著者
川崎 智也 轟 朝幸 小林 聡一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_523-I_532, 2015
被引用文献数
1

首都圏の都市鉄道では,朝ラッシュ時に定常的な混雑が発生している.混雑緩和に対する一つの解決策として,時差通勤をした者に対して,抽選で賞金が当たる抽選型報奨金制度がある.本研究では,東京メトロ東西線利用者を対象として,オーダードロジットモデルを用いて抽選型報奨金制度を導入した場合の鉄道利用者行動モデルを構築し,当選金額および当選金額に対する感度分析を実施した.その結果,当選の期待値が100円の下で当選金額を28.9千円(当選確率0.33%)とした場合,定額型施策よりも時差通勤施策の参加者が増加する可能性が示され,混雑率は197.5%となり,現状の混雑率である199%から1.5%減少することが示された.当選金額を20万円(当選確率0.05%)と高額に設定すると,混雑率は196.9%まで減少し,定額型施策よりも0.6%低下した.
著者
川崎 智也 轟 朝幸 小林 聡一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_523-I_532, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
11
被引用文献数
1

首都圏の都市鉄道では,朝ラッシュ時に定常的な混雑が発生している.混雑緩和に対する一つの解決策として,時差通勤をした者に対して,抽選で賞金が当たる抽選型報奨金制度がある.本研究では,東京メトロ東西線利用者を対象として,オーダードロジットモデルを用いて抽選型報奨金制度を導入した場合の鉄道利用者行動モデルを構築し,当選金額および当選金額に対する感度分析を実施した.その結果,当選の期待値が100円の下で当選金額を28.9千円(当選確率0.33%)とした場合,定額型施策よりも時差通勤施策の参加者が増加する可能性が示され,混雑率は197.5%となり,現状の混雑率である199%から1.5%減少することが示された.当選金額を20万円(当選確率0.05%)と高額に設定すると,混雑率は196.9%まで減少し,定額型施策よりも0.6%低下した.
著者
美馬 亨 中島 悠里 大矢 昌樹 池田 高治 龍田 浩一 小林 聡 山本 脩人 國本 悟子 井関 景子 玉置 瑛一朗 奥田 浩二 信貴 勇佑 北 浩光 根木 茂雄 古川 福実 重松 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.661-668, 2016 (Released:2016-10-28)
参考文献数
17

新規の免疫抑制剤や生物学的製剤の登場により, それまで治療が困難な症例も寛解導入が可能となってきた. 一方で, 未だ有効な治療法がない難治性病態も確かに存在する. 例えば, びまん型全身性強皮症における進行性の皮膚硬化は, 関節可動域の狭小化, さらに進行すると関節の拘縮に至り患者のADLを著しく低下させる. また, 筋炎症状の乏しい皮膚筋炎に合併する間質性肺炎は急速に肺機能を低下させ, 有効な治療法のないこともあり未だに致死率が高い病態である. これら難治性病態に対して血液浄化療法が行われ, 全身性強皮症では血漿交換療法が有効であった症例が報告され, 劇症型の間質性肺炎についてはシクロスポリンとシクロホスファマイドなどの免疫抑制剤にエンドトキシン吸着療法の併用療法が有効であったことが報告され, その治療効果が期待されている. これら疾患以外にも, 血管炎により発症する急速進行性糸球体腎炎では腎機能の廃絶により血液透析に至る率は依然として高い. 今後も難治性膠原病疾患に対して血液浄化療法は有効な治療法の一つと考える.
著者
井上 建 小坂 浩隆 岡崎 玲子 飯田 直子 磯部 昌憲 稲田 修士 岡田 あゆみ 岡本 百合 香山 雪彦 河合 啓介 河野 次郎 菊地 裕絵 木村 大 越野 由紀 小林 聡幸 清水 真理子 庄司 保子 髙倉 修 高宮 静男 竹林 淳和 林田 麻衣子 樋口 文宏 細木 瑞穂 水田 桂子 米良 貴嗣 山内 常生 山崎 允宏 和田 良久 北島 翼 大谷 良子 永田 利彦 作田 亮一
出版者
日本摂食障害学会
雑誌
日本摂食障害学会雑誌 (ISSN:24360139)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-12, 2023-10-05 (Released:2023-10-05)
参考文献数
19

COVID-19パンデミック下,摂⾷障害患者における社会からの孤立,受診控え,症状の悪化,さらに新規患者の増加などが報告された。そこで我々は,2019,2020,2021年の神経性やせ症(Anorexia Nervosa: AN)および回避/制限性食物摂取障害(Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder: ARFID)の新規患者数,入院患者数,性別,年齢層,COVID-19の影響の有無について,国内で摂食障害を専門的に診療している医療機関に対して調査を依頼した。すべての項目に回答のあった28施設の結果について集計・解析した。ANの新規・入院患者数はそれぞれ,2019年は400人,266人,2020年は480人,300人,2021年は610人,309人であった。一方,ARFIDの新規・入院患者数はそれぞれ,2019年は70人,15人,2020年は97人,22人,2021年は112人,17人であった。AN,ARFIDともに2019年と比較して2020年,2021年は新規患者数,入院患者数ともに増加し,これは10代でより顕著であった。さらにANにおいては20代の患者も増加していた。COVID-19 パンデミック下にARFID 患者数の増加が示されたことは重要な知見であると考えた。
著者
小林 聡明
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.129-147, 2009-07-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
47

