著者
長島 朗子 高橋 裕公 浅沼 宏幸 鈴木 孝之 大橋 一樹 森 史江
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.60-65, 2018 (Released:2018-01-25)
参考文献数
6

歩行者保護において,これまで歩行者の体格差が傷害値に与える影響については研究がおこなわれてきたが,体型差についての研究はおこなわれていない.そこで,肥満体型モデルを作成し,同一身長の標準体型モデルとの比較により傷害値への影響を調べた.また,車体形状や歩行者の体重の影響についても検討した.
著者
北川 勲 石津 隆 大橋 一慶 澁谷 博孝
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.120, no.10, pp.1017-1023, 2000-10-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
20
被引用文献数
6 9

Monthly changes of the content-ratio between S-(-)-and R-(+)-hyoscyamine as well as those between S-(-)-and R-(+)-scopolamine in the leaves of Datura metel L. cultivated in the field, were quantitatively analyzed by the use of HPLC with a chiral adsorbent. It was found that S-(-)-isomer was predominant for hyoscyamine and the ratio of R-(+)-isomer gradually increased during the growth, whereas in the case of scopolamine, S-(-)-isomer was the sole one found throughout the cultivation period. The 1H-NMR study in the CD3OD solution has suggested that S-(-)-hyoscyamine (1) and S-(-)-scopolamine (2) take a "face-to-face"conformation between their tropane skeletons and the benzene rings of the tropic acid moieties. In the presence of an equimolar NaOD in the CD3OD solution, the racemization at C-2' of 1 and 2 proceeded more rapidly than the hydrolysis at the tropic acid ester bond, presumably due to the steric hindrance caused by their"face-to-face"conformations. In the D2O and H2O solutions, on the other hand, the racemization and the hydrolysis of 1 proceeded smoothly, while those of 2 did not occur. It has been supposed that these individual reaction manners are ascribable in considerable extent to the different basicity of N atom in each tropane skeleton of 1 and 2 and to stronger intramolecular hydrogen bond occurring between the carbonyl oxygen at C-1' and the hydroxyl group at C-3' in the tropic acid moiety of 1.
著者
安西 春幸 高木 国失 太田 博俊 大橋 一郎 高橋 知之 中島 聰聰
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.2094-2098, 1988 (Released:2011-08-23)
参考文献数
19
被引用文献数
5 4

未分化型腺癌の組織型を示す隆起型早期胃癌は少く, 単発早期胃癌手術症例1, 150例中10例であった. 性別, 占居部位, 深達度は分化型腺癌の隆起型に比較し, 明らかな差はないが, 平均年齢でやや若い傾向にあった.組織学的に隆起形態を3型に分類した. A: 表層粘膜の癌発育によるもの一6例8B: 表層粘膜のみならず, 粘膜下層への癌浸潤を認めるもの-3例. C: 粘膜層より, 粘膜下層での癌浸潤が著明であるもの-1例. Aはsignet-ring cell carcinoma (sig), Bはpoorly differentiateded enocarcinoma (por), Cはmuconodular adenocarcinoma (muc) がそれぞれ多い傾向にあった. 予後は隆起型分化型腺癌同様, 良好であった.
著者
井關 敦子 中塚 幹也 山口 琴美 山田 奈央 大橋 一友
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

