著者
川原 敬治 持永 芳文 前川 千明 佐藤 重勝
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.120, no.1, pp.96-103, 2000-01-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
9

Railway structures and traction substations suffered much damage by the Large-Magnitude Hanshin-Awaji Earthquake in 1995. In electric railway substations, structures were cracked, also a number of pieces of equipment such as transformers and silicon rectifiers were damaged, insulation oil leaked, base anchorbolts were cut, and high-voltage equipment supports inclined, and insulators cracked because of crack in the ground and uneven subsidence. This report describes the survey results of damaged traction substations and explains an earthquake-proof design method for traction substation equipment.We surveyed natural frequencies of traction substations equipment below 170kV. This survey showed that natural frequencies of equipment below 170kV were in relatively high frequency area (about 10-20Hz) than those of equipment above 170kV. As the real dominant frequency of earthquake is several Hz, these equipments rarely cause resonance due to earthquake move, and moving responses are weak also.From the analysis of the gliding phenomena of heavy equipment, it is found that the horizontal acceleration is in the range of 0.4-0.6G. So anchorbolts should be protected from large bending moment. Definite plans are using longer anchor-sockets, stuffing gaps between equipment and base and removing anti-vibration rubber plates.
著者
吉村 哲彦 中野 美穂 千原 敬也 鈴木 保志
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第131回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.189, 2020-05-25 (Released:2020-07-27)

日本の各地で放置竹林の拡大が課題となっており、その対策として竹の伐採・搬出を伴う竹林整備が行われている。竹の内部は空洞であるため、その重量は一般的な木材に比べて軽量であるが、生産性や安全性の観点から機械化が必要ではないと考えた。そこで、本研究ではチェーンソーのエンジンを動力とするカナダ製のチェーンソーウインチ(Lewis Winch 400 MK2)を用いて、竹の長材および短材の搬出作業を下げ荷で行った。比較のために、人力による搬出作業も行った。その際、生産性と労働負担を明らかにするために、搬出作業のビデオ撮影を行い、あわせて心拍計(Polar製OH1)を作業者に装着して心拍数を計測した。その結果、生産性の観点でも作業負担の観点でも短材による搬出が不利になることがわかった。生産性の観点では人力による搬出が有利となるが、人力による竹の搬出作業の労働負担は極めて高く、継続的な作業は好ましくないことも明らかになった。結論として、竹の搬出作業は短時間であれば人力でよいが、長時間継続する場合にはチェーンソーウインチのような機械を用いる必要があることが示された。
著者
羽原 敬二
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.610, pp.610_75-610_92, 2010

現在,新型インフルエンザ対策は,国際機関,国,地方自治体,企業,医療機関,個人などによって各々計画・準備されている。その目的は,(1)パンデミック発生の予防・阻止,遅延,(2)健康被害の抑止と最小限化,(3)社会活動・社会機能の維持,(4)パンデミック終息後の被害からの早期回復,である。新型インフルエンザウイルスの脅威と実態を正しく認識し,適切な対策をいかに有効に実施するかが課題となる。感染症が海外で発生・流行した場合,国内への侵入を阻止する水際対策には盲点があり,検疫をいかに強化しても,それだけで国内発生を完全に阻止することはできない。パンデミック時には,不要不急な業務は極力休止し,重要な業務に絞って,感染予防対策を徹底した上で事業を継続することが必要となる。地球的規模での国家危機管理の認識に立って,国際的な協働・協力態勢に基づき,状況に応じた柔軟な感染症対策をより戦略的に実行する方策について考察した。
著者
宮原 正 下條 貞友 豊原 敬三 今井 健郎 宮島 真之 本田 英比古 亀谷 雅洋 大関 正弘 小勝 順
出版者
The Japanese Society of Clinical Pharmacology and Therapeutics
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.357-365, 1985-06-30 (Released:2011-02-25)
参考文献数
19
被引用文献数
4 4

A phase I study of EST, a newly synthesized specific thiol protease inhibitor developed as a drug for muscular dystrophy, was performed in healthy adult male volunteers to investigate its safety and pharmacokinetics. EST was administered orally in single doses of 100 mg during fasting, or of 100 mg or 200 mg after a meal. The following results were obtained.The clinical tests and observation of the subjective and objective signs and symptomsfound no change due to EST.EST was detected as E-64-c (effective form of EST) in serum and urine after oral administration. The absorption of EST was slower when administered after a meal than during fasting. The AUC (area under the serum concentration curve) and urinary excretion rate were greater following administration after a meal, which indicates a tendency to better bioavailability of EST.As for the comparison of 100 mg and 200 mg administration after a meal, a distinct dosedependency was observed in the serum concentration and urinary excretion.
著者
田原 敬 久保 愛恵 勝二 博亮
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.179-183, 2021-08-01 (Released:2021-08-01)
参考文献数
33

