著者
道津 喜衛 塚原 博
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.335-342, 1964-04-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
25
被引用文献数
6 8

Mogurnda obscura are the large eleotrid goby, about 15cm in length (Fig. 1: A, B). They are distributed in the western Japan, and are dwelling in rivers, brooks, lakes and swamps, and solitary in life (Fig. 2: A). Especially the river dwellers are found on sandy mud bottom of stagnant waters in middle and lower course of river. They are rather nocturnal and feeding on small fishes and crustaceans, especially small shrimps. They are active in warm seasons, especially in spawning season extending from April to June, and they have a tendency to become hibernant in winter. The male fish are larger than the female, and they are polygamy. The sex dimorphism evidently appears in the form of genital papilla. No nuptial coloration appears in both sexes. The number of the ripe ovarian eggs, 1.5 to 1.9mm in diameter, were counted 934 to 3, 559 in 5 specimens ranging 95 to 162mm in total length (Table 1). The nest preferences were widely given to many kind of substances, e. g., stone, wood, bamboo, grass root, etc. in various forms. The egg masses were found mainly on underside of the nest shelters, and they were guarded by the male parent until the egg hatched out (Figs. 2, 3). A pair of the ripe fish, reared in an aquarium, spawned an egg mass on the inner wall of the earthernware pipe given as a nest. The egg is ellipsoid in shape, 5mm in long axis and 2mm in short axis. It is demersal adhesive one with a large yolk (Figs. 2, B: 3). The embryo hatched out after it developing to juvenile form (Fig. 4: A, B). The incubation period was about 30 days at 16 to 19°C. The newly hatched larvae were 7.5mm in total length with separate ventral fins, and after the hatching they entered instantly into a bottom life (Fig. 4). The larvae as well as the ones of the relatives, M. (M.) adspersus and M. mogurnda, and shout, and grew in an aquarium (Fig. 1, C). It is expected that the spawning is induced smoothly by the setting of artifical nest on the bottom of the habitat, because the nest is wanting under the natural condition. The authors adopted earthernware pipes and pieces of bamboo, about 30cm in length and 7cm in diameter, for the artificial nest, and attained a desired effect.
著者
笠原 博幸
出版者
Pesticide Science Society of Japan
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.524-526, 2011-11-25 (Released:2012-11-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
原 博
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
日本油化学会誌 (ISSN:13418327)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.1237-1246, 1997-10-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
57
被引用文献数
1

食事脂質は, 消化管の中において, 吸収される前に粘膜細胞に受容され, 消化管ホルモンの分泌を促進する。分泌が刺激されるホルモンとしては, コレシストキニン, セクレチン, エンテログルカゴン, ペプチドYYなどである。また, 食餌脂質は消化管神経叢も刺激する。これらは, 相互作用しながら, 膵外分泌, 胃酸分泌, 胃排出速度や小腸粘膜増殖などの消化管機能を調節している。また, 脂質は粘膜細胞のイコサノイド産生を変化させることで, 炎症性腸疾患や, 大腸がんの病態にも影響を与えている。
著者
石原 博光 真弓 重孝
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.387, pp.24-27, 2014-10

不動産投資で稼ぐコツカリスマ大家さん 再登場不動産投資を始める人は必見金利交渉、格安リフォーム…前号の特集記事で紹介したカリスマ大家さんの石原博光さん。「もっと石原さんに成功するコツを教えてもらいたい」という読者の声が多く寄せられた。前回紹…
著者
三原 博光 松本 耕二
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.108-118, 2012-08-31 (Released:2018-07-20)

本研究は障害児の年齢(18歳以下・19歳以上),出生順位,妻の仕事の有無に着目して障害者の父親の生活意識の検証を目的とする.方法は質問紙調査が採用され,341人(34〜81歳)の父親から回答が得られた.その結果,18歳以下の障害児の父親が学校・施設行事に積極的に参加し,妻と会話をよくしていたが,障害児をもったことでつらい経験をし,その理由として,子どものしつけを挙げていた.また,これらの父親は,障害者の働く場所の確保を行政に期待していた.出生順位は,障害児が第1子(長男・長女)の場合,その父親は社会的問題をよく考えていた.障害児が第2子(次男・次女)以降の場合,その父親は社会が障害者に対して親切であると感じていた.妻が仕事をしていない場合,父親は子どもの障害について妻とよく話をしていた.一方,妻が仕事をしている場合,父親は母親の働く場所のさらなる確保を行政に期待していた.全体として障害者の父親は,わが子の障害にショックを受けながら,母親の育児に協力をし,仕事に励んでいた.
著者
笠原 博幸 下津 克己
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.451-470, 2015-03-26 (Released:2016-02-12)
参考文献数
43

