著者
折原 大 内海 彰
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.2910-2921, 2008-08-15
被引用文献数
4

本論文は,検索結果を自動分類することで検索支援を行う1つの手法として,Webページのタイプに着目したページのクラスタリング手法を提案する.本論文では,HTMLタグの木構造の情報を用いたクラスタリング手法とHTMLタグのn-gramと出現位置を考慮した頻度情報を用いたクラスタリング手法の2つを提案する.アンケートにより作成した正解データセットを用いた評価実験において,単語の分布(Bag-of-Words BoW)に基づくクラスタリング手法や新聞などのテキストを対象とし文書タイプに分類を行うMulti-way Distributional Clustering(MDC)よりも,2つの提案手法のほうがクラスタリング精度において良い結果となった.また2つの提案手法間では,クラスタリング精度については分類傾向による差はあるものの全体では同等の精度であり,処理時間においてはHTMLタグの頻度情報を用いたクラスタリング手法が良好な結果となった.In this paper, we propose two clustering methods based on HTML tags. These methods cluster Web pages according to their type or style, rather than classifying them into predefined genres. The one method is based on the tree structure of HTML tags, and the other is based on the frequency of HTML tags considering the n-gram of tags and the location of tags. In evaluation experiment, our methods achieved better performance than the Bag-Of-Words method and the Multi-way Distributional Clustering (MDC) method. The frequency method achieved as a good performance as the tree-structured method. In evaluation experiment of the overall processing time, the frequency method was faster than the tree-structured method.
著者
千原 大 阪本 貴士 村上 学 竹岡 友晴 大野 辰治
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.253-257, 2010 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15

脾摘患者は有莢膜細菌が原因で重篤な感染症を引き起こすことが知られている。今回B群溶連菌による致命的な脾摘後重症感染症を救命し得たため文献的考察を加え報告する。症例は34歳女性。22歳時にITPで脾臓摘出術を受けた後は無治療で経過良好であった。入院前日,夜間に嘔気,下痢,発熱を訴え受診。採血データ,身体所見上著変なく,急性胃腸炎として自宅にて経過観察となる。翌朝,激しい下痢,全身倦怠感のため再搬送され,来院時,体温34度台,血圧40台と急性循環不全を認めICUに緊急入院。身体所見上,関節痛や四肢の疼痛,チアノーゼを認め,採血では凝固異常,急性腎不全,肝機能障害などを認めた。抗菌剤,輸血,大量補液,CHDF, NIPPVなどで治療を行ったが,DICのため臓器障害が強く,治療に難渋した。後に血液培養よりB群溶連菌が確認され,同菌によるtoxic shock syndromeと診断した。ショック状態を離脱後は徐々に臓器障害なども改善し,第26病日に退院となった。
著者
桑澤 実希 北川 昇 佐藤 裕二 赤坂 恭一朗 金原 大輔 瀬沼 壽尉 吉岡 達哉 石橋 弘子 今井 智子 新井 元 杉山 雅哉 吉江 正隆
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.387-390, 2004-12-31
参考文献数
6
被引用文献数
3

超高齢社会を迎えるなかで, 高齢者のQOLを支えるためには口腔の管理と口腔ケアが不可欠と考えられる.ここに大田区の特別養護老人ホームにおける昭和大学歯科病院の訪問歯科診療の実態と2003年度の訪問歯科診療の概要について報告する.我々は1998年より同施設の依頼により訪問歯科診療を開始した.現在は毎週木曜日の15 : 30~17 : 30まで, 歯科医師4名と歯科衛生士1名で往診を行っている.2003年度の歯科診療は同施設と歯科病院外来の合計で200件, 口腔衛生指導は226件で, 全ての合計は426件であった.2003年度の歯科診療は義歯に関するものが105件と半数近くを占めた.次いで, 歯科医師によるスケーリングなどの歯周治療が61件, 残存歯の削合や充墳処置など保存関連の治療が14件であった.他には, 抜歯・摂食相談・粘膜疾患など多岐にわたった.これより, 訪問歯科診療には各専門科の連携が必要であることが示唆された.歯科病院外来での治療は通院が必要かつ可能な場合においてのみ行われた.通院件数は43件あり, 内容は義歯の製作と充填処置・抜歯処置であった.しかし, 歯科病院への通院は入居者・施設職員ともに大変な負担を強いることとなるので, 今後は施設内でより高度な歯科治療を提供できるように診療器材を充実させる必要があると考えられた.
著者
橋本 力 黒橋 禎夫 河原 大輔 新里 圭司 永田 昌明
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.175-201, 2011 (Released:2011-09-28)
参考文献数
22
被引用文献数
5 7

