著者
和田 有朗 品川 崇
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.179-184, 2018

食品ロスに関する個人の内的要因と食材を捨てない行動との関連を調査した。また,食品ロス対策の評価シートを用いて,消費者の意識に変化が生じるのかを調査した。その結果,食材を捨てない行動と無駄にしない調理技術の間には,やや強い関連が認められた。評価シート実施後に変化した意識項目の結果からは,まずは家庭でできる食品ロス削減案の提案と一人一人が容易に取り組めそうな行動から行っていくことが必要だと考えられる。
著者
和田 光平
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.9-16, 2018 (Released:2018-05-23)
参考文献数
11
被引用文献数
4

Tungsten carbide based hardmetals have been used for the cylinders and anvils of high pressure apparatus, because of their high hardness, compressive strength and Young's modulus. In this article, tungsten carbide based hardmetals used for each high pressure apparatus are reviewed. In addition, newly developed ultra-fine grained binderless hardmetal TJS01 is introduced.
著者
三木 文雄 生野 善康 INOUE Eiji 村田 哲人 谷澤 伸一 坂元 一夫 田原 旭 斎藤 玲 富沢 磨須美 平賀 洋明 菊地 弘毅 山本 朝子 武部 和夫 中村 光男 宮沢 正 田村 豊一 遠藤 勝美 米田 政志 井戸 康夫 上原 修 岡本 勝博 相楽 衛男 滝島 任 井田 士朗 今野 淳 大泉 耕太郎 青沼 清一 渡辺 彰 佐藤 和男 林 泉 勝 正孝 奥井 津二 河合 美枝子 福井 俊夫 荒川 正昭 和田 光一 森本 隆夫 蒲沢 知子 武田 元 関根 理 薄田 芳丸 青木 信樹 宮原 正 斎藤 篤 嶋田 甚五郎 柴 孝也 池本 秀雄 渡辺 一功 小林 宏行 高村 研二 吉田 雅彦 真下 啓明 山根 至二 富 俊明 可部 順三郎 石橋 弘義 工藤 宏一郎 太田 健 谷本 普一 中谷 龍王 吉村 邦彦 中森 祥隆 蝶名林 直彦 中田 紘一郎 渡辺 健太郎 小山 優 飯島 福生 稲松 孝思 浦山 京子 東 冬彦 船津 雄三 藤森 一平 小林 芳夫 安達 正則 深谷 一太 大久保 隆男 伊藤 章 松本 裕 鈴木 淳一 吉池 保博 綿貫 裕司 小田切 繁樹 千場 純 鈴木 周雄 室橋 光宇 福田 勉 木内 充世 芦刈 靖彦 下方 薫 吉井 才司 高納 修 酒井 秀造 西脇 敬祐 竹浦 茂樹 岸本 広次 佐竹 辰夫 高木 健三 山木 健市 笹本 基秀 佐々木 智康 武内 俊彦 加藤 政仁 加藤 錠一 伊藤 剛 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 和英 足立 暁 大山 馨 鈴木 国功 大谷 信夫 早瀬 満 久世 文幸 辻野 弘之 稲葉 宣雄 池田 宣昭 松原 恒雄 牛田 伸一 網谷 良一 中西 通泰 大久保 滉 上田 良弘 成田 亘啓 澤木 政好 三笠 桂一 安永 幸二郎 米津 精文 飯田 夕 榊原 嘉彦 螺良 英郎 濱田 朝夫 福山 興一 福岡 正博 伊藤 正己 平尾 文男 小松 孝 前川 暢夫 西山 秀樹 鈴木 雄二郎 堀川 禎夫 田村 正和 副島 林造 二木 芳人 安達 倫文 中川 義久 角 優 栗村 統 佐々木 英夫 福原 弘文 森本 忠雄 澤江 義郎 岡田 薫 熊谷 幸雄 重松 信昭 相沢 久道 瀧井 昌英 大堂 孝文 品川 知明 原 耕平 斎藤 厚 広田 正毅 山口 恵三 河野 茂 古賀 宏延 渡辺 講一 藤田 紀代 植田 保子 河野 浩太 松本 慶蔵 永武 毅 力富 直人 那須 勝 後藤 純 後藤 陽一郎 重野 秀昭 田代 隆良
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.914-943, 1987
被引用文献数
2

