著者
大塚 和義
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.543-585, 1994

Though undergoing a rapid socio-economic change since the beginningof this century, the Nivkh people (Gilyak) of today, who live in thenorthern half of Sakhalin Island and at the mouth of the Amour Riveron the continent, still maintain to a large extent their traditional way oflife, in which fishing and seal-hunting are of paramount importance.Based on research conducted intermittently during 1990 to 1993 atLuplova (Romanovka) , a small Nivkh village on the northwestern coastof Sakhalin, the author describes (1) modern and traditional seal-huntingmethods, (2) the utilization of the game (the process of dismembering,meat consumption, fur preparation, oil extraction, etc.), and (3)the ritual of sending back the seal spirit to the sea world.The ethnographical material presented here proves that the Nivkhcultural complex related to seal-hunting has a strong consistency (cf.Kreinovich 1934, 1973) , and shows a close resemblance to those of theUilta and the Ainu (cf. Chiri and Yamamoto 1979, etc.) .The author suggests that this resemblance comes from a commoncultural tradition whose origin can be traced back to the OkhotskCulture, once diffused widely in the area from 8th to 12th centuries. Archaeologicalevidence examined verifies the author's hypothesis.
著者
渡辺 象 上嶋 権兵衛 鈴木 美智代 大塚 照子 中野 清剛
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.217-223, 1990 (Released:2006-07-06)
参考文献数
21
被引用文献数
2 3

多国語習得者の失語症の一例を報告した。症例は68歳,女性。9歳より26歳までシンガポールで生活したため英語が堪能となった。 58歳まで貿易会社に勤め,その後自宅で学生に英語を教えており英語を使用する機会は多かったが日常会話は日本語であった。 69歳時,脳梗塞により失語症となった。発症当初,発語は全く認められなかったが,回復するに従って英語が日本語よりも良好な結果を示した。多国語習得者の失語症については,欧米では多くの報告があり,その回復の過程において母国語から回復するというRibotの説,日常語が良好とするPitreの説,感情的要因を重視するMinkowskiの説が有名であるが本例ではこのいずれにも当てはまらず,母国語でもなく日常語でもなく特に感情的要因が強かったとも考えられない英語の方が良好な回復を示し,日本語の失語症と欧米の失語症とは回復の過程において異なる要因が存在する可能性があると考えられた。
著者
渡辺 誠 村上 雅彦 小沢 慶彰 五藤 哲 山崎 公靖 藤森 聡 大塚 耕司 青木 武士
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.647-651, 2015 (Released:2016-09-10)
参考文献数
18

炭水化物含有飲料水 (CD) の胃内容排出時間を超音波検査にて検討する.健康成人被験者4例 (男女各2例,平均年齢52歳) に対して,水,6.2% CD (ポカリスエット®),12.5% CD (100mlあたり6.3gのブドウ糖末を付加したポカリスエット®) を,中7日隔日で各々400ml全量摂取し,腹部超音波検査にて胃幽門部面積 (PA) を経時的に測定した.全例,各飲料水の摂取は可能であった.水では,45分で摂取前のPAと同等になった.6.2% CDでは60分で全例,摂取前のPAと同等になった.12.5% CDでは,4例中2例において摂取後60分で,また90分で残り2例も摂取前のPAと同等になった.健康成人被験者において,400mlの12.5% CDは,摂取後90分以内に胃から排泄された.全身麻酔導入2時間前までの12.5% CD摂取は可能であることが示唆された.
著者
坂下 玲子 大塚 久美子 Reiko SAKASHITA Kumiko OTSUKA 兵庫県立大学看護学部看護基礎講座基礎看護学 兵庫県立大学看護学部看護基礎講座基礎看護学 Nursing Foundation University of Hyogo College of Nursing Art and Science Nursing Foundation University of Hyogo College of Nursing Art and Science
出版者
兵庫県立大学看護学部
雑誌
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 (ISSN:18816592)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.93-105, 2008

