著者
梅田 靖 冨山 哲男 吉川 弘之
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.795-800, 1997-06-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
15
被引用文献数
13 10

Although functional design is crucial within a design process, difficulties in dealing with functions prevented traditional CAD technology based on geometric modeling from supporting functional design. This paper proposes a new methodology for modeling functions, called FBS (Function-Behavior-State) modeling. The FBS modeling represents a function as an association of the designer's intention and a behavior needed for realizing the function. This paper also describes a computer tool to support functional design based on the FBS modeling. This tool, called the FBS Modeler, supports a designer not only to verify design solutions with qualitative simulation but also to generate design solutions through decomposition of specified functions and embodiment of decomposed functions. Experimental design case studies demonstrate the importance and advantages of the FBS modeling.
著者
中村 仁彦 永井 清 吉川 恒夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.4, no.5, pp.489-498, 1986-10-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
20
被引用文献数
4 10

本論文では, 複数のロボットマニピュレータまたは多指ロボットハンドによる協調的あやつりの力学が議論される.協調的あやつりの問題は2つの局面に分けられる.1つは複数のロボット機構による合力を決定することであり, もう1つはそれらの間の内力を決定することである.合力は外力や環境拘束を受ける物体のあやつりに用いられる.内力は最大静止摩擦係数の不確さや変動に適応するために用いられる.合力の決定に対して動的協調制御方式が提案される.また, 最大静止摩擦の拘束の下で対象物に任意な加速度を発生する能力である協調的あやつり可能性を確認するための1方法が提案される.最後に, 最適内力を最大静止摩擦の拘束を満たすために必要な最小ノルムの内力と定義し, 最適解を求めるために非線形計画法が適用される.最適解は, それが存在する限り, 最大〓組の代数方程式を解くことによって必ず求められる.
著者
吉川 成司 Seiji YOSHIKAWA
出版者
創価大学教育学会
雑誌
教育学部論集 (ISSN:03855031)
巻号頁・発行日
no.58, pp.27-44, 2007-01-01

This paper considers the independence in life-span human development by contrasting with the isolation through elaborating the attachment theory, child abuse and its effects. The paper is organized in the following way: Section 1 details independence and
著者
豊岡 示朗 吉川 潔 足立 哲司
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.419-430, 1995-08-01
参考文献数
27
被引用文献数
3 1

朝の起床後におけるジョギングの問題点, その実施時間帯による代謝特性を明らかにすることを目的として, 男子長距離選手5名 (19~26歳) とジョガー (32~50歳) を対象に, 絶食, スナック, 夕方の3条件を設定して60分間のトレッドミルによるジョギングを課し, 血中基質と代謝反応を測定し, 次のような結果を得た.<BR>1) 絶食条件のジョギング前後の血液グルコースは, ジョガー群で100.8mg/d<I>l</I>: 93.0mg/d<I>l</I>, ランナー群で101.0mg/d<I>l</I>: 105.6mg/d<I>l</I>となり, ジョガー群の低下が大きい傾向が見られた.しかしながら, 両群間に有意差は認められなかった.また, 夕食を摂らなかった被験者1名 (48歳) が, 走行後65mg/d<I>l</I>となり, 低血糖レベルに近づいた.<BR>2) 同条件での遊離脂肪酸は, ジョガー群の安静で, 0.37mmol/<I>l</I>, 運動後, 0.57mmol/<I>l</I>, ランナー群の場合, 運動前0.25mmol/<I>l</I>, 運動後0.37mmol/<I>l</I>となり, いづれも, 約50%の上昇がみられたものの, 安静値の2倍に達した被験者は1名であった.また, その最大値は, たかだか, 0.86mmol//<I>l</I>であった.<BR>3) 上述の結果から, 起床後の空腹状況において, 50~60%VO<SUB>2</SUB>maxで60分間のジョギングを実施した場合, 脱力感, 不快感や低血糖症状に陥る例は稀であり, 遊離脂肪酸が急上昇 (安静の3~4倍) することもほとんどないことが示唆された.しかしながら, 中高年ジョガーの場合, β-ヒドロキシ酪酸が, 運動前に比べ1.3~2.6倍も増加する例 (6名中5名) が見られた.<BR>4) 血中基質の動態からみた夕方ジョギングの特徴は, 朝の2条件 (絶食とスナック) と比べ, 運動前のインスリンレベルが2.7倍高く, 運動中のアドレナリン分泌の亢進, 血液グルコース取り込みの増加, 脂肪分解能の抑制であった.一方, 朝の2条件の動態は, ほぼ同様となり, インスリン, アドレナリン, ノルアドレナリン, 血液グルコースの変動が小さく, グリセロールの増加, FFA代謝回転レベルの高いことが認められた.<BR>5) 60分間のジョギングによる全消費エネルギーは, スナック条件が他の条件より4~5%高く (P<0.01) 654.4kcal, 以下, 夕方条件・627.5kcal, 絶食条件・619.2kcalとなった.この差異の要因は, スナック摂取からくる酸素摂取量の増加に依る.<BR>6) 呼吸商 (RQ) から60分間のジョギングによる炭水化物と脂肪の酸化比率をみると, 朝の2条件 (絶食とスナック) の場合, 約51~50%: 49~50%とほぼ同様になったのに比べ, 夕方条件の場合は, 67.4%: 32.6%となり, 朝のジョギングの方が約16~17%脂肪の酸化が多い (P<0.01) ことが認められた.<BR>7) 以上の結果から, 朝の2条件 (絶食とスナック) によるジョギングは, 夕方実施する場合に比べて脂質代謝が高いと示唆された.
著者
吉川 茂 志村 哲
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

