著者
劉 留 朱 寧 天野 勝弘 福田 一人
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
熱工学コンファレンス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018

<p>After nature disaster such as earthquakes, flood or typhoon, usually electric breakout will occur during which portable power generators are necessary. Since conventional portable power generators use gasoline as the fuel, the exhaust gas and the smell will do damage to people's health. In this paper, we try to develop the portable power generator whose power capacity is 1 kW by reforming the conventional reciprocal gasoline engine and using hydrogen gas as fuel. An experimental system was established to measure the thermal efficiency and the output power of the reformed engine by adjusting some factors such as compression ratio, position of the intake and engine oil and so on. Based on the experimental results, it is found that output power over 1 kW and the maximum thermal efficiency was 23.42%, respectively.</p>
著者
中塚 康雄 天野 正明 垂井 健 坂本 守行 前川 明俊
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】大麦高含有食パンの普及のためには,低コストでふっくらとおいしく調製できる製パン技術の構築が喫緊の課題である。そのために大麦高含有食パンにおける製パン性支配因子とそのメカニズム,特にグルテンネットワークと食物繊維間の相互関係を検討し,大麦高含有食パンの調製技術に反映させた。</p><p>【方法】リテイルベーカリーで使用されている製パン機器類を使用して,山型食パンを調製した。基本配合は大麦粉0〜50%/小麦粉100〜50%の範囲で変化させた。それ以外の調製材料は,塩1.5%,砂糖8%,液種酵母8%のみとした。大麦粉は4品種(うるち性2種,もち性2種),小麦粉は2品種(強力粉,超強力粉)を用いた。大麦の製粉はピンミルを用いた。食物繊維と澱粉粒の解離状態をみるために,最初の製粉後に53μmメッシュの篩で分級し,53μmメッシュを通過しない粗大粒子群を再度製粉し,53μmメッシュの篩で分級し,それぞれに分級された大麦粉を用いて製パン試験を行った。次に製パン性改善の試みとして,dough ミキシング時に酵素製剤を微量添加した。大麦粉の物性評価として,食物繊維量,粒度分布,SEM形態観察を行った。製パン後の物性評価として,膨化率,表面割れ性,パン内部構造を比較し,併せて食味評価を行った。</p><p>【結果および考察】大麦品種の影響として高アミロース含量のうるち性品種が高膨化率を示した。小麦品種の影響として高蛋白質含量の超強力粉が最も高膨化率を示した。製粉〜分級の繰り返し試験では,分級後の微粒子群で膨化率の顕著な回復が見られ,食物繊維と澱粉粒の解離が進んでいた。酵素製剤の微量添加によってグルテン無添加型大麦30〜40%含有大麦パンの調製が可能となった。</p>
著者
小林 駿 桑原 剛志 川上 萌 能登 文香 天野 雅男
出版者
日本セトロジー研究会
雑誌
日本セトロジー研究 (ISSN:18813445)
巻号頁・発行日
no.30, pp.1-5, 2020 (Released:2020-11-13)

オスのマッコウクジラ(Physeter macrocephalus)は,性成熟前に出自集団を離れてオスだけの群れを形成する.商業捕鯨期には独身オス群と呼ばれる密集したオスの群れについて度々報告がなされたが,近年の調査でオスは一日の大半の時間散開して採餌しており,密集した群れ(クラスター)は滅多に形成しないことが明らかになっている.2019年9月16日,北海道根室海峡にマッコウクジラの大群が来遊した.およそ1海里(1852m)の範囲内にいる約30頭が5分程度の潜水と浮上を繰り返しながら同調的に移動し,浮上時には様々なサイズのクラスターを形成した.この日確認された最大のクラスターは18頭で,根室海峡で調査を開始した2006年以降に目撃されたものの中で最大であった.この日観察した個体はいずれも体長10 m前後で,通常この海域で見られる個体よりも小さく,子連れの個体が見られなかったことから,性成熟前のワカオスだと考えられた.また船上からの観察中,この集団は一般的な水平移動速度よりも速い速度で移動し,メスの群れが捕食者に襲われた際にとるマーガレットフォーメーションに似た陣形を二度に渡って組んだ.今回のように大規模で密集したオスの群れやその行動についてはこれまでに観察例がなく,オスの社会構造を理解する上で重要な知見であると考えられる.
著者
天野 敦子 小美濃 亜矢子
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 芸術・保健体育・家政・技術科学 (ISSN:03887367)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.111-118, 1991-02-20