MtF当事者は社会適応が低くqolが低いと報告される.MtF当事者2名にインタビューを行った.共通する点は,性別違和についてネガティブな価値観を持つとは限らずその価値観も多様であった.日常生活において他者の配慮があれば大きな困難なく生活でき,就業や経済状態が安定していること,家族がいることは重要であった.その他,29年度は,性の多様性に関わる以下の活動や研究を行った.29年9月に看護職,教育,研究職向けの講演会「LGBTを理解する」を岐阜大学は開催し,研究責任者は講師となった.LGBT支援団体からの協力も受け,科学研究費を活用しこの講習会を遂行した.この講習会は看護,教育,医療従事者のLGBTに対する認知を促した.29年12月には中部地方の看護職の.GBTに対する認識について質問紙調査を実施し,その結果は30年3月のGID学会で発表した.また,28年12月に実施した「岐阜県内の小中学校に勤務する養護教諭のLGBTに対する認識」に関する質問紙調査の結果が、30年3月GID学会誌に論文として掲載された.これらの調査や活動から,今後の研究を遂行するうえで重要な情報を得た.また研究を遂行するうえで,協力者を得る機会になっている.
著者
青 雲 金森 平和 黒川 峰夫 宮村 耕一 伊藤 俊朗 衛藤 徹也 片山 義雄 前田 哲生 小寺 良尚 飯田 美奈子 鈴木 律朗 山下 卓也 福田 隆浩 大橋 一輝 小川 啓恭 鬼塚 真仁 近藤 忠一
出版者
一般社団法人 日本造血細胞移植学会
雑誌
日本造血細胞移植学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.6-14, 2012
被引用文献数
2

造血幹細胞(骨髄,末梢血)ドナーの実態を把握し,将来におけるドナーの安全性,満足度を更に向上させる目的で,日本造血細胞移植学会ドナー登録センターに2006年4月から2010年3月までの間に集積された血縁ドナー年次アンケート結果の一部であるドナーの意見(ドナーの声)を解析し,満足度および不満の内容を,骨髄ドナー,末梢血ドナー間で比較した。提供に際しての,満足度(不満度)は両提供法に差は無かったが,不満を表明したドナーにおいてその不満が身体的なものに起因する割合は,骨髄ドナーに多かった。身体的不満の内主要なものは各種疼痛,特に疼痛の遷延であり,採取手技,使用機器(採取針のサイズ等),採取に際しての説明等に対する採取チームの配慮により改善可能と思われた。
著者
大橋 一正 増岡 陽一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.64, no.522, pp.23-28, 1999
参考文献数
13
被引用文献数
3 2

The system which uses the natural energy, are deeply related with the weather factor. Because the atmospheric radiation quantity and the nocturnal radiation quantity influence mainly, the Sol-Air Heat Pump System which radiates in to the sky with the radiation cooling in night must examine these values sufficiently. Then, it did long-range observation with the observation receptacles such as the wet and dry-bulb thermometer, the pyrheliometer, the infrared radiometer and the SAT meter. It made an atmospheric radiation quantity estimated formula from those observation results and the practicality of the formula was shown.
著者
小佐野 仁志 野口 忠秀 大橋 一之 古藤 茂昭 赤坂 庸子 小宮山 一雄
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.1083-1085, 1995-12-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
13

A case of verrucous carcinoma of the oral floor which had an excellent response to tegafur alone is reported.A 76-year-old woman complained of a swelling in the oral floor of 8 months' duration. Oral examination revealed an approximately elliptical tumor that measured 45×20×15mm and extended bilaterally from the oral floor to the alveolar mucosa. Regional lymph nodes were not clinically involved, and no distant metastasis was evident. She was orally administered 600mg per day of tegafur before operation. The tumor was reduced to about half of its primary size 10 days after the start of tegafur treatment. Two months later, no remaining verrucous carcinoma was observed on histologic examination.There were no noteworthy side effects. There is no evidence of recurrence or metastatic disease as of 28 months after treatment.
著者
大橋 一智 上田 浩史 山崎 正利 木村 貞夫 安部 茂 山口 英世
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.112, no.12, pp.919-925, 1992-12-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
18
被引用文献数
10 10

The biological activity of a preparation of heat killed cells of Enterococcus faecalis, FK-23 which was isolated from the feces of a healthy human, was investigated in C3H/He mice. Intraperitoneal injection of the preparation caused an accumulation of neutrophils and macrophages in the peritoneal cavity of the mice 6 h later. As a parameter of the activation of macrophages, the effect of the FK-23 preparation on the production of tumor necrosis factor (TNF) was examined. The mice were given two consecutive intravenous injections of the preparation at a dose of 10μg/mouse and, 3 h later, of 300μg/mouse. The TNF level in the sera reached 99 U/ml in mice 2 h after the second injection. This preparation also stimulated peritoneal macrophages to produce TNF in vitro and increased the capacity of neutrophils to adhere to plastic plates and to release active oxygens, but did not induce blastogenic transformation of lymphocytes. These results suggest that the FK-23 preparation is a biological response modifier (BRM) with various activities on phagocytes similar to a streptococcal antitumor agent, OK432.
著者
東田 有加 大橋 一友
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.153-159, 2014-04

