機として, 男性では長子, 祭 主宰者としての役割を期待され, 女性では親の老令化, 同胞の世話になりたくないため結婚している者が多かつた.4) 社会適応状況は男性より女性の方が良好であつた.5) 結婚から現在までの経過は安定型, 不安定維持型, 挫折型の3つに分類出来た.
著者
山本 洋史 河島 猛 岩田 裕美子 森下 直美 宗重 絵美 西薗 博章 平賀 通 好村 研二 前倉 亮治
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.DcOF1083-DcOF1083, 2011

【目的】<BR>胸部CTで上肺優位の気腫化と末梢肺底部優位の線維化所見を認めるCPFEは、肺機能上軽微な混合性障害と著明なガス交換障害を示す。重症化すると肺高血圧症が進行し、生命予後を悪化させる(Cottinら 2005、2010年)。そのため労作時の低酸素血症と息切れによりADLは制限されるため、PTやOTの介入が必要と考えられるが、その臨床像や治療実施とその効果に関する報告は少ない。そこで本研究では、retrospectiveであるがCPFE患者の肺機能や運動負荷心肺機能検査(Cardiopulmonary exercise testing ;CPET)、PT実施前後の6分間歩行検査(6MWT)の結果を、運動耐容能を一致させたCOPD患者と特発性肺線維症(IPF)患者とで比較することにより、CPFEの運動生理学的特徴を理解し、今後のPT治療の方針を考案することを目的とする。<BR>【方法】<BR>全身状態が安定したCPFE患者で、PT前に肺機能検査とCPETをおこない、PTとその前後で6MWTを実施した10例を対象とした。肺機能検査の項目はVC、FEV<SUB>1</SUB>、FEV<SUB>1</SUB>/FVC、%DL<SUB>CO</SUB>を選択した。CPETはTreadmillを用いた3分毎漸増負荷を症候限界まで実施し、呼気ガス分析、A-Line留置での動脈血ガス分析、Brog Scale(BS)を各ステージで記録した。6MWTはPT実施前後の2回、日常歩行でのSpO<SUB>2</SUB>、脈拍数、BSを把握するためマイペースとし、1分毎に各々記録した。PTはCPETの結果を基に酸素吸入の有無とその吸入量、安全に運動ができるSpO<SUB>2</SUB>と脈拍数を示したSafe rangeを症例毎に医師から処方され、それを遵守しながら呼吸練習、運動トレーニング、ADLトレーニングなどを計20回以上実施した。また同条件で検査をおこなったCOPD患者とIPF患者で、CPFE患者のCPETでpeak VO<SUB>2</SUB>を合致させた各々14例と9例を抽出し比較した。各検査結果について3群間の比較を、TukeyのHSD検定をおこなった。なお、有意水準を5%未満とした。<BR>【説明と同意】<BR>CPET実施前に全症例に対して検査方法と研究のためのデータ使用に関する説明と同意を書面にておこなった。<BR>【結果】<BR>CPETにおける運動継続時間とpeakVO<SUB>2</SUB>は3群間で差はなかった(CPFE/COPD/IPF:493/410/354秒、15.2/13.9/14.7 ml/min/kg)。年齢とMRC scaleも差はなく(72.7/72.5/73.2歳、2.7/2.9/3.0)、BMIはCPFEが他2群より高値であった(23.1/19.8/18.4 kg/m<SUP>2</SUP>)。肺機能検査では、%VCはIPFが他2群より低値(102/98/60%)、%FEV<SUB>1</SUB>はCOPDがCPFEより低値(76/42/58%)、FEV<SUB>1</SUB>/FVCはIPF、CPFE、COPDの順で高値であり(63/40/92%)、%DL<SUB>CO</SUB>はCOPDよりもCPFEが低値であった(40/66/48%)。運動終了時のV<SUB>E</SUB>はCPFEが他2群よりも高値で(47.9/31.2/31.1 ml)、換気制限を示す指標であるV<SUB>E</SUB>/MVVはCOPDが高値であった(74.4/93.1/67.1)。最大運動時の心拍数は差を認めなかったが、CPFEが高値である傾向を示した(140/126/117 bpm)。さらに運動終了時のPaO<SUB>2</SUB>はCPFEとIPFで低酸素血症を示した(49.8/63.2/58.7 mmHg)。PT前のマイペース6MWTでは、歩行距離に3群間で差はなく(286/253/258 m)、歩行終了時のSpO<SUB>2</SUB>、脈拍数、BSにも差は認めなかったが(88/91/91%、108/104/105 bpm、2.3/1.7/3.3)、歩行開始から終了時のSpO<SUB>2</SUB>低下はCPFEが大きかった(-8.4/-5.0/-6.1%)。PT実施前後でのマイペース6MWTの距離はCPFEで短縮したが(-39/41/8m)、歩行終了時のSpO<SUB>2</SUB>は88%から90%に改善した。<BR>【考察】<BR>CPFEの運動制限因子として、COPDやIPFと比較して、換気に余力を残すが、ガス交換障害に起因する低酸素血症が大きいと考えられた。またマイペース歩行検査から日常生活でも低酸素血症をきたしながらも、換気制限が著明でないため息切れを強く感じずに歩行していた。長期にこの状態が続くと肺高血圧症の進行に悪影響を及ぼすことが示唆された。したがって、PTにおいては低酸素血症をきたさないように、動作速度や方法を指導する必要があると考えた。PT後の歩行距離の短縮はその結果である。これらの結果から、CPFEはCOPDよりもIPFに近い病態を示していると考えられた。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>CPFEの運動生理学を理解することは、EBMに基づいたPTプログラムの立案が可能となる。
著者
溜渕 功史 山田 安之 石垣 祐三 高木 康伸 中村 雅基 前田 憲二 岡田 正実
出版者
SEISMOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
地震 第1輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.193-207, 2010