地域に根ざした新しい看護提供システムとして「まちの保健室」事業が各地で展開されている。本研究は、この事業の後方支援のために、高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出を行うことを目的として、口腔健康相談を受ける頻度が高いと考えられる歯科衛生上を対象にフォーカスグループインタビューを行い高齢者の口腔ケア支援に関する相談技術の抽出を行った。<対象と方法>対象は、研究への同意が得られた歯科衛生上で、カテゴリーが飽和するまで対象者の募集を行った。3~5人を1グループとしてフォーカスグループインタビューを実施し、1)よく受ける相談について、2)うまくいった相談場面、3)相談のとき気をつけている点、工夫している点についてたずねた。得られたデータを質的記述的に分析することによって相談技術を抽出した。<結果と考察>7グループと1人、計27人の歯科衛生上のインタビューを行った。参加者の年齢は平均36.8±9.5歳(25~60歳)、全員が女性であった。勤務年数は平均15.4±8.4年(5~36年)、経験したことのある職場は、保健所など多岐に渡っていた。参加者が表現した内容を注意深く読みとり255単位データが抽出された。抽出された技術としては、1)導入部分として、クライエントを「招き入れる」「信頼関係を築く」「機が熟すのを待つ」が抽出された。2)相談部分として、「真の問題を見つける」「問題点を理解してもらう」「できることをいっしょに探す」「行動を引き起こす」「行動の継続を促す」が抽出された。3)今後へ繋ぐ部分として、「次回の予約をする」、「次回までの具体的な目標を決める」が抽出された。インタビューの中では義歯の管理、口腔乾燥などの口腔健康への対応について語られた部分も多かったが、それは別の機会に報告することとし、今回は相談の具体的な技術に焦点をあて抽出した。歯科衛生士が用いている相談技術がそのまま看護職が応用できるとは限らないが、抽出された項目をみると、看護ケアの技術と重なる点がみられ、看護職も参考にでき応用していけるものと考えられた。
著者
大塚 泰介 山崎 真嗣 西村 洋子
出版者
日本生態学会暫定事務局
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.167-177, 2012 (Released:2013-10-08)

水田の多面的機能は、そこに生息する生物間の相互作用に負うところが大きい。水田にキーストーン捕食者である魚を放流して魚を放流しない水田と比較すれば、対照区つきの隔離水界実験(メソコスム実験)になり、水田の生物間相互作用を解明する上で有効である。水田にカダヤシを放流しても、カに対する抑制効果が見られないことがある。カダヤシはカの幼虫・蛹のほかに、その捕食者や競争者も食べるので、捕食による効果の総和が必ずしもカを減らす方向に働かないためである。メコン川デルタの水田に3種の魚を放し、魚を放さない水田と生物群集を比較した実験では、ミジンコ目が減少し、原生動物とワムシが増加し、水中のクロロフィルa濃度が増加するという結果が得られている。水田にニゴロブナの孵化仔魚を放流した私たちの実験でも、これと類似の結果が得られた。ニゴロブナの後期仔魚および前期稚魚はミジンコ目を選択的に捕食し、ほぼ全滅させた。すると放流区では対照区よりも繊毛虫、ミドリムシなどが多くなった。また放流区では、ミジンコ目の餌サイズに対応する植物プランクトン、細菌、従属栄養性ナノ鞭毛虫などの数も増加した。メコン川デルタと私たちの結果は、ともに典型的なトップダウン栄養カスケードとして説明できる。また、魚の採食活動が、底泥からの栄養塩のくみ上げや底生性藻類の水中への懸濁を引き起こしたことも示唆される。これとは逆に、コイの採食活動によって生じた濁りが、水田の植物プランクトンの生産を抑制したと考えられる事例もある。こうした実験の前提となるのは、魚が強い捕食圧を受けていないことである。魚に対する捕食圧が大きい条件下での水田生物群集の動態は、今後研究すべき課題である。
著者
大塚 好古
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.945, pp.94-97, 2021-04
著者
平田(中原) 久美子 鈴木 慎一郎 今井 徹 鷲巣 晋作 田村 めい 間 勝之 大塚 進 木村 高久
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.19-22, 2020-06-10 (Released:2020-07-01)
参考文献数
16

Distigmine has reversible and persistent cholinesterase (ChE) antagonism, and is used for the dysuria due to low activity bladders such as the neurogenic bladder dysfunction widely postoperatively, but fatal cases were reported by cholinergic syndrome. Therefore a dose was limited to 5mg only for adaptation of “the dysuria due to hypotonic bladder such as after surgery and the neurogenic bladder dysfunction” in March, 2010. In the current study, we examined a ministerial policy in the package insert revision using Japanese Adverse Drug Event Report database (JADER). Using a side effect report registered with JADER from January, 2004 to June, 2016, we calculated Reporting Odds Ratio (ROR) which was the index of the safe signal of the medical supplies adverse event and we compared number of reports and ROR of the cholinergic syndrome by the distigmine in approximately the measure in March, 2010 and evaluated it. The number of reports of the cholinergic syndrome by the distigmine was 138 cases before March 2010 and 65 cases after March 2010. After a measure, the number of reports decreased. The possibility that the package insert revision of the distigmine contributed to a decrease in cholinergic syndrome onset was suggested. Whereas monitoring careful sequentially needs the onset of the cholinergic syndrome in constant frequency to be found.
著者
齋藤 智也 福島 和子 阿部 圭史 氏家 無限 梅木 和宣 大塚 憲孝 松本 泰治 難波江 功二 中谷 祐貴子 中嶋 建介
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.105-114, 2015