Clavulanic acid (以下CVAと略す) とticarcillin (以下TIPCと略す) の1: 15の配合剤, BRL28500 (以下BRLと略す) の呼吸器感染症に対する有効性と安全性をpiperacillin (以下PIPCと略す) を対照薬剤として, welI-controlled studyひこより比較検討した.<BR>感染症状明確な15歳以上の慢性呼吸器感染症 (慢性気管支炎, びまん性汎細気管支炎, 感染を伴った気管支拡張症・肺気腫・肺線維症・気管支喘息など) およびその急性増悪, 細菌性肺炎, 肺化膿症を対象とし, BRLは1回1.6g (TIPC1.5g+CVA0.1g) 宛, PIPCは1回2.0g宛, いずれも1日2回, 原則として14日間点滴静注により投与し, 臨床効果, 症状改善度, 細菌学的効果, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性について両薬剤投与群間で比較を行い, 以下の成績を得た.<BR>1. 薬剤投与314例 (BRL投与161例, PIPC投与153例) 中, 45例を除外した269例 (BRL投与138例, PIPC投与131例) について有効性の解析を行い, 副作用は293例 (BRL投与148例, PIPC投与145例) について, 臨床検査値異常化は286例 (BRL投与141例, PIPC投与145例) について解析を実施した.<BR>2. 小委員会判定による臨床効果は, 全症例ではBRL投与群78.8%, PIPC投与群79.4%, 肺炎・肺化膿症症例ではBRL投与群 (79例) 82.1%, PIPC投与群 (73例) 79.5%, 慢性気道感染症症例ではBRL投与群 (59例) 74.6%, PIPC投与群 (58例) 79.3%の有効率で, いずれも両薬剤投与群間に有意差を認めなかった.<BR>3. 症状改善度は, 肺炎・肺化膿症症例では赤沈値の14日後の改善度に関してPIPC投与群よりBRL投与群がすぐれ, 慢性気道感染症症例では胸部ラ音, 白血球数, CRPの3日後の改善度に関してBRL投与群よりPIPC投与群がすぐれ, それぞれ両薬剤投与群間に有意差が認められた.<BR>4. 細菌学的効果はBRL投与群68例, PIPC投与群57例について検討を実施し, 全体の除菌率はBRL投与群75.0%, PIPC投与群71.9%と両薬剤投与群間に有意差は認められないが, Klebsiella spp. 感染症においては, BRL投与群の除菌率87.5%, PIPC投与群の除菌率16.7%と両薬剤群間に有意差が認められた. また, 起炎菌のPIPCに対する感受性をMIC50μg/ml以上と50μg/ml未満に層別すると, MIC50μg/ml未満の感性菌感染例ではBRL投与群の除菌率69.6%に対してPIPC投与群の除菌率94.7%とPIPCがすぐれる傾向がみられ, 一方, MIC50μg/ml以上の耐性菌感染例ではPIPC投与群の除菌率12.5%に対して, BRL投与群の除菌率は66.7%と高く, 両薬剤間に有意差が認められた.<BR>5. 副作用解析対象293例中, 何らかの自他覚的副作用の出現例はBRL投与群5例, PIPC投与群11例で, 両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>6. 臨床検査値異常化解析対象286例中, 何らかの異常化が認められた症例は, BRL投与141例中45例 (31.9%), PIPC投与145例中28例 (19.3%) で, 両薬剤投与群間に有意差が認められた. 臨床検査項目別にみると, GPT上昇がBRL投与140例中26例 (18.6%), PIPC投与140例中14例 (10.0%), BUN上昇がBRL投与128例中0, PIPC投与127例中4例 (3.1%) と, それぞれ両薬剤投与群間での異常化率の差に有意傾向が認められた.<BR>7. 有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, 全症例ではBRL投与群の有用率 (極めて有用+有用) 76.3%, PIPC投与群の有用率の74.8%, 肺炎・肺化膿症症例における有用率はBRL投与群81.0%, PIPC投与群75.3%, 慢性気道感染症症例における有用率はBRL投与群70.0%, PIPC投与群74.1%と, いずれも両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上の成績より, BRL1日3.2gの投与はPIPC1日4gの投与と略同等の呼吸器感染症に対する有効性と安全性を示し, とくにβ-lactamase産生菌感染症に対しても有効性を示すことが確認され, BRLが呼吸器感染症の治療上有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
笹岡 利安 和田 努 恒枝 宏史
出版者
富山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

