著者
上羽 貴之 和田 一郎 田中 明夫 森本 信也
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.45-50, 2015

今日,理科教育では平成 27 年度全国学力学習・状況調査の結果を受けて,「科学的な思考・表現」能力の育成が叫ばれている。本研究では,その育成に必要な能力として挙げられている問題解決能力の「推論(resoning)」に着眼した。理科学習を通じた推論と捉えられる「科学的推論」を育成するには,その成立過程及び教授学習モデルが明らかとなっていることが要請される。しかし,科学的推論を成立させるための要素や手立て等,詳細な研究が十分なされているとは言い難い。そこで,本研究では,科学的推論の育成を促す授業デザインの提案を目的とした。その際,タイトラーらが体系化した科学的推論と表象の関連を示したモデルと和田らが提案している表象ネットワークモデルを援用し,表象の視点に立脚することで学習モデルを模式化した。また,タイトラーらが明らかにした大別された2つの推論過程に位置付く推論活動を基に教授モデルを模式化した。これらのモデルを基に,実証的に理科授業を分析することで「科学的推論」の成立過程の内実を具体的に明らかにした。
著者
中田 翔 石田 茜 佐藤 駿 田中 優貴 鈴木 聡 Pradeep Abeygunawardhana 西山 成 和田 健司 石丸 伊知郎
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.65-66, 2014

我々は,無限遠補正結像光学系の光学的フーリエ変換面に,直方体と傾斜プリズムによる透過型位相シフターを挿入した,波面分割型空間的位相シフト干渉法を提案している.これは,スマートフォンなどの結像光学系に,薄い傾斜ガラス板を挿入するだけで,ワンショット(1画像)で1ライン上のフーリエ分光イメージングが可能になる.近赤外領域の分光断層イメージングにより,皮膚などの生体膜表面や内部の成分計測を目指している.
著者
大和田 広樹 鷺池 一幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【目的】体性感覚障害は単独に存在しても深刻な運動障害を生じ歩行,ADLに影響を及ぼす。現在,脳卒中後の感覚障害に対する治療プログラムのエビデンスは乏しく,有効な治療法が確立されていない。近年の研究で末梢神経電気刺激(PSS)を用いることで運動野の機能的な変化が生じた報告があり,感覚野も可塑性変化を生じる可能性があると考えられている。今回,重度感覚障害を呈する脳卒中患者にPSS治療とトレッドミル歩行を併用し,感覚障害が改善した症例を経験したので報告する。【症例】初発の回復期脳卒中患者で50歳代の男性。診断名は中脳背側脳動脈奇形による脳室内出血。症状が緩和したことで脳動静脈奇形流入動脈閉塞術を施行したがその後に左中脳大脳脚の虚血を合併した。BRSは下肢VI。表在感覚は脱失,深部感覚は軽度鈍麻で異常感覚を認めていた。著明な高次脳機能障害がなく認知機能も正常,歩行,ADLは自立であった。【方法】研究デザインはシングルケーススタディのABAデザインを用い,基礎水準期(A期)にPSS治療のみを30分,操作導入期(B期)はトレッドミル歩行と同時にPSS治療を30分実施した。撤回期(A2期)はPSS治療30分のみを行い,各期間を2日間実施した。評価はそれぞれ視覚的アナログスケール(VAS)を用いて実施直後,5分後,10分後,30分後,1時間後に行った。評価結果が良好であった治療方法を選択し,継続して行い経時的な変化を検討した。PSSの設定は矩形波,周波数10Hz,Burstモード,刺激強度は2~5mAに調整し,刺激部位は腓骨神経領域とした。トレッドミルは歩行速度を3.5km/hに設定した。【結果】A期のVASは直後(2/10),5分(2/10),10分(0/10),30分(0/10),1時間(0/10)であった。B期では(3→2→1→1→1/10)と軽度改善と感覚の維持がみられたが翌日には消失していた。A2期では改善の程度はB期と同様であったが,時間の経過とともに消失した。内省報告と主観的な効果の期待値からPSS治療とトレッドミル歩行を併用したアプローチを選択した。最終評価では初回と比較して(0→4/10)と変化がみられた。【考察】PSS治療は反復刺激により対側感覚野の活動が長期増強様の過程によりシナプス可塑性変化を誘導し,触覚や知覚,感覚運動処理の変調が生じるとしている。トレッドミル歩行では内側一次感覚運動野と補足運動野の酸素化ヘモグロビン濃度が増加することを報告している(Miyai)。このことからPSS治療とトレッドミル歩行を併用することで入力される感覚量,筋活動量が多くなり一次感覚野のみならず,一次運動野や補足運動野,背側運動野が活性化し脳の可塑性変化を増長させ感覚障害が改善したと考えられた。本症例は回復期段階で経時的な脳の可塑性変化によるとも考えられた。しかし併用介入後に短期間で改善したことは興味のある結果となった。今後は症例を増やしPSS治療の刺激パラメーターを一定にするなど感覚障害への有効な治療法として検証していきたい。
著者
和田森 直
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