動的離散選択モデルを用いた計量経済分析では,観測されない異質性を適切に扱うことは重要な課題である.有限混合モデルは観測されない異質性を柔軟に扱うことが可能なため,多くの動的離散選択モデルを用いた実証研究において使用されてきた.しかしながら,近年までは,有限混合モデルを用いた動的離散選択モデルのノンパラメトリック識別の可能性に関しては,研究成果が乏しかったこともあり,否定的な見解が一般的であった.本論文では,Kasahara and Shimotsu (2009, 2014a)の内容をレビューし,有限混合モデルを用いた動的離散選択モデルのノンパラメトリック識別を可能とする比較的現実的な(時系列の長さ・定常性・一次マルコフ性などの)十分条件を紹介する.また,有限混合モデルにおける要素数の下限値の識別条件とその推定方法に関しても議論する.
著者
榊原 博樹 谷口 正実 大河 原重栄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.621-629, 1996-06-15

医薬品添加物は製剤の適用性(溶解補助,pH調節,等張化,吸収促進,安定化,成型など)をたかめ,医薬品の有効性と安全性を維持するために不可欠なものとされている.しかし,医薬品添加物に関しては使用品目の制限や使用量の基準は作られていないようである.製剤として有効成分とともに承認前の臨床試験を経てきており,これをもって安全性の検討はなされたものと解釈されている.一方,食品添加物は340品目余りが許可されており,対象食品の規定や一部に使用量や使用制限の規定も明らかにされている.そのうちの一部は医薬品にも共通して用いられており,その存在すら意識されずに摂取されている.ところが,食品・医薬品添加物のなかには一部の気管支喘息や蕁麻疹患者に過敏反応を惹起するものがあり,その増悪因子として注意する必要がある.特に非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti—inflammatory drugs,NSAID)に過敏な,いわゆるアスピリン喘息(aspirin-induced asthma)やアスピリン過敏性蕁麻疹をもつ患者に食品・医薬品添加物過敏症が多い.注意すべき添加物は,食用黄色4号(タートラジン),その他のタール系色素(食用黄色5号=サンセットイエロー,赤色102号=ニューコクシン,赤色2号=アマランス),安息香酸ナトリウム,パラオキシ安息香酸エステル類,亜硫酸塩類である.
著者
笠原 博徳
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.384-392, 2003-04-15

現在,共有メモリ型マルチプロセッサアーキテクチャは,半導体チップ上に複数のプロセッサを集積したチップマルチプロセッサから,デスクトップワークステーション,エントリレベルサーバ,スーパーコンピュータに至るまで,多くのコンピュータで採用されている.
著者
見神 広紀 宮本 孝道 木村 啓二 笠原 博徳
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2010-ARC-187, no.22, pp.1-6, 2010-01-21

本稿ではビデオコーデックである H.264/AVC エンコーダの高速化手法としてフレームおよびマクロブロックでの階層的な並列処理を提案する.H.264/AVC エンコーダの一実装である x264 上にマクロブロックでの並列処理機能を実装し,64 コアのマルチコアシステム上での処理性能の評価を行った.その結果,2 コア集積のマルチコアである Intel Itanium2 (Montvale) を 32 基搭載した 64 コア構成の ccNUMA サーバである SGI Altix450 において,フレームでの並列処理のみの場合が 6.3 倍であったのに対しフレームおよびマクロブロックの 2 階層で行った場合は 10.6 倍の性能向上が得られた.
著者
小笠原 博毅
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.35-50, 2016