本稿では主に注意機能の視点から雑音下聴取の神経生理学的機序について論じ, 雑音下のような聴取困難な状況で高まる心的な労力であるListening effortについて概説した。脳波や脳機能イメージングを用いた報告からは, 雑音下においてより効率的に音声を聴取するために注意機能が重要な役割を担っていることが確認された。あわせて, Listening effortについても, 注意機能や実行機能等の脳内ネットワークが関与していることが確認された。また, Listening effortを評価するための生理指標として瞳孔径や脳波が活用されていたが, それらの指標間には十分な一貫性がなく, その発生機序も含めさらなる検討が求められていた。以上より, 雑音下聴取やListening effortを扱う際には, 注意機能に代表されるような聴覚機能以外の視点からのアプローチも重要になると示唆された。
著者
石井 志昂 山田 剛史 中原 敬広 村井 潤一郎 杉澤 武俊 寺尾 敦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45033, (Released:2021-09-27)
参考文献数
1

本研究は,ベイズ統計学に基づくデータ分析を学習可能な,統計ソフトR を用いた心理統計の自習用Web 教材の試作,及び評価を行った.教材評価は,(1)学習者の教材学習状況,(2)R,及びベイズ統計学に対するイメージの変化,(3)学習後のインタビュー調査から行った.結果より,本研究で試作したWeb 教材の学習によりR を身近に感じるようになるとともに,コードを書きながら学習可能な点に対し肯定的な意見が得られた.一方,学習を行った参加者の約半数が教材の最後まで学習を終えることができず,教材の導入部分や章ごとの問題量について課題が示唆された.
著者
加藤 英寿 菅原 敬 可知 直毅
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

小笠原諸島南硫黄島は国内で最も謎に満ちた地であり、山頂部を含めた学術調査は過去2回実施されただけである。そこで2007年6月に東京都との合同で南硫黄島自然環境調査を25年ぶりに実施し、生物多様性の現状を把握すると共に、植物の集団遺伝学的・分子系統学的解析に基づく種分化過程の推定などを試みた。その結果、小笠原諸島に広く分布する種の場合、南硫黄島個体群は遺伝的に大きく分化していることなどが明らかとなった。
著者
津野 靖士 明田川 保 山中 浩明 翠川 三郎 山本 俊六 三浦 弘之 酒井 慎一 平田 直 笠原 敬司 木村 尚紀
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.5_102-5_116, 2012
被引用文献数
7

2011年東北地方太平洋沖地震の本震と余震の強震記録を用いて、首都圏および周辺地域に於ける周期2秒以上の地震動特性とサイト増幅特性を評価した。約650点の本震記録を用いたPGVとPGAから地震動が首都圏で複雑な分布を示すこと、擬似速度応答スペクトル分布から川崎~品川付近の東京湾沿岸部で周期2秒と3秒の速度応答が極めて大きいことが分かった。地表/地中の速度応答スペクトル比から算出したサイト増幅特性は、周期3秒以上の地震動に対して震源の位置に依存し、首都圏およびその周辺地域では東北地方の地震よりも長野県北部や静岡県東部の地震による地震動が大きく増幅されることが分かった。
著者
市川 啓之 櫻木 悟 藤原 敬士 西原 大裕 辻 真弘 横濱 ふみ 谷本 匡史 大塚 寛昭 山本 和彦 川本 健治 田中屋 真智子 片山 祐介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.60-65, 2018-01-15 (Released:2019-03-28)
参考文献数
11

背景:急性冠症候群(ACS)の急性期には,糖代謝異常を認めることが多い.本研究ではACSの急性期に糖負荷試験を行い,糖代謝異常の経時的変化とその機序について検討した. 方法:対象は,ACSで当院に入院した患者のうち,糖尿病既往がなく,心不全などの合併症のない26名.急性期と亜急性期に75 gOGTTを施行し,インスリン分泌能および抵抗性の経時的変化を調査した. 結果:急性期には糖尿病型の割合が46%と多く存在したが,亜急性期には15%に低下した.急性期から亜急性期にかけて,Insulinogenic indexは有意に上昇した(0.50±0.46 vs 0.91±0.78,p=0.003).一方,HOMA-IRには変化がみられなかった. 結論:ACS患者では糖代謝異常が多く存在し,その原因として,インスリン抵抗性よりもインスリン分泌能の低下が大きく関与していると考えられた.
著者
吉原 敬嗣 入山 義久
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.614-619, 2018

