著者
安藤 英由樹 渡邊 淳司 雨宮 智浩 前田 太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.505-512, 2005
被引用文献数
1

In recently proposed saccade-based information displays, the observer cannot see an afterimage without moving the eyes appropriately and therefore often cannot see the afterimage correctly. We propose a new display system based on a concise saccade detection technique and the perceptual features of eye movement. In addition, with a system consisting of a wearable sensor (saccade detector) and a ubiquitous display (saccade-based display), we propose an application where many viewers can be accommodated simultaneously (Several viewers can view an image simultaneously (timesharing) with one saccade-based display.) and independently (Several viewers can view different images with one saccade-based display.). In experiments, we compared character-recognition rates to confirm that the detection of the saccade improves the visibility of the saccade-based display. The results indicate that the recognition rate is clearly improved.
著者
渡邊 淳司 坂本 憲久 則武 厚 前田 太郎 舘 〓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.168, pp.69-73, 2004-07-01

遊園地等のテーマパークにおいては,ディズニーランドの「スターツアーズ」に代表される没入型アトラクションやジェットコースターに代表される急激な身体移動感覚体験型アトラクションが特に大きな人気を博している.しかし,これまで,没入感と急激な移動感覚を同時に体験するアトラクションを実現することは困難であると考えられていた.本論文では,没入感と移動感覚を同時に提示するアトラクションの実現方法として,これまで筆者らが研究を行ってきた眼球運動を利用して情報提示を行うデバイス(Saccade-based Display)を利用した方法について検討する.具体的には,高速で移動している観察者に対してSDを利用して映像提示を行った際に,観察者がサッカード中に知覚した像に対して観察者自身が近づく,通り抜けることが可能であるかを検証する.
著者
渡邊 淳司 安藤英由樹 朝原 佳昭 杉本 麻樹 前田 太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.1354-1362, 2005-05-15
被引用文献数
2

本論文では,歩行移動の快適性,利便性を向上させるための靴型歩行周期誘導インタフェースを提案し,歩行周期の誘導を効率的に実現するための刺激入力手法について論ずる.靴型インタフェースは,靴底にある圧力センサによって歩行状態を計測し,それに合わせて足の甲に振動刺激を行うことで,人間の感覚入力に対する運動の半無意識的な同期現象(引き込み)を利用して歩行周期の誘導を行うものである.本実験を通して,振動刺激は踵が接地するタイミングに行うと効果的に誘導が可能であり,歩行周期に対する刺激周期の変化が-100 msから+150 msの範囲ならば,装着者に心理的負荷をかけずに誘導可能であることが分かった.We propose a shoe-shaped interface designed to induce a specific walking cycle, and investigate stimulation technique for effective induction of a walking cycle. The proposed interface is useful for walking navigation system, which enable wearer's locomotion without paying attention to surrounding circumstances. The interface is composed of vivration motor for stimuli and pressure sensor for sensing walking cycle. Using motor-sense synchonization of human body, this interface can induce a wearer's walking cycle effectively without mechanical constraint. The results of our experiments indicate that stimuli at the landing timing of the heel enable effective induction and that the cycle's variation from -100 to +150 ms can lead walking cycle to the stimuli's cycle without psychological load.
著者
関根 秀一 前田 忠彦 岩崎 久雄 鈴木 康夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26

携帯無線機に用いるアンテナの一つとして、バラン付きスリーブアンテナが提案されている。このアンテナは、他のアンテナに比べ設置された置体上に高周波電流をあまり流さないといった長所を有している反面、パランの取り付けが容易ではなく、しかも強い強度を持たせることが必要になるという実装上の欠点も併せ持っている。そこで本論では、上記のパランのかわりに、筐体の表面にチョーク回路を構成する方法を提案し、その有効性を実験によって検討したので報告する。
著者
小幡 元樹 前川 仁孝 若尾 真治 小貫 天 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.75, pp.13-18, 1997-08-19

