著者
又吉 修子 當銘 保則 前原 博樹 喜友名 翼 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.641-644, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
11

傍骨性骨軟骨異形増生は,手足の短管骨に好発し傍骨性腫瘤を形成する疾患である.今回我々は,脛骨骨幹部に発生した傍骨性骨軟骨異形増生の稀な1例を経験したので報告する.症例は12歳,男児.1年前,サッカー中に右下腿前面を打撲した後より同部位に腫瘤を自覚した.腫瘤が徐々に増大し運動後の疼痛を認めるようになったため,近医を受診した.脛骨前面に発生した骨腫瘍を疑われ,精査目的に当科へ紹介された.右下腿中央内側に5 cm大の骨性隆起を認め,単純X線像で脛骨近位骨幹端から骨幹部にかけて辺縁整で台地状に隆起した骨腫瘍を認めた.MRIでは,T1強調像で低信号,T2強調像では腫瘍基部で低信号,隆起部では高信号を示す二層性の変化を認めた.腫瘍隆起部に造影効果を認めた.切開生検術を行い,傍骨性骨軟骨異形増生と診断された.腫瘍基部を含む切除術を施行し,現在術後1年2ヵ月で再発を認めず,切除部に骨形成を認める.
著者
桑原 博道
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.145-147, 2010-12

後遺障害の残った患者が、診療録の開示義務や診療の顛末報告義務の違反が病院にあったと訴えました。裁判所は開示義務を否定した一方で、病院が診療録の一部を紛失して提示できなかった点を考慮し、報告義務違反は認めました。
著者
西原 博之
出版者
明治学院大学産業経済研究所
雑誌
明治学院大学産業経済研究所研究所年報 = The Bulletin of Institute for Research in Business and Economics Meiji Gakuin University (ISSN:09199845)
巻号頁・発行日
vol.31, no.45, 2014-12-25

共同研究:台湾進出日系企業における経営の現地化とグローバル戦略の再検討JOINT RESEARCH: The Reexamining of Management Localization and Global Strategy for Japanese Affiliate Companies in Taiwan
著者
道津 喜衛 塚原 博
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.335-342, 1964
被引用文献数
8

<i>Mogurnda obscura</i> are the large eleotrid goby, about 15cm in length (Fig. 1: A, B). They are distributed in the western Japan, and are dwelling in rivers, brooks, lakes and swamps, and solitary in life (Fig. 2: A). Especially the river dwellers are found on sandy mud bottom of stagnant waters in middle and lower course of river. They are rather nocturnal and feeding on small fishes and crustaceans, especially small shrimps. They are active in warm seasons, especially in spawning season extending from April to June, and they have a tendency to become hibernant in winter.<br> The male fish are larger than the female, and they are polygamy. The sex dimorphism evidently appears in the form of genital papilla. No nuptial coloration appears in both sexes. The number of the ripe ovarian eggs, 1.5 to 1.9mm in diameter, were counted 934 to 3, 559 in 5 specimens ranging 95 to 162mm in total length (Table 1). The nest preferences were widely given to many kind of substances, e. g., stone, wood, bamboo, grass root, etc. in various forms. The egg masses were found mainly on underside of the nest shelters, and they were guarded by the male parent until the egg hatched out (Figs. 2, 3). A pair of the ripe fish, reared in an aquarium, spawned an egg mass on the inner wall of the earthernware pipe given as a nest. The egg is ellipsoid in shape, 5mm in long axis and 2mm in short axis. It is demersal adhesive one with a large yolk (Figs. 2, B: 3). The embryo hatched out after it developing to juvenile form (Fig. 4: A, B). The incubation period was about 30 days at 16 to 19°C.<br> The newly hatched larvae were 7.5mm in total length with separate ventral fins, and after the hatching they entered instantly into a bottom life (Fig. 4). The larvae as well as the ones of the relatives, <i>M. (M.) adspersus</i> and <i>M. mogurnda</i>, and shout, and grew in an aquarium (Fig. 1, C).<br> It is expected that the spawning is induced smoothly by the setting of artifical nest on the bottom of the habitat, because the nest is wanting under the natural condition. The authors adopted earthernware pipes and pieces of bamboo, about 30cm in length and 7cm in diameter, for the artificial nest, and attained a desired effect.
著者
田中 一広 前原 博樹 當銘 保則 上原 史成 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.328-330, 2016-03-25 (Released:2016-05-16)
参考文献数
5