本研究では周囲からのタバコ煙の曝露を受ける非喫煙妊婦(受動喫煙妊婦)の実態と原因喫煙者を検討した。5ヵ所の産婦人科クリニックを受診した823名の妊婦を対象とし,喫煙状況を自記式質問紙調査した。受動喫煙妊婦は妊娠初期54.7%,中期54.3%,末期56.5%であった。原因喫煙者は夫が最も多く,妊娠初期79.4%,中期75.2%,末期76.2%であった。試験紙による尿中コチニン濃度を用いてタバコ煙への曝露レベルを半定量的に評価し,高濃度曝露群と低濃度曝露群に分類した。受動喫煙妊婦の高濃度曝露のリスクを高める原因喫煙者について多重ロジスティック回帰分析で検討した。高濃度曝露率は妊娠時期による差はなかったが,高濃度曝露のリスクを高める原因喫煙者は中期では夫(OR 11.8, 95% CI 1.4〜100.5),末期では夫以外の家族(OR 4.6, 95% CI 1.3〜15.8)であった。職場の喫煙はどの時期でもリスク要因ではなかった。妊婦の受動喫煙,とくに高濃度曝露の予防のためには,妊娠時期に応じた原因喫煙者を妊婦に伝え,家庭内での完全禁煙をめざす指導を行うことが重要である。
著者
池田 諭史 大橋 一輝 山本 和英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.93, pp.161-168, 2004-09-17
被引用文献数
1

新幹線の電光掲示板で使用されるニュース記事は冗長度の少ない高密度表現となっている。また、体言や格助詞で終るといった独特の文末表現をしている。そこで本稿ではこのような高密度文の文末に着目し文末が体言や格助詞で終る形に整形することによる要約を試みた。整形はパターンマッチを用いて行ない、結果として文末の要約率は52%であり1 文当たり2.50文字の削除ができた。また、人が判断した正解率は95%であった。The electrical bulletin board news consists of high density expressions. The end of the sentence is unique shape that is nouns or case particles. This paper focuses on expressions of the sentence end, and attempt to summarize them by forming them into nouns or case particles. We summarize the news sentence by pattern matching approach. Our evaluation illustrates that our summarizer reduces 2.50 characters on average; the summarization ratio of sentence ends is 52%. We also show that the correctness of reduction is 95%.
著者
太田 博俊 高木 国夫 大橋 一郎 田村 聡 久野 敬二郎 梶尾 鐶 加藤 洋
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.14, no.10, pp.1399-1408, 1981-10-01
被引用文献数
10

当外科において手術された1978年10月までの1000例の単発早期胃癌に対して肉眼分類を中心に時代的変貌を加味しつつ, その臨床像を検討した. 最近は手術胃癌の3例に1例は早期癌で, 陥凹型早期癌が多く, 占居部位では隆起型は胃下部, 陥凹型は, 胃中部に多い. 年齢分布はピークは隆起型は60歳代の山型, 陥凹型は50歳代の丘型を示した. 症例数では隆起型と陥凹型は, 1対4の比率で, 深達度 m と sm ではほぼ同率であった. 早期胃癌のリンパ節転移率は 12.7%, m 癌は 21.7%. 隆起型では, 20.9% その内 m 癌は 1%, sm 癌は, 33.3%, 陥凹型では, 10% その内 m 癌は 3.9%, sm 癌は 16.7% であった. 治癒切除例の5生率は 93.8% 非治癒切除例で 56.5% であった.
著者
大橋 広好 大橋 一晶
出版者
ツムラ
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.113-115, 2008-04
著者
大橋 一仁 藤原 貴典 塚本 真也 中島 利勝
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

