著者
水江 一弘 吉田 主基
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.38-46, 1961-01-31

A large number of Tursiops sp. were caught at Arikawa Bay in Goto Is. of Nagasaki pref. In this Tursions sp., the many babies immediatly after the parturition and many females which has large fetus immediatly before the parturition, were included, so it is seemed that this Tursiops sp. is group in the course of the migration of parturition. The body length of the fetus in paturition is presumed about 120 cm. On the body color, the striped dark design in the shape of the anchor was observed at the front of the rear of the head, and in this point it is same characteristic to the Pacific Tursiops sp. About the external proportion of body, in this Tursiops sp. the head part is longer, the portion of the waist and tail is smaller than the northern species of this prefecture, but is similar in these portions to Pacific spp. And the characteristics in this species is that the dorsal fin situates more forward and the breadth of the tail flake is larger than other species. About the skull proportion, the width of the middle snout in maxilla is more narrow and the length of teeth line in maxilla and mandibula is longer and the distance of the end of both temporal is shorter than other Tursiops sp. On the tooth, the distribution of its number is no small, but it has a tendency to much generally. The number of bertebrae was 64, but this value is one animale. About the change of external proportion with the progress of growing, the each values in the head part are decrease and values in the portion of the waist and tail are increase with the progress of growth, it is shown that the degree of the head growth is smaller than the other portions, and the body growth is due to that in the waist and tail mainly.
著者
吉田 亮 岩山 めぐみ グォ チョンリャン
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.90, no.7, pp.428-432, 2021-07-05 (Released:2021-07-05)
参考文献数
14

材料研究の逆問題への機械学習の適用例を紹介する.順問題の目的は,系の入力に対する出力の予測である.例えば,入力変数は材料の構造,出力変数は物性に相当する.逆問題では,出力の目標値を所与とし,それを近似的に満たす入力を求める.これ自体は何の変哲もないデータ解析のワークフローであるが,材料研究のデータ解析の特殊性は変数の高次元性と特殊性にある.一般に候補材料の探索空間は極めて広大である.また多くの場合,組成,分子,結晶構造のように固定長ベクトルによる数値化が非自明な問題を取り扱うことになる.本稿では,筆者らの近年の取り組みを中心にさまざまな実例を紹介しながら,逆問題を解く機械学習のエッセンスを解説する.
著者
田中 良太 吉田 治 松田 実 福島 久喜 花岡 建夫 呉屋 朝幸 関 恒明
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1222-1225, 1997-06-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
15

注入法による豊胸術後乳癌の1例を経験したので報告する.症例は52歳女性, 23年前に注入法による両側豊胸術を受けた.左乳房および左腋窩部腫瘤を触知し増大してきたため当院外来を受診した.造影MRIにて左乳房に腫瘤像が描出され,腫瘤辺縁に輪状濃染像が認められたため乳癌を疑った.腫瘤摘出生検を施行し病理学的に浸潤癌との診断が得られたので定型的乳房切除術を施行した.組織学的には充実腺管癌,鎖骨下リンパ節転移陽性と診断された. 造影MRIが注入異物と乳癌との識別に有用であった.
著者
吉田 正尚
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.1H23, 2008

ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン(PO)類は一般にその化学構造から表面不活性で後加工による着色等の表面修飾が非常に困難な材料である。そこで新たにシラン系結合剤と機能性微粒子を含む液相中でPO基材表面に微粒子を固定する、ゾルゲル法を基にした手法を独自に開発した。この方法によるとPE糸にダメージを与えること無くW微粒子を強固に固定でき高比重化等の表面修飾をすることができた。では何故PO基材に表面修飾できるのかを考察したところ、PE基材への熱処理実験と結晶性の異なるn-テトラコンタン基材へのW微粒子固定実験の結果から、PO基材への微粒子固定には高い結晶性が必要であると考えられた。またSEM観察の結果、W微粒子はPOが結晶化した部分に島を形成し、その島を起点として拡がるように基材表面を被覆していくものと思われた。
著者
近江 亮介 安田 宏 伊東 文生 清川 博史 松本 伸行 奥瀬 千晃 中川 将利 吉田 栄作 吉村 徹 清木 元治 越川 直彦
出版者
学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会
雑誌
聖マリアンナ医科大学雑誌 (ISSN:03872289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.125-133, 2019

