著者
上田 祐彰 大内 大輔 高橋 健一 宮原 哲浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.9, pp.691-701, 2003-09-01
被引用文献数
4

大学を対象とした時間割作成問題への遺伝的アルゴリズム(GA)の適用について考察する.本論文で対象とする問題は,授業の時間割表への配置と各授業で使用する教室の割当ての双方を扱い,実施可能かつ教員の要望を充足した時間割表の導出が目的である.実施可能な時間割表を効率的に探索する手法として,授業の時間割表への配置を扱う遺伝子操作と教室の割当てに関する遺伝子操作を分割して実施する手法(分割GA)が提案されているが,様々な規模,複雑さをもった問題に対して分割GAが有効であるか否かは検証されていない.本論文では,分割GA,単純GAを応用した手法(SGA),授業の時間割表への配置を決定した後に教室の割当てを行う手法(逐次GA),教室の割当てを行う代わりに授業配置に対して適切な教室の割当てが行えるか否かを検査する手法(SGA2),焼なまし法を応用した手法(SA),及びタブサーチを応用した手法(TS)の6手法を実装し,比較実験を行った.時間割作成問題生成プログラムによって生成された問題と現実の時間割作成問題とを用いた実験の結果,ほとんどの問題に対してSGA2が良好な結果を導出できることが示された.また,授業の開講率が高い問題に対しては分割GA,問題の規模が大きく複雑性の高くない問題に対しては逐次GA,規模が小さく制約条件の多い問題に対してはSAが適していることも示された.
著者
中村 剛也 本間 隆満 宮原 裕一 花里 孝幸 朴 虎東
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.851-862, 2013 (Released:2013-09-17)
参考文献数
31
被引用文献数
1 1

諏訪湖の Microcystis の見かけの比増殖速度や最大現存量に対して湖水回転率が与える影響を 1992 年から 2003 年で調査した。20% day−1 以上に達するようなフラッシング時に加えて対数増殖期の回転率の上昇が 2% day−1 以上に達すると,Microcystis の見かけの比増殖速度は抑制され始めた。6 月から 7 月の回転率が Microcystis の最大現存量に強い影響を与えていることが示唆された。本研究は短期・長期的な湖水回転率が Microcystis に影響を与えていることを示すものである。
著者
豊田 政史 加藤 宏章 今井 晶子 宮原 裕一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_1465-I_1470, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
21

Numerous attempts have been conducted in order to recover emergent plants and submerged plants in various lakes. However, floating-leaved plants, which make water quality worse, have been rarely focused. The purpose of this paper is to evaluate the effect of mowing down the floating-leaved plants area partially in Lake Suwa, where floating-leaved plants-dominated state is observed in shallow zone. We measure water temperature, turbidity and water velocity inside and outside of the floating-leaved plants area. It is confirmed that 1) The variation range of water temperature inside of floating-leaved plants area is smaller than that of outside. 2) Floating-leaved plants lessen the vertical water circulation. 3) Outside of floating-leaved plants area is easier to be influenced by cold water than inside when cold water intrude into water grass area. 4) Turbidity inside of floating-leaved plants area is higher than outside. 5) The leaves of floating-leaved plants become the resistance of surface current.
著者
鈴木 穣 宮原 茂 竹石 和夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
衛生工学研究論文集 (ISSN:09134069)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.65-74, 1990-12-20 (Released:2010-03-17)
参考文献数
8

An oxygen supply method to wastewater using gas permeable film in the form of tube was investigated for the purpose of reducing energy consumption for supplying oxygen. Oxygen transfer rate was measured in the case with or without biofilm, which proved the high rate of oxygen transfer with nitrifying biofilm supplied with ammonium substrate. Simultaneous nitrification and denitrification occurred, when the tube with nitrifying biofilm was applied to the treatment of wastewater, resulting in the high rate of organic matter removal. However, periodic sloughing of denitrifying biofilm which formed on the nitrifying biofilm was needed to keep the oxygen transfer rate high. Energy comsumptiom of the process using this tube was calculated to be less than 40% of that of the activated sluge process.
著者
宮原 洋八 竹下 寿郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.155-159, 2004-06-20
被引用文献数
4

この研究の目的は地域在住高齢者を対象に健康寿命と運動能力の関連を調査し,日常生活活動低下の因子を明らかにすることである。奄美大島の笠利町(総人口は6900人)に居住する60歳以上90歳未満の在宅高齢者2578人を,(1)性別(男,女),(2)年齢(60〜69歳,70〜79歳,80〜89歳),(3)居住地域(8集落)の3要因により15%順化抽出し,地域代表性のある386人を対象とした。そのうち日常生活が自立していた323名(男性113名,女性210名,年齢60歳から89歳)を対象に,ベースライン測定時の運動能力(握力,長座作前屈,閉眼片足立ち,10m最大歩行速度)により,3年後の日常生活活動における自立,非自立状態をどの程度予測できるかを検討した。測定された運動能力はすべて年齢と有意な負の相関を示した。日常生活の自立率は,年代が上がるにつれて減少し,3年間の追跡により日常生活活動の低下に関する要因を分析した結果,握力,10m最大歩行速度と関連があった。
著者
豊岡 示朗 足立 哲司 宮原 清彰 松生 香里 福嶋 利浩 鈴木 従道
出版者
大阪体育大学
雑誌
大阪体育大学紀要 (ISSN:02891190)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.27-38, 2000-07-01
被引用文献数
1

