著者
塚本 僚平
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.291-309, 2013-09-30

近年,消費の多様化や本物志向の進展が指摘されるなか,産地ブランドや地域ブランドへの注目が高まっている.一部の地場産業でも,産地の維持・発展の方策として,産地ブランドの構築が図られている.本稿では,2000年代以降,産地ブランドの構築に積極的に取り組んできた愛媛県の今治タオル産地をとりあげ,ブランドの構築が市場における優位性の獲得に繋がるか否か,ブランドの存在が産地維持要因の一つとなり得るかどうかについて検討した.今治タオル産地におけるブランド構築事業は,従来の問屋依存的で,有名ブランド品のOEM生産を軸とした企業体制からの脱却を意図したものであったが,産地の認知度の高まりを見る限り,当該事業は一定の成果を上げたといえる.また,問屋への依存度の低下や流通経路の拡大・多様化,リピーターの獲得といった現象も生じた.なお,今治産地では1980年代から海外生産や国内での一貫生産化,分業関係の見直し,外国人技能実習制度の利用といった生産面における戦略も展開された.それにより,分業構造に大幅な変化が生じていたが,これらの戦略は,製品の高品質化やコスト低減といった点でブランド構築事業との関連性を有していた.ただし,一部の企業では企業戦略と産地ブランドの特性が相容れないケースもあり,産地ブランドが全ての企業にとっての立地継続要因にはなり得ていないことも明らかになった.
著者
合田 泰弘 加藤 内藏進 塚本 修
出版者
岡山大学理学部地球科学教室
雑誌
Okayama University Earth Science Report (ISSN:13407414)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-50, 2012-12-26

A case study on persistent appearance of the ensemble of precipitation bands in the warm sector of the Baiu front inKyushu District, the western part of Japan around 19 June 2001 was performed based on the operational observationaldata. Around 00UTC (09JST) 19 June when the Baiu front on the surface weather map was still located about a few100kms to the north of Kyushu, the number and the total area of the meso-β or γ-scale line-shaped precipitationbands increased around Kyushu rapidly. These precipitation bands had been sustained there and gradually gatheredeach other to change into the Baiu frontal precipitation zone extending from the northern Kyushu to Seto-Naikai (SetoInland Sea) around 09UTC (18JST) 19 June (the intense rainfall zone was still located in the warm sector of the Baiufront).Until ~09UTC (18JST) 19 June, the moist air flow with the latently unstable stratification had been sustainedaround Kyushu corresponding to the low-level southerly wind toward the surface Baiu front to the north of Kyushu.This large-scale situation would contribute greatly to the maintenance of the ensemble of the line-shaped precipitationbands in the warm sector of the Baiu front.

1 0 0 0 OA 絵本太閤記

著者
塚本哲三 校
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
vol.上, 1926
著者
塚本哲三 校
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
1927
著者
塚本 栄美子
出版者
佛教大学歴史学部
雑誌
歴史学部論集 (ISSN:21854203)
巻号頁・発行日
no.4, pp.41-62, 2014-03

宗教改革やその後の宗派化のプロセスを通じて、自身や家族のために追悼説教パンフレットを作成する慣習が、王や諸侯たちの間ばかりでなく、より階層の低い貴族や領主層、ブルジョワ階層や裕福な手工業者たちにも広がっていった。とりわけルター派地域に浸透するが、改革派やカトリックの人びとの間でも認められ、近世ならではの慣習として注目される。本稿では、わが国であまり紹介されてこなかった当該史料の具体例を検討し、その史料的価値を考察する。近世ドイツ追悼説教パンフレットブランデンブルク・プロイセン
著者
田中 三郎 宮崎 康次 塚本 寛
出版者
社団法人 日本伝熱学会
雑誌
日本伝熱シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.224-224, 2009

p型ビスマステルライドをビーズミルを用いてナノ粒子を作製,有機溶剤に分散させ,ペースト状のナノ粒子をアルミナ基板に塗布,薄膜の作製を行った.ナノ多孔体薄膜の熱伝導率を3オメガ法により-170℃から室温の範囲で測定した.薄膜の熱伝導率はバルクよりも大幅に小さく,低温になるにつれ熱伝導率は増加せず,バルクと異なる温度依存性を示した.これらの結果から,ナノ粒子で作製したナノ多孔体の熱伝導に及ぼす影響を考察した.
著者
片山拓也 村尾和哉 寺田努 塚本昌彦
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.901-908, 2011-06-30

近年のコンピュータ小型化に伴い,ウェアラブルコンピューティングに関する注目が高まっている.ウェアラブルコンピューティング環境では,携帯性や装着性の観点から小型の入出力デバイスが望まれる.一般に,コンピュータへの入力デバイスとしてはキーボードが広く普及しており,多くのユーザがキーボードの入力に慣れ親しんでいる.しかし,ウェアラブルコンピューティングのためのキーボードの単純な小型化は,キータッチのしやすさなどのユーザビリティに影響をあたえるので限度がある.そこで本研究では,ユーザが既に体得しているキーボード入力の能力を活かすために,既存のキー配列をそのままにしながらキーボードを左右に分割し,どちらか一方のみを装着して用いる手法を提案する.提案手法では,単語の切れ目毎にキーボード半分の打鍵情報から入力単語を推測する.提案手法を用いることで,従来のキーサイズと入力動作を最大限に保ったままキーボードの大きさを半減できる.
著者
塚本哲三 編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
1921
著者
堀 哲理 東野 武史 塚本 勝俊 小牧 省三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.380, pp.1-6, 2010-01-14