This study is the product of a questionaire answered by 100 American school nurses in October, 1986 and 261 Japanese "yogo teachers" (school health teachers) in November, 1986. The thesis describes the extent to which activity types is correlated with feelings of job satisfaction. Multi-variate analysis was used. These points became clear : 1) Job satisfication for "yogo teachers" in Japan is greatest where they are able to spend more time on counseling activities, and where they have positive attitudes toward physicians. 2 ) Job satisfaction in the U. S. A. is correlated to the nurse's ability to spend more time on health examination. 3 ) Plofiles which include age, academic background, experience, kind of school and the number of pupils seen were found to be not correlated with feelings of job satisfaction in either country. 4 ) Job satisfaction in both countries is enhanced where they can spend more time on health observation activities. 5 ) The spending of more time at staff meetings, precludes feelings of satisfaction in both countries.And those with positive attitudes toward teaching could not achieve job satisfaction.
著者
天野 定雄 黒須 康彦 中山 寿之 三宅 洋 松田 健 遠藤 潔 上田 仁 森田 建 佐藤 公望
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.2313-2320, 1991-10-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
13

最近9年間に経験した鼡径部ヘルニア821例について統計的観察を行い,また施行された手術術式,術後合併症,術後再発,術後愁訴などについて検討した.ヘルニア種別頻度では外鼡径ヘルニアが76.1%,内鼡径ヘルニアが13.6%,大腿ヘルニアが8.2%,内外鼡径ヘルニアが1.9%であった.手術術式は外鼡径ヘルニアではMarcy法,内鼡径ヘルニア,大腿ヘルニア,内外鼡径ヘルニアではMcVay法が最も多く行われていた.術後合併症は3.7%に認められ,血腫形成が最も多かった.再発率は全体で3.1%であった.内鼡径ヘルニア型再発と大腿ヘルニア型再発が主であり,これらの症例の中には全身の併存疾患を有していたものが多かった.術式別愁訴に関してはMcVay法で程度は軽いものの牽引痛の頻度が著しく高かった.再発や愁訴を減少させるためには,ヘルニアの基本的な理解と確実な手術手技が重要と思われた.
著者
山田 浩二郎 増本 幸志 天野 尽 杉本 一郎 杉木 大輔 松島 久雄
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.738-747, 2017

<p><b>背景と目的</b>:埼玉県東部地域では2008年より救急搬送された重症・リスク受傷機転例はメディカルコントロール(以下,MC)担当医が地域で独自に作成した外傷活動記録票(以下,外傷検証票)を用い面談式および書面式事後検証を行うと計画としたが,面談式検証のみ実施されていた。そこで2014年4月より書面式該当例は消防組織内で一次検証し,医師および救急救命士により構成されるワーキンググループ(以下,WG)で二次検証する方式へと変更した。今回制度変更による書面式検証の実施率,検証結果の共有および検証の妥当性などについて検討したので報告する。<b>対象と方法</b>:調査対象;本MC 協議会管内における制度変更前2012 年1 月より1 年間(12消防組織)および変更後2014年4月より1年間(統合された8消防組織)とした。調査項目;1.外傷症例の一次検証(面談式・書面式)実施の有無。2.重症以上の外傷症例数及び一次検証数。3.事後検証結果の消防組織内における共有の有無。4.制度変更後における一次検証と二次検証の結果を比較し妥当性を評価した。<b>結果と考案</b>:1.一次検証は変更前,半分の6消防組織で実施され,その方法は面談式0,書面式6であった。変更後は全8消防組織,その方法は面談式2,書面式7(重複あり)であった。2.重症以上の外傷症例数及び一次検証数はそれぞれ変更前908件,207件(23%),変更後は945件,468件(50%)であった。3.変更前検証結果共有は6消防本部であったが,変更後全消防本部で閲覧可能としていた。4.回収した一次検証書類中約10%にWGによる検証評価の修正が必要であり,各消防組織を通じフィードバックを行った。外傷症例の書面式事後検証に外傷検証票を用いた一次検証を導入しその質を二次検証で確認するMC担当医の負担を著しく増大させない制度変更は,検証の質を維持しつつ検証実施対象事例を増加させ得る一方策である。</p>
著者
西山 孝樹 藤田 龍之 天野 光一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.13-31, 2019 (Released:2019-02-20)
参考文献数
39
被引用文献数
1 2

わが国の近世以降に実施された社会基盤整備は,現代へ繋がる萌芽であったとされる.しかし,江戸幕府下に実施された先の整備は,一次史料から網羅的に明らかになっていないのが現状である. そこで本研究では,幕府が編纂した公式記録『徳川実紀』を用いて,江戸時代前中期に実施された道路行政政策に着目した.その結果,「道路」に関する記述は,維持管理等を定めた「規則の制定」に関する記述が最も多かった.一方,「道路」の新規造成や補修等,「道路施工」に関するものは非常に少ない状況であった.研究対象とした時代は,「道路」の維持管理は行われたものの,幕府直轄による道路造成は積極的に行われていなかった.幕藩体制を維持するために江戸へ攻め込まれることを防ぐ必要もあり,土木工事を抑えていたと推察される状況にあったことを示した.
著者
石田 久之 天野 和彦
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.6-10, 2009-12