<p>【<b>背景</b>】血清ラミニンγ2単鎖(Ln-γ2m)測定は臨床的に有用な肝細胞癌(HCC)診断の新規腫瘍マーカーとなる可能性がある。Ln-γ2mがHCCの治療効果判定の指標となるかは明らかでない。そこで肝動脈化学塞栓療法(TACE)前後の血清Ln-γ2m値を測定し,治療効果判定への有用性を検討した。<br/>【<b>方法</b>】2013年1月から2018年2月までに加療したHCC症例28例(男性:19例,女性:9例,平均年齢値:70歳)を対象とした。TACE後1週間〜1ヶ月(中央値7日:4〜25日)に施行された造影computed tomography(CT)画像を用いて,modified RECIST criteriaによりその治療効果を評価した。また,TACE術前と術後7日の血清のLn-γ2m値を化学発光免疫測定法(Chemiluminescent immunoassay: CLIA)で測定し,CT画像による治療効果との比較を行った。<br/>【<b>結果</b>】CT画像による治療効果判定は著効(Complete response:CR)5例,有効(Partial response:PR)11例,不変(Stable disease:SD)5例,進行(Progressiveon disease:PD)7例であった。治療有効例であるCR群とPR群では,CR 3/5例(60%),PR 4/11例(36%)でTACE後に血清Ln-γ2m値が有意に低下した。PR 7/11例(64%)でTACE後に血清Ln-γ2m値が上昇し,CT画像においても3ヶ月以内に腫瘍の増悪が認められた。治療無効群であるSD群とPD群では,SD 5/5例(100%)とPD 6/7例(86%)において,TACE後に血清Ln-γ2m値の有意な上昇を認めた。<br/>【<b>結語</b>】血清Ln-γ2mは,HCCにおけるTACE術後のCT画像による治療効果判定を補完する新たな指標分子となりうる可能性をもつ。</p>
著者
飯塚 俊介 葉山 達也 内池 明博 堤 大輔 小田桐 功武 中山 敏光 早坂 正敏 村松 高 橋本 修 吉田 善一
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.145-153, 2017-03-10 (Released:2018-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

The absorption of gefitinib is dependent on gastric pH. However, an increase in gastric pH via the use of antacids such as proton pump inhibitors (PPI) and histamine H2 receptor antagonists may reduce the bioavailability and efficacy of gefitinib.In this study, we report the influence of the concurrent use of antacids with gefitinib on the efficacy in epidermal growth factor receptor (EGFR) mutation-positive non-small cell lung cancer (NSCLC). Our subjects were 68 patients with NSCLC who were treated with gefitinib at our hospital between 2008 and 2015.In the study, we compared time to treatment failure (TTF), overall survival (OS), response rate, disease control rate and adverse effect rates in patients receiving antacids in combination as well as (AC; n = 29) with those only receiving gefitinib (no AC; n = 34).The patients in the AC group exhibited a significant difference in TTF (409 days (95%CI: 1.00-4.22) vs 901 days (95%CI: 0.24-0.99), P = 0.0492) as compared to the no AC group. But then the OS, response rate, disease control rate and adverse effects rate were not significant between each group. Therefore, this study suggests that, as long as the combination of gefitinib with antacids is avoided, the combination with antacids should not impair the clinical efficacy of gefitinib. From the results of the sub-analysis, this study suggests that, in particular men, less than 75 years old, PS≧2, pulmonary metastasis, it is preferable to avoid the combination of gefitinib and antacids.
著者
北浦 健生 太田 和宏 吉田 誠 曽我 綾香 野路 稔 伊藤 智司 岡田 英孝 北 宜裕
出版者
神奈川県農業技術センター
巻号頁・発行日
no.160, pp.1-6, 2016 (Released:2016-09-14)

青首総太り品種が主流となっている現在のダイコン生産・流通体系において,特色あるダイコン新品種の開発を目的に、白首総太りダイコンの一代雑種品種を,神奈川県農業技術センター,民間育種家及び横浜植木株式会社の3者で育成した。花粉親系統については当所と県内育種家が育成を担当し,2003年から‘大蔵’及び‘晩野路’を交配母本に用い,集団選抜法により根形が円筒形の系統を育成した。2009年の集団選抜第6世代以降,形質の分離幅が縮小したため,横浜植木(株)保有の雄性不稔系統を種子親としたF1交雑検定を並行して実施した。計25の交雑系統から有望な系統‘UON’を選抜し,特性検定及び現地適応性試験を実施した。その結果,‘UON’は根部が首部を含め全体が白色で円筒形,甘味が強く,‘耐病総太り’と同等の食味評価を確認したことから,‘湘白’と命名し,2013年3月5日に品種登録出願し,2015年6月19日に品種登録を受けた(農林水産省登録番号第24375号)。
著者
中村 雅基 金沢 敏彦 佐藤 利典 塩原 肇 島村 英紀 仲西 理子 吉田 康宏 趙 大鵬 吉川 一光 高山 博之 青木 元 黒木 英州 山崎 貴之 笠原 順三
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
気象研究所研究報告 (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.1-28, 2002
被引用文献数
5

