著者
内藤 克輔 久住 治男 鹿子木 基二 加藤 正博 中嶋 和喜 塚原 健治 小林 徹治 黒田 恭一 松原 藤継
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.1019-1031, 1982-08-20

ヒト泌尿器悪性腫瘍の単層培養の研究を行い,3つの腫瘍より上皮性細胞の活発な増殖が認められた。いずれも140継代培養を重ね,細胞株として樹立された。70歳男子および30歳女子のclear cellを主体とした腎細胞癌由来の細胞株はそれぞれKH-39,KN-41,また44歳男子の膀胱移行上皮癌由来の細胞株はKW-103と命名された。これら3株をヌードマウスに異種移植し,移植28日後に100%に腫瘍形成を認めた。KH-39およびKN-41は単層培養細胞と異種移植腫瘍の光顕的,電顕的所見より腎細胞癌由来と考えられた。KW-103もまた光顕的,電顕的所見より膀胱移行上皮癌由来と考えられた。染色体分布は44〜47継代時に行つた。3株共に2個のmaker chromosomesを持ち,hyperdiploidyの核型を示した。種族細胞の染色体数モードはKH-39で58ないし59,KN-41では58ないし59,KW-103では57であつた。marker chromosomeのcentromere indexはKH-39では15.1と22.4,KN-41では15.2と22.7,さらにKW-103では16.2と24.1であつた。重複培養法による増殖曲線より得られたdoubling timeは,KH-39,KN-41およびKW-103ではそれぞれ16.0,20.9,16.0時間であつた。
著者
坂元 光輝 土居原 健 小杉 幸夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.501, pp.115-120, 2000-12-07

都市空間3次元モデルを構築する際の初期データ構築では, 上空からステレオ撮影された画像を使用して, 専門のオペレータによる図化と呼ばれる工程によって, 地物の形状と空間位置の取得が行われる.本研究は, 都市域を対象とした航空写真による人工地物の形状と位置の自動抽出を行う上での基礎となるステレオマッチング処理の高精度化を目的とする.前半では, カメラパラメータの高精度な自動推定手法について概説する.後半では, 投影変換後の画像のマッチングにおけるエポポーラ線間整合の問題について論じ, エッジ線による初期対応付けの有効性について述べる.また, 航空写真によるエッジ線の抽出およびマッチング手法について提案し, その処理結果を示す.
著者
菅原 ますみ 八木下 暁子 詫摩 紀子 小泉 智恵 瀬地山 葉矢 菅原 健介 北村 俊則
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.129-140, 2002-06-30
被引用文献数
11

本研究は,夫婦間の愛情関係が家族機能と親の養育態度を媒介として児童期の子どもの抑うつ傾向と関連するかどうかを検討することを目的として実施された。313世帯の父親,母親および子ども(平均10.25歳)を対象に郵送による質問紙調査を実施し,両親回答による夫婦関係と養育態度,および家庭の雰囲気と家族の凝集性,子どもの自己記入による抑うつ傾向を測定した。配偶者間の愛情関係と子どもの抑うつ傾向との間に相関は見られなかったが,家庭の雰囲気や家族の凝集性といった家族機能変数を媒介として投入した結果,両親間の愛情の強固さと家族機能の良好さが,また家族機能の良好さと子どもの抑うつ傾向とが関連することが明らかになった。また同時に,配偶者間の愛情関係は親自身の養育態度とも関連し,相手への愛情の強さと子どもに対する態度の暖かさや過干渉的態度との間に有意な関係が見られた。しかし,こうした養育態度のうち,子どもの抑うつの低さと関連が認められたのは,母親の養育の暖かさのみであり,父親の養育態度は子どもの抑うつ傾向とは関連しなかった。
著者
萩島 理 谷本 潤 片山 忠久 大原 健志
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.550, pp.79-86, 2001
被引用文献数
26 10

As a marvelous predicting and estimating methodology for the Heat Island in an urban area, Architecture-Urban-Soil Simultaneous Simulation Model, AUSSSM was entirely established. The revised AUSSSM is evolved from the former proposed AUSSSM by not only replacing but also newly adding several sub-models. Each sub-model expresses complex phenomenon such as one-dimensional vertical distribution of air temperature, wind velocity and humidity ratio in urban canopy, artificial heat generation from buildings and traffic, evapotranspiration from vegetation, transient evaporation from artificial surfaces shortly after precipitation, dynamic performance of cooling load and HVAC system in buildings. These sub-models have been developed in authors' former works. One of the most important features of AUSSSM is the fact that each sub-model has relatively same level of its accuracy, which leads practically correct and significant solution under the constraint of limited computational resource. And following theoretical description, the Standard Solution assuming a business district in Tokyo was presented.
著者
廣瀬 文哉 高橋 淳 阪田 史郎 柳原 健太郎 福永 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.47, pp.31-36, 2009-05-15
被引用文献数
1

センサネットワークにおいて,無線端末はバッテリ駆動のため消費電力を削減することが重要な課題となる.IEEE 802.15.4ビーコンモードでは,スリープ制御の実装により省電力を実現する.しかし,間欠動作を行うため,トラッフィクの増大に伴う輻輳が起こり,到達率低下,遅延増大,再送による消費電力の増大などを引き起こす.本稿では,IEEE 802.15.4ビーコンモードにおいて,複数ビーコンを利用することで各ノードにマルチパスを持たせ,輻輳を回避する方式を提案する.間欠動作から起こる輻輳を回避するReal-Multipath,シンクノード周辺の輻輳を回避するVirtual-Multipathの二種類のマルチパスを設定する.シミュレーションによる性能評価を行い,提案方式を用いることで低消費電力を維持しながら高配信率,低遅延,負荷分散を実現することを示す.
著者
魯 偉 汪 平涛 土居原 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.44, pp.47-51, 2002-05-03

