著者
安達 公 蛯原 有男 八木 英憲 二見 俊郎 塚本 行男
雑誌
骨折 (ISSN:02872285)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.598-602, 1997-05-01
被引用文献数
1
著者
戸倉 猛 奥 久司 塚本 有記
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.134, no.2, pp.97-104, 2009 (Released:2009-08-12)
参考文献数
37
被引用文献数
2 3

ピルフェニドンは新規の抗線維化薬である.動物実験では各種線維化疾患モデルで各臓器における明らかな線維化の減少と機能低下の抑制が認められている.ブレオマイシン誘発肺線維症モデルでは,ステロイドであるプレドニゾロンとの比較により,プレドニゾロンは抗炎症作用のみを示したのに対し,本薬は抗炎症作用と抗線維化作用の両方を示した.種々の検討からピルフェニドンは,炎症性サイトカイン(TNF-α,IL-1,IL-6等)の産生抑制と抗炎症性サイトカイン(IL-10)の産生亢進を示し,Th1/2バランスの修正につながるIFN-γの低下の抑制,線維化形成に関与する増殖因子(TGF-β1,b-FGF,PDGF)の産生抑制を示すなど,各種サイトカインおよび増殖因子に対する産生調節作用を有することが示されている.また,線維芽細胞増殖抑制作用やコラーゲン産生抑制作用も有しており,これらの複合的な作用に基づき抗線維化作用を示すと考えられる.本邦において実施された特発性肺線維症(IPF:Idiopathic Pulmonary Fibrosis)患者を対象とした第III相試験の結果,ピルフェニドン投与によりプラセボ群に比べ有意に肺機能検査VC(肺活量)値の悪化を抑制し無増悪生存期間の延長に寄与していたことから,特発性肺線維症の進行を抑制することが示された.一方,本薬投与による特徴的な副作用は,光線過敏症,胃腸障害(食欲不振,食欲減退),γ-GTP上昇等であった.ピルフェニドンが特発性肺線維症患者に対して一定の効果を示したことにより,副作用の発現はプラセボ群に比べ高かったものの,減量・休薬等で副作用をコントロールし治療を継続することで,病態の進行を抑制し生命予後の改善にも寄与することが期待される.
著者
塚本 知玄 龍崎 菜々 田山 一平
出版者
(財)不二たん白質研究振興財団
雑誌
大豆たん白質研究 (ISSN:13444050)
巻号頁・発行日
vol.13, no.31, pp.43-50, 2010-12
被引用文献数
1

Soybean saponins are divided into two groups: Group A saponins which are the primary cause of undesirable tastes, and DDMP saponins which possess healthbeneficial characteristics. The degree of the taste characteristics and functionalproperties of saponin components depend on their chemical structures and density in the seeds. Genetic improvement of the saponin composition and density of fooduse soybeans is expected to spread rapidly worldwide;however, the relationship between genetic modification of saponin composition and accompanying changes in saponin contents is not yet clearly understood. Therefore, in this study, some mutants discovered in G. max collections and wild G. soja accessions in Japan which carry different saponin compositions were used to prepare hybrid F1seeds, progeny F2 and F3 Seeds, and recombinant inbred lines (RILs). Saponincompositions and contents having diffrent combinations of genes controlling thesugar chain sequences at the C-3 and C-22 positions of soyasapogenol glycosideswere determined by LC/PDA/MS/MS analysis and were evaluated by statistical analysis. Different combinations of the genes (phenotypes) did not change seed saponin contents even though their saponin composition was changed according tothe combinations of the genes. These results suggest that the supply of common precursors(soyasapogenols A and B)in saponin biosynthesis is not changed by the combination of these genes, and that saponin precursors (soyasapogenol glycosiaes)are competitively used as the substrates of some glycosyltransferases according to the recombination of the genes. Production of expected, specific, or sole saponin component in soybean seeds by using soybean-and wild soybean-natural variants would be possible.大豆種子サポニン糖鎖組成の遺伝的多型に関与する遺伝子座に座乗する共優性・優勢・劣勢遺伝子の組合わせを遺伝育種的手法で変化させた場合,遺伝子の組み合わせに依存したサポニン合成基質分子の奪い合いが起こり,その結果として,個々のサポニン成分は品種特異的かつ種子の部位特異的に変化する(サポニン組成多型性を示す)が,アグリコン合成量は影響を受けないため種子総サポニン量(モル数)は変化しないと考えられる.単一の有用サポニン成分のみを合成・蓄積するような大豆育種は十分に可能であることが示唆された.
著者
塚本 貞次 水崎 幸一 吉田 紀夫 石本 陽子 坂田 良子 唐崎 裕治
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.11-21, 1998-03