初回術後多発肺転移と複数回局所再発を来し治療に難渋した右肘頭骨巨細胞腫にdenosumabが著効した1例を報告する.【症例】18歳,女性.右肘頭骨腫瘍にて当科紹介され,単純X線像,切開生検にて骨巨細胞腫の診断に至った.骨腫瘍掻爬,アルコール処理,自家腸骨移植施行後4ヵ月で肺転移を認め化学療法施行,zoledronateを投与した.術後9ヵ月で局所再発し再手術施行するも,計3度再発を来した.転移性肺腫瘍は徐々に増加,増大し初回手術後4年2ヵ月より肺炎,血胸を来すようになりdenosumabを投与開始した所,転移性病変は縮小し症状改善した.10ヵ月投与後に一旦休薬したが,再度転移性病変が増大したため投与を再開した.以降転移性病変は縮小傾向であり,現在術後6年2ヵ月経過している.
著者
榎原 博之 大塚 隆弘 山上悠喜
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.2049-2060, 2012-08-15

研究室内での文献管理において重要となるのは「メンバ間で文献情報の共有を行えること」そして「容易に文献を検索して,論文に引用できること」である.現在,文献管理ツールが多数開発されているが上記の条件を十分満たすものはない.そこで,本研究では研究室内での利用に特化した文献管理システム「bole」を開発する.提案システムは,研究室内で文献情報の共有を行いやすくするため,ウェブアプリケーションによる実装を行い,文献情報を登録する際,同時に文献に関する研究分野やコメント,評価などの情報を追加登録する.また,筆者らの研究室では,論文執筆の際,参考文献の記述にBibTEXを利用するので,便利にBibTEXを利用するために,文献を論文に引用するときに必要な「引用キー」を1クリックでコピーできる機能などの実装を行う.提案システムの導入により,研究室内での文献情報の共有を簡単にすることができ,さらに論文執筆の効率化を進めるという提案システムの有用性を検証する.The important things about managing literatures in laboratories are "Sharing literatures between members" and "Easy to search literatures and to cite them in papers". Currently, many literature management tools have developed, but not enough to satisfy the above conditions. In this paper, we develop the literature management system "bole" that specializes in the use of laboratories. The proposed system is developed as the web application, and when literature information is registered in the system, research area, comment, evaluation, and so on about literatures are registered as additional information in order to facilitate sharing of literature information in laboratories. BibTEX is used in our laboratory to write a paper, therefore we develop functions convenient to use BibTEX, for example citation key can be copied with one click. We show the utility of the proposed system to share literature information easily in the laboratory, and efficiently to write the papers.
著者
小笠原 博信 高橋 克文 飯塚 兼仁 伊藤 清 石川 雄章
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.304-307, 1991-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

1. 大麦を原料として製麹した白麹は米を原料としたものに比べ多量のキシラナーゼを生産したが, これは大麦中のキシランが酵素生産の誘導源となった結果であることがわかった。2. 麦麹から調製した粗酵素液は米麹粗酵素液よりも大麦をよく溶解した。3. 精製キシラナーゼを添加することにより大麦の溶解速度, 溶解量が上昇し, 溶解補助効果が認められた。4. 麦麹を用いて大麦焼酎の小仕込みを行ったところ, キシラナーゼ等による溶解補助効果により発酵特性が改善され, 米麹区分に比較して発酵速度が大きく, またもろみの流動特性が著しく改善され, 発酵歩合も向上した。
著者
福田 典子 新井 のぞみ 藤原 翠 古川 壮一 荻原 博和
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.204-208, 2014-12-31 (Released:2015-01-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1

