著者
小川 正広
出版者
京都大学西洋古典研究会
雑誌
西洋古典論集 (ISSN:02897113)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.89-117, 1989-09-30

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
谷垣 真理子 塩出 浩和 容 應萸 林 少陽 日野 みどり 神長 英輔 山本 博之 山本 博之 陳 広漢 毛 艶華 程 美宝 魏 志江 黄 紹倫 鄭 宇碩 ポール・バン ダイク 飯島 典子 小川 正樹 和仁 廉夫 崔 学松 内藤 理佳 八尾 祥平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本プロジェクトは華南を起点とする華人ネットワークが北東アジアから東南アジアまでをどのように結びつけ、ヒト・モノ・金・情報の交流が行われているのかを検討した。本プロジェクトは北東アジアを視野に入れたことが特徴であり、現地調査を大きな柱とした。具体的には、北洋におけるコンブ貿易、北海道華僑社会、東南アジア華人の複合的アイデンティティ、広東省関元昌一族、マカオのハブ機能、珠江デルタにおける人材交流、台湾の客家文化運動、珠海の三竈島についての研究が実施された。この間、中国の厦門大学と中山大学、香港城市大学香港大学との研究交流が積極的に行われた。
著者
野上 智行 小川 正賢 稲垣 成哲 川上 昭吾 中山 迅 小川 義和 竹中 真希子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では,『科学技術コミュニケーター』としての能力を備えた理科教師の育成を目指すために,大学・大学院と科学系博物館の連携を前提とした教師教育プログラムの開発と評価に取り組んできた。総括グループでは,科学系博物館との連携をベースとした『科学技術コミュニケーター』としての教師教育プログラムを開発するための基本的な諸要件,すなわち,プログラムの根幹となる目的・目標論,学習論,方法論,内容論,評価論について検討が行われた。5つの地域グループでは,各地域の科学系博物館等と連携して,教師教育プログラムの具体的な開発がなされた。主要な研究成果としては,愛知グループでは,愛知県内の博物館と連携したワークショップの企画・実施,博物館のハンズオン展示の調査,博物館を利用した国語教育と理科教育を結ぶための教師支援の実践的研究等が行われた。宮崎グループでは,宮崎県総合博物館との共同によって,火山灰に関する授業をべースとした中学理科教師のサイエンス・コミュニケータとしての力量を育成するための実践的研究が行われた。広島グループでは,広島市子ども文化科学館や広島市森林公園昆虫館における子ども向けの科学普及教室の分析や小学校と連携した授業開発をベースとした教師教育プログラムの試案が作成された。兵庫グループでは,携帯電話からアクセス可能なバーチャル博物館が構築されるとともに,その有効性が実験的に評価された。高知グループでは,高知県立牧野植物園などを対象にして教師教育プログラム開発のための可能性が検討された。特筆すべきこととして,本研究における一部の業績に対して,日本科学教育学会(JSSE)の論文賞(2007年8月),日本科学教育学会(JSSE)の年会発表賞(2006年8月)の2件が授与されていることを指摘できる。
著者
山下 宏明 小川 正廣 神澤 榮三
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

前年度の成果を踏まえ、研究分担者各自の専攻領域の研究を改めて問いなおすことを課題とした。すなわち、山下は、改めて平家物語を内在的に規定している‘語り'の問題を物語と音曲の両面にわたって検討し、説話文学との差異を明らかにし、語り行為論的観点からする平家物語論に対して評価を加えた。音曲面については東京芸術大学を場とする共同研究グループとの音楽的成果を生かしたり、語り行為論的側面については、これも芸大での共同研究者の一人である兵藤裕己氏による肥後に伝わる座頭琵琶の語りの実情からする成果をめぐって、平家物語を口誦詩的観点のみに限定して論じきれないことを論じた。神澤はローランの歌との比較から口誦詩論的に平家物語を論じ、その成果を國文学者たちが企画した“あなたが読む平家物語"の1冊『芸能としての平曲』に求められて執筆、近く東京都内の出版書肆から刊行の予定である。なお山下の成果も、その企画の1冊『平家物語の受容』におさめ、すでに刊行ずみである。フランスの口誦詩との比較研究については先例もあるが、外国文学研究者が平家物語に即して検証したのは、佐藤輝夫氏以来の成果であろう。小川については専攻のギリシャ古典の関する学位論文の出版に従事し、その作業を進めるうえで本研究の成果を踏まえた。ギリシャの口誦詩は、世界のいわゆる叙事詩の原型をなすもので、平家物語を口誦詩論的に検討するうえでも有効なモデルであることを改めて確認した。
著者
小川 正二 西村 友良 杉本 光隆
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