著者らは、ニンニク(Allium sativum L)の鱗茎中に耐熱性のタンパク質が存在することを見い出した。このタンパク質の精製は、90℃、30分間の熱処理、ゲル濾過法、DEAE-トヨパールカラムクロマトグラフィーで行った。この精製物は、ディスク電気泳動で単一バンドを示し、ゲル濾過法により分子量は、20kDaと測定された。さらに、SDS-スラブーPAGEでは、分子量は11kDaであった。このタンパク質は、ダイマーであることがわかった。アミノ酸組成の特徴は、酸性アミノ酸とそのアミドが約30%も含まれることであった。N-末端アミノ酸配列(1-36)を決定し、他のタンパク質との相同性を調べた結果、スノードロップやラムソンのレクチンに類似していた。さらに、Van Damme, J.M.他がcDNAから推定したニンニクのレクチンと、ほぼ一致した。また、このタンパク質は、ヒトの赤血球を凝集させた。以上のことより、このタンパク質は、レクチンであると確認した。ニンニクのレクチンは、収穫期である6月頃に含量が高く、月日の経過とともに減少することもわかった。
著者
塚本 浩司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.537-541, 2001
被引用文献数
2

一般に科学研究は,先行研究を調査し,言及することが当然のこととなっているが,こと「実験教材の開発研究」の場合には,現在のところ全く無視されている。そもそも,教材史を研究することがほとんどおこなわれてきていない。本研究では,「すっとびボール」の教材史をたどることによって,先行研究尊重のルールが研究においていかに有効に機能するかということ,および,教材史研究の重要性を明らかにする。
著者
中村 弘樹 木下 博明 広橋 一裕 久保 正二 田中 宏 塚本 忠司 藤尾 長久
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.22-28, 1994-02-25 (Released:2012-11-13)
参考文献数
17

最近3年間の肝胆道手術症例213例の肝門部胆管合流形式を検討したところ, 総肝管より肝内に向かって第1次および第2次分枝の合流形式は, 2枝合流型149例(70%), 3枝合流型30例(14%), 後枝独立合流型11例(5%) および左肝管に後枝が合流する型23例(11%)であった. 2枝合流型のうち, 右肝管に第3 次分枝の右前枝と右後枝が別個に合流する破格が2例(1%), 第4次分枝以降の肝管枝が肝門部に合流する破格が2例(1%) みられた. これらの肝管枝は, 後枝独立合流型の右後枝や左肝管に後枝が合流する型の右前枝とともに, 副肝管とされることがある. しかし, 帰納的に類推すると, 諸家が従来副肝管と呼称した胆管枝が実は, 肝管の第 2, 3, ……n次分枝 (ある肝領域の唯一の胆汁排出枝) の破格と考えられた. 「副」は付随的な意味ゆえ, 機能的に同等な肝管枝が形態上「副肝管」とされるのは不適当で, この場合「異所性肝管」と呼称すべきである.
著者
塚本 義明 生天目 章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.2664-2675, 1994-12-15
被引用文献数
1