調製された乳幼児用食品にCronobacter sakazakii を接種し,25℃,10℃,5℃の温度に48時間保存し,これらの保存期間中におけるC. sakazakiiの挙動を検討した.その結果,調製された乳幼児用食品の野菜粥(VRP),混合野菜と小麦ペースト(MVWP),レバ-・野菜と小麦ペースト(LVWP)中でのC. sakazakiiの挙動は,25℃ではいずれも急激な増殖が認められたのに対し,5℃と10℃では保存期間中菌数の増殖は認められなかった.一方,リンゴ果汁(AJ)では他の乳幼児用食品3種の結果と異なり,いずれの保存温度でも菌数の減少が観察され,特に25℃では著しい減少が認められた.以上のことより,乳幼児用食品4種のうち,AJを除き,VRP, MVWP, LVWPでは,室温(25℃)において急激な増殖が確認されたことから,これらの乳幼児用食品を調製した後には室温に長時間放置せず,速やかに消費することが感染リスクの低減になるものと考えられた.
著者
榎原 博之 大塚 隆弘 宮川 朋也
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013-NL-210, no.5, pp.1-6, 2013-01-04

研究活動において論文などの文献情報を管理することは重要な作業の 1 つであり,現在はコンピュータの普及に伴い PDF 形式等の電子データで文献情報を扱うことが一般的になっている.電子データの文献情報は,コンピュータを介して容易に他者とのやりとりができるなどの利点がある.他者との共有を支援するアプリケーションがあれば,より便利に共有を行うことができ,さらに研究活動の効率化を図ることができると考え,我々は研究室内での利用に特化した BibTEX ベースの文献管理システム bole[1] の開発を行なっている.本稿では bole の追加機能などについて説明する.さらに, 2 つの研究室に実際に bole を長期間利用していただき,利用者による評価を行い提案システムの有用性を検証する.
著者
小幡 元樹 白子 準 神長 浩気 石坂 一久 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.1044-1055, 2003-04-15
被引用文献数
13

従来,チップマルチプロセッサからHPCまで幅広く使われている共有メモリ型マルチプロセッサシステム上での自動並列化コンパイラではループレベル並列処理が主に用いられてきたが,その並列化技術の成熟により,ループ並列化では今後大幅な性能向上は難しいといわれている.このループ並列性の限界を越えるために,現在ループ・サブルーチン・基本ブロック間の粗粒度タスク並列性,ステートメント間の近細粒度並列性を従来のループ並列処理に加えて利用するマルチグレイン並列処理が有望視されている.マルチグレイン並列処理において各種粒度の並列性を階層的に抽出し,効率良い並列実行を実現するためには,各々の階層(ネストレベル)の並列性に応じて,何台のプロセッサ,あるいはプロセッサのグループ(プロセッサクラスタ)を割り当てるかを決定する必要がある.本論文ではプログラム中の各階層の並列性を効果的に用いるための階層的並列性制御手法を提案し,本手法を実装したOSCARマルチグレイン並列化コンパイラによる階層的並列処理の評価では,SMPサーバIBM pSeries690 Regatta 16プロセッサシステム上にてSPEC95FPベンチマークを用いた結果,逐次処理に対して1.9?10.6倍の性能向上が得られることが確かめられた.A multigrain parallel processing is very important to improve effective performance beyond the limit of the loop parallelism on a shared memory multiprocessor system.In the multi-grain parallelization, coarse grain parallelism among loops,subroutines and basic blocks,and near fine grain parallelism among statements inside a basic block are exploited in addition to the conventional loop parallelism.In order to efficiently use hierarchical parallelism of each nest level,or layer, in multigrain parallel processing,it is required to determine how many processors or groups of processors should be assigned to each layer,according to the parallelism of the layer.This paper proposes a hierarchical parallelism control scheme for multigrain parallel processing so that the parallelism of each hierarchy can be used efficiently.Performance of the hierarchical parallelization using the proposed scheme implemented on OSCAR multigrain parallelizing compiler is evaluated on IBM pSeries690 Regatta SMP server with 16 processors using SPEC95FP benchmarks and the hierarchical parallelization using the proposed scheme gave us 1.9 to 10.6 times speed up against sequential processing.
著者
後藤 隆志 武藤 康平 平野 智大 見神 広紀 高橋 宇一郎 井上 栄 木村 啓二 笠原 博徳
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2015-EMB-36, no.34, pp.1-6, 2015-02-27