<p> イギリスのカルチュラル・スタディーズはどのようにサッカーというポピュラー文化に着目し、それを真剣に研究の対象やテーマにしていったのか。サッカーのカルチュラル・スタディーズがイギリスで出現してくる背景や文脈はどのようなものだったか。そして、現在のカルチュラル・スタディーズはどのようなモードでサッカーを批判的に理解しようとしているのか。本論はこのような問いに答えていきながら、過去50年に近いサッカーの現代史とカルチュラル・スタディーズの関係を系譜的に振り返り、その概観を示すことで、これからサッカーのカルチュラル・スタディーズに取り組もうとする人たちにとって、サッカーとカルチュラル・スタディーズとの基礎的な相関図を提供する。<br> その余暇としての歴史はさておき、現代サッカーの社会学的研究は、サッカーのプレーそのものではなくサッカーに関わる群衆の社会学として、「逸脱」と「モラル・パニック」をテーマに始まった。 地域に密着した男性労働者階級の文化として再発見されたサッカーは、同時に「フーリガン」言説に顕著なように犯罪学的な視座にさらされてもいた。しかし80年代に入ると、ファンダムへの着目とともにサッカーを表現文化として捉える若い研究者が目立ち始める。それはサッカーが現代的な意味でグローバル化していく過程と同時進行であり、日本のサッカーやJ リーグの創設もその文脈の内部で捉えられなければならない。<br> それは世界のサッカーの負の「常識」であり、カルチュラル・スタディーズの大きなテーマの一つでもある人種差別とも無縁ではないということである。サッカーという、するものも見るものも魅了し、ポピュラー文化的快楽の豊富な源泉であるこのジャンルは、同時に不愉快で不都合な出来事で満ちている。常に変容過程にあるサッカーを、その都度新たな語彙を紡ぎながら語るチャンネルを模索し続けることが、サッカーのカルチュラル・スタディーズに求められている。</p>
著者
石綿 翔 高木 均 星野 崇 長沼 篤 坂本 直美 小板橋 絵里 相馬 宏光 乾 正幸 工藤 智洋 小川 晃 田原 博貴 金古 美恵子 岡本 宏明
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.624-629, 2012 (Released:2012-04-05)
参考文献数
11

症例は70歳代女性.全身倦怠感,肝機能障害(ALT 2565IU/l)を主訴に入院.A,B,C型肝炎,EBV,CMV,自己免疫性肝炎は否定.2カ月ほど前から摂取し始めた菊芋によるDLSTで陽性を示し,薬物性肝障害(診断スコア8点)と診断された.その後保存血清でHEV-RNA陽性と判明し,E型肝炎と診断された.DLSTには偽陽性があり薬物性肝障害診断にHEV screeningの導入が必須と考えられた.
著者
槇原 博史 四方 賢一 国富 三絵 土山 芳徳 四方 賢一 山地 浩明 林 佳子 槙野 博史
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

腎組織へのマクロファージの浸潤は、白血球表面に発現する細胞接着分子が糸球体と間質の小静脈の内皮細胞に発現するICAM-1やセレクチンなどの細胞接着分子と結合することによっておこる。本研究では、糸球体腎炎や糖尿病性腎症の腎組織における細胞接着分子発現のメカニズムを明らかにするとともに、これらの細胞接着分子の結合を阻害してマクロファージの浸潤を抑制する新しい腎疾患治療法(抗接着分子療法)の開発を目指した。本研究の結果、1)糸球体腎炎および糖尿病性腎症患者の腎組織にはICAM-1、E-セレクチン、P-セレクチンが糸球体と間質に発現し、マクロファージやリンパ球の浸潤を誘導していることを示した。2)糸球体過剰濾過により糸球体内皮細胞にICAM-1の発現が誘導され、マクロファージの浸潤を誘導することを示した。3)尿細管上皮細胞に存在するL-selectinのリガンドが尿細管障害にともなって間質の小静脈壁に移動し、マクロファージに発現するL-selectinと結合することによって間質へのマクロファージの浸潤を誘導するというユニークなメカニズムを明らかにした。さらに、このL-セレクチンのリガンドの一つがsulfatideであることを示した。4)L-およびP-セレクチンのリガンドであるsulfatideを投与することにより、腎間質への単核球浸潤と組織障害が抑制できることを示した。5)prostaglandin I2がICAM-1の発現を抑制することによってラットの半月体形成性腎炎に対する治療効果を示すことを示した。これらの結果より、ICAM-1やP-およびL-selectinが腎組織へのマクロファージとリンパ球の浸潤に重要な役割を果たしており、接着分子の結合を阻害することによって糸球体および間質への単核球の浸潤を抑制できることが明らかになるとともに、腎疾患に対する抗接着分子療法の臨床応用の可能性が示された。
著者
原 博
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.412-419, 2008-06-01 (Released:2011-04-11)
参考文献数
70
被引用文献数
1 1