閉経期の情動と糖代謝調節の異常におけるエストロゲンとオレキシンの意義を検討した。雌性マウスでは、雄性とは異なり、高脂肪食負荷による代謝異常から防御された。雌性ではオレキシンが欠損したときのみ糖代謝異常を呈した。高脂肪食負荷した卵巣摘出-オレキシン欠損マウスはさらに過度の体重増加および耐糖能異常を呈した。そこで、高脂肪食負荷した卵巣摘出マウスにエストロゲンを脳室内投与すると耐糖能は改善した。しかし、高脂肪食負荷した卵巣摘出-オレキシン欠損マウスではエストロゲンによる耐糖能改善作用は消失した。以上より、雌性マウスの糖・エネルギー恒常性はエストロゲンとオレキシンの両者により維持されることを示した。
著者
和田 雅之
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山醫學會雜誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.1153-1157, 1938-05-31 (Released:2009-07-09)
参考文献数
3

I applied Androstin (Ciba), the male hormone, to eleven cases of Neurasthenia sexualis and probed good results for healing. In these injections, it produced no secondary reactions for any patients.
著者
森本 浩之 浅井 友詞 中山 明峰 加賀 富士枝 和田 郁雄 水谷 陽子 水谷 武彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BbPI1152, 2011

【目的】<BR>世界では前庭機能障害によるめまいや姿勢不安定に対するリハビリテーションが古くから数多く行われている。日本においては一部では行われているものの一般的ではない。<BR>前庭機能障害患者は非常に多く、また前庭機能障害に対するリハビリテーションを必要としている患者も少なくはない。<BR>今回我々は前庭神経腫瘍摘出後6年経過し、前庭障害の改善がみられなかった症例に対するリハビリテーションを経験し、良好な結果を得たので報告する。<BR>【方法】<BR>症例は60歳の男性で、6年前に左前庭神経腫瘍の摘出術を行った。その後、抗めまい剤などの薬物治療を継続して行っていたが、めまい感、姿勢不安定感などの症状が改善しないためリハビリテーションを行うこととなった。<BR>リハビリテーションはCawthorne、Cookseyらが報告したものをもとにAdaptation、Substitution、Habituationを行った。Adaptationは文字が書かれたカード(名刺)を手に持ち、カードの文字が正確に見える状態でカードと頭部を水平および垂直方向に出来るだけ早く動かした。Substitutionは閉眼にて柔らかいパッドの上に立たせた。Habituationは問診やMotion Sensitivity Quotientにて、めまい感や姿勢不安定感が強くなる動きを選択し、その動作を繰り返し行わせた。リハビリテーションの時間は1回50分、頻度は週に2-3回、また病院でのリハビリテーション以外にHome exerciseとして上記のAdaptation、Habituationを毎日行い、合計3週間行った。<BR>評価は3週間のリハビリテーション前後にDizziness Handicap Inventoryの日本語版(以下DHI)、VAS(めまい感、姿勢不安定感)、Neurocom社製Balancemaster<SUP>&#9415;</SUP>にて4つのCondition(Condition 1:開眼・硬い床、Condition 2:閉眼・硬い床、Condition 3:開眼・柔らかい床、Condition 4:閉眼・柔らかい床)における重心動揺の総軌跡長を計測した。<BR>【説明と同意】<BR>本研究の主旨を説明し同意を得た。<BR>【結果】<BR>DHIは、リハビリテーション前では44点、リハビリテーション後では32点であり改善がみられた。<BR>VASは、リハビリテーション前ではめまい感49mm、姿勢不安定感51mm、リハビリテーション後ではめまい感31mm、姿勢不安定感24mmで、めまい感・姿勢不安定感ともに改善がみられた。<BR>重心動揺は、リハビリテーション前ではcondition 1が4.27cm、condition 2が6.23cm、condition 3が9.49cm、condition 4が61.34cm、リハビリテーション後ではcondition1が3.26cm、condition 2が2.93cm、condition 3が6.44cm、condition 4が61.17cmであり、すべてのConditionにおいてわずかではあるが重心動揺の減少がみられた。特にCondition 4においてはリハビリテーション前では3回中2回は転倒により計測不能であったが、リハビリテーション後では3回全てにおいて計測する事が可能であった。<BR>【考察】<BR>前庭神経腫瘍摘出後の後遺症に関して、3週間のリハビリテーションでDHI、VAS、重心動揺において効果が認められた。Girayらは慢性前庭機能障害患者に対し4週間の短期的なリハビリテーションを行い、その効果を報告している。今回も先行研究と同様に3週間の短期的なリハビリテーションで効果を認めることができた。<BR>今回の症例では手術から6年経過していたが中枢代償が完成されておらず、めまい感や姿勢不安定感が残存していた。前庭機能障害に対するリハビリテーションは、平衡制御システムの障害に対し本来身体に備わっている可塑性を促進させ、かつ残存している健常機能で消失している機能を置換・代用し、平衡機能を向上させることを目的としている。今回前庭リハビリテーションを行ったことにより前庭および視覚・体性感覚が刺激され、その結果中枢代償が引き起こされめまい感や姿勢不安定感が改善したと考えられる。<BR>今回は3週間での短期的なリハビリテーションであったが、6ヵ月後までの効果を認めている報告もあり、さらなる平衡機能の向上が期待できると考える。今後もリハビリテーションを継続して行い、経過を追っていきたい。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>日本においては前庭機能障害に対するリハビリテーションは確立されていない。前庭障害の患者は多く、リハビリテーションを必要としている患者も多く、今後症例数を増やし前庭障害に対するリハビリテーションを確立していくことが課題である。
著者
和田 勉 中野 由章
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.665-668, 2019-06-15