The physiological factors that relate to marathon running performance were studied in 24 marathoners of three different categories (Elite Runners, Good Runners and Slow Runners). Oxygen uptake at average marathon speed (AMS) was significantly correlated (r = 0.93) to performance in the marathoners. This showed a significant difference in the three categories. Also, this data indicate that marathon performance of sub 2: 30 (ER) and sub 3 : 00 (GR) need respectively above 54 ml/kg/min and 45 ml/kg/min during the race. It was suggested that these differences at AMS were dependent on the difference VO_2/kg at 2.5 mM and 3.0 mM (r^2 = 82〜84%) in three categories. The two factors that contribute to VO_2/kg at 2.5 mM and 3.0 mM are: VO_2 max/kg (r = 0.83〜0.88) and average weekly distance (r = 0.64〜0.66). VO2/kg at fixed blood lactate concentration of 2.5 mM, 3.0 mM and 4.0 mM were significantly correlated to AMS (r=0.80〜0.82). There were no differences in the three categories in delta speed and V0_2/kg while increasing from 2.5 mM to 4.0 mM, which means the aerobic-anaerobic transition. The delta values were 20.8〜24.6 m/min in speed and 4.7〜5.6 ml/kg/min in V0_2. From these results, it is indicated that marathon running performance correlates closely to V0_2/ kg at AMS and velocity and V0_2/kg at fixed blood lactate concentration of 2.5 mM, 3.0 mM and 4.0 mM, which shows a significant difference in ER, GR and SR.
著者
上林 孝豊 柳原 一広 宮原 亮 板東 徹 長谷川 誠紀 乾 健二 和田 洋巳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.566-569, 2003-07-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
12
被引用文献数
2

目的・対象: 当院で手術を施行し, 病理組織学的に肺カルチノイドと診断された20症例 (定型15例, 非定型5例) の臨床的検討を行った.結果: 定型, 非定型の5年生存率は, それぞれ86.6%, 60%であった.定型の1期症例は術式に関わらず全例, 無再発で生存中である.非定型は全例, 葉切除および肺門縦隔リンパ節郭清が行われていた.1期3症例は, いずれも無再発で生存中であるが, T2N2のIIIA期症例, T4NOのIIIB期症例は, 集学的治療にも関わらずそれぞれ術後10ヵ月後, 61ヵ月後に遠隔転移にて癌死した.定型では観察期間1~250ヵ月間 (平均観察期間72.8ヵ月) において, 5年生存率は86.6%であった.非定型では観察期間10~251ヵ月間 (平均観察期間121, 4ヵ月) において5年生存率は60%であった.まとめ: T2の定型カルチノイドに対する縮小手術の可能が示唆された.またIII期以上の非定型カルチノイドに対しては有効な集学的治療の確立が望まれる.
著者
宮原 勇
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.55-64, 1984-07-01

1 0 0 0 OA 研究ニュース

著者
藤森 淳 酒井 広文 宮原 ひろ子 横山 祐典 小林 修 青木 秀夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.10-14, 2008-09

半導体スピントロニクス材料の複雑な磁性/気体分子の向きを揃える新手法を開発/樹齢2000年の屋久杉を使って太陽活動の歴史を探る/樹齢2000年の屋久杉を使って太陽活動の歴史を探る/水中での有機合成における革新的技術を開発/鉄系新高温超伝導体の理論を提唱
著者
宮原 勇 宮浦 国江
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

研究代表者宮原は分担者宮浦と共同で「認知言語学」(Cognitive Linguistics)と現象学的言語論の統合の試みを行い、言語カテゴリー生成の一般理論の構築が目指された。そこでは、<カテゴリー生成の過程にとって具体的な身体的経験が根底において機能し、特に抽象的概念の形成やその理解にはメタファが深く関与している>ことが明らかとなった。また、その成果を承けて具体的に基本的な「哲学概念」を事例として、概念形成を最新の認知言語学のアナロジーやメタファに関する理論によって解明し、それぞれの基本的な哲学概念の根底に秘められている「根本的経験」の解明をするとともに、最終的にはアナロジーやメタファに関わる人間の根源的認知能力を現象学的観点から解明した
著者
若宮 直紀 村田 正幸 宮原 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.428, pp.79-84, 1999-11-15
被引用文献数
5