ニューラルネットワークの規模の問題を解決するための方法として分散学習が考えられる、これは、大規模な問題がすでにいくつかの小さな問題に分割されており、その小さな問題について学習した結果を統合して大規模な問題を解決する試みである。また、この際に全体を掌握する管理者的存在はないものとする。本論文では、多層ネットワークの学習アルゴリズムである瞬時学習法および記憶に基づく学習を統合した構造化学習法に基づく分散学習法を提案する。大規模な問題が、すでにいくつかの小さな問題に分割されており、それらを並列処理するには並列処理された結果を統合するためのメカニズムが必要である。分散アルゴリズムが加法法性を有すれば、分散処理された情報を統合するためのメカニズムを容易に実現できる。本論文で提案する分散学習法は、一つの学習問題がいくつかに分割された状態で、それぞれ分割された学習問題に構造化学習法を並列的に適用し、それぞれの学習結果を統合することにより全体の問題を学習させる方法である。並列処理により獲得した分散ネットワークモジュールの線形結合として全体の問題のニューラルネットワークが求まることを示す。オブジェクト指向プログラミングにより分散学習シミュレーションツールを開発し、その適用例について示す。
著者
塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.45, pp.15-20, 2001-05-23
被引用文献数
5

前世紀は,ウォークマンなどの出現により,音楽のモバイル化と同時に音楽の大衆化が進んだ.しかし多くのシステムは機器の利用において一般ユーザは基本的に聴く一方であり,音楽の演奏には参加できない.歌うことについてはカラオケが古くから利用されているが,演奏に関してはまだまだ一般ユーザからの敷居がある.PocketMusicianは,このような演奏の敷居を取り除くとともに,モバイル性を実現することを目的として開発した.PocketMusicianとは宴会などで弾き語りをするための伴奏用楽器プログラムで,ギターやキーボードと違って持ち運ぶのは小型ゲーム機本体(バンダイのワンダースワン)とコード類,小型のスピーカだけですむので,手軽にいつでもどこでも弾き語りが楽しめる.左右の手で押すボタンの組み合わせによって和音名を記号的に指定するため,ギターやピアノを弾く人も,弾かない人も少しの練習で演奏できるようになる.さらにPocketMusicianは,モバイル演奏を楽しむために,演奏録画,自動演奏,演奏採点などさまざまな機能を備える.In the previous century, music became mobile as well as popular. However, usually users enjoy listening to music and there are few people who can enjoy playing it. As for singing, Karaoke gained popularity; but as for playing, there is no popular way for mobile users. PocketMusician is developed for this purpose, i.e., to realize the mobility in playing music. It is a mobile electronic music instrument on which a user can accompany his singing in a cocktail party or other informal or private situations. It can be easily used in such situations since a user carries only a small game machine and a small speaker, which is different from using conventional instruments such as a guitar or a keyboard. PocketMusician employs two-handed input to specify a chord name literally, and therefore it can be easily played by thoes who are noto familiar with music. Furthermore, it provides several additional functions for users to enjoy mobile playing, such as recording, automatic playing, and scoring.
著者
塚本 晶子 本間 真人 神林 泰行 木津 純子 幸田 幸直
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.687-692, 2007 (Released:2009-09-04)
参考文献数
16
被引用文献数
5 4

One of the major adverse effects of Shakuyaku-kanzo-To (SKT),a herbal medicine containing licorice,is licoriceinduced pseudoaldosteronism with hypokalemia and hypertension.Owing to the risk of hypokalemia,caution should be therefore exercised when SKT is co-administered with potassium lowering drugs.In order to clarify this risk,we examined the occurrence of hypokalemia in 103 patients receiving SKT.Thirty (29.1%) of the 103 patients developed hypokalemia and SKT dosing periods tended to be longer in these patients than in those who did not develop hypokalemia (54.5 vs.23.0 days,respectively).The co-administration of potassium lowering drugs was more frequent in the patients with hypokalemia (90.0% vs.64.4% for no hypokalemia p<0.01).The occurrence rates of hypokalemia varied with drugs co-administered with SKT ; with 75.0% for glycyrrhizin preparations,47.2% for diuretics,41.9% for glucocorticoids,20.0% for sennoside preparations and 25.0% for others.The above results confirmed that the co-administration of potassium lowering drugs enhanced SKT-induced hypokalemia.Frequent serum potassium monitoring is therefore required when potassium lowering drugs,especially glycyrrhizin preparations,diuretics and glucocorticoids,are co-administered to patients receiving SKT.
著者
塚本 明子 野田 満智子
出版者
愛知教育大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1-9, 1998-03-31
著者
渡邉 志 塚本 博之 松本 有二 中川 雅文 白濱 成希 宮本 和典 中谷 直史 冨田 雅史 森 幸男
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.75-84, 2014-04-25