カルシウムは,有機物を構成する C,H,O,N についで体内に多く含まれる元素であり,体を支える骨の主要成分である.カルシウムの摂取量が,身長の重要な決定因子ともいわれる.『日本人の食事摂取基準—2005年版』では,推定平均必要量は示されていないが,成人の目標量として男女とも600~650 mg/日が策定されている.カルシウムの主な供給源は乳製品や小魚,大豆などであるが,現在の食事ではこれらは減少傾向にある.厚生労働省の平成15年国民健康・栄養調査によると,カルシウム平均摂取量は先の目標量に対して,20~29歳が最も低く,男性73%,女性74%であり,かなり低い摂取レベルにあるといえる.将来,骨粗鬆症など骨疾病の大幅な増加が危惧される.筆書らは,主にカルシウムの腸管吸収の研究を行なっているが,本稿ではまず,その背景ともなる,カルシウムの体内での役割や恒常性維持機構を,新しい話題を含めて解説した後,カルシウムの腸管吸収機構やそれを促進する作用を有する食品成分に関する研究を紹介する.
著者
大槻 健太 金谷 文則 山口 浩 親富祖 徹 当真 孝 呉屋 五十八 喜友名 翼 森山 朝裕 當銘 保則 前原 博樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.340-343, 2020
被引用文献数
1

<p>【目的】髄内釘(ナカジマメディカル社 ニューストレートネイル®)を用いて手術を行った上腕骨近位端骨折の治療成績を報告する.【対象および方法】髄内釘を用いて手術を行い6カ月以上経過観察可能であった75例75肩(男性21肩,女性54肩)を対象とした.年齢は35~91歳(平均70歳),骨折型は2-part 33肩,3-part 29肩,4-part 13肩,経過観察期間は6~53カ月(平均13.4カ月)であった.調査項目はX線学的評価,ROM(屈曲・外旋・内旋)とした.合併症,年齢,骨折型とROMについて検討した.【結果】平均ROMは屈曲119°,外旋39°,内旋4.2点であった.合併症発生率は20%(骨頭壊死6肩,大結節障害3肩,螺子骨頭穿破2肩,螺子逸脱・骨頭壊死と螺子逸脱の合併・内反変形各1肩)であった.年齢と屈曲・外旋角度で負の相関関係を認めた.骨折型は各part骨折間ではROMに明らかな有意差を認めなかったが,75歳以上の4-part骨折では有意に屈曲が低下していた.【結語】髄内釘の治療成績は比較的良好であったが,高齢者で術後ROMは低下していた.</p>
著者
親富祖 徹 金谷 文則 山口 浩 大槻 健太 当真 孝 呉屋 五十八 喜友名 翼 森山 朝裕 當銘 保則 前原 博樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.344-348, 2020

<p>【目的】上腕骨近位部骨折用DePuy-Synthes社製PHILOS<sup>TM</sup>プレート,(以下PHILOS)を用いて手術を行った上腕骨近位端骨折の治療成績を報告する.【対象および方法】PHILOSを用いて手術を行い6カ月以上経過観察可能であった65例65肩(男性16肩,女性49肩),年齢は20~87歳(平均64歳),骨折型(Neer分類)は2-part 27肩,3-part 31肩,4-part 7肩,観察期間6~64カ月(平均15カ月)であった.調査項目は自動肩関節可動域(屈曲・外旋・内旋:内旋のみJOAスコアに基づき点数化),骨癒合,合併症であり,年齢・骨折型と関節可動域に関する検討を行った.【結果】平均肩関節可動域は屈曲116°,外旋29°,内旋3.8点であった.合併症発生率は35%であった.年齢と屈曲・外旋可動域で負の相関関係を認めた.4-partでは屈曲可動域が有意に低下していた.【結語】PHILOS固定例では年齢と屈曲と外旋で負の相関関係を認め,4-part骨折では有意に屈曲が不良であった.</p>
著者
瀧原 博史 植野 卓也 城甲 啓治 城嶋 和孝 酒徳 治三郎 中山 純
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.924-927, 1989-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