通信品質保証のないインターネットにおいては,高品質な通信を求めるデータ系アプリケーションはTCPを,高速な通信を求める実時間型アプリケーションはUDPをそれぞれ利用するため,ネットワークにはTCP,UDPの異なるプロトコルが存在している.そのようなネットワークにおいては,動画像通信に代表されるマルチメディアアプリケーションの生成する大量のトラヒックがUDPによりなんの制御も行なわれないまま転送されるため,輻輳制御を行なうTCPの使用帯域を圧迫し極端な品質劣化を招く. そこで,本稿ではTCPと公平な動画像転送を実現するため,TCP-friendlyの概念を導入したレート制御を対象に,動画像転送への適用可能性や効果的な制御手法について検討した.動画像の品質を保ちつつ,TCPと公平な通信を実現するレート制御を行なうためには,(1)制御間隔を適切に設定し,(2)ネットワークの状態を推測し,(3)TCPのスループットを推定して(4)動画像データの生成レートを調整しなければならない.シミュレーションによる評価により,動画像をRTTの約32倍の制御間隔でTCPの推定レートにあわせてMPEG-2イントラスライス符号化して送出すれば,TCPとの公平性を実現しつつ,高品質な動画像転送が可能であることを明らかにした.
著者
植村 恒仁 Uemura Tsunehito 宮原 ひろ子 Miyahara Hiroko 村木 綏 Muraki Yasushi 増田 公明 Masuda Kimiaki
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.13, pp.110-117, 2002-03 (Released:2010-06-01)

It is known that the periods when solar activity was extremely weak (so-called grand minima) existed several times in the last 1000 years. It is reported by Kocharov et al. that the solar activity periodicity during the Maunder minimum was not the 11 year variation but the 22 year variation. What does the cycle of 22 years mean? Does the periodicity of 22 years exist also in the minima other than the Maunder minimum? We have investigated the solar activity of the Sporer minimum, which preceded the Maunder minimum, in order to understand the periodicity of solar activity during the minima. Both the liquid scintillation method and the accelerator mass spectrometry method (AMS method) were used for measuring the ^<14>C concentration in annual tree rings.
著者
磯本 征雄 宮原 一弘 中野 宇宙 伊藤 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.599-609, 2000-06-25
被引用文献数
7

本論文では, ニュートン力学の学習を支援する宇宙旅行シミュレーション教材の構成と教授方略について議論する.ニュートン力学は, 物理学の中でも最も形式の整った理論の一つである.そして, 宇宙旅行は, 物理的概念の定義が明確であり, ストーリーが論理的な上に成功の是非も簡単に判断できる.こうした理由で, 宇宙旅行シミュレーションは, ニュートン力学演習のための個別学習用教材として適切である.本論文のシミュレーションは, 運動方程式, エネルギー保存則, 角運動量保存則など, ニュートン力学の基礎知識を学んだ学生のために, 更に発展した学習のための演習用教材として設計されている.学習者は, 的当てゲーム, 人工衛星の打ち上げ, 人工衛星のドッキング, 月旅行, 火星旅行といったシナリオの中で, ニュートン力学の応用場面を体験できる.この宇宙旅行シミュレーションを使って, 学習者は, 抽象的なニュートン力学と具体的な宇宙旅行の関係を学ぶことができる.
著者
羽柴 哲夫 山田 正信 本郷 卓 宮原 永治 藤本 康裕
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.301-306, 2010-05-25 (Released:2010-07-09)
参考文献数
5

症例は67歳男性.突然の意識障害と右上下肢麻痺で発症した.臨床症状より脳底動脈塞栓症を疑ったが,発症1時間後の頭部CTでは異常を認めず.撮影中に意識障害・右上下肢麻痺は改善を示したため,同時に3D-CT angiographyを施行した.結果,主幹動脈の閉塞を認めず,塞栓後直ちに再開通が得られたと判断した.発症当日には患者は完全に回復したと発言し,自覚的訴えも無かったが,発症翌日に盲を訴えた.MRIにて両側後頭葉梗塞を認めたため,皮質盲と診断した.本患者は発症急性期には,盲であることに無関心であったと考えられ,病態失認の一種であるAnton症候群を呈していたと考えた.T-PA時代においては脳梗塞急性期に正確な神経症状の評価が必要であり,病態失認の存在は急性期診断のpit fallになりえると考えた.閉塞血管の再開通により神経症状の回復が見られ,t-PA療法の適応がないと判断されてもNIHSSの評価は必須であると考えた.
著者
宮原 一弘 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.431, pp.47-54, 1996-12-14
被引用文献数
9

今日,インターネットを利用した情報発信が,個人/組織を問わず盛んに行われており,多くの情報がインターネット上に氾濫している.とくに,教育に利用可能な多くのリソースがインターネット上に存在しているが,この情報洪水のために有効に活用されていないのが現状である.本研究の目的は,さままざな情報をインターネットから収集,整理,保存するための情報フィルタリングシステムの開発である.とくに,フィルタリングを行う際に,グループのメンバ間による協調行動を利用した協調フィルタリングの手法を提案する.本稿では,本システムでの情報に対する個人の興味の表現法および,その獲得手法を中心に述べる.