The U.S. returned Okinawa/Ryukyu to Japan in 1972 after 27 years of occupation. The Agreement between Japan and the U.S. Concerning the Ryukyu Islands and the Daito Islands determined the relocation of the Voice of America's transmitters in Okinawa. However the relocation process has still not been cleared. Moreover, there is a secret agreement on the VOA's relocation costs. This paper clarifies the negotiations between Republic of Korea and the U.S. on the transmitters' relocation by analyzing the declassified documents in ROK Diplomatic Archives. It not only sheds light on the hidden history of VOA but also explores the significance of VOA in East Asia during the Cold War.
著者
梅森 直之 坪井 善明 田中 ひかる 土屋 礼子 小林 聡明 鈴木 恵美 鶴見 太郎 加藤 哲郎 李 成市 野口 真広 毛里 和子 山田 満 若林 正丈 篠田 徹 齋藤 純一 浅野 豊美 安井 清峰 最上 敏樹 土佐 弘之 山崎 眞次 八尾 祥平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東アジア諸国間の対話と交流は、歴史に由来する論争により妨げられており、そのため東アジアの歴史和解の試みは「失敗」であると総括されることが多い。しかしながら、東アジアにおける歴史認識には、単に戦争責任だけでなく植民地責任をめぐる問題が主題化されており、世界的に重要な先駆的実践として評価されるべきものがある。東アジアの各地域は、民主化と経済発展を、異なる時期に異なるプロセスとして経験し、そのため現在の歴史に関する国民感情にも、大きなズレが生じている。東アジア諸国がこのズレを認識し、既存の国際法体系の批判的に検討しつつ歴史共同研究を推進することで、東アジアの歴史和解を推進することが可能となる。
著者
小林 聡 森 淳和 安川 慎二 伊澤 幸甫 藤井 康一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.747-751, 2016

<p>8カ月齢,避妊雌,体重4.6kgのイタリアン・グレーハウンドが右側の前肢跛行を主訴に紹介来院した.X線及びCT検査において右側前腕の重度変形を認めた.過去に橈尺骨骨折の治療履歴があったことより骨折時の外傷に起因する前腕変形であると診断した.変形が重度であり,従来のコンピュータ画面上での三次元立体構築像のみを使用する変形矯正方法ではランドマークの設定が行いにくく,術中の矯正程度の判断が困難で術後にアライメント不良が生じる可能性があった.そのため,CTデータより3Dプリンターモデルを作成し事前にシミュレーション手術を実施し,骨切り部分の確認やインプラント形状設定を行い矯正が問題なく実施できることを確認した後,実際の手術を行った.術後の経過は良好で骨癒合が認められ患肢の使用も良好であった.</p>
著者
近藤 義典 松本 秀一 岩田 隆敬 佐藤 直樹 今田 高峰 山本 一二三 小林 聡 本山 昇
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp._S191022-1-_S191022-5, 2012

We are now studying high accuracy reentry guidance algorithms for reentry capsule. In this paper, we propose a real-time prediction guidance using numerical integration. The real-time prediction guidance is an explicit guidance law using numerical integration for range prediction during reentry flight. One of technical issues of the real-time prediction guidance using numerical integration is that navigation error and wind error lessens the navigation accuracy. Especially, errors in the last phase of reentry flight affects the navigation accuracy. So we researched that mechanism by investigating the navigation ability (ability of range adjustment) of several navigation segments.
著者
佐藤 謙伍 小林 聡幸 齋藤 暢是 佐藤 勇人 須田 史朗
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.339-345, 2019-03-15

抄録 高齢化社会の現在,精神科病院での看取りが増えている。本稿では栃木県内の精神科病院(282床)の20年間(1996年1月〜2015年12月)の計251名の死亡診断書を調査し,器質性精神障害(F0圏)と統合失調症(F2圏)の入院患者の死因について比較した。精神科的診断はICD-10分類でF0圏が115名,F2圏が79名,その他が23名,記載がないのが34例であった。F0圏の患者の死因では呼吸器感染症が63%と最多であった。F2圏の患者では呼吸器感染症が39%と最多で,悪性腫瘍,消化器疾患,突然死がそれに続いた。死亡時年齢はF0圏に比してF2圏では約10歳若かった。F2圏では抗精神病薬の長期使用や,患者など種々の因子が患者の予後に影響していることが他研究から推察されるため,さらなる研究が望まれる。