冬期および春期に舗装道路や速攻等が被害を受ける原因は路床・路盤の凍結による凍上現象と津血有形作用を受けた土のせん断抵抗力の低下であるといえる。本研究は上記のことを考慮して、将来の凍上防止のための資料を得るために、原位置調査により被害の実態を把握し、室内試験によって凍結-融解作用を受ける土の工学特性の解明を行うことを目的としている。本研究によって得られた結果は以下のとうりである。原位置調査結果1) 1984〜1986年に東北地方に襲来した大寒波により、秋田、岩手、福島の3件だけでも山岳部において、それぞれ1648、746、1958箇所で凍害が生じている。このような凍害は冬期には雪が少ないが気温の低い長野・山梨・群馬県の山岳部では毎年発生している。2) 凍害は地下水位の高市行きでは北海道はもとより、内陸部でも多く見られるが、地下水位の低い路床部の含水比が高いと容易に発生する。また、側溝、マンホール周辺など土と異なる構造物周辺で多い。室内試験結果1) 水の供給できるオープンシステムではシルト湿度の凍上量は大きいが、砂質土では透水性が良く、凍結時に容易に排水が生じるので、ほとんど凍上現象はみられない。2) 水の供給のないオープンシステムでも、たとえ不飽和度でも土中の水分の移動のために、土の飽和度に応じて体積の膨張・収縮が生じる。3) クローズドシステムで不飽和度が凍結-融解作用を受けたときの強度低下は体積変化のみではなく、土中のサクション力の低下によって生じるといえる。
著者
小川 正晴 仲嶋 一範
出版者
理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

リーラーミュ-タントマウスの原因遺伝子産物Reelinを特異的に認識し、かつその機能を阻害する効果をもつ抗体CR-50を分取し、皮質ニューロンの配置がReelinによって制御されていることを明らかにしてきた。Reelinは分泌性のタンパク質で、Reelin同士がCR-50認識部位を介して会合体を作ること、この会合体形成がReelinの機能に重要であることを示した。突然変異マウスヨタリの解析からDab1遺伝子の変異によってもリーラーとほぼ同じ表現型を示し、L1レトロトランスポゾンがDab1遺伝子内に挿入された結果スプライシング異常がおこってDab1蛋白質が完全に欠損することを明らかにした。ReelinがCajal-Retzius細胞で作られ分泌されるのに対して、Dab1はこの細胞に隣接するニューロンに発現し、非受容体型のチロシンリン酸化酵素に結合してシグナル伝達に関係する蛋白質である。同じ表現型を示すことから、Dab1はReelinシグナル伝達の下流の要として細胞移動/配置に直接に関係している。細胞外分子のReelinを感知し、細胞内のDab1のリン酸化に連結するような機能をもつReelin受容体の存在が予想された。先にチロシンリン酸化酵素Fynと結合する新規カドヘリン型受容体(CNRs)が八木らによって見い出されていた。またFynの欠損マウスにおいても皮質構造に異常が認められていた。そこで、CNRsがReelinの受容体に該当する可能性が予想され、この点を検討した結果、CNRsが、Reeinの受容体であること、またその結合サイトを明らかにした。CNRsに加えて、膜蛋白質であるapoER2およびVLDLRもReelin受容体であることが明らかにされている。このような複数のReelin受容体がどのように協調して機能しているのか、またDab1の下流において、細胞の移動/配置に関わる要因について現在検討している。
著者
小川 正廣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、個人および共同体・社会階層・文明としての人間とその社会のあり方を、空間的・時間的にそれらの内外に存在する「他者」とのかかわりという観点からとらえ、その諸相を古代ギリシア・ローマの古典文学やその伝統を継承した西洋文学の中に探った。具体的には、主に次の点に研究成果を要約することができる。1.ギリシア・ローマ文明が他者との関係を軸として固有の人間観・社会観を発展させたプロセスを、他の古代文明の場合との比較にもとづいて概観した。2.他民族との関係を戦争と平和という両極の状況としてとらえた場合、ホメロスのギリシア叙事詩では戦争と平和の間に乗り越えがたい溝が存在し、他方ウェルギリウスのローマ叙事詩では、戦争の価値は平和の確立という明確な目的によって相対化されたことが明らかになった。3.奴隷と女性という社会の内側の他者に対する見方の変容過程を、ギリシア古典期の通念と両者の地位に顕著な変化をもたらしたヘレニズム・ローマの人間観との比較によって、および、そうした社会的・思想的変化を背景として創作されたローマの劇文学と恋愛詩の分析によって浮かびあがらせた。4.国家の君主がとるべき他者に対する寛容な態度や、人間が他者に恩恵を与えるときの精神的なあり方について、ローマのストア哲学者セネカの論説を中心に検討した。5.異教文化と古典文学の伝統を代表するローマ詩人ウェルギリウスが、キリスト教化した西洋中世を代表するダンテの叙事詩において他者としてどのように扱われ、またどのように評価されたかを検証し、西洋文化固有の他者概念にもとづくヨーロッパ文明の特質について考察した。
著者
小川 正 熊田 孝〓
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