2019.3.16に本会全国大会において開催された,情報処理学会初等中等教育委員会主催の初めての「中高生ポスターセッション」には日本全体から37の発表があった.いままで中高生が参加することが稀であった全国大会の場においてたいへん新しいことである.そのうち優秀な発表8件を表彰した.これは,学問への誘い,さまざまな交流,研究・教育力の向上,学会のプレゼンスの向上など,多くの効果があった.今後は,運営の改善による効果の最大化と,若い世代の才能についての指導と環境の提供が期待される.
著者
田中 文也 和田 正昭 吉野 哲夫 木村 清志 岩槻 幸雄
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.23-27, 2011-08-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
16

A single specimen of a carangid fish, Alepes kleinii (125.1mm in standard length), was collected by a small set net at depths shallower than 8m off the northeastern Kadogawa Bay, Kadogawa-cho, Miyazaki Prefecture, Pacific coast of Kyushu Island, Japan. Alepes kleinii is distinguishable from its congeners by the following combination of characters: two rows of small conical teeth arranged irregularly in a narrow band on upper jaw but those on lower jaw in a single series, a diffuse dusky blotch present on upper margin of opercle, and straight part of lateral line starting behind below origin of second dorsal fin. The specimen represents the reliable record of the species from Japan.
著者
谷口 倫一郎 大田友一 美濃導彦 石黒 浩 桑島 茂純 和田 俊和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.2, pp.85-87, 2002-01-17

「大量カメラを用いなければ得られない情報とは何か」、「大量カメラを用いたシステムにおいて通信が果たす役割」、「大量カメラを用いたシステムの今後の展望」などのテーマについて各パネラーの意見を述べ、これをもとにして「大量カメラとネットワーク」の今後について展望する。In this panel, we will discuss varieties of topics, e.g.,``What is the intrinsic information obtained only by mass-camera system?'', ``What is the role of `communication' in mass-camera system?'', ``Future systems based on mass-camera''. Through the discussions, we hope to have a vision of the future in this research field.
著者
和田 伸一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3Rin216, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では、2016年に行われた東京都知事選挙の選挙期間中に投稿されたTwitterデータを、Pythonを用いてクラスター分析した(2016年7月13日 - 8月1日、480万ツイート、1億7000万語)。クラスタ分析として、Pythonのライブラリであるgensimに実装されているword2vecアルゴリズムを用いて単語をベクトル化し、次に、次元圧縮アルゴリズムであるt-SNE(t-distributed Stochastic Neighbor Embedding)を用いてクラスタを三次元で可視化することを試みた。特に本研究では、クラスタリングにデータ・ヴィジュアライゼーション・ツールであるEmbedding Projectorを使用した。このツールを用いて、動的な学習プロセスを三次元空間で可視化し、インタラクティヴに三次元空間を動かしながら、クラスタを目視によって特定することを試みた。結果として、高い精度で複数のクラスタを特定することができた。 またこれによって、この都知事選挙でTwitterユーザーが何に興味を持ったのかを一定程度、明確にすることができた。
著者
和田 崇
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

