著者
大槻 英男 中村 健三 下村 文彦 桑原 勝孝 塚本 拓司
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.299-303, 2014 (Released:2014-05-28)
参考文献数
13

日本透析医学会では,同内容の論文が他誌に掲載されているとの報告を受け,重複と判断いたしましたので,掲載を撤回いたします.
著者
松崎 健一郎 劉 孝宏 末岡 淳男 塚本 恵三 眞方山 航平
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.17-00155-17-00155, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1

Reaming is a finishing process to be performed in order to improve the accuracy of the prepared hole drilled. In this process, a chatter vibration often occurs and the drilled hole is deformed in a polygonal shape. This polygonal deformation phenomenon becomes a problem in quality control of products, because of decrease in the precision of the borehole. Although a countermeasure by irregular tooth spacing is proposed and the prevention effect is confirmed, the mechanism has not been clarified yet. In this paper, the generating mechanism of the polygonal deformation is considered to be a self-excited vibration caused by time delay. A simple analytical model is proposed, and the stability of the self-excited vibration is analyzed numerically. The numerical result agrees well with the actual phenomenon qualitatively. Furthermore, the effect of irregular tooth spacing on the stability of the self-excited vibration is evaluated numerically.
著者
塚本 真也
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会誌 = The journal of the Institute of Electrical Engineers of Japan (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.126, no.11, pp.738-741, 2006-11-01
参考文献数
2

本記事に「抄録」はありません。
著者
塚本賢暁 編
出版者
国訳密教刊行会
巻号頁・発行日
vol.第1, 1923
著者
安達 秀樹 佐藤 嘉一 堀田 浩貴 熊本 悦明 塚本 泰司
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.788-794, 1997-09-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
18

(目的) Erectometer を用いた陰茎周増加値の測定において, その増加値のみで勃起度の判定ができるかどうかなど, 陰茎周増加値の臨床的意義を陰茎周増加率との比較を含め改めて検討した.(対象と方法) インポテンスを訴えて受診した症例とインポテンスのない症例合計116例を対象として, vasoactive drug 海綿体注入により人工的勃起を起こし, 陰茎の周径変化と陰茎硬度を比較検討した.(結果) 陰茎周最大増加値が21mm以上では十分な硬度の勃起が得られ, 10mm以下では不十分な硬度が多いことが示された. また11mm以上21mm未満では, 弛緩時の陰茎周値が95mm未満の場合勃起は不十分であり, 95mm以上では十分な勃起が多いことが示された. 陰茎周最大増加率26%以上の症例は十分な勃起が多く, 10%以下では不十分な勃起のことが多かった. 11%以上26%未満では, 弛緩時陰茎周が95mm未満の場合勃起が不十分であり, 95mm以上では十分な勃起が多いことが示された. 陰茎周増加値と陰茎周増加率の診断精度はほぼ同等であった.(結論) 陰茎周増加値に弛緩時陰茎周を考慮することで, 陰茎硬度の推定がより正確となった. Erectometer による陰茎周増加値を用いた勃起能評価は性機能障害のスクリーニングとして有用と考えられた.
著者
塚本 貞次 岡元 孝二 稲永 順二 唐崎 裕治
出版者
産業医科大学、産業医科大学学会
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.147-157, 2008-06-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
7

我々はニンニク鱗茎より糖質を精製した. この化合物は10個のフルクトースとβ1-2で1個のグルコースに結合する分子量1800のオリゴ糖であり, 植物イヌリンと類似した構造を持つものであった. このオリゴ糖はヒトのリンパ球性ガン細胞U937および大腸ガン細胞WiDrの増殖を抑制した. さらにマウスに経口的投与をした場合において, マウスに移植したColon26ガン細胞の増殖を抑制することがわかった. またヒト末梢血リンパ球に対してインターフェロンγ の産生を増大させることから, ニンニクオリゴ糖はガン細胞に直接結合してガン細胞の増殖を阻害する働きがあると同時に, in vivoの系において免疫的活性を増大させてガン細胞の増殖を抑制する可能性があることが示唆された.
著者
佐野 晴洋 山下 節義 川西 正祐 井口 弘 吉永 侃夫 小城 勝相 塚本 幾代 藤田 博美 岡本 浩子 加藤 伸勝 宮本 宣博 浮田 義一郎 山根 秀夫 森 律 池田 栄三 乾 修然 藤岡 惇 阿部 醇吉
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.566-579, 1982-06-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
32
被引用文献数
1 3