昨年度の研究において確認されたAl-Mg合金を焼結ダイヤモンドバイトで超精密切削する場合の切削面の中央周辺部の凹形状発現現象をさらに詳細に解明し,極めて高い形状精度を有する超精密加工面を創成するための以下のような結果が得られた。超精密切削過程における切れ刃先端からバイトのシャンク部にかけての温度上昇量の変化過程を求め,各部の温度上昇量と切れ刃である焼結ダイヤモンドならびにシャンク部材である構造用炭素鋼の熱膨張係数から算出した工具先端の運動軌跡と超精密切削面形状はほぼ同様であり,表面の形状誤差は超精密切削過程における切削熱による切れ刃先端のZ軸方向への移動量に相当することが明らかになった。特に,切削点においては,切削開始直後に約130℃の温度上昇が発生し,その後工作物の中心に向かうに従って徐々に切削点温度は減少することが明らかになった。また,焼結ダイヤモンドバイトの剛性を求め,切れ刃への切削抵抗の作用による工具の弾性変形量を実験的に求めた。そこで,バイトの熱膨張量と弾性変形量を考慮して求めた切れ刃先端の運動軌跡と加工後の超精密切削面の形状ならびに位置を対比させ,超精密切削過程における工作物の熱膨張量は,およそ400nmであることが明らかになった。さらに,バイトの送り速度を変化させて超精密切削実験を行った結果,超精密切削面の形状精度に大きな差は認められないものの,バイトの熱膨張量が最大となる切削面の凹部の位置が送り速度の増加とともに工作物中心部に移行することが明らかになった。
著者
鈴木 美季 大橋 一晴 牧野 崇司
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.259-274, 2011-11-30

生物間相互作用がもたらす形質進化の研究では、個々の生物が果たす役割とそのメカニズムについて、さまざまな角度から調べる統合的アプローチが必要とされている。被子植物のいくつかの種が見せる「花色変化」という現象は、植物、動物の両面から興味深い問題をいくつも含んでおり、こうした研究に適している。花色変化は、送受粉の役目を終えた花をわざわざ維持し、かつ色までも変えるという不思議な現象である。この形質の適応的意義として提唱された従来の仮説には、1)古い花を維持して株のディスプレイを大きく見せ、より多くのポリネーターを誘引する効果と、花粉や蜜を含まない古い花の色を変え、株を訪れたポリネーターを若い花に誘導する効果を組みあわせることで、他家受粉を促進するというものと、2)色を変えることで報酬を含まない花の存在をアピールし、株を訪れたポリネーターの立ち去りを早める効果をつうじ、他家受粉を促進するというものがある。しかし、これらの仮説はいずれも他家受粉の測定による裏づけがなされておらず、また個々の事例に見られるちがいを十分に説明できない。たとえば、古い花を摘みとった実験では、ポリネーターの訪問が減ったとの報告もあれば変わらなかったとする報告もある。また、被子植物の中には花色変化しない種も多数を占めている。さらに、色の変化部位や変化の引き金となる至近要因には著しい種間差がある。今後は、色変化をめぐる諸形質やそれらが引き起こす効果の「多様性」に目を向け、花色変化が、どんな条件のもとで、どんな形質との組みあわせにおいて進化するのか、といったより一般的な疑問に答えてゆく必要がある。そのためには、まず第一に、花の各部位の色や蜜生産の変化パターン、個花の寿命、開花スケジュール、そしてこれらの組みあわせによって実現される株全体のディスプレイ設計について、種間比較をおこなうことが有効だろう。第二に、ポリネーターの種類や個体の学習量のちがいによって生じる、花色変化への反応の多様性を把握する必要がある。そして第三に、花の形質とポリネーターの行動の相互作用をもとに、花色変化の進化を包括的に説明するための理論の整備も望まれる。こうして植物の繁殖生態学にとどまらず、生理学、行動学、そして理論生物学を組みあわせることで、花色変化、ひいては生物間相互作用がもたらす形質進化の研究は大きな進展をとげるだろう。