8名の被験者(20代男性)について1/fゆらぎを持つとみなせる楽曲(以下,1/fゆらぎ楽曲)および環境音(白神山地のせせらぎ音)を聴取させたときの加速度脈波解析を行った.加速度脈波の測定は1/fゆらぎ楽曲および環境音の聴取前・聴取中・聴取後の合計300s間行い,その後Visual Analog Scale(VAS)による主観評価測定を行った.加速度脈波解析の結果,交感神経活動の指標値であるLF/HFについては,1/fゆらぎ楽曲の聴取時に有意に減少する傾向が見られた.一方,環境音聴取時には増加する傾向が見られた.また,これらの音源の印象についてのVASによる主観評価値から被験者を分類し考察することを試みた.
著者
千田 二郎 錦織 環 北條 義之 塚本 時弘 藤本 元
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.60, no.578, pp.3551-3555, 1994-10-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
13
被引用文献数
3

In this study, the influence of the flash boiling phenomenon on the fuel spray characteristics was in vestigated using both experiments and model analysis. Pure liquid fuel of n-Pentane or n-Hexane is injected into a vessel under quiescent gaseous atmosphere at room temperature through a pintle-type injector. Fuel sprays are observed by taking photographs for variation of ambient back pressure. In particular, changes in spray characteristics with back pressure are examined in detail. The results show that the saturated vapor pressure of fuel is the most significant factor and the spray characteristics can be varied with the pressure difference between the back pressure and saturated vapor pressure. Furthermore, flow field of the fuel inside the nozzle is estimated with regard to bubble initiation inside the film flow.
著者
西内 史 藤島 嘉幸 塚本 晶子 戸上 康弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.175-178, 2010-05-01

日本オンライン情報検索ユーザー会(Online Users Group:OUG)ライフサイエンス分科会は,製薬企業の情報調査部門の担当者や,代行調査会社の専門家の集まりであり,その研究活動はライフサイエンスの名前の通り,医学・薬学を中心とした幅広い分野の情報調査の手法や情報源を対象としている。また,本会は研究を目的とした場であると同時に人的交流の場でもある。筆者もまた,同業他社で同じ仕事をしている方達と問題点を共有し,相談ができる貴重な場として活用している。本稿ではライフサイエンス分科会の最近の活動内容を報告すると共に,今後の活動方針も合わせて紹介する。
著者
山田 哲也 Yamada Tetsuya 塚本 敏夫 Tsukamoto Toshio 小野 直俊 Ono Naotoshi 小田 寛貴 Oda Hirotaka 中村 俊夫 Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター 天然放射性元素測定小委員会
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.10, pp.87-96, 1999-03 (Released:2010-05-25)

第11回名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム(平成10 (1998)年度)報告 名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計第1号機の研究実績と1号機,2号磯の利用計画
著者
森川 みき 金光 祥臣 塚本 宏樹 森川 昭正 富岡 佳久
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.200-205, 2016

症例は,牛乳アレルギーおよび気管支喘息既往歴を有する6歳女児.インフルエンザB型に罹患し,ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入粉末剤(イナビル®)を使用後にアナフィラキシーを起こした.プリックテスト並びに薬剤刺激好塩基球活性化試験を実施したところ,イナビル®と添加剤の乳糖水和物に陽性を示し,ラニナミビルオクタン酸エステル水和物は陰性を示した.本症例では,添加剤の乳糖に夾雑する乳タンパク質がアレルゲンとなった可能性が考えられ,その同定を試みた.ウェスタンブロット(WB)により,添加剤の乳糖水和物中からβ-ラクトグロブリン(β-LG)が検出され,その分子量およびin vitro実験の結果から糖鎖付加体であると推定した.さらに患者血清を用いたWBの結果から,本症例のアレルゲンが,糖鎖付加されたβ-LGである可能性が高いと判断した.本研究は,吸入粉末製剤の添加剤乳糖が乳アレルギーを起こす危険性を示す結果となった.本症例のようなインフルエンザ患者は,気道過敏性が亢進しているため特に注意が必要である.