現在、超電導モータ等の電気機器の開発にあたっては、発生する電磁界の解析が必須となっている。この電磁界解析手法として従来、有限要素法(E)あるいは境界要素法(E)が広く用いられている。有限要素法は、一般的に非線形性を含む不均一な領域の解析に適しており、境界要素法は均一な無限領域の解析を得意とする。しかし電磁界解析においては、磁性体のような非線形領域と周りの空気領域のように無限に広がる領域を含むため、解析時間を短縮し、さらに精度向上を目指し、著者らはFEMとBEMの長所を組み合わせた有限要素・境界要素併用法を提案している。この併用法により、FEM,BEMのみを用いた場合と比べ、計算時間は大幅に短縮されるが、本手法を用いても、大規模問題に対しては依然として長時間の解析時間を要する。そこで、本論文ではこの解析時間を短するための並列処理手法を提案し、NEC Cenju?3上で手法の性能評価を行った結果について述べる。現在、超電導モータ等の電気機器の開発にあたっては、発生する電磁界の解析が必須となっている。この電磁界解析手法として従来、有限要素法(E)あるいは境界要素法(E)が広く用いられている。有限要素法は、一般的に非線形性を含む不均一な領域の解析に適しており、境界要素法は均一な無限領域の解析を得意とする。しかし電磁界解析においては、磁性体のような非線形領域と周りの空気領域のように無限に広がる領域を含むため、解析時間を短縮し、さらに精度向上を目指し、著者らはFEMとBEMの長所を組み合わせた有限要素・境界要素併用法を提案している。この併用法により、FEM,BEMのみを用いた場合と比べ、計算時間は大幅に短縮されるが、本手法を用いても、大規模問題に対しては依然として長時間の解析時間を要する。そこで、本論文ではこの解析時間を短するための並列処理手法を提案し、NEC Cenju?3上で手法の性能評価を行った結果について述べる。Recently, for development of electrical appliances like super conductive motors, analysis of a generated electro-magnetic field is required. As a method of the electro-magnetic field analysis, the Finite Element Method (FEM) and the Boundary Element Method (BEM) have been widely used. The FEM is suitable for analysis of infinitely extending fields. The electro-magnetic field to be analyzed for electrical appliances, however, includes non-linear and infinite subfields. Taking into consideration these factors, the authors have been proposing a hybrid FE and BE method to take full advantages of these two method. Though analysis time by the hybrid FE and BE method compared with the FEM or BEM is significantly reduced, high precision analysis for large scale needs a large analysis time. To reduce analysis time, this paper proposes parallel processing scheme for a distributed many multiprocessor and evaluate its performance on NEC Cenju-3.
著者
大武 美保子 前田 貴記 加藤 元一郎 淺間 一 高木 利久
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
インテリジェントシステム・シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.323-324, 2006-09-25

Schizophrenic patients have abnormal sense of agency. The patients experiencing passivity phenomena believe their thoughts and actions to be those of external or alien entities. In this study, the authors propose method for simulating the cognitive deficit in schizophrenia whose data are comparable to the experimental data. We proposed the efferent copy activation and comparator inhibition model describes under-attribution and over-attribution in schizophrenic subjects. The output of this functional model is mapped onto the corresponding brain area based on Talairach atlas. The simulation results of this study well describe the experimental results of a schizophrenic cerebral pattern of activation.
著者
平尾 努 磯崎 秀樹 前田 英作 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2230-2243, 2003-08-15
参考文献数
29
被引用文献数
10

文書から重要な情報を持った文を抽出する重要文抽出技術は,文書要約技術の1つであり,より自然な文書要約を実現するための基盤技術である.重要文の抽出精度を高めるためには,複数の手がかりを統合的かつ効果的に扱うことが必要とされており,機械学習手法を取り入れた重要文抽出法が着目されつつある.本稿では,汎化能力の高い機械学習手法とされるSupport Vector Machine(SVM)を用いた重要文抽出手法を提案する.Text Summarization Challenge(TSC)のデータを用いて評価実験を行い,提案手法はLead手法などの従来手法と比較して統計的に有意な差で優れていることを実証した.また,野本らのデータを用いた評価実験でもこれに近い成績が得られた.さらに,文書のジャンルを考慮することで重要文の抽出精度が向上すること,重要文抽出に有効な素性のジャンルによる違いを明らかにした.Extracting from a text the sentences that contain important information is aform of text summarization.If done accurately, it supports the automatic generation of summaries similar to those written by humans.To achieve this, the algorithm must be able to handle heterogeneous information.Therefore, parameter tuning by machine learning techniques have received attention.In this paper, we propose a method of sentence extraction based onSupport Vector Machines (SVMs).To confirm the performance of our method, we conduct experiments on the Text Summarization Challenge (TSC) corpus and Nomoto's corpus.Results on the former show that our method is better (statistically significant) than the Lead-based method.Moreover, we discover that document genre is important with regard to extraction performance; the effective features of each genre are clarified.
著者
Estabrook Polly Barbieri Andrea J. Edwards Jr. Charles D. MANNING Robert M. DANOS Monika J. ILOTT Peter A. MAKOVSKY Andre 前田 惟裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.397-406, 2005-06-01
被引用文献数
1

NASAが開発した二つの探査機Spirit及びOpportunityが2004年1月4日, 1月25日に火星に着陸し, 水の存在などにかかわる貴重な科学データを取得した.データ中継には既に火星を周回しているMars Odyssey(2001年4月7日打上げ), Mars Global Surveyor(1996年11月7日打上げ)が活躍した.また, ESAのMars Express(2003年6月2日打上げ)との間で運用の互換性を実証した.地球からの近距離での通信, 深宇宙での通信でのアンテナの切換, 深宇宙通信, データ中継に必要なUHF, Xバンドを用いた通信システムの概要が示された.巡航, 大気突入, 下降, 着陸, 表面活動の複雑なシーケンスの各段階での通信方法が紹介された.
著者
大武 美保子 新井 航平 前田 貴記 加藤 元一郎 高木 利久 淺間 一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.590, pp.41-44, 2007-03-09