<p>日本緑化工学会生態・環境緑化研究部会の「阿蘇小規模崩壊地復元プロジェクト」活動として2017年11月,熊本県熊本市波野にてススキの穂(種子)を採取した。本稿は採取作業,精選作業,性状調査の結果を一事例として報告するものである。一部時間の参加者を含む13 名が62 時間の合計作業時間で採取できたススキの穂は,土嚢袋60 袋分で約34 kgであり,採取効率は1人1時間当たり0.553 kgとなった。採取したススキの穂について脱穀機や篩を使い精選方法を検討した結果,篩選を採用し,歩留り67.0%で約23 kgの精選種子を得た。精選完了直後に先行して種子の性状調査を実施し,純度83.4%,1 g当たりの種子粒数1,486という結果が得られ,また,強精選により得られた頴果の発芽率については3つの温度条件で比較し,30℃明条件8 hr-20℃暗条件16 hrの変温区で最も高い87.0%の発芽率が記録された。約1か月後に種子品質証明書発行のための小穂の性状調査を行った。その結果,純度85.9%,1 g当たりの種子粒数1,653,および前述の発芽条件下で53.0%の発芽率が記録されたことから,証明書を発行した。また,小穂の中に穎果が入っていないシイナの割合は42.0%だった。別途行った面積当たりの採取効率の検討については,面積,人数,時間,ススキの穂の本数,各種重量を測定し,1 m2当たり40 本,1人1時間当たり約550 本が採取可能と計算できた。</p>
著者
原 敬
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.71-81, 2003-10-05 (Released:2018-02-01)

The technology of drugs to treat physical pain has progressed and become widely available. Therefore, the number of persons terminally ill with cancer who suffer from physical pain has decreased in recent years. However, there is a fear that the treatment of such pain has become so routine, that the patient who discovers meaning through physical suffering is deprived of that meaning. It seems that the meaning attributed to physical pain by a person terminally ill with cancer differs from that of a patient after an operation. In the latter case, physical pain prevents the consciousness that faces life. On the other hand, in the case of the terminal cancer patient, pain is "the magnetic field" which fixes the consciousness that faces death. This magnetic field may fix that consciousness in such a way that it tends to face to life rather than death. It is said that for terminal cancer patients informed consent concerning pain management is as indispensable as is consent for other medical treatments. Some persons may think that there is no problem in the "routinization" of pain management, because a patient himself is holding the helm in this treatment and is able to control by his own will the physical pain which would act as a magnetic field fixing his consciousness on death, and moreover he is even able to escape the pain. However, if such treatment causes him to mistake his medical situation so as to believe that a terminally ill cancer patient can live comfortably without physical pain, informed consent is unable to be applied to him.
著者
大西 晶子 諸頭 三郎 前川 圭子 山崎 朋子 玉谷 輪子 藤井 直子 藤原 敬三 内藤 泰
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.531-538, 2020-12-28 (Released:2021-01-16)
参考文献数
11

要旨: 人工内耳 (CI) 装用小児の装用状況と音環境についての知見を得ることを目的とし, 18歳未満の CI 装用小児100例のデータロギングから得られたログデータについて, 各項目の分布を調べ, 就学前群, 小学生群, 中高生群で3群間の比較を行った。 CI 装用時間は, 年齢が高くなるごとに装用時間が長くなり, 中高生になると送信コイルの装用が安定した。音環境は, 雑音下の話声の方が静寂下よりも高い割合を占め, ログデータからも情報保障のための環境調整の重要性が示唆された。 CI データロギングは, 一定数の結果を集積した値と, 個々の小児の経時的変化を医療者が把握し, 保護者や関連機関と共有することで, より個々の小児に即したハビリテーションを行うことを可能にすると期待される。
著者
公文 富士夫 金丸 絹代 田原 敬治 角田 尚子 山本 雅道 林 秀剛
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.111, no.10, pp.599-609, 2005-10-15
被引用文献数
3 12

木崎湖において2003年12月に採取した35cm長の柱状堆積物について検討し, 1969年以降の3回の大洪水の層準を認定した.その年代をもとにして平均堆積速度を求め, 有機炭素含有率の経年的な変化を求めた.一方, 1981年以降に木崎湖で行われてきた毎月の湖沼観測記録をまとめ, 21年間のクロロフィルα量の経年的な変化を明らかにして, 湖水中の生物生産量の指標とした.また, アメダス気象観測資料を用いて, 気温や降水量などの気象要素の資料を得た.これら3者間の相関を検討して, 有機炭素含有率は, 年間クロロフィルα量および冬の平均気温と有意な相関をもつことを見出した.冬の暖かさ(厳しい冬の短さ)が冬季の生物生産性を高め, それが年間の生物生産量に影響を与えて, 堆積物として沈積する有機物量を増加させたと考えられる.湖沼堆積物中の有機炭素含有率は, 過去の気温(冬の平均気温)の指標として有効である.