わが国では,エボラ出血熱は,感染症法の一類感染症に位置づけられている.しかしながら,平成11年の感染症法の施行以降,これまで一類感染症であるウイルス性出血熱の感染が疑われる患者検体の検査を国立感染症研究所で実施することはあったものの,国内で感染が確認された患者はいない.<BR> 平成26年の西アフリカでのエボラ出血熱流行に対しては,厚生労働省でも3月のギニアからの第一報から情報収集を継続して状況を注視し,対応を行っていたが,8月より検疫対応及び国内対応の強化を開始した.10月末にはエボラ出血熱等対策関係閣僚会議が設置され,政府一丸となった対応を開始するに至った.一連の対応は,国内発生が非常に稀なウイルス性出血熱のような輸入感染症に対する対応体制を大きく底上げした一方で,様々な教訓を残した.今回の流行が終息したとしても,国際的なウイルス性出血熱のアウトブレイク発生リスクは今後も変わらない.今回の知見と経験を踏まえ,国内対応の観点からは,マニュアル等の改善,継続的な訓練の実施による一類感染症等に対する感染症危機管理体制の維持・向上のほか,国際的な対応への貢献という観点からも,人材育成等を推進していくことが重要である.
著者
大塚 篤司
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

皮膚のかゆみは末梢神経が介していることは広く知られている。しかし、最近の研究では末梢神経は免疫細胞との相互作用がみられ、皮膚アレルギー疾患での病態形成に関与している可能性があることがわかった。本研究課題では、皮膚アレルギー疾患における末梢神経の役割を検討した。その結果、末梢神経から放出される神経ペプチドは接触皮膚炎に関与していることが明らかとなった。
著者
土屋 篤志 大藪 直子 後藤 英之 堀内 統 吉田 雅人 西森 康浩 大塚 隆信 武長 徹也 杉本 勝正
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.567-569, 2011

We investigated the shoulder function of the frozen shoulder after an average of thirty months (12 to 108 months) of the conservative treatment. In this study, 17 shoulders of 16 patients (13 males and 3 females) of non-traumatic frozen shoulder without rotator cuff tear were investigated. The mean age of all cases was 66 years old, ranging from 47 to 76 years old. At an average of 30 months follow-up, the clinical results and shoulder function including subjective and objective evaluation, range of motion and shoulder strength using micro FET, were investigated. The mean JOA score was 63.7 points at the initial treatment and 82.5 points at the end of the treatment. After thirty months of the treatment, JOA score was improved to 93.4 points. About 88% of the patients were satisfied with their daily living, although 16.7% of the patients changed sports activity level or their work. Seven of 17 patients who were satisfied with their ADL, restricted some concrete action related to shoulder function such as scratching their back. The range of motion of flexion, abduction and external rotation of the affected side tended to be lower compared with the normal side, but not significantly. The strength of the shoulder of the affected side was improved without a significant difference from normal side. The prognosis of the frozen shoulder was relatively good with a little discomfort for living and a limitation of sports activity.
著者
津村 亜紗子 齋藤(大塚) 香織 藤井 範子 藤田 郁尚 久原 丈司 大野 健剛
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.33-40, 2016-03-20 (Released:2017-03-21)
参考文献数
8

整髪剤開発においてセット力およびその持続力は最も重要な特性であり,汗や湿度などの水分がそれらを低減させる最大の要因として認知されている。われわれはこれまで,「頭皮脂」が頭皮から毛髪に移行し,様々な剤型の整髪剤のセット力およびその持続力を低下させるという現象を見出した1)。本研究では,高湿度条件下における頭皮脂のセット力に与える影響,および頭皮脂の毛髪への移行挙動について検証を行った。その結果,高湿度条件下において頭皮脂の毛髪への移行が促進され,湿度によって低下したセット力が,頭皮脂によってさらに低下することが明らかとなった。これまで高湿度下において水分のみが整髪力低下の原因であると考えられてきたが,本研究により,水分と皮脂が共存することによって整髪剤のセット力をより低下させることが明らかになった。
著者
中田 善久 斉藤 丈士 梶田 秀幸 大塚 秀三 春山 信人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.82, no.738, pp.1145-1154, 2017 (Released:2017-08-30)
参考文献数
17
被引用文献数
3 4