中部日本におけるP波およびS波の3次元速度構造を地震波走時トモグラフィーを用いて求めた。その際、定常観測点で得られる自然地震を対象とした観測値だけでなく、人工地震や海域における臨時観測点等を用いた観測値を積極的に利用した。得られた成果は以下の通りである。沈み込むフィリピン海プレートと思われる高速度域が検出された。フィリピン海プレートは、少し高角度で沈み込み始め、その後なだらかになり、最後は高角に沈み込んでいる。35&deg;N、136.5&deg;E付近では、フィリピン海プレートが分かれている。将来発生が懸念されている東海地震の固着域の北西隣は、プレート間カップリングが弱い。35.6&deg;Nから35.8&deg;N、137.5&deg;E、深さ100kmから200km付近で、非地震性のフィリピン海プレートが検出された。
著者
吉田 昭子
出版者
文化学園大学・文化学園大学短期大学部
雑誌
文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 (ISSN:24325848)
巻号頁・発行日
no.52, pp.82-88, 2021-03-31

コロナ禍における大学生の生活は,ことごとく変わっている。その中で大学生は工夫をしながら生活している。「新しい生活様式」を探るにはあまりにも複雑な状況にある。本稿では新 1 年生に焦点を当て,おそらく初めてであろう電子図書館利用の体験を指導することから,「大学生と読書」を考えてみることにした。電子図書館の利活用という新たな観点から,読書環境を見つめ直すことが課題解決の一助になると考えた。 大学生からの電子図書館改善点は,次のような 3 つの主な要望であった。図書のタイトル数を増やす,貸出冊数や貸出期間を増やす,試し読みのできる図書を増やす。筆者が最も痛感したのは,電子図書館に関するPRが少ないという指摘である。電子図書館の申請や利用方法,利用事例などをきめ細かく例示することで,利用を促進することができる。さらに,大学生だけではなく,教職員に対しても,その利便性を広く伝え,文化学園ならではの図書館づくりを目指していきたい。より多角的かつ立体的な観点から大学生の読書,大学図書館のあり方をとらえ直すことで,新たな図書館を創出することができるということが明らかになった。
著者
津布久 咲子 吉田 久雄 林 明人
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.290, 2011

【はじめに】ROM制限に対する理学療法の手技は様々であるが、超音波療法については報告も少なく、また肯定的な意見も少ない.今回、超音波療法を運動療法と共に併用することで、高度なROM制限が改善した症例を担当したので、超音波療法の治療効果についての文献も加え報告する.尚、報告に際しては本人より同意を得た.<BR>【症例紹介】54歳男性.診断名:右膝化膿性膝関節炎.H22.5.8夜間に突如、右膝関節痛出現.5.27体動困難となり、当院に緊急入院となった.5.31関節鏡下滑膜切除・洗浄デブリードメント術施行(~6/3まで持続灌流).6.8理学療法を開始.7.7より超音波療法を開始.9.27理学療法を終了.<BR>【治療経過】<B>開始時</B>画像所見:X-P上、骨関節の明らかな異常所見(-) 炎症値:CRP10.1mg/dl 視診:右膝関節の腫脹(+) 触診:右ハムストリングスの短縮(+),右膝蓋大腿関節の可動性は全方向に認められず 疼痛:右膝関節周囲に常時出現 ROM:右膝屈曲60°伸展-20°移動:NWBでの歩行は疼痛により持続困難で、車椅子利用<BR><B>超音波療法開始時(術後5週)</B>炎症値:CRP<0.3mg/dl 触診:右膝蓋大腿関節の可動性は健側と比して頭尾側に1/2程度、内外側に1/3程度と低下していた 疼痛:右膝関節内側裂隙に荷重時痛(+),右膝屈曲時に膝蓋骨下を水平に走る疼痛(+) ROM:右膝屈曲90°伸展-20°移動:荷重時痛のため1/2~2/3PWBでの両松葉杖歩行<BR><B>終了時(術後17週)</B>疼痛:屋外歩行時に荷重時痛(+) ROM:右膝屈曲135°伸展-5 °移動:独歩・一足一段での階段昇降可能<BR>【超音波療法の設定】治療部位:右膝蓋骨下軟部組織 方法:直接法、温熱モード 周波数:1MHz 強度:1.0~1.5W/cm<SUP>2 </SUP>治療時間:10分 連続性:100% 頻度:2~3回/週(計15回)<BR>【考察】今回担当した症例は、高度なROM制限を呈しており、ROM改善に難渋した.ROM制限の要因として、膝蓋骨下軟部組織の柔軟性低下が関与していると考え、同部位の柔軟性獲得を目的に術後5週目より温熱療法を併用した.超音波療法は、物理療法の中でも特に深達性の温熱効果が得られるため、本症例に適応があると考えた.物理療法の温熱効果に関しては、Lehmannらの動物実験から『軟部組織の伸張性向上に温熱療法は有効である』、沖田らの動物実験から『拘縮の治療として温熱療法と運動療法の併用は有効である』とあるが、臨床においては『温熱効果の有用性を示唆する』といった内容の報告に留まっている.しかし、今回の症例ではROMの改善を得て、さらにADLの改善にもつながった.治癒過程における組織学的変化や退院後の活動量増加など他の要因も考えられるが、他の文献と同様にROM改善の一助として超音波療法も有効であるのではないかと考えられた.