近年,ブログを対象とした情報アクセス・情報分析技術が盛んに研究されている.我々は,この種の研究の基礎データの提供を目的とし,249 記事,4,186 文からなる,解析済みブログコーパスを構築した.主な特長は次の 4 点である.i) 文境界のアノテーション.ii) 京大コーパス互換の,形態素,係り受け,格・省略・照応,固有表現のアノテーション.iii) 評価表現のアノテーション.iv) アノテーションを可視化した HTML ファイルの提供.記事は,大学生 81 名に「京都観光」「携帯電話」「スポーツ」「グルメ」のいずれかのテーマで執筆してもらうことで収集した.解析済みブログコーパスを構築する際,不明瞭な文境界,括弧表現,誤字,方言,顔文字等,多様な形態素への対応が課題になる.本稿では,本コーパスの全容とともに,いかに上記の課題に対応しつつコーパスを構築したかについて述べる.
著者
入江 真 横山 圭二 櫻井 邦俊 岩下 英之 上田 秀一 森原 大輔 西澤 新也 阿南 章 竹山 康章 坂本 雅晴 岩田 郁 釈迦堂 敏 早田 哲郎 向坂 彰太郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.169-174, 2010 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15

症例は52歳,男性.約6年前より高血圧,膝関節痛に対して,アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウムを処方されていた.2009年6月上旬より全身倦怠感,食欲不振が出現し近医入院.入院後も黄疸,肝障害が改善しない為,原因精査目的にて当科紹介入院となった.アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウムによる薬物性肝障害を疑い,薬物性肝障害診断基準を用いてスコアリングを行った結果,胆汁うっ滞型,スコアは9点:「可能性が高い」と判定した.アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウムに対して薬物リンパ球刺激試験(DLST)を施行,このうちロキソプロフェンナトリウムのみ陽性であった.また,肝生検組織像では,小葉内に胆汁栓を認め,門脈域では好中球浸潤,門脈域の線維性拡大を認めた.今回,DLSTおよび肝生検が診断の一助となった,長期アムロジピン,ロキソプロフェンナトリウム服用にて高度の黄疸を伴った薬物性肝障害の1例を経験したので報告する.
著者
平山 文俊 庵原 大輔
出版者
崇城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

シクロデキストリン (CyD) の包接作用を利用して、溶液媒介性結晶多形転移ならびに結晶成長速度の制御を試み、以下の知見を得た。① アセトヘキサミドを 2-ヒドロキシブチル-β-CyD含有水溶液から再結晶すると、新規結晶多形 (Form VI) が得られた。新規多形 Form VIは安定であり、他の結晶多形 (Forms I~V) に比べて高い水溶性を有した。② 2,6-ジメチル-β-あるいは2-ヒドロキシブチル-β-CyD含有水溶液からアスピリンを再結晶すると晶癖は板状から針状結晶に変化した。2-ヒドロキシブチル-β-CyDは多形転移あるいは晶癖制御剤として有用であることが明らかとなった。
著者
原 大輔 尾崎 亮太 兵頭 和樹 中山 泰一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.3127-3137, 2005-12-15
被引用文献数
2

現在のWWWサーバには実行時のユーザ権限に起因する問題が存在する.PHP プログラムがデータをファイルに書き込む場合,データファイルの所有者がWWW サーバを実行するユーザとなるため,サーバを共有する別の利用者のPHP プログラムからそのデータファイルを盗視されたり削除されたりする危険性がある.1 台のサーバ計算機を多数の利用者で共有する共有型ホスティングサービスにおいて,これは深刻な問題である.本研究では,この問題を克服するWWW サーバ,Haracheを提案する.提案するシステムではサーバプロセスをファイル所有者の権限で動作させる.これにより,WebDAV やPHP といったサーバ組み込みのプログラムを用いる際の問題を解決することができる.また,不必要なサーバプロセスを適宜終了することで利用者数に対する高いスケーラビリティを達成できる.本論文では,Harache の設計および実装法について述べる.Harache をSELinux を有効にしたLinux OS 上に実現し,評価実験を行った.その結果,ユーザ権限に起因する問題を解決すること,他の実現方式に対してスケーラビリティの面で優位性を持つこと,実用に耐えうるだけの性能を達成していることを確認した.This paper presents a WWW server named Harache, that runs under the authority of the file owner. Existing servers have problems that occur because of the user authority during execution. When a PHP program creates data files, the owner of the created files is the special user account that runs a server. Therefore, other users that share the same server can steal and delete these data files. These problems are serious for a hosting service where many users share a server. Harache has server processes that run under the authority of the file owner. Hence Harache can solve these problems that occur because of the user authority. In addition, Harache terminates unnecessary server processes when needed to improve scalability of the number of users. For a proof of concept, we implemented Harache on a Linux OS with a SELinux and performed evaluation experiments. Experimental results show that Harache achieves high performance and scalability.
著者
佐宗 章弘 中村 友祐 北村 圭一 長田 孝二 太田 匡則 市原 大輔 杵淵 紀世志
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2021-04-05