膀胱尿道異物は, 小郡第一総合病院泌尿器科において, 過去7年間に3例 (泌尿器科外来総受診患者の0.1%) 経験され, 2例が外来にて内視鏡下に経尿道的に摘出され, 1例は入院のうえ, 観血的に摘出された。患者はすべて男性で, 年令は24才, 42才, 56才であった。2例は尿道異物で, 1例は膀胱異物であった。異物の種類は, 電気コード, ボールペン, ビニールキャップであった。侵入経路は3例とも経尿道的で, 2例が自慰によるもので, 1例が就寝中に他人により挿入されたものであった。1例は尿道鏡下生検用鉗子にて摘出, 2例目は膀胱高位切開術にて摘出, 3例目は膀胱鏡下, 異物鉗子を用いて摘出した。本邦における本症の治療法の検討から, 明らかに以前の観血的治療が減り, 内視鏡を中心とした非観血的治療法が中心となっていくことが示唆された。
著者
森山 信彰 浦辺 幸夫 前田 慶明 篠原 博 笹代 純平 藤井 絵里 高井 聡志
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101779, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】 体幹筋は,表層に位置するグローバル筋と,深部に位置するローカル筋に分類される.ローカル筋は骨盤の固定に寄与しており,下肢と骨盤の分離運動のためにはローカル筋の活動が不可欠である.今回,選択的にローカル筋の活動を促すDrawing-in maneuver(以下,Draw in)といわれる腹部引き込み運動に着目した.主に下肢の運動中にローカル筋による骨盤固定作用を得るために,グローバル筋の活動を抑えながら,ローカル筋の筋活動を高めるDraw inの重要性が知られてきている. 座位では背臥位に比べ内腹斜筋の活動が増加することや(Snijder et al. 1995),腹直筋が不安定面でのバランスに関与することから(鈴木ら2009),Draw inを異なる姿勢や支持面を持つ条件下で行うとこれらの筋の活動量が変化すると考えられる.今回,Draw in中のグローバル筋である腹直筋と,ローカル筋である内腹斜筋を対比させながら,この活動量の比率を求めることで,どのような方法が選択的な内腹斜筋の筋活動量が得られるか示されるのではないかと考えた.本研究の目的は,姿勢や支持面の異なる複数の条件下で行うDraw inのうち,どれが選択的に内腹斜筋の活動が得られるかを検討することとした.仮説としては,座位にて支持基底面を大きくした条件で行うDraw inでは,腹直筋に対する内腹斜筋の筋活動が高くなるとした.【方法】 健常成人男性6名 (年齢25.8±5.7歳,身長173.0±5.2cm,体重65.4±9.0kg)を対象とした.Draw inは「お腹を引っ込めるように」3秒間収縮させる運動とし,運動中は呼気を行うよう指示した.Draw inは,背臥位,背臥位から頭部を拳上させた状態(以下,頭部拳上),頭部拳上で頭部を枕で支持した状態 (以下,頭部支持),足底を接地しない座位(以下,非接地座位),足底を接地させた座位(以下,接地座位)の5条件で行った.筋活動の計測にはpersonal EMG(追坂電子機器社)を用い,下野(2010)の方法を参考に腹直筋,内腹斜筋の右側の筋腹より筋活動を導出した.試行中の任意の1秒間の筋活動の積分値を最大等尺性収縮時に対する割合(%MVC)として表し,各条件について3試行の平均値を算出した.さらに,腹直筋に対する内腹斜筋の筋活動量の割合(以下,O/R比)を算出した.5条件間の腹直筋および内腹斜筋の筋活動量と,O/R比の比較にTukeyの方法を用い,危険率5 %未満を有意とした.【倫理的配慮、説明と同意】 対象には事前に実験内容を説明し,協力の同意を得た.本研究は,広島大学大学院保健学研究科心身機能生活制御科学講座倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号1123).【結果】 背臥位,頭部拳上,頭部支持,非接地座位,接地座位での腹直筋の%MVCはそれぞれ28.0±24.2%,46.4±29.0%,23.0±22.0%,13.2±7.2%,10.6±5.9%であった.頭部拳上では,非接地座位および接地座位より有意に高かった(p<0.05).内腹斜筋の%MVCはそれぞれ48.7±44.1%,49.0±36.9%,47.9±40.8%,45.4±32.1%,50.6±28.4%となり,各群間で有意差は認められなかった.O/R比はそれぞれ2.67±3.10,1.31±1.52,2.58±2.74,3.33±2.62,4.57±2.70であり,接地座位では頭部拳上より有意に高かった(p<0.05).【考察】 内腹斜筋の活動量には条件間で有意差がなく,今回規定した姿勢や支持基底面の相違では変化しないと考えられた.腹直筋は,頭部拳上では頭部の抗重力位での固定の主働筋となるため,筋活動量が他の条件より高いと考えられた.さらに,有意差はなかったが背臥位では座位に比べて腹直筋の活動量が高い傾向があった.背臥位では,頭部拳上の条件以外でも,「お腹をへこませる」運動を視認するために頭部の抗重力方向への拳上と軽度の体幹屈曲が生じ,腹直筋の活動が高まった可能性がある. O/R比は腹直筋の筋活動の変化により,条件間で差が生じることがわかった。背臥位で行うDraw inでは,腹直筋の活動を抑えるために,頭部の支持による基底面の確保に加えて,頭部位置を考慮する,もしくは座位で行うことが有効であると考えられた.【理学療法学研究としての意義】 Draw inを行う際に背臥位から頭部を挙げる条件では,内腹斜筋の活動量が同程度のまま腹直筋の筋活動が高まり,結果としてO/R比が低下するという知見が得られ,効果的に行うためにはこのような条件をとらないよう留意すべきことが示唆されたことは意義深い.
著者
間瀬 正啓 木村 啓二 笠原 博徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.184, pp.O1-O10, 2009-08-04
参考文献数
27
被引用文献数
11