未知の問題に直面したとき、我々は試行錯誤をすることにより知識を獲得し適切に問題を解決することができる。しかしその過程における神経メカニズムについては十分に知られていない。この問題を調べるため、我々は試行錯誤を伴う視覚探索課題を開発し、前頭前野外側部(the lateral prefrontal cortex, LPFC)から単一神経細胞記録を行った。試行錯誤を伴う視覚探索課題において、サルは6つの異なる色刺激の中から1つの色刺激を選択しなければならない。選択された色刺激が、実験者が事前に決めた目標色であれば報酬(ジュース)が得られる。目標刺激の色は試行ブロックが変わるごとにランダムに変更されるが、サルには目標刺激の色、更新タイミングに関する情報が一切与えられない。このため、報酬のフィードバックにもとづいて試行錯誤により目標となる色刺激を探索する必要がある。サルは目標刺激の色が変更された後、通常、数試行にわたって目標以外の色刺激を選択するが、一度でも目標である色刺激を選択するとステップ状の正答率変化を示し、それ以後は90%程度の高い正答率を維持した。このようなステップ状の正答率変化は、知識ベースの学習であることを示唆する。学習が成立する前(試行錯誤期間)では異なる色刺激を次々に選択することが必要であるが、学習が成立した後(メンテナンス期間)では同一の色刺激を選択し続けることが必要となり、2つの期間で行動選択の方略が根本的に異なると考えられる。実際、試行錯誤期間とメンテナンス期間でLPFニューロンの神経活動を比較したところ、試行錯誤期間において特異的な活動を示し2つの期間を区別するニューロン群を見出した。このことから、LPFがオブザーバー的な役割を果たし、2つの期間で異なる方略を使い分けるための神経機構の形成に役立っている可能性が考えられた。
著者
間宮 良美 平田 亨 栃木 真人 成田 佳乃 秋谷 司 古堅 進亮 石橋 啓一郎 小川 正至 三木 誠
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1969-1974, 1993-11-20
被引用文献数
7

上部尿路結石に対するESWLは徐々に外来施行での治療が中心となり,我々の施設では78.6%,最近2年間に限れば90%近くと大半を占めるようになった.そこで,その有用性・安全性・問題点などを見極めるために,外来ESWLを行った最初の500腎について検討した.対象は1989年3月から1992年1月までに,LithostarでESWLを行った600例636腎のうち,外来のみで治療を行った481例500腎(両側19例)で,性別は男367・女114例,年齢は16〜77歳であった.結石の部位は腎結石227・尿管結石273腎で,結石の大きさは90%以上が長径20mm以下の結石であった1腎あたりの平均治療回数及び衝撃波数は1.4回・6,988発で,全体の74%が1回の治療のみで,3回以上を要したものは9%であった.また,補助的処置を要したのは23腎(D-Jステント留置が5腎,尿管カテーテル挿入が18腎)のみで,474腎(94.8%)は補助的処置なく実施可能であった. 3ヵ月後の治療成績を評価可能であった470腎についてみると,完全排石率は腎結石70.3%・尿管結石84.5%,全体では78.1%と満足すべき結果であった.合併症として,実施帰宅後に疼痛のため当院または近医にて鎮痛処置を受けたものが4.6%,38℃以上の発熱が2.5%などが認められたが重篤なものはなかった.しかし,その実施にあたっては特に術後合併症の可能性についての十分な説明と,慎重な症例の選択が必要と考えられた.
著者
小川 正 藤田 昌彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング
巻号頁・発行日
vol.95, no.389, pp.61-68, 1995-11-24

