著者
佐藤 禎紀 柏原 昭博 長谷川 忍 太田 光一 鷹岡 亮
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1P3OS2103, 2019 (Released:2019-06-01)

Web調べ学習では,Web空間を探索して与えられた課題(初期課題)に対して網羅的,体系的な学習が求められる.一方Web空間では,学ぶべき項目や順序(学習シナリオ)は与えておらず,学習者は学習課題に対する知識構築と次に学ぶべき課題の展開を並行して行うため,認知的負荷が高い.筆者らはWeb調べ学習におけるプロセスをモデル化したWeb調べ学習モデルを提案し,そのモデルに沿った学習を促すシステムiLSBを開発した.一方で学習者はiLSBを用いても初期課題と関係ない課題を展開する場合があり,学習シナリオの診断が必要である.しかし一般的な,解となるシナリオと学習者のシナリオの比較による診断は学習者の主体性を阻害してしまう.そこで本研究では,Web上の関連データをリンク付けしたLOD(Linked Open Data)を用いて,学習者の主体性を阻害せず課題展開を診断することで,より妥当なシナリオ作成を促す手法を提案する.また,本稿では提案手法の評価実験を行った.その結果,提案手法は学習者の課題展開への見直しを促し,妥当なシナリオ作成に有効であることが示された.
著者
石津 宏 豊里 竹彦 太田 光紀 森山 浩司 大城 和久 輿古田 孝夫 津田 彰 矢島 潤平 兪 峰 吉田 延
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.671-680, 2004-09-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
34

本研究は,固有の祭祀行事が生活の中に息づく沖縄県知念村久高島の高齢者を対象とし,主観的幸福態と健康状態を調べ,その関連要因を検討するとともに,唾液を採取し,その中に含まれるS-IgAや,脳内神経伝達物質の主要代謝産物であるMHPGを測定し,心身相関について検討することを目的とした.久高島で年間20数回も行われる神聖な祭祀行事が,高齢者の主観的幸福感,抑うつ感などのメンタルヘルスや免疫系統に与える影響についても検討した.その結果,久高島の高齢者(65〜96歳,50名)の健康度自己評価は前期高齢者,後期高齢者とも高く,健康老人が多かった.また,健康度自己評価とWHO/QOL26,LSI-K,PGCモラールスケールの3尺度間に有意な正の相関がみられた.唾液中S-IgA値は,70代,80代,90代とも高く,年齢による減弱はみられていない.S-IgAに関与する因子は重回帰分析の結果,WHO/QOL26の下位項目「手段的自立」と有意な関連がみられた.神事を経験した高齢女性では,神事(「祭り」)の後には,唾液中free MHPGが減少する傾向こあった(p<0.10).このことから,久高島高齢者は主観的な健康だけでなく,実際の免疫系統も健康であるという心身相関が示唆された.久高島の伝統的な祭祀行事は心身の安らぎを与え,高齢者のメンタルヘルスと健康に重要な関わりをもつことが示唆された.
著者
森山 浩司 石津 宏 輿古田 孝夫 豊里 竹彦 太田 光紀 大城 和久 馬 宏坤 兪 峰 佐和田 重信 柳田 信彦 名嘉 幸一 和氣 則江 吉田 延
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.661-669, 2004-09-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

健康長寿要因としてのメンタルヘルスの重要性を研究するために,長寿地域である沖縄県北中城村と固有の祭祀行事が生活に息づく知念村久高島において,高齢者の主観的幸福感と健康状態の関連要因について検討した.分析対象は,北中城群173名(男性75名,女性98名),久高群77名(男性24名,女性53名)の65歳以上の高齢者である.主観的幸福感(生きがい感)の指標としてPGCモラールスケール,生活満足度尺度K(LSI-K)を用い,健康度自己評価得点に及ぼす関連因子について重回帰分析を行った.健康度自己評価得点と有意な関連要因は,北中城群ではPGOモラール得点,学歴,久高群では老研式活動能力指標,女性,LSI-K得点,小遣いであった.また一方,主観的幸福感に影響を及ぼす関連因子として健康度自己評価,老研式活動能力指標などがみられたことは,心の健康状態と体の健康状態は表裏一体であることを示している.健康度自己評価にPGOモラール得点,LSI-K得点が有意に関連を示したことは,身体の健康状態の生成に主観的幸福感(生きがい感)がヘルスプロモーション要因として関与することを意味する
著者
太田 光輝 丁 林堅
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会年報 (ISSN:03888258)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.41, pp.9-11, 1994