We found eight <I>M</I> 5.1 characteristic earthquakes regularly occurring since 1966 on the plate boundary between the Eurasian plate and the Philippine Sea plate near Miyakojima Island, the Ryukyu Arc, Japan. The quake recurrence interval was 5.89 years in average, and the standard deviation was only 0.73 years. The accumulating stress presumably ruptured the same asperity enclosed by the creeping zone repeatedly. Also, we found three other groups of small repeating earthquakes of <I>M</I> 4, which occurred close to the hypocenters of the <I>M</I> 5 events. Those groups also occurred regularly and we can consider them to be 'characteristic' earthquake sequences. Now, we called those groups A, B, and C. It is not clear whether groups A and B had an intrinsic recurrence interval or if they influenced each other. However, two events of group C occurred within one week after the <I>M</I> 5 quakes, indicating that the <I>M</I> 5 events triggered the group C events whose asperity had suffcient strain energy. No earthquake exceeding <I>M</I> 7, which could change the recurrence intervals, has been observed on the subduction zone around the Ryukyu Islands. Therefore, there should be numerous characteristic earthquake sequences in other areas of the Ryukyu district. We expect that the next <I>M</I> 5 earthquake at 50 km depth on the plate boundary near Miyakojima Island will occur between September 2012 and July 2014 with 70% probability, using the small-sample theory with a log-normal distribution model. Moreover, the <I>M</I> 5 event may be accompanied by an <I>M</I> 4 quake that could rupture the asperity of group C within one week.

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著者
中前 勝彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.826-829, 1988-11-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
5
著者
中川 麻子 森田 舞 嶺野 あゆみ 浅田 晴之 前田 明洋 大澤 清二
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究 (ISSN:21871930)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.26, pp.535-541, 2016 (Released:2016-11-26)
参考文献数
9

女性の選好からみたオフィス環境およびアメニティ空間における家具に関して,「かわいい」の語をキーワードとし調査研究を行った.326脚の椅子のサンプル写真から,印象・形態・所有意識に関する37項目を設定し女子大学生による評価を行い,結果を統計的手法によって分析した.その結果,評価項目「かわいい」と「座りやすそう」の双方の評価が高い椅子は見ることはできなかった.またサンプル写真の評価を集計し,クラスター分析したところ,6つのクラスターを構成することが明らかとなった.「くつろぎ感」と「ボリューム感」の2軸を用いて,椅子の位置付けをポジショニングマップに示すことができた.
著者
古川 郁将 本田 陸人 湖平 元彌 藤井 悠野 西村 江梨花 東元 太誠 岩満 春樹 丸山 璃花 前田 稜河
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-06