GISがかつての少数で高価なシステムからユビキタスシステムになりつつあるのに従って,その中心的な構成となる地図インターフェースのための効率的なアルゴリズムへの需要も増している.地図インターフェースとは,ユーザーからの要求に応じて,地図データを動的に処理して再構成することである.本論文では,地図インターフェースの基本問題である地図総描と地形解析について,3つのアルゴリズムを提案し,その有効性を検討する.
著者
井筒 清史 横澤 誠 篠原 健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.32, pp.25-32, 2005-03-19
被引用文献数
2

Webの高度な利活用のニーズとして,社会的な出来事に関してWeb空間上でのWebページ数の反応の把握がある.このニーズに応える手段として,Webページをインデキシングする技術であるWebの自動分類手法を用いることにした.本稿では,Webの自動分類器を作成し,社会的な出来事を把握するために利用し,その技術の有効な利用シーンを提示する.Webの自動分類器を作成するために,判別分析,Rule base,Naive Bayesの代表的な3つの手法の応用領域での性質について調べた.Webの自動分類手法の有効な利用方法を提示するため,ここでは特にRule Base分類器によるスマトラ島沖地震とノートパソコンの新製品販売・発表に関する時系列分析の実験を行った.各出来事が起こる前後で,予め定めたカテゴリーごとにWebページの数に特徴的な反応があることが観測された.Numbers of web pages about social incidents are expected to be a good index of how the incident is considered in web communities. Possibilities were shown in this study that automated web page classification method can help those numerical analysis of web space. Discriminant Analysis method, Rule-Based method and Naive Bayes method were compared by their classification accuracy, developers' cost, users' cost, processing time and scalability. Practical experiments about the Sumatran Earthquake/Tsunami and a new Note PC Product show communities response differently around the time of the incidents.
著者
杉原 健司 志田 匡士 吉永 努 曽和 将容
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLDM, [システムLSI設計技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.27, pp.55-60, 2005-03-17

本稿では, キャンパスレベルを想定したP2Pネットワークにおいて, そのネットワークに参加する各ユーザが分散して提供するサービスや共有ドキュメントを有効活用するための新たな情報検索方式を提案する.具体的には, ピアの評価, 関連キーワードの学習, ドキュメントのスコア化とそれに伴うスコア制御機能を備えることで, 各ユーザの趣向にそった情報検索を可能にする.そして, 実装したシステムを利用使用した予備実験結果を示し, 提案システムの有効性について議論する.
著者
岩下 友美 倉爪亮 辻 徳生 原 健二 長谷川 勉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.109, pp.119-126, 2003-11-06

カメラ画像など2次元,3次元空間内で移動体を追跡する際に,SnakesやDeformable surfaceなどの動的輪郭モデルが広く利用されている.これらはノイズに対して頑強な境界軌跡法であるが,分離や結合など位相変化への対応は困難であった.一方,近年本質的に位相変化が可能なLevel Set Methodが注目を集めているが,この手法は初期化や更新時の計算コストが高いことが問題とされていた.そこで本報告では,高速で安定なLevel Set Methodの解法として提案したFast Level Set Methodの概要を示し,その応用例としてビデオ画像上の移動物体のリアルタイム追跡,およびステレオカメラを用いた人体概形の3次元リアルタイム追跡を紹介する.This paper presents an efficient implementation technique for the level set method(LSM) named the Fast Level Set Method (FLSM). Various applications based on the LSM have been presented including motion tracking and 3D geometrical modeling. However, the calculation cost of reinitialization and updating of the implicit function is considerably expensive as compared with the cost of conventional active contour models such as "Snakes". To tackle this problem, we have proposed an efficient algorithm of the LSM named the FLSM. This paper introduce some experiments of realtime tracking of moving objects in video images and 3D stereo range images using the FLSM.
著者
安原 健介 甲本 卓也 舩曵 信生 杉山 裕二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.36, pp.27-32, 2007-05-10
被引用文献数
1

マルチメディア配信を利用するネットワークアプリケーションにおいてサーバやネットワークの負荷を解決する手段として,マルチキャスト通信があり,その一つの方法として,アプリケーションレベルマルチキャスト(ALM)が注目されている. ALMの実装例として,PeerCastと呼ばれるマルチメディア配信に適したミドルウェアがある.しかしながら,PeerCastでは経路木生成アルゴリズムの性能が悪く,経路木が最適なものにならないことがほとんどであり,また経路木を動的に改善する機能がないといった問題点がある.その改善として通信中に経路木の一部を動的に変更するには,コネクションを繋ぎ替える機能が必要となる.そこで本研究ではPeerCastにおいて,データロスなくコネクションを繋ぎ替える機能の実装とその評価を行う.
著者
天野 絵里子 原 健治 石井 奈穂子
出版者
学術文献普及会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.1-12, 2005-12

MyLibraryとは図書館ポータルの一種で利用者個人個人がカスタマイズできるサービスを提供するものである。1998年頃からアメリカでサービスが開始され,近年日本の大学図書館にも導入されつつある。他大学に先駆けて運用を開始した京都の3大学(京都大学・同志社大学・立命館大学)での経緯・サービス内容・問題点などを紹介し,比較検討を行った。またこれらの実例を踏まえて今後のMyLibraryサービスの新 たな展開の可能性について取り上げた。