ステップ-ランプ状に位置が移動する光スポット刺激を呈示し,被験者が視標に向かって行ったサッカードの終了時刻にあわせて視標のランプ速度をステップ状に増加(減少)させた.このような試行を繰り返すと,パシュート速度が適応的に増加(減少)した.視標のランプ速度が同じでも,パシュート開始速度は視標のステップ幅に応じて選択的に増大または減少させることができた(視標ステップ幅依存性)また,パシュート適応によるパシュート速度の変化は適応前の値に一定量のバイアスが重畳するようなものでなく,視標速度に対するパシュート速度の比(パシュートゲイン)を更新するようなものであった.適応前後で運動視標に対するキャッチアップサッカードの振幅に変化がなかったことから,パシュート適応はサッカード系と独立な部位で生じていることが示唆された.
著者
豊川(任) 貴弘 小川 正文 高島 勉 山崎 政直 田中 浩明 坂崎 庄平
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.266-271, 2003-04-01
被引用文献数
2

症例は50歳の女性.心窩部痛を主訴に来院し,腹部単純X線写真上,仰臥位では右上腹部に胆嚢およびその左側で総胆管の走行に一致した淡い石灰化様陰影を認め,立位ではこの胆嚢様の石灰化様陰影は下に凸の半月様に変形を示した.CT,DICなどにより総胆管結石,胆嚢結石,石灰乳胆汁と診断し手術を施行した.胆嚢の病理所見は慢性胆嚢炎で,総胆管結石はコレステロール79%,炭酸カルシウム21%で胆嚢内の石灰乳胆汁は98%以上が炭酸カルシウムであった.石灰乳胆汁は炭酸カルシウムを主成分とし,腹部単純X線写真上,特徴的な石灰化像を示すことで知られる.その生成には胆嚢管または頸部の閉塞が必要で,通常は胆嚢内にしかみられないが,ごくまれに総胆管内にもみられる.自験例は嵌頓結石とともに総胆管へ石灰乳胆汁が流出したと思われる症例で,本邦報告21例を検討し報告する.
著者
千歳 雄大 小川 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.130, pp.1-6, 2008-07-08

周囲刺激と色や形などの基本的な特徴次元で異なる刺激は目立ち(visual saliency、視覚的顕在性)、我々の注意を自動的に惹きつける。視覚情報は各特徴次元ごとに用意された二次元脳内地図(feature map)で処理され、それらの信号が統合されることによって特徴次元に依らない視覚的顕在性の地図表現(saliency map)が形成されると考えられている。この統合過程における計算様式を明らかにするため、色次元のみ、形次元のみ、もしくは色・形次元の両方で目標刺激が妨害刺激と異なる視覚探索課題をヒト被験者に行わせ、特徴次元の組合せによって目標刺激の視覚的顕在性がどのように変化するのかを調べた。視覚的顕在性の強さは、目標刺激へのサッカード眼球運動が開始されるまでの潜時を指標として評価した。その結果、色次元のみで異なる目標刺激と形次元のみで異なる目標刺激への潜時が同程度のときは、潜時の絶対的な大きさにかかわらず、2つの次元を組合せることによってサッカード潜時が短縮した。しかしながら、組合せ前の潜時が色と形次元で大きく異なっているときはそのような短縮効果が生じなかった。この結果は、複数のfeature mapからの情報がsaliency mapで統合される従来の注意モデルに、feature map間の相互抑制回路による競合過程を新たに付加すると上手く説明することができた。