振動として可聴信号を耳周辺軟骨に加えるとその可聴信号を知覚できる現象を利用して、断続光の吸収に伴う発熱により、試料内部で振動が発生する光音響効果を応用した骨導音声情報提示装置を開発した。耳周辺軟骨に類似したゴム・シートから発生したPA信号の力のレベルは、日本工業規格に示されている骨導受話器を乳突部に装着した場合の基準等価いき値の力のレベルを最大47dB程度下回った。生体内の主な光吸収物質である水やヘモグロビンは、軟骨に比べおよそ100倍の吸光度を持つ。水やヘモグロビンの吸収波長付近の光源を断続光に用いることにより、基準いき値以上にPA信号の力のレベルを向上できる。
著者
和田 春樹
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.86-116, 1976-02-19
著者
和田 孝明 吉田 昌平 吉川 信人 豊島 康直 秋本 剛 杉之下 武彦
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101699-48101699, 2013

【はじめに、目的】 従来の自転車エルゴメーターを用いた体力テストで求められる最大無酸素パワー(MAnP)はペダル負荷が重く、低回転数で得られるパワーのみの評価であった。それに加えて吉田らは、ペダル負荷が軽く、高回転で得られるピーク回転数を評価することで動作の特異性を予測することが可能なPrediction of Instantaneous power and Agility performances used by pedaling test(PIA pedaling test)を考案した。 本研究では、大学生男子サッカー選手と高校生男子サッカー選手においてPIA pedaling testを実施し、それぞれの世代のパフォーマンスの特異性について検討することを目的とした。【方法】 大学生男子サッカー部(関西1部リーグ)53名(年齢19.4±1.1歳、身長173.5±7.2cm、体重167.6±17.4cm、体重62.4±8.7kg)と高校生男子サッカー部(京都府ベスト4)40名(年齢16.2±0.7歳、身長167.6±17.4cm、体重62.4±8.7kg)を対象とした。 自転車エルゴメーターにおけるパワー発揮能力の評価はcombi社製PowerMaxVIIを使用し、十分なウォーミングアップの後に体重の5、7.5、10%の各負荷でそれぞれ10秒間の全力ペダリングを実施し、中村らの方法にて最大無酸素パワー(MAnP)を求めた。セット間の休息は2分とした。パワー発揮能力の指標はMAnPにおける体重当たりの仕事量(HP)と、5%負荷におけるピーク回転数(HF)とした。大学生と高校生のパワー発揮能力について検討した。統計処理には大学生と高校生のHPとHFのそれぞれの比較に対応のないt検定を用い、有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 今回の研究において対象者に研究内容を十分に説明し同意を得た。【結果】 大学生はHPが13.4±1.3watts/kgであり、HFは187.6±10.1rpmであった。高校生はHPが13.7±1.6watts/kgであり、HFは178.8±12.5rpmであった。大学生と高校生のHPに有意差はないが(p=0.34)、HFでは大学生が高校生より有意に高かった(p<0.01)。【考察】 PIA pedaling testで評価されるHPは、股関節伸展筋力を中心とした脚伸展筋力を主動作筋とし、実際の動作における垂直跳びと相関を認めた(吉田ら、2007)。また、HFは股関節屈曲筋力を中心とした脚屈曲筋力を主動作筋とし、実際の動作におけるアジリティーと相関を認めた(吉田ら、2009)。したがって、同じ自転車エルゴメーターにおける全力ペダリングであっても、負荷の違いによりその主動作筋は変化し、評価の対象となる筋やパフォーマンスは異なる。このことからPIA pedaling testは、狭義の体力要素の中でも瞬発力やアジリティーといった動作の特異性を客観的に評価が可能になると考える。 本研究の結果は、大学生と高校生を比較し瞬発力に有意差は認められなかったが、アジリティー能力において大学生が有意に高値を示していた。Hiroseら(2010)は、成長段階であるユース年代のフィールドテストにおいて20mや40mスプリントのような単純課題のパフォーマンステストでは成長に伴う順位変動が低く、シャトルランのような複雑な課題によるフィールドテストでは、成長に伴う順位変動が大きいことを報告している。つまり、瞬発力の要素が大きくなる20mや40mスプリントでは、そのスピードがタレント的素因に影響していると考えられるが、アジリティーの要素が大きくなるシャトルランのような複雑な動作では、成長過程によるトレーニングやそれに伴う環境的な要因に左右されることが考えられる。したがって、ユース年代のトレーニングではアジリティーに対するトレーニングを積極的に行わせることや、その主動作筋と考えられる脚屈曲筋力に対するアプローチを行うことが、パフォーマンスの向上の一要因となると考えた。【理学療法学研究としての意義】 今回の我々の結果から大学生、高校生サッカー選手の基本的体力要素である瞬発力とアジリティーについてその特徴が明確となった。また成長段階であるユース年代の選手ではアジリティーを向上させるトレーニングを導入することで、パフォーマンス向上に寄与できると考える。
著者
和田 基
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.37, 2019-02-15 (Released:2019-03-15)
参考文献数
7
著者
馬場 崇豪 和田 幸洋 伊藤 章
出版者
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.186-200, 2000-03-10 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
12 7