映画制作業は文化・コンテンツ産業あるいは創造産業の一つであり,都市への集積が顕著にみられる。その一方で近年,芸術的および経済的な理由から撮影工程がハリウッドから離れた国内外の他都市で行われるケースが増加しており,映画産業の空洞化をもたらす「逃げる生産問題(Runaway production)」として認識されている。撮影工程の空間的分離は,撮影隊の滞在に伴う経済的効果に加え,映画公開を通じた知名度および地域イメージの向上,住民らによる地域魅力の再発見とまちづくり機運の高まり,撮影地を訪れる観光客数の増加など,撮影地に多面的な効果をもたらす可能性がある。そのため近年,自治体や経済団体はフィルム・コミッションを組織し,映画撮影の誘致および支援,映画公開に乗じた観光振興に積極的に取り組むようになっている(Beeton 2005ほか)。 以上を踏まえ本報告は,映画制作業にみられる撮影工程の空間的分離とそれへの地域的対応の実態を報告することを目的とする。具体的に,制作本数(2010年)が世界最多で,近年は「バージン・ロケーション」を求めて海外での撮影が急増しているといわれるインド映画をとりあげ,2013年から新たな撮影地の一つとして注目されつつある日本における撮影実態を日本のフィルム・コミッションによる誘致・支援活動とあわせて報告する。<br> 富山県では2013年4月,タミル語映画の撮影が行われた。富山で撮影が行われることになったきっかけは,2012年9月に駐日インド大使が富山県知事を表敬訪問した際に,同大使が知事にインド映画の富山ロケ誘致を提案したことにある。知事がその提案に関心を示すと,インド大使館は東京でICT関連事業と日印交流事業などを営むMJ社を富山ロケーション・オフィスに紹介した。MJ社がインド人社員N氏の知人であるチェンナイ在住の映画監督を通じてタミル映画界に富山ロケを働きかけたところ,U社が上記映画のダンスシーンを富山で撮影することを決定した。2013年3月に事前調整のために監督などが富山に滞在したのに続き,同年4月に27名の撮影チームが富山を訪問し,9日間にわたり富山市内のほか立山や五箇山合掌造り集落などで撮影を行った。この映画は2014年6月からタミル・ナードゥ州はもとより隣接3州,海外の映画館でも2か月以上にわたって上映され,公開後3週間はタミル語映画売上ランキング1位を記録するなど,興行的に成功した。一方,富山ロケによる地域波及効果は,撮影チームの滞在に伴う経済効果として約360万円が推計されるほか,日本とインドのメディアによる紹介,俳優らによるFacebook記事,映画および宣伝映像を通じた風景の露出などを通じて,相当のPR効果があったとみられている。映画鑑賞を動機とした観光行動については,インド本国からの観光客は確認できないものの,在日インド人による富山訪問件数が若干増加しているという。<br> 大阪府では2013年8月にタミル語映画,同年11月にヒンディー語映画の撮影が行われた。大阪とインド映画の関わりは,大阪府と大阪市などが共同で運営する大阪フィルム・カウンシルがインドの市場規模と映画が娯楽の中心であることに着目し,2012年度からインド映画の撮影誘致活動を展開するようになったのが始まりである。具体的には2013年2月にムンバイを訪問し,映画関係者に大阪ロケを働きかけたが,そこでは十分な成果を挙げることができなかった。一方で同じ頃,神戸で日印交流事業などを営むJI社のインド人経営者S氏が大阪フィルム・カウンシルにインド映画の撮影受入の可能性を打診しており,2013年5月にはいよいよタミル語映画の撮影受入を提案した。大阪フィルム・カウンシルはこの提案を受け入れ,撮影チームとの調整業務についてJI社と契約を締結した。2013年8月に25名の撮影チームが大阪と神戸を訪れ,水族館や高層ビル,植物園などで撮影を行った。その後,JI社からヒンディー語映画の撮影受入が提案され,同年11月に約40名の撮影チームが大阪城公園などで撮影を行った。<br> 大阪ロケによる地域波及効果については,富山ロケと同様に,撮影チームの滞在に伴う経済効果と各種メディアを通じたPR効果があったとみられるが,映画鑑賞を動機としたインド人観光客数の増加は確認されていない。<br> 2つの事例に共通する点として,①フィルム・コミッションがインドからの観光客増加を目指して撮影受入・支援に取り組んでいること,②実際の撮影受入・支援には在日インド人が重要な役割を果たしていること,③現段階ではインド人観光客数の増加は確認できないこと,が挙げられる。この他,両フィルム・コミッションとも撮影支援を通じて日本とインドのビジネス慣行や文化の違いが浮き彫りになったと指摘している。&nbsp;<br>
著者
中山 雅博 吉村 知倫 芦澤 圭 中馬越 真理子 廣瀬 由紀 星野 朝文 西村 文吾 田中 秀峰 上前泊 功 田渕 経司 大久保 英樹 高橋 和彦 和田 哲郎 原 晃
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.56, no.Supplement1, pp.s113-s117, 2013-03-05 (Released:2014-03-05)
参考文献数
6