An epidemiological survey and clinical investigations were carried out on 162 retired workers from manganese mines and ore grinders, who were the residents of the Tamba district of Kyoto Prefecture. Most of the workers had been employed in small industrial factories with less than five employees under very poor working conditions. Fifty-five percent of them had worked in the mines and factories for longer than 11 years. Forty-six percent had been retired for 11-20 years, whereas 27% for longer than 21 years. A group of 124 people living in the same region but who had not been exposed to manganese served as the control group.The incidence of subjective symptoms associated with chronic manganese poisoning such as emotional instability, psychomotor irritability and neurologic abnormalities was apparently high in the experimental group and it increased with the period of exposure to manganese dust. Twenty-eight percent of the workers reported the subjective symptoms while they were employed, but 45% of them reported as late as six years after they retired.Of the retired workers, five (3.1%) had parkinsonism, three (1.9%) showed symptoms of hemiparkinsonism, and fifteen (9.3%) showed neurological symptoms including maskedlike, gait unbalance, slurred speech and imparied fine movements. Forty-five percent of these patients recognized these abnormalities for more than five years after they had left the contaminated workings. It is noteworthy that 39% of the retired workers were diagnosed as having pneumoconiosis.Some of the problems encountered in diagnosing manganese poisoning after exposure has been terminated is also discussed here.
著者
下田 満哉 佐々木 仁 塚本 祐二 土肥 由長 亀田 弥 箴島 豊
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.26-33, 1989-01-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
4
被引用文献数
3 1

匂い用語のキャラクタリゼーションの明確化と食品の基本的な匂い特性を明らかにすることを目的として, 53種類の食品の匂いと44個の匂い用語との反応パターン行列を作成して,数量化理論第3類とクラスター分析により解析を行なった. (1) 専門家パネルは, 44個の食品の匂い用語を, A:価値のある, B:ボディ, C:焦げ臭・乾燥, D:価値のない, E:生臭い, F:悪臭, G:力量感のある, H:活動的な, I:スパイス, J:フレッシュ, K:乳・油脂系, L:獣肉の12個の匂いグループ(食品の基本的な匂い特性)に分けることができた. (2) 素人パネルは「価値のある」と「活動的な」匂いグループを区別することができなかった.しかしながら,44語中35個の用語が専門家パネルの結果と同じグループに属した.
著者
梅沢 彰馬 塚本 勝巳 多部田 修 山川 紘
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.440-444, 1989-03-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
16

ウナギ耳石の初期の輪紋形成過程を明らかにすることを目的として, 孵化仔魚とシラスウナギの耳石の微細構造を検討した.3種の耳石の内, 扁平石は孵化時に既に形成していた.耳石は扁平で楕円形をしており中心部に核が観察され, その直径は8.3±1.02μmであった.孵化後, 耳石は目令と共に直線的に成長した.耳石上の輪紋は孵化時には認められなかったものの, 2日後, 4目後および6日後の魚の耳石には, それぞれ平均2.1本, 3.6本および6.0本認められた.輪紋数 (Y) と孵化後の日数 (X) の間には, 次のような極めて相関の高い直線関係が得られた: Y=0.96X+0.06, r=0.913, N=40, 一方, 95%のシラスウナギの耳石中心部において, 直径6-12μmの極めて明瞭な輪紋 (check ring) が認められた.これは光学顕微鏡下では幅の広い暗帯として, 電子顕微鏡下では深くエッチングされた輪紋として観察された.また, この輪紋は孵化時の耳石直径とほぼ等しく, 本種は孵化輪を形成するものと考えられた.以上の結果より直径6-12μmの孵化輪の外側の輪紋数は, その魚の目令を示すことが明らかになった.
著者
細谷 享平 塚本 美早 松山 駿汰 森川 太酬 金野 寛之 鈴木 修子
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.720-723, 2015

本研究は,日本農芸化学会2015年度(平成27年度)大会(開催地:岡山大学)「ジュニア農芸化学会2015」で発表されたものである.生活圏内に自生する秋田県の県花アキタブキがフラボノイド類を含有することに着目し,そのメタノール抽出,化合物同定を行い,太陽電池への利用を検討し,その中で起電力に対するフラボノイド化合物群の三次元構造に基づいた構造活性相関まで考察した,たいへん興味深い研究であった.
著者
飛世 速光 竹川 佳成 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_57-2_66, 2014-04-24 (Released:2014-06-24)