イネ育苗期に発生する苗立枯細菌病及びもみ枯細菌病の同時防除を想定して, 種子消毒及び土壌施用薬剤について検討した。その結果, 従来から防除効果が認められていたコサイドSD, スターナ水和剤, カスミン粒剤単用以外に, 種子消毒剤 (テクリードCフロアブル, ヘルシードT水和剤, スポルタックスターナSE, ベンレートT水和剤) と床土施用剤 (カスミン粒剤) との併用による防除効果が高いことが判明した。
著者
植竹 勝治 大塚 野奈 長田 佐知子 金田 京子 宮本 さとみ 堀井 隆行 福澤 めぐみ 江口 祐輔 太田 光明 田中 智夫
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.192-198, 2007
参考文献数
20

動物介在活動(AAA)に飼い主と共に参加する飼い犬(Canis familiaris)のストレス反応を、尿中カテコールアミン濃度を測定することにより調べた。イヌの覚醒状態に影響すると考えられる次の2要因について検討した: 特別養護老人ホームでのAAAへの参加日数(現地調査1)および対面式での活動時における老人の座席配置(車座と並列)(現地調査2)。現地調査1では、新規参加犬8頭の活動前から活動後にかけた尿中ノルアドレナリン濃度の上昇量が、参加日数が経過するにつれて直線的に低下した(尿中ノルアドレナリン濃度の上昇量に対する参加日数(毎月1回の参加で計9日間)の回帰係数-1.213,R^2=050,P<0.05)。その一方で、活動中の各セッションにおいて、姿勢や行動を相対的に長く抑制された場合には、アドレナリン(長い抑制15.03±9.72ng/mL vs.短い抑制4.53±2.94ng/mL)とノルアドレナリン(長い抑制12.26±8.80ng/mL vs.短い抑制3.62±3.62ng/mL)の濃度上昇は、相対的に短い抑制の場合に比べていずれも有意に大きかった(共にP<0.05)。現地調査2では、尿中カテコールアミン濃度の上昇は、老人の座席配置、すなわち車座(12頭,アドレナリン10.73±9.77ng/mL;ノルアドレナリン7.13±8.01ng/mL)と並列(11頭,アドレナリン13.37±10.63ng/mL;ノルアドレナリン5.70±5.19ng/mL)間で差がみられなかった。これらの結果から、月1回の参加でも、飼い主と一緒であれば、特別養護老人ホームという新規な環境とAAAの雰囲気に、イヌは容易に順応することができ、また見知らぬ老人に囲まれたとしても、特に緊張を感じていないことが示唆された。
著者
井埜 利博 岡田 了三 太田 光煕 高橋 和久 稀代 雅彦
出版者
群馬パース大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