本研究では、衝撃波面前方に僅かな流速場を誘起すること(流速場nudge)によって波面を消失させるくらい積極的に背後圧力の増加を抑制する方法を原理実証し、ソニックブームなどの衝撃波被害緩和に応用することを目的とする。主要実験装置として「流動衝撃波管」を開発し、既設の屋内自由空間も活用して実験サイトを整備し、数値解析と光学可視化計測と密接にタイアップして研究を推進する。流速変化領域の有限長さや多次元性の影響等も含めて、関連する流体力学現象を解明し、衝撃波緩和・消失デバイスを原理実証、機能評価し、応用展開につなげる。
著者
堤 康一朗 岩武 博也 桑原 大輔 俵道 淳 小林 健彦 肥塚 泉 加藤 功
出版者
Japanese Society of Otorhinolaryngology-Head and neck surgery
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.103, no.6, pp.727-733, 2000-06-20 (Released:2008-03-19)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

ヒトパピローマウイルス(HPV)遺伝子の転写は感染した上皮細胞の分化と密接に関連している.カルシウムを含む様々な因子が培養上皮細胞の分化を制御し,13番サイトケラチン(CK13)の発現は培養喉頭上皮細胞(HLEC細胞)の分化マーカーであることが報告されている.本研究の目的は,カルシウム濃度増加のHLEC細胞におけるCK13発現とHPV16遺伝子転写に及ぼす影響を調べることである.われわれはHPV16遺伝子を含む2種類のHLEC細胞を解析した.HPVl6によって不死化したHLEC細胞(HLEC16細胞)とHPV16陽性(HPV16が感染した)の培養喉頭乳頭腫細胞(HLP16細胞)である.HLEC16細胞ではウイルス遺伝子が細胞染色体に組み込まれていた.対照的にHLP16細胞は細胞染色体外にウイルス遺伝子は存在していた.われわれは免疫細胞染色を用いてカルシウム濃度増加のCK13発現に対する影響を評価した.HLP16細胞とHLEC16細胞は共にCK13発現誘導を伴って増加したカルシウムに反応した.HLP16細胞とHLEC16細胞におけるCK13発現は低カルシウム条件下(0.1mM)では検出不能であったが高カルシウム条件下(1.0mM)では検出された.一方,ウイルスRNAのレベルはHLP16細胞ではカルシウムを加える(1.0mM)ことによって上昇したが,HLEC16細胞では低カルシウム(0.lmM)および高カルシウム(1.0mM)条件下で同等であった.これらの結果はカルシウムが誘導する分化がHLP16細胞におけるウイルス遺伝子転写を正に制御したことを示唆する.また,ウイルス遺伝子の宿主細胞染色体への組み込みが分化に依存しないHPV16遺伝子転写の重要な決定要因なのかもしれない.
著者
篠原 大侑 岡田 岬 久島 達也 今井 賢治
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.266-272, 2019 (Released:2020-07-13)
参考文献数
16

【目的】今回、 膝痛および頚肩部痛を訴え、 さらに様々な不定愁訴を示す患者に対して鍼治療を行った。 胃膨満感と胃痛を中心とした消化器症状を強く訴えるようになったため、 胃電図による病態の把握と治療効果の確認を行ったところ、 治療後に症状の軽減とともに胃電図の正常波成分の増加を認めたため報告する。 【症例】73歳の女性。 身長は148.0cm。 体重は51.0kg。 初診時の愁訴は膝痛および頚肩部痛、 不安感であった。 24診目に胃膨満感および胃痛が第一愁訴となり、 全般的消化器症状評価 (Gastrointestinal Symptom Rating Scale; GSRS) は、 36点であった。 胃電図の計測は、 治療前後で各15分間行った。 鍼治療は30診目より左右の足三里 (ST36)、 豊隆 (ST40) に置鍼10分を行った。 【結果】鍼治療後の胃電図の正常波形を占める割合が71%と大きく増加しており、 power spectrumは明らかな安定とpowerの増大を伴っていた。 GSRSを確認したところ点数の減少を認め、 症状の改善を得た。 【考察】今回、 鍼治療により胃電図の正常波成分のpowerが増大した。 これは胃運動の亢進を意味しており、 いわゆる体性-内臓反射による迷走神経の興奮から、 胃電図の変化が得られたと考えられる。 さらに、 この胃電図の所見を患者に説明したところ、 安心を得て、 臨床症状の改善と治療継続のモチベーション向上に繋がった症例であった。 【結語】胃膨満感および胃痛を訴える患者に対して鍼治療を行ったところ、 胃電図の正常波成分のpowerが増大し、 さらに臨床症状の改善が得られた。
著者
篠原 主勲 榊原 大智
出版者
一般社団法人 品質工学会
雑誌
品質工学 (ISSN:2189633X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.32-40, 2020-10-01 (Released:2023-01-17)
参考文献数
5
被引用文献数
1

