著者
吉川 直樹 天野 耕二 島田 幸司
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第4回日本LCA学会研究発表会(会場:北九州国際会議場)
巻号頁・発行日
pp.9, 2008 (Released:2009-02-05)

食料・農業分野において,産業連関表による環境負荷排出原単位は,簡易的なLCAや積み上げ法とのハイブリッドLCAなどに用いられている.しかし,食料自給率の低い日本においては,輸入品と国産品との環境負荷の差異や,国内外の価格差により,原単位が実態と大きく乖離している可能性がある.本研究では,主要な輸入食料・飼料について,ハイブリッド法によるLCAを行った上で,輸入品の環境負荷を考慮した産業連関法による部門別のCO2排出原単位を作成した.その結果,畜産品において環境負荷の乖離が大きいことがわかった.また,食品加工・漁業・飲食業などの環境負荷への影響を定量的に明らかにした.
著者
吉川 昇
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.3-10, 2009 (Released:2012-08-10)
参考文献数
51
被引用文献数
4 4
著者
岩宮 眞一郎 関 学 吉川 景子 高田 正幸
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.292-299, 2003
被引用文献数
2

テレビ番組や映画などで, ある映像シーンから別の映像シーンへ場面を転換するとき, 様々な切り替えパターンが用いられる. 本研究では, 効果音が各種の切り替えパターンの印象に与える影響を, 印象評定実験によって明らかにした. 一般に,「明るい」印象の連続的なスケール状の効果音が, 各種の切り替えパターンと調和する. とりわけ, 上昇系列の音列と拡大系の切り替えパターン, 下降系列の音列と縮小系の切り替えパターンの調和度が高い. 本研究で認められた音と映像の調和感は, 音と映像の変化パターンの一致に基づく構造的調和によるものと考えられる. さらに, 音と映像の調和度が高い視聴覚刺激は映像作品としての評価も高い. これは, 音と映像が一体となって互いの効果を高め合う協合現象によるものと考えられる. 音と映像の構造的な変化パターンの一致が調和感をもたらし, 視聴覚情報が一体のものとして理解されることで, 評価が高まるのであろう.
著者
宇髙 麻子 吉岡 靖雄 吉田 徳幸 宇治 美由紀 三里 一貴 森 宣瑛 平井 敏郎 長野 一也 阿部 康弘 鎌田 春彦 角田 慎一 鍋師 裕美 吉川 友章 堤 康央
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第39回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.O-39, 2012 (Released:2012-11-24)

抗原を粘膜面から接種する粘膜ワクチンは、全身面と初発感染部位である粘膜面に二段構えの防御を誘導できる優れたワクチンとなり得る可能性を秘めている。しかし抗原蛋白質は体内安定性に乏しく、単独接種ではワクチン効果が期待できない。そのため、免疫賦活剤(アジュバント)の併用が有効とされており、既に我々はTNF-αやIL-1α等のサイトカインが優れたアジュバント活性を有することを先駆けて見出してきた(J.Virology, 2010)。しかしサイトカインは吸収性にも乏しく、アジュバントの標的である免疫担当細胞への到達効率が極めて低い。そのため十分なワクチン効果を得るには大量投与を避け得ず、予期せぬ副作用が懸念される。言うまでも無く、現代のワクチン開発研究においては、有効性のみを追求するのではなく、安全性を加味して剤型を設計せねばならない。そこで本発表では、ナノ粒子と蛋白質の相互作用により形成されるプロテインコロナ(PC)を利用することで、サイトカイン投与量の低減に成功したので報告する。PCとは、ナノ粒子表面に蛋白質が吸着して形成する層のことを指す。近年、PC化した蛋白質は体内安定性や細胞内移行効率が向上することが報告されている。まず粒子径30 nmの非晶質ナノシリカ(nSP30)を用いてPC化したTNF-α(TNF-α/nSP30)を、ニワトリ卵白アルブミン(OVA)と共にBALB/cマウスに経鼻免疫し、OVA特異的抗体誘導能を評価した。その結果、有害事象を観察することなく、0.1 µgのTNF-αを単独で投与した群と比べ、TNF-α/nSP30投与群においてOVA特異的IgG・IgAの産生が顕著に上昇していた。以上、PCがTNF-αアジュバントの有効性と安全性を向上できる基盤技術となる可能性を見出した。現在、体内吸収性の観点からPC化サイトカインのワクチン効果増強機構やナノ安全性を解析すると共に、最適なPC創製法の確立を推進している。
著者
吉川 佳佑 島 弘幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.33-36, 2018

<p>虹をテーマとした「光の回折・干渉」の実験は、目にした生徒の印象に残りやすく、光の波動性を学ぶのに適した実験の一つである。本稿では光ディスク(CD やDVD 等)を用いて、二重同心円の虹模様を、教室の壁いっぱいに作り出す手法を紹介する。本手法で二重の虹の円を実演した後、その仕組みを生徒に考えさせることで、回折・干渉に関する生徒の理解を促すことができる。さらに手軽で安全な道具のみを用いることから、生徒自身が実験条件を自由に工夫して、虹の変化を楽しむことができる。</p>
著者
吉川 翠 小川 秀司 伊谷 原一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.35, pp.59, 2019