【背景】妊娠中に喫煙した母親から生まれた児は肥満になると報告されているが、他の?絡因子から独立した危険因子かどうか不明である。今回、受動喫煙検診および小児生活習慣病検診を受けた児童において母親の妊娠中喫煙と児童の体格変化について横断的調査を行なった。【対象・方法】対象は小学校4年生1366名(男女比1.1:1.0、年齢は9~10歳)。全例、受動喫煙検診および小児生活習慣病検診を受診した児童で、尿中コチニン濃度および生活習慣病検診項目(体重、身長、肥満度、BMI、脂質検査および受動喫煙・生活習慣アンケート調査)などについて、母親の妊娠中喫煙の有無との関連性を調べた。また、一部症例については尿中80HdG濃度を測定し、酸化ストレスとの関係についても検討した。【結果】母親が妊娠中喫煙している児はBMIおよび肥満度が増加しており(BMIは17.2±2.7kg/m^2vs16.9±2.5kg/m^2,p=0.016、肥満度は2.7±14.3%vs0.4±14.0%,p=0.003)、妊娠中の喫煙期間が長い程、増加の程度が大きかった。そのBMI・肥満度の増加は身長の低下および体重の増加によるものであった。児の?絡因子との関係では「家族と一緒の朝食」「夕食時のテレビ」「就寝前飲食」「テレビ視聴≧2時間」「睡眠時間<8時間」「スポーツの有無」などの項目で有意差があった。しかし、母親の妊娠中喫煙はそれぞれの?絡因子ごとにBMIおよび肥満度の有意差をみとめた。一方、受動喫煙を受けている児では尿中80HdGとBMIは負の関係があり、BMIが低い方が基礎代謝が高いことを示唆していた。【結論】母親の妊娠中喫煙は児が9~10歳になった時に、BMIおよび肥満度の増加をもたらす危険因子であり、他の?絡因子の影響を受けない独立した因子であると考えられる。妊娠年齢の女性は妊娠の有無に拘わらず喫煙しないことが望ましい。
著者
太田 光一
雑誌
会津大学文化研究センター研究年報
巻号頁・発行日
no.11, pp.23-32, 2004 (Released:2014-12-05)
著者
田中 智夫 太田 光明 植竹 勝治 江口 祐輔 タナカ トシオ オオタ ミツアキ ウエタケ カツジ エグチ ユウスケ Toshio Tanaka Mitsuaki Ota Katsuji Uetake Yusuke Eguchi
雑誌
麻布大学雑誌 = Journal of Azabu University
巻号頁・発行日
vol.11/12, pp.126-129, 2005 (Released:2012-09-12)

動物介在療法AATや動物介在活動AAAにに参加するイヌには,何らかのストレスが負荷されていることが知られていることから,本研究では,AAAにおける活動形態の違い及び活動経験に伴う慣れと,イヌのストレスとの関係について調査することを目的としたが,初年度はまず1つの施設において,慣れについて検討した。都内の特別養護老人ホームで活動するボランティア団体を調査対象とし,1年間にわたり毎月1回の活動時におけるイヌの行動と,活動前後の尿中カテコールアミン濃度を測定した。その結果,A及びNAの活動前後の濃度差は,活動回数を重ねるごとに直線的に有意に減少し,介在活動に参加するイヌは,活動への参加初期には少なからずストレスを感じていることがうかがわれた。また,介在活動に参加するイヌのストレスは,ヒトとの直接的な触れ合いというよりは,高齢者施設などの新奇刺激のほうが大きく影響しており,ハンドラーによる日常と異なる場面での行動・姿勢の制御も大きく関わってきていることが示唆された。2年目には,活動形態の異なる施設(高齢者が円状に位置し,その中を活動スペースとする「イヌが囲まれる」方法と,高齢者が向かい合って2列に並び,その間を活動スペースとする「イヌが囲まれない」方法)において,同様の活動を行うボランティア団体を調査対象として,原則として1年間毎月1回の調査を行った。いずれの施設においても,供試犬の尿中カテコールアミン濃度は,活動日の朝に比べて活動後に有意に上昇した。しかし,活動形態の違いによる差は認められず,高齢者の並び方といった要因は,「触れられる」,「行動を制御される」などの負荷がかけられる中では,大きな影響は認められなかった。各行動形の生起頻度や時間にも,活動形態による違いは認められなかった。なお,イヌの体格によって,ふれあい活動の内容や状況が異なることから,今後,犬種や活動内容とストレス強度との関係についても検討が必要であろう。 Stress states of dogs under an animal-assisted activity (AAA) in a nursing home were assessed by observing the dogs' behavior and urinary catecholamine concentration. In the first year, data collection was done every month in order to study the effects of habituation to AAA on the stress level changes of dogs. The results showed that even the dogs with AAA experience might feel some degree of psychological stress during AAA especially in the novel environment. Behavior of dogs was not affected by the AAA experience. In the second year, the similar program was conducted in the other three nursing homes, and the effects of contents of AAA were studied. In the two homes, the elder people sat in a circle around the dogs and their owners (C). In another home, the elder people sat in a double rank (R). Twenty-four dogs aged 2.3-7.7 years were used in total. Urine was gathered on the previous day of AAA (T1), in the morning of AAA (T2) and just after AAA (T3). Catecholamine concentrations of T1 and T2 urine were significantly different (p<0.01). Therefore, T2 urine was used as a baseline, and the difference of catecholamine concentrations between T2 and T3 urine was compared between C and R. Adrenaline (A) and noradrenaline (NA) concentrations of T3 urine were significantly higher than those of T2 urine in both C and R conditions (all : p<0.05). Dopamine concentrations of T3 and T2 urine were almost the same. These results showed that the dogs might feel some degree of psychological stress during AAA program. But the contents of AAA especially the position of elder people did not affect the stress level of the dogs.
著者
太田 光雄 三谷 康夫 中迫 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.96, no.163, pp.75-82, 1996-07-19