2002年1月から2011年12月までの10年間に当科において初回手術を施行した甲状腺腫瘍38例につき臨床的検討をした。性差は女性に多く, 男女とも50歳代, 60歳代に多かった。組織型は良性11例, 悪性27例であった。良性は全例が腺腫様甲状腺腫で, 悪性は乳頭癌が24例, 低分化癌が2例, 未分化癌が1例であった。主訴は頸部腫瘤が最も多く, 嗄声, 咽喉頭異常感と続いた。手術は良性では葉峡切除を, 悪性では総合的判断により全摘, 亜全摘, 葉峡切除を施行した。頸部リンパ節郭清は気管傍リンパ節と気管前リンパ節の郭清は悪性腫瘍の全例に行った。治療成績は未分化癌の1症例の死亡例以外は, 現在まで生存している。再発症例は6例あった。
著者
小和田 哲男
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.184, pp.94-97, 2000-01

石田三成といえば、どうしても、関ヶ原の負け組ということで評判はよくない。 「負けるとわかっている戦いに突っ込んだのは無謀だった」とか、「自分の力を過信していたのではないか」と手きびしいいわれ方をされている。
著者
大和田 道雄 秋山 祐佳里 畔柳 洋子 中川 由雅 石川 由紀 櫻井 麻理
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.216, 2005

_I_ 研究目的<BR> 近年,我が国の大都市では,夏季の夏型気圧配置時において異常高温が出現する傾向がみられるようになってきた。これは,都市域の拡大や排熱量の増加,および地表面の透水層や緑地の減少等によるヒートアイランド強度が強まったことも考えられるが,夏型気圧配置のパターンや出現頻度が変わってきたことも事実である。特に,名古屋と大阪では,1990年以降,東京に比較して異常高温の出現率が高まる傾向にある。そこで,本研究はその要因を夏型気圧配置の出現傾向と大気大循環場から探ろうとするものである。<BR>_II_ 資料および解析方法<BR> まず,異常高温の出現頻度が増加傾向を示す1980年以降の夏型気圧配置分類を行った。夏型気圧配置は,北太平洋高気圧の張り出し方によって出現頻度が最も多い南高北低型と東高西低型,全面高気圧型,およびオホーツク海高気圧型に分類した。さらに,北太平洋高気圧の張り出しが亜熱帯ジェット気流の緯度的・経度的位置,およびトラフ・リッジに対応することから,チベット高原を中心にしたユーラシア大陸に形成される南アジア高気圧の関係を把握するため,NCEP/NCARの再解析データから200hPa面における南アジア高気圧の盛衰との関係を求めた。<BR>_III_ 結 果<BR> 名古屋・東京・大阪の過去約45年間における35℃以上の出現日数を時系列で表し,移動平均に直した結果,2000年以降は東京が4_から_5日であるのに対し,名古屋と大阪は15日以上出現するようになった。これは,1970年当時に比較して約3倍である。これらの異常高温日数は,年による変動が大きくほぼ6年周期で現れる。その原因は明らかではないが,1994年から1995年にかけての名古屋では37℃以上の異常高温が5日近くも現れた。この時の気圧配置は1994年が全面高気圧型,1995年は南港北低型が多く支配した年である。したがって,1994年は全国的に猛暑となったが,1995年に関しては名古屋特有の暑さであった。これは,名古屋が南高北低型の気圧配置時において北太平洋高気圧の西縁部にあたるため,南西の風が鈴鹿山脈を越えてフェーン現象をもたらすからである。南高北低型が現れる時の上層気圧場は,200hPa面における南アジア高気圧の中心がイランモードになっていて,東アジアがわずかに北東シフトしている。その結果,日本付近は亜熱帯ジェット気流がリッジを形成しており,西日本に高気圧が張り出しやすい状態になっていた。これに対し,全面高気圧が多く現れた1994年は,南アジア高気圧の中心がイランとチベットの両方にあって,日本列島が広く大陸からの高気圧に覆われている。このため,北太平洋高気圧の西への張り出しが容易となるだけであなく,上層は大陸からの高気圧に覆われて猛暑年となったものと思われる。したがって,名古屋の猛暑傾向は,イランを中心とする南アジア高気圧の盛衰に左右されていることが判明した。
著者
長谷川 誠 永嶌 嘉嗣 和田 信昭 長尾 俊孝 石田 康生 長尾 孝一
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.1854-1861, 1999-07-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
20
被引用文献数
5 1