<p>タンザニア西部ウガラ地域の乾燥疎開林地帯でチンパンジー(<i>Pan troglodytes</i>)を直接観察した事例をまとめた。疎開林地帯では疎開林が全面積の86%を占め,他に常緑林と草地が点在している。1995年から2012年に収集した観察事例を分析した結果,(1)パーティ(遊動集団)サイズの平均は3.9頭(SD=2.8,Range=1-14,n=53)で,乾季は平均4.4頭(SD=3.1,Range=1-14,n=37),雨季は平均2.6頭(SD=1.3,Range=1-6,n=16) だった。(2)パーティの構成は,オトナオス(以下オス)のみが11.3%,オトナメス(以下メス)のみが1.9%,オスとメスの混合パーティが66.0%だった。オスとメスの混合パーティの内,コドモかアカンボウが含まれるパーティは34.0%だった。(3)1-5頭で構成されるパーティが75.5%と最も多く,次いで6-10頭のパーティが20.8%だった。10頭以上のパーティは3.8%で,いずれも乾季に観察された。(4)チンパンジーと遭遇した際,彼らは樹上を60.4%,地上を39.6%利用していた。また,利用植生の62.3%が常緑林,37.7%が疎開林だった。(5)発見時の行動は,採食35.8%,休息30.2%,移動30.2%,その他(グルーミングなど)3.8%だった。(6)1回の観察継続時間は10分以内が50%以上を占めた。本地域は,他の地域に比べて平均パーティサイズや最大パーティサイズが小さかった。また5頭以下のパーティの割合は他の地域の2倍だった。疎開林地帯では雨季よりも乾季の方がわずかにパーティサイズは大きくなるが,相対的にパーティサイズを小さくすることで,限られた果実量の採食競合を回避していると考えられる。また,ライオンやヒョウなどの捕食者の存在が,チンパンジーのパーティサイズや警戒心の強さに影響していると考えられた。</p>
著者
西村眞琴 吉川一郎編
出版者
有明書房
巻号頁・発行日
1983
著者
西村真琴 吉川一郎編
出版者
丸善
巻号頁・発行日
1936

1 0 0 0 函數論

著者
吉川實夫著
出版者
冨山房
巻号頁・発行日
1913
著者
吉川 登
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学:美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.441-452, 2011

鑑賞学の基礎理論として筆者が提示した研究論文「行為としての鑑賞-鑑賞学の序章としての鑑賞行為の分析-」(平成4年度)の内容を再検討することによって,鑑賞学の基礎理論の充実・補強を図る。特に,第5章鑑賞の思考レベル:「考えること」では,具体的な画像読解の手法を提案した。また,平成4年から平成22年までに公表された「鑑賞学実践研究」の成果を背景にして,鑑賞学の特色および有効性について論究した。
著者
吉田 正樹 井田 正博 政岡 ゆり 小岩 信義 Jean Louis Stievenart 吉川 輝
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.334-343, 2016

中枢機能を非侵襲的に研究するために,課題や刺激による局所脳活動解析がおこなわれてきた.一方で,このようなアプローチでは中枢機能の統合過程を研究するには限界があった.近年,安静時の脳活動という概念がデフォルトモードネットワークとして紹介され,これが内的思考などに関与し,従来の目標指向型の課題遂行で脱賦活する特徴があることがわかってきた.このような脳の自発的な活動は,従来の課題による脳局所活動と密接に相関することもわかってきた.この流れより,中枢機能の統合過程を解析する手段として,MR信号や拡散テンソル画像をベースにしたグラフ理論による解析法が提唱された.これらの,脳機能の局所解析からネットワーク全体の解析に至る過程を解説する.
著者
吉川 雄一郎 篠沢 一彦 石黒 浩 萩田 紀博 宮本 孝典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1284-1293, 2007-03-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

人間同士のコミュニケーションにおいて,視線は意図の伝達や会話の調節など,重要な役割を持つことが知られている.人間と対面するロボットやスクリーンエージェントの従来研究においても,それらの視線をどのように構成するかに注目が集まっているが,相手の視線の動きを考慮した枠組みの研究は少ない.しかし,相手の視線が自分の視線に対してどのように変化しているかを見ることは,人間が相手の視線を認識するうえで重要な手がかりになっていると考えられる.そこで本研究では,対面相手の視線に基づいて自身の視線を動かすことのできるロボットを構築し,応答的視線によってより強い被注視感を相手にいだかせることができることを示す.In face-to-face communication, eyes play a central role, for example in directing attention and regulating turn-taking. For this reason, it has been a central topic in several fields of interaction study. Although many psychology findings have encouraged previous work in both human-computer and human-robot interaction studies, so far there have been few explorations on how to move the agent's eye, including when to move it, for communication. Therefore, it is this topic we address in this study. The impression a person forms from an interaction is strongly influenced by the degree to which their partner's gaze direction correlates with their own. In this paper, we propose methods of controlling a robot's gaze responsively to its partner's gaze and confirm the effect of this on the feeling of being looked at, which is considered to be the basis of conveying impressions using gaze in face-to-face interaction experiments.