ギター演奏において運指(指使い)は演奏に影響する重要な要素である.また,触弦(指が弦に触れている状態)や押弦,離弦(指と弦が離れている状態)といった状態や,複数の指が1本の弦上にあるなど,左手の指と弦との関係は多彩である.これらの情報を演奏支援システムが取得することで,ミュート(触弦により弦の振動を防ぎ消音すること)のために弦上に配置された指や,次の発音の準備のために弦上に配置されている指など,発音に関わらない運指情報を判別でき,効率的な独習支援や,細かい演奏技術が盛り込まれた楽譜の自動生成に応用できる.そこで本研究では,押弦,触弦,離弦を認識可能な,ギターのための触弦認識システムの構築を目的とする.本研究では弦やフレットの導電性に着目した電気的な機構による触弦認識手法を新たに提案する.また,実装したプロトタイプを用いて,システムの認識率を調査する実験を行い,高精度に触弦認識できることを確認した.さらに,本研究の枠組みを利用したアプリケーションを提案した.
著者
村瀬 亨 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3785-3793, 2002-12-15
被引用文献数
4

無線通信による移動体計算環境におけるデータ統合を実現するうえで,移動や省電源切断動作などをイベントとしてとらえ,アクティブデータベースにおけるECAルールを適用することが有効であることをこれまでに筆者らは示してきた.この新しい環境では,搭載される複数システム間の通信機能も強化して計算機間の連携動作も可能にしている.作成されたECAルールには複数システム間で無限ループに陥らずに停止するかどうかの安全性判定が必要である.しかし,ECAルールを移動体環境に適用する場合は,ホスト計算機の移動によって実行シーケンスが変動するため,その実行シーケンスが停止するかどうかの判定が困薙である.本論文では,このようなシステム動作の安全性について,特にルールの停止性について,移動による影響を含めて判定するための方法について考察する.その中で,イベント発生ホストとトリガーループの関係を σ マージグラフと呼ぶグラフとして表現することで効率良く安全性が判定できることを示す.For realizing the data integration in mobile computing environments, we showed that the notion of ECA rule in active databases is effective to describe events occurring in these environments such as moving of computers, disconnect operation for energy-saving, and so on. Though the ECA rule is useful, it has inevitable difficulty for guaranteeing that the rules can work without falling into infinite loop among hosts. Furthermore, if the system is applied for mobile computing environments, the complexity for predicting termination will be increased due to the facts that (1) trigger-chaining spreads over multiple computer hosts and (2) the network topology changes all the time because of the host's mobility. In this paper, we show analysis methods for the safety of our assuming active database. Especially, a method how to check the termination of ECA rules is proposed, where we introduce sigma-merge graph indicating the relationship among system events and trigger-chaining.
著者
塚本 博
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.47-57, 1993-06-30

A Venezia, nell'eta di transizione tra la fine del Gotico e l'apparire delle forme rinascimentali, ci sono alcuni quadri di "Madonna col Bambino dormiente". Nelle pitture di Giovanni Bellini, dei Vivarini (Antonio, Bartolomeo, Alvise), di Cosme Tura, si trovera questa iconografia. Mezzo secolo fa G. Firestone ha detto che questa iconografia e la prefigurazione della Pieta. Recentemente anche S. Ringbom e H. Belting hanno proposto l'idea nuova del Cristo morto come origine della Pieta, secondo il saggio di E. Panofsky. Riassumendo queste indagini, l'autore ha preso in considerazione la formazione del Bambino dormiente. Dapprima nel polittico veneziano c'era una combinazione di Madonna col Bambino (centro) e il Cristo morto (cimasa). Nella seconda meta del XV secolo nel Veneto apparve la prospettiva ed il polittico si trasformo sempre di piu nella pala. Quindi i Santi da posizioni laterali entrarono nello spazio centrale prospettico, ma il Cristo morto della cimasa tende ad essere separato dalla pala. In siffatta ambientazione, i Vivarini che tradizionalmente dipinsero la Madonna col Bambino e il Cristo morto concepirono la rappresentazione della Madonna col Bambino dormiente includendo la vita e la morte di Cristo. Il processo della formazione di questa iconografia lo vediamo fra il polittico di Bologna e la pala di Napoli. Secondo l'autore Piero della Francesca dipinse la pala che si trova a Brera ispirandosi a quella di Napoli di Bartolomeo Vivarini.
著者
松山 敏剛 松隈 敬太 塚本 直樹 柏村 正道 柏村 賀子 木寺 義郎 岩坂 剛 井上 功 杉森 甫
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.196-202, 1982-02-01