虫垂粘液嚢胞腺腫の1例を経験したので,その診断,手術術式などについての考察を加えて報告する.症例は77歳,女性.主訴は右下腹部痛と右下腹部腫瘤. 1カ月前より右下腹部痛と右下腹部腫瘤を自覚していたが(心窩部痛,嘔気,下痢などは認めなかった.),次第に症状が悪化し近医より紹介され来院した.右下腹部には軽い圧痛を伴う直径3cm大の腫瘤を触知した.超音波検査では右下腹部に20×17mm大のlow echoic lesionを, CT検査では回盲部に直径2cm大の中心がlow densityを示すmassを認めた.注腸造影検査では盲腸に透亮像は認めず,また虫垂は造影されなかった.また大腸内視鏡検査では,虫垂根部に粘膜の発赤と腫脹を認め,虫垂の内腔は閉塞していた.手術はまず虫垂切除術を施行し,術中迅速病理検査で虫垂粘液嚢腫との診断であった.しかし切除断端に腫瘍細胞が認められたため,回盲部切除を追加施行した.後日の病理学的検索では,多量のmucinの産生を認め, 7×12mm大のcystを形成し,これを取り囲むように一層の丈の高い円柱上皮を認めた. NC比は小さく核の形,大きさも比較的均一で異型性は少なく,最終診断はlow grade malignancyの虫垂粘液嚢胞腺腫であった.患者は術後14日目に軽快退院した. 3年経過後の現在患者は再発なく健在である.
著者
和田 雅昭
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.54, pp.31-38, 2006-05-23
被引用文献数
1

本報では 海中転落者の生存救出を目的として開発を行った衛星通信 携帯電話 特定小電力無線機を用いた3種類の救助支援システムについて報告する.海難及び船舶からの海中転落による死亡・行方不明者数は年間250人を越え,救助体制の強化が大きな課題となっている.生存救出のためには,ITを活用した事故情報の早期入手と正確な位置の把握に基づく迅速な救助活動が必要である.本研究では 海中転落者の視点から双方向の通信による救助支援システムを考案し 実験によりシステムの評価を行った.その結果 利用海域や利用形態に合わせた救助支援システムを選択することにより,的確な救助要請が行えることを確認した.In this paper,the author reports on three kinds of rescue systems that use the satellite communication,the cellular phone,and the low-power transmitter developed to save the life from man-over board accidents and sea disasters every year To decrease the number of dead,the rescue system that uses information technoligy is very usefl.Yherefore,the author proposes the rescue systems that use the two-only cinnunication equipment and GPS.the exprtimrnts have been carried out in the sea, each system was able to transmit the rescue signal that contained the posisionn information.
著者
大和田 守 岸田 泰則 Seegers Rainer
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.199-201, 2007
参考文献数
8

2006年8月26日,長野県奈川村入山で採集をしようとしていたところ,午後5時頃から日没前に小型で白色の蛾がたくさん飛んでいた.蛾は樹冠部すれすれを素早く不規則に飛び,ときに森の内部にも入ってきていた.このうち5頭を採集することができたが,すべてウススジギンガの雄であった.その場所で灯火採集も行い,ギンガ類をできるだけ採集し固定したところ,ハルタギンガ,クロハナギンガ,アイノクロハナギンガ,ヒメギンガ,ウススジギンガ,エゾクロギンガの6種が混ざっていた.昼間飛翔していた蛾は,明らかに何かを探しているように見えた.採集できた5頭ともウススジギンガの雄であったことから,飛んでいたギンガがすべてウススジギンガの雄であった可能性が高いし,この飛翔が交尾のためのウススジギンガ雄の通常の採雌行動と推定できた.
著者
和田 由紀子 佐々木 祐子 Wada Yukiko Sasaki Yuko
出版者
新潟青陵学会
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-12, 2011-09