In search of a ball throwing technique for bowling perfect game, the quality engineering approach was used to determine a robust technique that would not depend on the lane condition. Noise factors such as the dynamic friction coefficient of the lane which the bowler cannot control, and control factors which the bowler can control, were selected; appropriate throwing levels were found by quality engineering; and these appropriate levels were adopted as a set of basic levels. The basic levels can then be tuned on the basis of pocket and pin action heuristics to derive the optimal throwing trajectory. Strikes can be obtained by maintaining the optimal trajectory while tuning only the speed of the ball to deal with factors that the bowler cannot control, such as the dynamic friction of the lane.
著者
川原田 洋 平間 一行 荻原 大輔
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.144-150, 2008-03-10 (Released:2008-03-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

The discovery process and the mechanism of p-type surface layer accumulation of hydrogen terminated diamond surfaces have been reviewed from the point of surface characterization and carrier formation near the subsurface. Since diamond is an insulating material, the surface density is as high as the order of 1013 cm−2 that is enough for high performance field effect transistors to be realized. The surface dipole formed by hydrogen-carbon bonds has a crucial role for the surface band structure of diamond. Also important is several types of negatively charged adsorbates necessary for charge neutrality condition and hole accumulation. New models for carrier emergence such as a transfer doping model have been discussed.
著者
小原 大智 田中 謙司 松田 悠希
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4Rin152, 2020 (Released:2020-06-19)

社会全体として自動化、IT化が求められており、機械学習技術の応用分野も広がっている。そこで本研究は、なかなか自動化、IT化が進んでいない医療分野における業務効率化を目的とし、その達成のためにOCR技術を利用した。現在、多くの薬局において処方箋の情報をパソコンへ入力する作業は手作業で行われている。そこでLINEをインターフェースとして、スマートフォンで撮影した処方箋の画像からOCRで情報を獲得するシステムを提案した。論文中で提案した前処理、テキスト処理の手法は処方箋から多くの情報を獲得することができた。我々の研究により日本語処方箋の文字認識に適した前処理・テキスト処理の手法、文字認識がしづらいフォーマットが明らかになり薬局業務の効率化に貢献するような結果が得られたと言える。
著者
三島 修治 平林 耕一 清水 公裕 江口 隆 三浦 健太郎 松岡 峻一郎 濱中 一敏 原 大輔
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、主に肺腺癌に対する新たな治療戦略の一つとしての新規キメラ抗原受容体発現遺伝子改変T細胞療法(CAR-T療法)の開発を目的とします。私たちはすでに、このCAR-T細胞が新たに標的とする抗原を特定し、この標的に対して特異的に結合しうるタンパク質の遺伝子配列を複数同定しています。本研究では、肺腺癌の腫瘍細胞株を用いた実験に加え、マウスを使った動物実験により、この新規CAR-T細胞の有効性を検証します。
著者
海老原 大樹 正田 英介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.115, no.7, pp.420-423, 1995-06-20 (Released:2008-04-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
三木 竜介 髙原 大樹
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.25-33, 2022-06-25 (Released:2022-07-25)
参考文献数
5

神戸市では,科学的根拠に基づく保健事業の推進による市民サービスの向上を目指し,医療・介護のレセプトデータや健診データ等を連結・匿名化した「ヘルスケアデータ連携システム」を新たに整備し,2020年11月に運用を開始した.本システムには,国保・後期高齢者・生保医療レセプトデータ,国保・後期高齢者・生保健診データ,介護レセプトデータ,介護認定調査票,予防接種データ等,市民約60 万人分の公的データが,個人単位で連結された状態で格納されている.これらの連結されたデータは,研究目的であれば,学術機関に限定して無償で利用可能である.データ利用にあたっては,神戸市の倫理審査委員会の審査で承認を得る必要がある.提供されるデータセットは,研究内容に応じて必要最小限に形成され,個人が特定できないように匿名化処理が施されている. 神戸市はヘルスケアデータ連携システムに格納されたデータを,二つの用途で利用している.一つ目は,市民全体の健康状態や課題の把握,保健事業の効果検証である.比較的悉皆性の高いデータであることと,既存事業で収集されるデータであることが,市民の健康状態を永続的に追跡していく運用を可能にしている.二つ目は,学術機関へのデータの研究利用目的での無償提供である.公益性の高い研究が神戸市のデータを元に実施されれば,結果から得られる新しい知見を保健事業に反映させることができる.ひいては,科学的根拠に基づく保健事業の推進につながり,更なる市民サービスの向上が期待される.