The authors have carried out the experiments to identify the effects on fluidity, resistance to segregation, strength, Young's modulus, dry shrinkage and durability of high-strength concrete when unit water content was varied in high-strength concrete while unit bulk volume of coarse aggregate was fixed, or the volumetric ratios of cement paste and fine aggregate were varied. Three types of cement, ordinary Portland cement, moderate-heat Portland cement and low-heat Portland cement, were used. Limestones were adopted as coarse aggregate. Water-cement ratio was varied with 45, 35 and 25%. Analysis were carried out in concern with properties of fresh concrete, properties of concrete hardening, and properties of hardened concrete where unit water content was varied. When water-cement ratio was 35%, changes in the properties of high-strength concrete with hard sandstones used as coarse aggregate owing to the increase of unit water content were also examined. As a result of the experiments, it was found that increasing of the water content caused no segregation of materials, facilitation of handling, reducing of changes in the retention of slump and slump flow, increasing of flow velocity in L-box tests and increasing of bleeding only slightly. Few effects were observed on the initial properties and on the properties of hardened concrete. Based on the above, it is assumed that slightly increased unit water content in the range between 5 to 10 kg/m3 in high-strength concrete with fixed unit bulk volume of coarse aggregate will improve construction performance without great affection of the quality parameters while the deterioration of the parameters has been afraid when unit water content was increased.
著者
宮田 敦典 中田 善久 大塚 秀三
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.83, no.751, pp.1217-1227, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
38

It is significant to accurately grasp the pressure loss per unit length of pipeline in calculating total pressure of pipeline. The standard value of pressure loss per unit length of pipeline is shown in recommendation for practice of placing concrete by pumping methods. The standard value of pressure loss per unit length of pipeline were obtained from pumping experiment conducted around 1970. But, mix-proportion and concrete materials has changed compared to the 1970s. Especially, design strength has risen compared to the 1970s, and high-range AE water reducing agent was developed and has spread. Therefore, concrete that has been used recently can't apply the standard value of pressure loss per unit length of pipeline. So this study aimed to reveal influence of mix-proportions on the pressure loss per unit length of pipeline by literature survey and pumping experiment. In the first, we studied the influence of water-cement ratio on the pressure loss per unit length of pipeline. Pressure loss per unit length of a pipe tended to be roughly proportional to the square of cement-water ratio. Next, we examined pressure loss per unit length of pipeline for each slump of concrete that more than W/C 45%, and we examined pressure loss per unit length of pipeline for each unit water content of concrete that less than or equal to W/C 45%. As a result, pressure loss per unit length of pipeline tended to increase when slump decrease and unit water content is low. And we derived the relational expression between pressure loss per unit length of pipeline and true output capacity. In additions, this paper proposed standard value of pressure loss per unit length of pipeline of concrete that more than W/C 45% on the basis of literature survey results. Finally, we confirmed the validity of the relational equation obtained from literature survey by pumping experiment. This paper shows a result of pressure loss per unit length of pipeline of concrete with normal portland cement. Therefore, we should does experiment of test pumping with reference to result of this paper when we use concrete with cement and materials other than normal portland cement.
著者
中田 善久 斉藤 丈士 梶田 秀幸 大塚 秀三 春山 信人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.83, no.748, pp.751-761, 2018 (Released:2018-06-30)
参考文献数
14
被引用文献数
3

The authors have carried out experiments to identify the effects on fluidity, separation resistance, strength, Young's modulus, drying shrinkage and durability of high-strength concrete when sand-total aggregate ratio was varied. In high-strength concrete while water-cement ratio and cement-paste volume was fixed, that is, volumetric ratios of coarse aggregate and fine aggregate were varied. Three types of cement, normal portland cement, moderate-heat portland cement and low-heat portland cement, were used. Limestones and sandstones were adopted as coarse aggregate. Water-cement ratio was fixed as 35%. Unit water content was fixed as 170kg/m3. Analysis were carried out in concern with properties of fresh concrete, properties of concrete hardening, and tendency of properties of concrete where sand-total aggregate ratio was varied. As a result of the experiments, If sand-total aggregate ratio is smaller than general range, impression of state of fresh concrete tends to be somewhat impaired, but even if sand-total aggregate ratio is somewhat larger than general range, impression of state of fresh concrete is it was not compromised. However, when sand-total aggregate ratio is large as addition rate of high-performance AE water-reducing agent is significantly large, impression of state is impaired due to separation of fresh concrete in addition to increase in bleeding and delay of settling-time. In hardened concrete, influence of sand-total aggregate ratio on compressive strength is small, As sand-total aggregate ratio is larger, tendency of young's modulus to slightly decrease, tendency of length change by drying to slightly increase, tendency of carbonation depth to slightly increase. Based on the above, high-strength concrete may possibly obtain hardened concrete of required quality even if sand-total aggregate ratio is increased somewhat within range where separation resistance is not impaired in consideration properties of fresh concrete.