The objective of the present research is to clarify, with respect to violence toward nursing staff arising within hospitals, the current status and the psychological effects. For the research methodology, 200 nurses working at a general hospital located "A" prefecture were chosen as respondents, and from Feb-Mar 2010, a questionnaire survey was conducted using the consignment survey method. The contents of the questionnaire sheet included questions pertaining to the current status of violent incidents, their types, the person inflicting the violence,and whether or not the violence was reported, as well as three scales, namely the IES-R, GHQ28 and the Japanese Burnout Scale. As a result, in the past year, 79.0% of nurses have experienced some form of violence from patients or their families, and 26.0% of nurses have experienced some form of violence from staff such as nurses, doctors. The types of violence differed for both, depending on the person inflicting the violence. It became clear that about 80% to 90% among the violence experienced involved those who experienced a plurality of types of violence, and it also became clear that half or moredid not file a victim report. Regarding the results for the current status of violence and the three scales, ANOVA and t-tests were conducted, and as a result, only in cases where the perpetrator of violence was staff such as a nurse or doctor, by scoring points for IES-R and GHQ28, a significantdifference was observed (p < .05). Going forward, we believe that it is necessary to consider having a shared awareness about violence, further clarifying the factors and structure by which violence arises, and constructing an effective system that takes the current status into consideration, inorder to identify such violence and appropriately deal with it.本研究では、病院内で発生する看護職への暴力について、その実態や心理的影響を明らかにすることを目的に、A県内の総合病院に勤務する看護職200名を調査対象とし、2010年2月~3月に託送調査法による質問紙調査を実施した。調査内容は、暴力被害の実態について、その種類や被害を与えられた相手、被害報告の有無についての質問、改訂出来事インパクト尺度(IESR)、精神健康調査票28項目版(GHQ28)、日本語版バーンアウト尺度の3尺度とした。その結果、過去1年間においては,79.0%の看護職が患者やその家族から、26.0%の看護職が看護師・医師等のスタッフからの何らかの被害を体験しているが、暴力の種類は双方で異なること、被害を体験した中の約8~9割が複数の種類の暴力を体験し、半数以上が被害報告を行っていなかったということが明らかになった。また暴力被害の実態と3尺度の結果について、分散分析・t検定を行ったところ、看護師・医師等のスタッフからの暴力体験にのみ、IES-R得点・GHQ28得点で有意差がみられた(p<.05)。暴力についての認識を統一し、その要因・構造をさらに明確にしていくこと、及び実態に即して被害を吸い上げ対応するための効果的なシステムを作ることが必要と考えられる。
著者
石本 朗 菊池 健次郎 浦 信行 岩田 至博 買手 順一 曳田 信一 椎木 衛 和田 篤志 飯村 攻
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.77-82, 1993

成人型溶血性尿毒症症候群の発症3か月後に血漿交換を施行し, 血液透析を離脱し得た1例を経験した. 症例は31歳男性. 22歳時健診で高血圧 (140/100mH) と診断されたが, 特に自覚症状もないため放置していた. 平成2年8月下旬より全身倦怠感, 息切れが出現し, 某病院にて重症高血圧, 溶血性貧血, 腎機能不全を指摘され入院加療を受けるも改善せず, 9月21日当科へ転入院となった. 入院時の検査で血小板減少, 微小血管障害性溶血性貧血を伴う急性腎不全を認めたため, 成人型溶血性尿毒症症候群と診断し, 直ちに降圧療法, 抗血小板療法, 抗凝固療法, 新鮮凍結血漿輸血と共に血液透析を開始した. その結果, 血小板減少, 溶血性貧血は間もなく改善したが腎機能不全は治療抵抗性で, 発症約2か月後にはほぼ無尿状態となった. 病態の改善を目指し, 発症約3か月後より週1回の血漿交換を併用したところ, 1日尿量は漸増して血漿交換開始2か月後には1,500m<i>l</i>以上に増加, Ccrも15.0m<i>l</i>/minまで改善し, 血漿交換中止後も同程度の腎機能が保持された. さらに発症約7か月後には血液透析を離脱し, 外来通院が可能となった. 成人型溶血性尿毒症症候群は, 幼児や学童にみられる典型例に比し重篤であり, 救命し得てもその約80%が慢性血液透析に移行するとされている. 一方近年, 発症早期からの血液透析の導入, 血漿交換療法, 新鮮凍結血漿輸血, 抗血小板療法, 抗凝固療法などの施行により, 腎機能不全が寛解した例も少なからず報告されている. 本症に対する血漿交換療法の有用性についての評価はいまだ確定していないが, 少なくとも本例ではその臨床上の有効性が示された. 殊に本例では, 発症後3か月以上を経た時期の血漿交換療法が腎機能の改善, 血液透析の離脱に大きく寄与したと考えられ, かかる報告例は未だみず, 貴重な1例と思われ報告した.