The muscular activity pattern, function and maximal contraction velocity during the starting dash and sprint running at maximal velocity were studied. The subjects were five adult male sprinters, whose sprint running movements in the sagittal plain were analyzed (100 fps) from videotape recordings made with a high-speed catera. The ground reaction forces and EMGs of eight leg muscles were also recorded. Changes in length from the origin to the insertion (muscle-tendon complex : MTC) of the eight leg muscles were calculated using several methods reported by Grieve et al. (1978), Hawkins and Hull (1990), Visser et al. (1990) and Jacobs and Van Ingen Schenau (1993). The muscular activity pattern and the maximal contraction velocity were investigate from the change in length of the MTC when the EMG activity was observed. The turnover velocity of the muscular activity pattern in the stretch-shortening cycle (SSC) was calculated from the acceleration of the contraction. Also the hip, knee and ankle joint torques were calculated, and the following results were obtained.1. Changes in muscular activity pattern and maximal contraction velocity during the starting dash During the first half of the swing period, the m.gluteus maximus exhibited shortening activity, the m.rectus femoris exhibited stretching activity and the m.iliopsoas exhibited SSC muscular activity. The m.vastus lateralis exhibited shortening activity during the last half of the swing period and stretching activity during the first half of the foot contact period. The m.biceps femoris exhibited SSC muscular activity from the middle of the swing period to the middle of the foot contact period. The m.gastrocnemius and m.soleus exhibited SSC muscular activity during the foot contact period. Above all, the maximal shortening stretching velocity, and the turnover velocity increased with increasing sprint running velocity after the start, except for the shortening velocity of the m.gastrocnemius and m.soleus, and the stretching velocity of the m.vastus lateralis, whose contraction velocity stayed almost constant. 2. Muscular activity and function during sprint running at maximal velocity During the first half of the swing period, the m.rectus femoris produced knee extension troque by stretching activity which functioned to reduce the knee flexion force which occurred through the joint force related to hip flexion torque. During the latter half of the swing period, knee flexion torque developed as a by-product from the m.biceps femoris, which serves as a hip extensor. On the other hand, the knee extension force which occurred through the joint force related to hip extension torque, the momentum required to extend the knee joint, and the knee extension torque which was produced by the shortening activity of the m.vastus lateralis were observed during the same period. Therefore, the knee extension movement observed from the outside occurred as a result of the total of these forces. The m.tibialis anterior acted to offset the ankle extension force which occurred through the joint force related to knee extension torque during the first half of the swing period, and the ankle extension torque developed during the latter half of the swing period preparation for foot contact by the m.gastrocnemius an m.soleus.
著者
柴田 昌典 太田 匡宣 青木 隆成 多和田 英夫 谷口 信吉
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.589-594, 2007-07-28 (Released:2008-11-07)
参考文献数
18