「舞蛟」、「露堂々」など江戸、明治期の虚無僧尺八の名器は「地無し尺八」と呼ばれ、竹管の自然形体をそのままに、節をわずかに残して製管されている。本研究では、第2節(第4孔の少し上に位置する)より上と下では管内形状が有意に異なり、かつ第2節の残し方に独特な特徴のあることが低音域と高音域での響きと音色の差異(多彩さ)をもたらすと推論した。さらに、名器を用いた実演や CD 録音での演奏者や聴衆の印象から、メリカリ奏法での上下への音高変化と運指が現代尺八よりも虚無僧尺八において容易であり、響きと音色の差異を導くと推論された。このような特徴は第2, 3 孔が高めに開けられていることの利点と考えられる。
著者
吉川 敏一 古倉 聡
出版者
医歯薬出版
雑誌
医学のあゆみ (ISSN:00392359)
巻号頁・発行日
vol.204, no.1, pp.20-23, 2003-01-04
被引用文献数
1
著者
吉川 義三
雑誌
日本コンタクトレンズ学会誌 (ISSN:03749851)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.311-314, 1997-12-28
参考文献数
4
著者
吉川 昭雄
出版者
日本家畜管理研究会(現 日本家畜管理学会)
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.106-113, 1981

頭絡は, 従来, 牛・馬の頭部保定具として, 誘導・調教・保定などの諸作業に広くもちいられてきたが, 今日ではその利用が衰退しつつある。本報告は, 各種牛頭絡について, 構成・作製技法などを示したうえで, 作製上の難易性や様式の特徴, あるいは結びの技法, 用途などについて検討し, 類型化を試みたものである。これらのことから, 各種牛頭絡それぞれの特徴と位置づけなどをあきらかにし, 今後の研究・改良に供するものである。
著者
吉川祐子 中村羊一郎著
出版者
静岡新聞社
巻号頁・発行日
1996
著者
寺下 隆夫 慮 成金 吉川 賢太郎 獅山 慈孝
出版者
日本きのこ学会
雑誌
きのこの科学 (ISSN:13407767)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.15-20, 1995
参考文献数
19
被引用文献数
5