高度道路交通システム(ITS: Intelligent Transport Systems)におけるマイクロ波帯の周波数のheterogeneous無線サービスを,車車間中継を介して車内の無線端末へ提供するための広帯域異種無線通信基盤を構築することが求められている.本研究では,既存の無線サービスをその信号形式を変更することなくミリ波帯へ周波数変換し,車内の移動体端末へ転送する際の,車車間マルチホップ無線チャネルの信頼性を向上させるため,車載マルチアンテナを用いた空間分割多重化(SDM: Space Division Multiplexing)の適用を提案し,その特性評価を行う.
著者
塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.402-404, 2015-03-15
著者
永井 宏典 柳沢 豊 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.53, pp.1-8, 2015-02-23

無線センサネットワーク (WSN: Wireless Sensor Networks) は 1 種の分散システムであるため,アプリケーション開発の際,一般のプログラミング言語を用いるとプログラムは複雑になる.本研究では,関数型プログラミング言語である F# を用いたセンサネットワークのためのプログラミング手法を提案する.ツリー状のネットワークを構成し,一つのノードをシンクノードとしてデータを集約する WSN を対象とし,アプリケーション作成のための F# のライブラリを作成した.また,.NET Framework の共通中間言語 (CIL: Common Intermediate Language) コードを実行できる仮想マシンに F# のコードを実行する機能を追加し,この仮想マシンを搭載した小型デバイス上に WSN のアプリケーションを実装した.
著者
永井 宏典 柳沢 豊 寺田 努 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.53, pp.1-8, 2015-02-23

無線センサネットワーク (WSN: Wireless Sensor Networks) は 1 種の分散システムであるため,アプリケーション開発の際,一般のプログラミング言語を用いるとプログラムは複雑になる.本研究では,関数型プログラミング言語である F# を用いたセンサネットワークのためのプログラミング手法を提案する.ツリー状のネットワークを構成し,一つのノードをシンクノードとしてデータを集約する WSN を対象とし,アプリケーション作成のための F# のライブラリを作成した.また,.NET Framework の共通中間言語 (CIL: Common Intermediate Language) コードを実行できる仮想マシンに F# のコードを実行する機能を追加し,この仮想マシンを搭載した小型デバイス上に WSN のアプリケーションを実装した.
著者
霜浦 森平 山添 史郎 塚本 利幸 野田 浩資
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.8, pp.151-165, 2002-10-31
被引用文献数
1

本稿では,滋賀県守山市を中心として活動している「豊穣の郷赤野井湾流域協議会」を事例として,地域環境ボランティア組織の活動の二元性について検討していく。協議会は,守山市の住民が主体となって水環境保全活動を行なっている組織であり,その活動は2つの方向性をもっていた。協議会は,水量確保対策や清掃活動による水環境の保全を重視する「自立型活動」を行なうとともに,これまでの水環境の管理主体である行政,自治会,農業団体の協力,協議会活動への一般住民の理解を得るための「連携型活動」を行なってきた。協議会では,活動の2つの方向性をめぐって意見対立が起こった。本校では,まず,この意見対立の経過をたどり,協議会の活動が「自立型活動」と「連携型活動」の二元性を有することを示し,次に,協議会が2つの活動を両立し得た要因について考えたい。地域環境の維持・管理を行なう新たな担い手として,地域環境ボランティア組織の役割が期待されている。地域環境ボランティア組織には,自らの活動によって地域環境を保全する「自立」的側面とともに,従来の地域環境の管理の担い手と協力関係を形成する「連携」的側面が求められる。「自立」と「連携」の両立が地域環境ボランティア組織の課題である。
著者
霜浦 森平 山添 史郎 植谷 正紀 塚本 利幸 野田 浩資
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.15, pp.104-118, 2009-10-31

地域の水環境保全に取り組む地域環境NPOには,関連主体との協働のための多様な活動の展開が求められている。滋賀県守山市の琵琶湖流域において地域水環境保全を行うNPO法人「びわこ豊穣の郷」では,会員間の活動理念,および財源確保の方法に関する会員間の意見の相違により,活動の志向性をめぐる2つの異なるジレンマに直面していた。1つめは,住民主体による自立的な水環境保全,および地域の多様な主体との連携という2つの活動の両立のあり方を背景とする,「自立/連携」をめぐるジレンマである。2つめは,NPO法人化に伴い増加した委託事業と無償ボランティア性に基づく実践的な活動の両立のあり方を背景とする,「ボランティア性/事業性」のジレンマである。この2つのジレンマの要因について,会員を対象としたアンケート調査結果を用いて分析した。会員は3つの「活動の志向性」(「調査重視」「連携重視」「地域重視」)を有していた。「自立/連携」をめぐるジレンマは,「地域重視」,「連携重視」という2つの「活動の志向性」の間で生じていた。一方,「ボランティア性/事業性」をめぐるジレンマは,「調査重視」志向,「地域重視」志向という2つの「活動の志向性」の間で生じていた。