1.はじめに市街地では、夜になっても星を綺麗に見ることができない。この光害に関心を持ち、研究を始めた。現在は市販のスカイクォリティーメーターで、夜空の明るさを数値化している。この観測値を気象条件や環境指標のデータと比較し、夜空の明るさに大きく影響していると分かった。2012年には、「北九州1/5万等光度曲線地図」(図1)を製作し、夜空の明るさを可視化した。光害とは、人工の光の環境への悪影響である(図2)。特に、街などの地表の光がエアロゾルによって散乱・反射され、夜空が明るくなる現象を研究をしている。今回、明るい暗いという曖昧な表現しかない光害を数値化するための"光害公式"を考えた。2.夜空の明るさと経時変化率「等光度曲線地図」製作の際には、1日に150ヵ所以上観測することもあり、各地点で観測した時間が異なる。そこで経時変化率を用いて、観測値を21時基準に補正した。図3は、北九州市内7ヵ所で観測した結果である。時間毎に夜空が暗くなっている。この経時変化率は、最小二乗法を用いて算出した。図4、5は19時から4時までの自動車の交通量および、マンションの点灯率である。どちらも時間の経過で減少している。このように、経時変化率は人間の活動に大きく影響される。3.光害の数値化3-1.光害公式の作成2008年に発足させた「夜空の明るさ全国ネットワーク」のデータを見ると、観測地毎に経時変化率に特徴があった。つまり、経時変化率で光害を数値化できるかもしれない。岩手県のひろのまきば天文台は光害が小さいため経時変化率は0.002と非常に小さい(図6)。逆に、三重県の津高校のように、市街地に位置し光害が大きい場所では、経時変化率が0.05と大きくなっていた(図7)。このように光害の大小は、経時変化率で表せることが分かった。そこで、経時変化率を中心に、次の光害公式を考えた。光害指数(Light Pollution Index of Sky)は、人口密度[P]、経時変化率[r]、夜空の明るさ[b]の3つを要素として、光害を数値化しており、光害指数が大きいと、光害の影響が大きいことを示す。単位は[人/(k㎡・h)]となり、人間の活動量の変化によって起こる光害を数値化した指数だといえる。人口密度が増えると、消費電力量が増えるため光害指数は大きくなる。夜空の明るさは明るくなると値が小さくなり、光害指数に反比例する。なお、人口密度を要素としたのは、新宿区のように夜まで人間の活動が盛んな場所では、経時変化が小さくなるためである。3-2.人口密度(P)と住宅率(h)人口密度は、観測地点を中心とした半径2km圏内で算出した。2012年の研究より特定の強い光源は最大2km先まで影響するためである。さらに、圏内に居住区でない部分が含まれる場合、それらを除いた部分の割合(住宅率:h)を用いて人口補正をした。住宅率は雲量の指標を参考に、有効面積内の非居住部分を目視で確認する。図8は補正後の人口密度と光害指数を比較したものである。人口密度の増加に比例してLPI-Sが大きくなっている。このように補正をしたことで、地域性をより明確に表現したものとなった。3-3.LPI-Sの実用性についてこの式が現状の光害を適切に数値化できるのかを考察するため、北九州市内各地での観測を行った。さらに、全国ネットワークの参加校へアンケートを行い、その地域特有の光害の様子について調査を行った。北九州市熊本は、観測地付近に北九州市民球場がある。そのナイター照明の影響で経時変化率が大きくなり、新宿よりも大きいLPI-S=156.4だった。人口密度だけで表せない光害を、経時変化率で表現できた。一方で、天文台はどちらも値がほぼ0であり、明確に光害を表現できた。4.おわりに 曖昧な指標である光害を、経時変化率を中心に公式化、数値化した。また、全国ネットワークへのアンケートから、LPI-Sで適切に光害の大きさを表現できるかを確認した。以前に光害をモデル化した研究はあるが、美しい星空を見るための、「暗い夜空」を数値化したものである。私たちの「明るくなった夜空」を表現した光害指数(LPI-S)は、これまでになかった。黄砂や雪など、様々な要因で夜空の明るさの地域性が生まれる。しかし、光害指数に地域性がどう表れるのかを詳細に調査するには、より多くのデータが必要だ。今後も観測を続け、全国のデータを集めていきたい。5.謝辞全国ネットワーク参加団体のデータ提供に感謝します。星空公団の小野間さんには、多大なご協力を頂きました。ありがとうございました。6.参考文献(一部)・東筑紫学園高等学校・照曜館中学校理科部(2013); 第22回「星空の街・あおぞらの街」全国大会環境大臣賞受賞記念 77pp.・環境省(2000), 地域照明環境計画策定マニュアル 2p.・J.Bortle(2001);The Bortle Dark-Sky Scale, Issue of Sky & Telescope,126p.~129p.