本報告では, D. Middletonの確率的評価理論との具体的関連性に着目し, 自乗平均操作をもつReceiverにより観測されたパワー状態変量に対する確率表現を多次元信号空間内におけるN次元ランダムウォークモデルのもとに, 高次ハンケル変換型特性関数を導入して考察する。本理論の正当性は, スペシャルケースとしてD. Middletonの基礎理論との一致性を示すことにより証明される。更に, 波動環境の確率評価の問題として, 電磁環境や音環境の実測データにも本理論を適用し, その有効性を実験的にも検証する。
著者
垣花 シゲ 眞榮城 千夏子 太田 光紀
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

前回の研究課題(基盤(C) 2006-2008)で開発した「途上国を対象とした感染看護教育プログラム」を実践に応用して効果を見た。プログラムの内容は、感染源別院内感染調査と標準予防策の実践である。まず、院内感染調査結果の共有を目的にラオスの協力3施設でセミナーを開催した。今研究の重点教育は、滅菌物品の清潔な保管、手術創の清潔、カテーテル挿入の際の滅菌操作等であった。プログラム評価として実施した質問紙調査および感染兆候を示す患者の減少から感染看護教育プログラムの効果が示唆された。
著者
田村 智樹 太田 光浩 児玉 淳一 吉田 豊
出版者
一般社団法人資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.128, no.2, pp.65-71, 2012-01-25 (Released:2013-06-26)
参考文献数
14

Recently, old narrow tunnels are reused by widening their sections for economic efficiency. New design concept will be required in their construction because excavation damaged zone (EDZ) might be already formed around old tunnels. Especially, estimation of EDZ extent is necessary for safe construction and stability assessment of a widening tunnel. In this study, EDZ around an old tunnel constructed in the Neogene soft rock seventy years ago was estimated based on P-wave velocity and observation of the face during widening. Deformation caused by widening the old tunnel was also measured. It was found that EDZ estimated by reduction in P-wave velocity was in good agreement with that estimated by observation of the face. It was also found that deformation of the widening tunnel was much less than that of either the old tunnel or a new tunnel constructed near the widening tunnel. In the widening tunnel, most of EDZ had been excavated and non-damaged zone outer side of the EDZ had been little excavated. It can be expected that deformation of a widening tunnel is little when the section size of that is almost equal to extent of EDZ.
著者
細川 利典 平岡 敏洋 太田 光保
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1736-1744, 1999-04-15
参考文献数
21

順序回路に対するATPGを困難にする構造として平衡再収斂構造を定義し 平衡再収斂構造の段数を削減するアプローチと 経路数を削減するアプローチについて 故障検出効率が十分に上がらない(83?95%)実際の無閉路順序回路を用いて スキャン化率と故障検出効率の解析を行った. その結果 平衡再収斂構造の経路数を削減するアプローチが より少ないスキャン化率で十分に高い故障検出効率(99%以上)を達成できるという点で効果的であることが分かった. また平衡再収斂構造の経路数を削減するアプローチは従来故障検出効率の向上に効果的であると知られている順序深度を削減するアプローチよりも効果的であることが分かった.We define a balanced reconvergence structure that makes ATPG for sequential circuits difficult. We compared an approach that reduces the number of paths of balanced reconvergence structures (path reduction approach) with an approach that reduces the depth of balanced reconvergence structures (depth reduction approach) for practical acyclic sequential circuits the fault efficiencies of which are not enough high. Experimental results show that the path reduction approach is more effective than the depth reduction approach because fewer scan flip-flops are required to achieve a high fault efficiency (99%). The results also show that the path reduction approach is more effective than a conventional sequential depth reduction approach.
著者
貴島 正秋 井ノ口 淳三 太田 光一 相馬 伸一 藤田 輝夫
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