本稿ではコンパイラによる自動並列化を可能とするための C 言語の記述方法として Parallelizable C を提案する.Parallelizable C で記述した科学技術計算およびマルチメディア処理の逐次プログラム 6 本に対して OSCAR コンパイラによる自動並列化を適用し,マルチコアシステム上での処理性能の評価を行った.その結果,逐次実行時と比較して,2 コア集積のマルチコアである IBM Power5+ を 4 基搭載した 8 コア構成のサーバである IBM p5 550Q において平均 5.54 倍,4 コア集積のマルチコアである Intel Core i7 920 プロセッサを搭載した PC において平均 2.43 倍,SH-4A コアベースの情報家電用マルチコア RP2 の 4 コアを使用した SMP 実行モードにおいて平均 2.78 倍の性能向上が得られた.This paper proposes Parallelizable C, a guideline for writing C programs which enables automatic parallelization by a compiler. 6 sequential programs written in Parallelizable C from numerical and multimedia application domains are automatically parallelized by OSCAR compiler. The parallel processing performance for these applications are evaluated on multicore systems. The evaluation results show that the compiler automatic parallelization achieves average 5.54 times speedup on a 8 cores server IBM p5 550Q with 4 dual-core Power5+ processors, average 2.43 times speedup on a 4 cores multicore processor PC with Intel Core i7 920, and average 2.78 times speedup on Renesas/Hitachi/Waseda RP2 with SH-4A cores in SMP execution mode using 4 cores compared with sequential execution, respectively.
著者
柳原 博史 菅野 博貢
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.543-548, 2018-03-30 (Released:2018-07-17)
参考文献数
10

This paper is to analyze the monuments of the Tokyo Air Raid (occurred on March 10, 1945, in the east side of Tokyo), which established from the end of World War II to the present day. In those 72 years, within the drastic change of Tokyo’s urban environment, as well as changes of people’s consciousness, we explore how the environment has accepted those monuments and how the monuments have transformed themselves. Through the 101 cases of monuments by field surveys, documents and interviews, we found a large number of monuments to memorize the each special victims, located in temples and public spaces, have been maintained as activities especially by the neighborhood associations who have important roles. The monuments have a potential directivity to want to be permanent, and tend to be made of permanent materials such as stone, some of which were replaced from the wood monuments. On the other hand, there are transitions due to external factors with monuments. In some cases there were relocation due to the influence of public works such as bridge reconstructions and park renovations. Until the 1960s, there were cases in which monuments were transferred from public places to other places, but since the 1980s they have been built again in public spacess including parks and roadsides, after the completions of public works.