欧米の字体については、Russell-Minda, E. 他(2007) [1] により、 Times New Roman のような“ひげ飾り(上下端の細い飾り)”のある文字(セリフ文字)よりも、Arial(アリアル/エアリアル)、Verdana(ベルダナ)などのひげ飾りのない文字(サンセリフ文字)が、視覚障害者には読みやすいと報告されている。これをふまえ、日本語の書体について、視覚障害学生の読みやすい文字を、以下のように解説した。第1 に、使用する文字の大きさと無関係に、明朝系の文字を好む学生は多くはない。第2 に、14ポイントのような比較的小さな文字を使う学生は、MS ゴシックやHG 丸ゴシックなど、あまり太くないゴシック系の文字を好む。しかし、使用する文字が大きくなるにつれ、ゴシック系でも太い字体、MG ゴシックやHGS 創英角ゴシックへと読みやすい書体が移っていく。
著者
水谷 智洋 志塚 ふじ子 松澤 恒友 天野 良彦 蟻川 幸彦
出版者
長野県工業技術総合センター
雑誌
長野県工業技術総合センター研究報告 (ISSN:18813119)
巻号頁・発行日
no.9, pp.174-176, 2014

当センターでは,栗渋皮抽出物に,in vitroで抗糖化活性があることを見出した。そこで,in vivoでの効果を検討するために,ストレプトゾトシン(STZ)誘導1型糖尿病モデルラットに,4週間の混餌投与を行った。その結果,抗糖化効果は確認できなかったが,腎臓において,酸化ストレスの指標であるTBARSの上昇を有意に抑制し,抗酸化効果があることが示唆された。
著者
天野 治
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.48, no.10, pp.759-765, 2006-10-30
参考文献数
7
被引用文献数
2 2

<p> 石油は1次エネルギーの40%を占め, われわれの生活を豊かなものにしている。ところが, われわれ人類は, 石油をこの50年で半分使いつつある。それも取り出しやすい, 経済的なものから使っている。残っているものは, 取り出すためにエネルギーがかかるものである。得られるエネルギーを取り出すためのエネルギーで除したものがEPR (energy profit ratio, エネルギー収支比) である。EPR=1はエネルギーを得るのと, 取り出すためのエネルギーが同じことを意味する。これは, 益がない。取り出すためのエネルギーとして, そのためにかかるすべての項目を可能な限り算定する。燃料の採掘, 輸送, 発電所の建設, 運転, 補修, 廃炉, 廃棄物処理・処分までを含む。EPRが高いことは, 石油の代替として有力な候補となる。</p><p> ウラン濃縮に遠心分離法を用いた原子力発電はEPRが高い。従来のガス拡散法はウラン濃縮に莫大なエネルギーが必要となり, 人力エネルギーを大幅に増加させるため, EPRは低くなる。EPRを高めるには, 出力エネルギーを増加させることも有効な方法である。具体的には, 稼働率を向上させること, 定格出力を上げることである。</p><p> 風力発電や太陽光発電のEPRは高くはない。これは, 風の強さ, すなわち出力エネルギーが定格の60%以下と低いことと稼働率が低いことによる (風力は風が吹いている間, 太陽光は日中のみ)。LNGは気体であり, 輸送のために液化するエネルギーを費やすので, 石油火力や石炭に比べてEPRは低い。</p>
著者
天野 晶子
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

Senescence marker protein(SMP30)は加齢に伴い肝臓で減少する。SMP30は、多くの哺乳類の体内でビタミンC合成に必須の酵素グルコノラクトナーゼである。ヒトと同様に、SMP30遺伝子を破壊(ノックアウト)したマウス(SMP30-KOマウス)はビタミンCを生合成しない。SMP30-KOマウスはビタミンCの長期的な不足で寿命が短縮する。ヒトでは、血中ビタミンCが加齢で減少する。従って、老化とビタミンCの不足には、密接な関係が窺える。ビタミンCは、カテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)の生合成酵素、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)及びドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ(DBH)の活性化に補因子として必要とされる。ビタミンCの加齢に伴う減少により、カテコールアミンも減少する可能性が考えられる。カテコールアミンは脳や副腎で合成され、神経伝達物質やホルモンとして重要な役割を担うとされる。しかしながら、ビタミンCの生体内におけるカテコールアミン合成系への役割は不明な点が多い。そこで本年度は、ビタミンC欠乏状態のSMP30-KOマウスにおけるカテコールアミン濃度およびカテコールアミン生合成酵素の遺伝子発現の変化を調べた。結果、ビタミンCの欠乏した副腎においてアドレナリン、ノルアドレナリン濃度が減少した。従って、ビタミンCは生体内で確かにDBHの活性化に必要であることを明らかにした。本成果はEuropean Journal of Nutritionに投稿、受理された。更に、カテコールアミンが加齢依存的に生体内で減少するかを明らかにするため、野生型マウス副腎におけるカテコールアミン濃度、および合成酵素の遺伝子発現の加齢に伴う変動を調べた。本研究により、マウス副腎でカテコールアミン濃度およびアドレナリン合成酵素のフェニルエタノールアミンNメチルトランスフェラーゼの発現が加齢で減少することがわかった。本成果は、Geriatrics & Gerontology Internationa1に掲載された。