『日本コメニウス』において貴島が「コメニウスの『汎知学校の輪郭』における理想的な学校構想」藤田が「コメニウスの『汎知学の序曲』の翻訳」,太田が「Acta Comeniana,14-17について」,相馬が「J. A.コメニウス文献のデジタル化について」,藤田が「J. Aコメニウス『青少年』に使用させるために集めた『作法』の『規則』の翻訳」,井ノロが「コメニウスの関係文献目録2002-2005」,Comenius-Jahrbuch(Band9-10)に,相馬が「Kyoiku Sisou to Dekaruto retsugaku」,世界新教育学会に貴島が「ユネスコの礎えを築いたJ. A. Comeniusの精神」「コメニウスと世界平和」,日本教育学会で貴島が「初期コメニウス思想=迷宮からの脱出」,相馬が「ユートピア思想史から見た『地上の迷宮と心の楽園』」,太田が「藤田輝夫のコメニウス研究(1973-2004)」発表,『日本のコメニウス』第15号は2004年9月21日死去した藤田の追悼号にしてメンバーその他関係者が故人を偲んだ。
著者
太田 光雄 宮田 繁春
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.30, pp.1-8, 1991-05-24

超音波B-モード画像上には、複雑な斑紋状のパターン(スペックル・パターン)が現われる。このスペックル・パターンを統計信号処理の手法により解析しておくことは超音波画像診断の意味からしても重要なことである。本報告では、生体内の秩序・無秩序部分から発生したスペックル画像のメカニズムを、ShannonのN次元信号空間内に於ける酔歩モデルとして捉え、新たにHankel変換型特性関数を導入することにより、各要素酔歩ベクトルの合成に対する揺らぎ分布を理論的に導く。更に、これが公知のRay1eigh分布、Rician分布をスペシャル・ケースとして内包することを証明した後、実験的な確認をも行なった。
著者
小澤 朗人 西東 力 太田 光昭
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.161-168, 1999-11-25
被引用文献数
5 16

施設トマトのマメハモグリバエに対するイサエアヒメコバチ<i>Diglyphus isaea</i>の単独放飼による密度抑制効果を小規模な温室を用いて検討した.試験は,2月から5月の春期(試験1)と5月から7月の初夏期(試験2),6月から8月の夏期(試験3)の3回行い,試験3では細かな目合いの防虫網を張って隔離条件とした.<br>1. 試験1では,寄生蜂の雌成虫0.13頭/株を1週間間隔で5回放飼した.同様に試験2では0.19頭/株を8回,試験3では0.15頭/株を3回放飼した.<br>2. その結果,寄生蜂放飼区におけるマメハモグリバエ幼虫密度は,無放飼区と比較して,試験1では約1/4,試験2では1/36,試験3では約1/10に抑制された.<br>3. 放飼区におけるマメハモグリバエ幼虫の死亡率は,試験1では90.9%,試験2では98.4%に,試験3では100%に達した.<br>4. 放飼区における空の潜孔密度は,試験1では無放飼区の約1/6以下の1.3個/葉,試験2では約1/16の2.2個/葉,試験3では約1/6の3.4個/葉であった.<br>5. 放飼区における蛹トレイへの落下蛹の総数は,試験1では無放飼区の約1/10,試験2では約1/200であった.また,試験3における黄色粘着トラップへのマメハモグリバエ成虫の誘殺数は,放飼区は無放飼区の約1/20であった.<br>6. 寄生蜂の種類とその寄生率は,試験1ではイサエアヒメコバチのみが確認され,その寄生率は放飼区では86.5∼92.3%,無放飼区では0∼2.1%であった.試験2では,イサエアヒメコバチ以外の土着種が優占種となり,イサエアヒメコバチを含めたこれらの寄生率は38.9∼86.7%であった.一方,無放飼区は0%であった.試験3では,イサエアヒメコバチのみが確認され,7月下旬の放飼区の寄生率は95.1%,無放飼区は88.2%であった.<br>7. 以上から,春から夏にかけての高温期における施設トマトのマメハモグリバエに対するイサエアヒメコバチの実用性は高いことが示唆された.