意志作用感(sense of agency)とは,ある動作や思考などを,他人ではなく自分の意志によって為しているという感覚をさす.統合失調症患者は,この意志作用感が障害される。ある時は,自分の動作や思考が他者の意図によるものと感じ,また逆に,自分が制御していない事柄を自分が引き起こしたと感じることがある.本稿では,意志作用感の障害を説明する認知モデルを構築し,シミュレーションを行うことにより検討を行う.
著者
船戸 潤一 前田 敦司 中西 正和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.21-22, 1996-03-06

Lispは1962年のLisp1.5の発表以来、記号処理用言語として発展し続けている。そのなかで、ISO(International Organization for Standardization)により設計されたLispの標準化案に、ISLispがある。ISLispは、Common Lispをベースの言語とし、小さく、効率の良い処理系の作成を目的として設計されたLisp言語である。本研究は、ISLisp言語処理系の実装を目的とする。本システムは原始プログラムを中間コードに変換するコンパイラ部分と、中間コードを解釈、実行するインタプリタ部分とから成り、中間コードにはバイトコードを用いる。本稿ではISLisp言語処理系のインタプリタ部分であるバイトコードインタプリタILBIについて、その実装方法と、インタプリタの効率化について報告する。
著者
前田 晴美 糀谷 和人 西田 豊明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.70, pp.1-8, 1996-07-25
被引用文献数
2

既存の雑多で構造の不均質な情報を統合する手法を提案する.基本となるアイディアとして,雑多な情報をゆるやかに関連づけるための連想構造とよぶデータ構造を用いる.連想構造は単純な表現であり,生データから容易に生成できることと,人間が直観的に理解しやすいことが特徴である.我々は,連想構造を用いて既存の情報源から情報を収集し,整理する過程を支援するシステムCM?2を試作した.CM?2では,()既存の雑多で構造の不均質な情報源から情報を取り込み,CM?2の連想構造を生成する情報キャプチャ機構,()与えられた視点から情報の切り出しと構造化を行う知的情報統合機構,()キーワードによる連想的な検索を可能にする連想検索機構を実現した.CM?2の有効性を実験によって確かめた.In this paper, we present a method to reorganize diverse information obtained from existing information sources. The basic idea is the use of a plain information representation called associative structures which enable to link information chunks using associative indexing. It is easy to generate associative structures from raw data and they are comprehensive to humans intuitively. We have developed a system called CM-2 which helps users to gather and reorganize information from existing information sources. We describe the system's three major facilities; (a) an information capture facility which allows users to gather information from heterogeneous information sources and generate CM-2 associative structures, (b) an information integration facility which helps users to reorganize information from the user's point of view, and an (c) associative retrieval facility which gives users access to information through associative indexing mechanisms using keywords. We verify our approach by analyzing results of experiments.
著者
前田 恭兵 長岡 千賀 小森 政嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.308, pp.13-18, 2007-11-04

心理カウンセラーによる心理臨床面接場面および高校教諭による悩み相談場面における対面対話中の対話者の身体動作の同調傾向をビデオ解析に基づいて検討した.50分間の心理臨床面接の映像は4事例あり,それぞれカウンセラーの評価により「高評価事例」と「低評価事例」に分類されている.また,悩み相談場面2事例は心理臨床面接場面に登場したクライエントと高校教諭の面接である.すべてのセッションは模擬面接であった.対話者の身体動作の大きさをウェーブレット変換による映像解析によりそれぞれ求め,移動相関分析により両者の身体動作の関係を検証した.その結果,全体的な相関係数は「高評価事例」では「低評価事例」や悩み相談よりも高かった.また「高評価事例」では共通した時間変化パタンが見られた.
著者
前野 克行 安保 充 大久保 明
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.673-678, 2003 (Released:2004-01-30)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

ゾルゲル法を利用して,還元状態で呈色するメディエーターと酵素を微小管内壁に固定化した目視型酵素センサーの開発を行った.メディエーターは還元型で呈色するが,酸素との反応性が高く,バッファーを送液するだけで一定時間内に退色が観察される.酵素としてグルコースオキシダーゼ,カタラーゼを用いた場合,サンプル溶液中にグルコースが含まれていれば,その反応により溶液中の酸素が減少し,メディエーターの退色するまでの時間が長くなる.この原理を利用し,微小管にサンプルを流し,ある位置の退色するまでの時間,あるいは,ある時間における退色長さを目視することで基質濃度を定量した.定量範囲は0.1~10 mMで,相対標準偏差は4% 以下となった.また,シミュレーションプログラムを作成し,この目視型センサーが原理的に可能であることを検証した.