1973年より1980年までの8年間に,広汎性子宮全摘術を施行した396症例中,術後摘出標本の子宮頚部亜連続切片の病理組織検索で,初期浸潤癌,あるいは,それより軽度の病巣しか認めなかった症例62例を発見した.これらの症例は術前,浸潤癌と診断して(Ib期54例,IIb期8例)手術を行なったにもかかわらず,実際は初期浸潤より軽度の病巣しか無かったわけで,術前の生検診断の誤りと考えざるを得ない.そこで術前の生検標本を再検討した結果,生検標本を誤まって真の浸潤癌と診断した原因として,1.腺管内侵襲を深い浸潤と間違った.2.標本がtangentialに切れているために浸潤と間違った.の二大原因が考えられた.さらに,生検の小切片のみでは,浸潤癌であることは診断できても,それが初期浸潤であるか,真の浸潤であるかの鑑別は困難であることが多いことも判った.そこで,同時に行なった細胞診,コルポ診の診断を調べてみると,いずれか一方が真の浸潤癌を否定した症例は44.2%,両者共真の浸潤癌を否定した症例は37.2%であった.少なくとも,コルポ診,細胞診共に真の浸潤癌を否定し,生検のみ真の浸潤癌と診断した場合は,円錐切除診を行在い,over diagnosisを防ぐべきであったと考えられた.癌の診断における生検診断のover diagnosisの可能性については過去にあまり注目されていないが,前述した様な可能性を考慮に入れて,臨床医は生検診断を鵜呑みにせずに,細胞診,コルポ診,臨床所見を総合して,疑問があったら積極的に円錐切除診を行なう態度が必要であろう.
著者
宮前 雅一 寺田 努 塚本 昌彦 平岡 圭介 福田 登仁 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.44, pp.53-58, 2004-05-13
被引用文献数
2

バイクレースに勝つためには,前を走るバイクからの遅延時間など最新の情報を基に,臨機応変に戦略を変化させることが重要である.しかし,チーム監督やピットクルーはそれぞれ割り当てられた仕事をしているため,情報収集および戦略の立案が困難である.一方,近年常に計算機を身につけて持ち運ぶウェアラブルコンピューティングに対する注目が集まっている.ウェアラブルコンピューティング環境では,ユーザは装着型ディスプレイを用いてハンズフリーで情報を閲覧できるため,他の作業をしながら情報の取得・閲覧が可能である.そこで,本研究ではウェアラブルコンピュータを用いたイベント駆動型バイクレース支援システムを提案する.提案システムを用いることで,ピットクルーは動的に変化するさまざまなレース情報を閲覧でき,最新情報に基づく戦略の立案が可能になる.The exploitation of latest information are very important to win a motorbike race. However, it is difficult for pit crews to acquire the latest information on their working. Meanwhile, the downsizing of portable computers has attracted a lot of attention to the field of wearable computing. In wearable computing environments, users can browse information without hands because they wear the computer. Therefore, we propose a wearable system for supporting motorbike race. This system enables pit crews to browse various race information dynamically.
著者
塚本 勝男 中村 教博 横山 悦郎
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

太陽系形成初期過程におけるコンドリュール形成を模擬した珪酸塩メルト浮遊実験を行い,その結晶成長組織形成過程をフェーズ・フィールド・モデルによる計算機シミュレーションにより実験を行った.その結果は以下のとおりである.1.地上実験では容易に結晶化する珪酸塩メルトが,宇宙空間のような無容器浮遊実験では結晶化せずにガラス化してしまうことが初めてわかった.すなわち惑星間物質が結晶化するには星間ダストなどの微粒子と衝突することが必須であることが示唆される.この結果は,太陽系形成初期には非常に濃いダスト数密度が与えられていたことを示す.2.コンドリュールは従来言われていた平衡凝固ではなく500-1000Kという超高過冷却メルト(ハイパークールドメルト)からの結晶化であることが初めて示された.ハイパークールドメルトからは低過冷却結晶組織が安定に形成されることが熱力学的計算から予測されており,本研究は実験による証拠を提示したことにもなる.3.浮遊メルト結晶化実験,ならびに計算機シミュレーションの結果から,バードオリビンコンドリュールに固有の特徴的なリム構造は,従来言われているような徐冷過程(100K/hr)では形成されず,急冷過程(100K/s)によってのみ形成されることがわかった.4.コンドリュール再現実験結果から,直径1ミリのコンドリュールの結晶化が完了するまでの時間は,原始太陽系の冷却速度には無関係に約10秒程度であることが推定できた.この推定結果は従来説である数時間オーダーと比べて極めて短時間であり,コンドリュールは短時間イベントによる産物であることが予想される.この結果はコンドリュールに激しい蒸発の後が見られず揮発性成分が残されていることと調和的である.