維持透析患者100名 (慢性腎炎55名, 糖尿病性腎症45名) と対照患者137名の皮膚の色調をコニカミノルタ社製の分光測色計CR-400®で定量的に測定した. 透析患者では有意に皮膚の明度が低く (p<0.01), この低下と年齢とは相関がなかったが, 維持透析の継続期間の長さとは有意の相関がみられた (p<0.01). 糖尿病性腎症による患者にくらべ, 慢性腎炎の患者の皮膚の明度は有意に低かった (p=0.0005). 維持透析患者にみられる皮膚の色素沈着が糖尿病性腎症患者では軽度である理由は不明であるが, インスリンがMSH代謝へ及ぼす影響の可能性につき述べた.
著者
和田 重司
出版者
中央大学経済研究所 ; 1971-
雑誌
中央大学経済研究所年報 = The annual of the Institute of Economic Research, Chuo University (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.50, pp.195-222, 2018

Marxʼs reformation theory of social system had been a subject of severe controversy while the Russian revolution was connected with it. But, after the collapse of the Soviet Russia, its revolution has been regarded either as anti-Marxʼs theory or as a singular system which had no relevance with it. In accordance with this change, the controversy on Marxʼs reformation theory seems considerably to have lost its severity. But now at the present, when Marxʼs theory can be examined without any political concern, it might be rather more suitable and necessary than the past time, to investigate into the reality of Marxʼ s thought. The present paper tries to show the theoretical themes of Marxʼ s reformation theory, in particular, the relation between the theory of "Das Kapital" and Marxʼ s special researches into the social forms of primitive "communes" of the human-beings.
著者
広瀬 直人 小野 裕嗣 前田 剛希 和田 浩二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.27-31, 2019
被引用文献数
2

<p>試験用黒糖製造において,仕上加熱工程と冷却撹拌工程を連続して実施できる,卓上型の黒糖試験製造装置を開発した.この装置は,PC制御されたマイクロヒーターと水道水利用の冷却管を備えた加熱冷却容器,および撹拌トルクを検出できる撹拌装置から構成される.この試験製造装置を用いて黒糖を試作する過程で,冷却撹拌工程の終了時に品温が上昇する現象を見出した.この品温上昇は,温度上昇幅と糖蜜の推定比熱からショ糖の結晶熱が要因と推測された.</p>
著者
森本 哲 古川 裕 和田 紀子 澤田 淳
出版者
日本小児保健協会
雑誌
小児保健研究 (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.718-723, 1995-11-30
参考文献数
13
被引用文献数
3

1 0 0 0 OA 木版繪本年表

著者
[和田維四郎] [編]
出版者
[ ]
巻号頁・発行日
vol.[5], 1000