本稿では,マルチコアを搭載したスマートフォン端末において,コンパイラにより自動並列化及び低消費電力化された複数のアプリケーションを実行する際に,全体の実行時間の短縮あるいは各アプリケーション毎に設定されたデッドラインを守りつつ電力削減を達成するダイナミックスケジューリング方式について提案する.本スケジューリング手法では,コンパイル時に指定した各アプリケーションの並列実行時の利用コア数に応じた実行時間や消費電力,及びデッドラインを用いて,3種類の方式に基づくスケジューリングを行う.ARM 4 コアの端末上で動画コーデックアプリケーションを対象に評価を行い,FIFO 方式と比べ速度向上率で 18.5%,電力削減率で -28.8%の結果が得られた.
著者
中野 啓史 内藤陽介 鈴木 貴久 小高 剛 石坂 一久 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.80, pp.115-120, 2004-07-31
被引用文献数
2

現在,次世代のマイクロプロセッサアーキテクチャとして,複数のプロセッサコアを1チップ上に集積するチップマルチプロセッサ(CMP)が大きな注目を集めている.これらのCMPアーキテクチャにおいても,従来のマルチプロセッサシステムで大きな課題となっていたキャッシュやローカルメモリ等のプロセッサコア近接メモリの有効利用に関する問題は依然存在する.筆者等はこのメモリウォールの問題に対処し,高い並列性を抽出し効果的な並列処理を実現するために,マルチグレイン並列処理との協調動作により実効性能が高く価格性能比の向上を可能にするOSCAR CMPを提案している.このOSCAR CMPは,集中共有メモリ(CSM)に加え,プロセッサのプライベートデータを格納するローカルデータメモリ(LDM),プロセッサコア間の同期やデータ転送にも使用する2ポートメモリ構成の分散共有メモリ(DSM),プロセッサコアと非同期に動作可能なデータ転送ユニット(DTU)を持つ.本稿では,FORTRAN プログラムをループ・サブルーチン・基本ブロックを粗粒度タスクとする.粗粒度タスク並列処理において,配列の生死解析情報を用いて粗粒度タスクの並び替えを行い,プログラムのデータローカリティを抽出するデータローカライゼーション手法について述べる.データ転送は,コンパイラにより自動生成したDTUによるデータ転送命令を用いてバースト転送を行う.Recently, Chip Multiprocessor (CMP) architecture has attracted much attention as a next-generation microprocessor architecture, and many kinds of CMP have widely developed. However, these CMP architectures still have the problem of effective use of memory system nearby processor cores such as cache and local memory. %This problem has also been one of the most important problems for ordinary %multiprocessors. On the other hand, the authors have proposed OSCAR CMP, which cooperatively works with multigrain parallel processing, to achieve high effective performance and good cost effectiveness. To overcome the problem of effective use of cache and local memory, OSCAR CMP has local data memory (LDM) for processor private data and distributed shared memory (DSM) having two ports for synchronization and data transfer among processor cores, centralized shared memory (CSM) to support dynamic task scheduling, and data transfer unit(DTU) for asynchronous data transfer. The multigrain parallelizing compiler uses such memory architecture of OSCAR CMP with data localization scheme that fully uses compile time information. This paper proposes a coarse grain task static scheduling scheme considering data localization using live variable analysis. Data is transferred in burst mode using automatically generated DTU instructions.