ブナシメジの栄養生長環境について検討した.本菌の生育最適温度は25℃付近,栄養生長の培地初発pHは7付近であった.栄養生長にはグルコースが最適な炭素源で,スクロース,トレハロース,デンプン,キシロース,マルトースでも比較的良好な生長を示した窒素源としてはポテト抽出液(200gポテト)およびライドビヤーイーストが最良であった.カザミノ酸,麦芽エキス,グルタミン酸は本菌の生長に対して極めて悪い結果を示した.本菌の栄養菌糸の生長時における菌体外および菌体内に生産される加水分解酵素活性を併せて調べた.菌体外酵素ではβ-1, 3-グルカナーゼの菌糸生育に伴う活性上昇が著しかった.また,CM-セルラーゼ,アビセラーゼ,中性プロティナーゼ活性が生長に随伴して上昇した.菌体内酵素ではCM-セルラーゼ,アビセラーゼ活性が高かった.中性プロティナーゼ,酸性プロティナーゼ,N-アセチル-β-D-グルコサミニターゼ活性も確認された.キチナーゼ活性は培養25〜30日目に著しく高くなった.β-1, 3-グルカナーゼ活性は極端に低かった.また,プロティナーゼ活性は酸性より中性プロティナーゼが高いレベルを示した.
著者
三橋 学 金丸 みつ子 田中 謙二 吉川 輝 稲垣 克記 久光 正 砂川 正隆 泉﨑 雅彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.483-491, 2019 (Released:2019-12-18)
参考文献数
14

延髄大縫線核のセロトニン(5-hydroxytryptamine, 5-HT)神経は,下行性疼痛抑制系として鎮痛作用を発揮する.一方で,痛みを増強させるという報告もあり,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の鎮痛薬としての使用が広まるなか,5-HTの疼痛制御に関する検討が必要である.近年,光遺伝学的手法によって大縫線核の5-HT神経を選択的に刺激することが可能になった.本研究では,5-HT系下行性疼痛抑制系の障害が示唆されている間欠的寒冷ストレス(intermittent cold stress, ICS)モデルのマウスを用い,光遺伝学的手法による大縫線核の5-HT神経の選択的刺激が鎮痛作用を発揮するか検討した.青色光照射で大縫線核の5-HT神経を刺激するため,光感受性チャネルを5-HT神経細胞に発現させた遺伝子改変マウス(Tph2-tTA::tetO-ChR2(C128S))に対し,大縫線核直上に光ファイバーを刺入,留置した.このマウスにICSを与えてICS群とし,青色光照射による大縫線核5-HT神経への刺激が疼痛閾値へ与える効果を行動学的手法で評価した.機械刺激性疼痛試験としてvon Frey test,熱刺激性疼痛試験としてHot plate testを用いた.対照群にはSham ICS処置を行った.ICS群とSham ICS処置によるマウス群を比較検討したところ,ICS処置はvon Frey testによる疼痛閾値を低下させた.しかし,遺伝子改変マウスに青色光照射で刺激をしても,von Frey testによる疼痛閾値の変化は認めなかった.一方, Hot plate testで疼痛閾値を評価すると,Sham ICS処置による疼痛閾値の変化とICS処置による疼痛閾値の変化に有意な差はなかった.しかし,曝露処置(ICS処置か,Sham ICS処置か)と時期(処置前か,処置後か)に関わらず,青色光照射で疼痛閾値が上昇した.つまり,ICS処置は,von Frey testによる疼痛閾値を低下させたが,Hot plate testによる疼痛閾値を変化させなかった.一方,青色光照射による大縫線核5-HT神経への刺激は,Hot plate testによる疼痛閾値を上昇させたが,von Frey testによる疼痛閾値を変化させなかった.以上より,大縫線核の5-HT神経への刺激は,熱刺激性疼痛に対する鎮痛作用を発揮した.一方,ICS処置で機械刺激性疼痛に対する疼痛閾値は低下したが,その機序に大縫線核の5-HT神経の積極的な関与は示唆されなかった.
著者
野津 寛 納富 信留 吉川 斉 葛西 康徳
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近現代日本における古代ギリシア演劇研究および受容の諸相を追究し、古代ギリシア演劇研究および受容・上演が将来進むべき方向性を示唆するため、私たちの基盤研究(基盤C 17K02590)を発展的に継承する。(1)近現代日本における古代ギリシア演劇の受容の実態調査。(2)わが国の古代ギリシア悲劇の受容と上演の活動全体が、能など日本固有の伝統演劇の諸要素の積極的活用の有無という根本的な選択の相違によって、受容の2大類型に分類できることを明らかにする。(3)西洋人による古代ギリシア悲劇と能の比較研究について、宗教学的・人類学的な比較対照研究の伝統という観点から日本における研究・受容の在り方を問う。