著者
小野 玄記
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.797-803, 1999-10-15 (Released:2011-09-20)

平成7酒造年度から全国発売されている14号酵母 (金沢酵母) は, 全国各地の蔵元で幅広く愛用され, 上々の評判を得ている。最近, 省力化などの労働問題から, 泡なしタイプの金沢酵母を要望する声が上がってきた。既に, 金沢局の鑑定官室と北陸酒造技術研究会酵母部会が中心となり, 泡なし酵母の分離が行なわれ, 管内製造場で, 3酒造年度に渡り試験醸造が行なわれた。従来の金沢酵母と遜色がない良好な結果を得たので, 本年度より全国に配布されるはこびとなった。本稿は新しく本酵母を使用されるメーカーのため, その特徴と仕込み上の留意点, 製成酒の酒質などについて解説していただいた。
著者
小野 文一郎
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.2, pp.90-97, 2009 (Released:2016-01-18)
参考文献数
24

酵母におけるアミノ酸代謝のうち,特に含硫アミノ酸の生合成は,細胞増殖をはじめ醸造においては好気成分等の生産に深く関連している。近年の研究でその生合成の制御には,多様な要因が関連していることがわかってきた。これらの含硫アミノ酸代謝に関与する遺伝子の発現制御メカニズムに関する研究は,醸造酵母における硫黄代謝の制御,さらには実用株の育種にとって重要な基礎的知識をもたらすことが期待される。ここでは,著者の長年にわたる研究成果を中心に,出芽酵母の含硫アミノ酸合成について最近の成果も含め解説していただいた。
著者
東條 英昭 山内 啓太郎 内藤 邦彦 小野寺 節
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1998

1.EGFPをマーカーとしたTg胚の選別法について検討した。マウス受精卵前核にCMV/β-actin/EGFP遺伝子を顕微鏡注入し、体外培養後、桑実胚ないし胚盤胞期に蛍光顕微鏡で観察が、偽妊娠マウスへ移植した。生まれたマウスのDNA解析の結果、胚全体で蛍光を発する胚の移植から、76.9%、モザイク様蛍光胚の移植から21.6%のTgマウスが得らた。2、CAG/EGFP遺伝子にWAP/hGH遺伝子を連結した連結遺伝子を受精卵前核に顕微鏡注入し、同様な方法でTg胚を選別した後、仮親に移植した。生まれたマウスのDNAおよび緑色蛍光を調べた結果、生まれたマウスのうち約82%がTgマウスであった。また、血液ならびに乳汁中のhGHを測定したところ、それぞれ、hGHが検出され、EGFPを発現しているマウスの全てで、hGH遺伝子が発現していた。3、Cre/loxp系を利用した遺伝子導入が試みられているが、この系を利用する場合には、creを発現するトラスジェニック(Tg)動物とloxp遺伝子を導入したTg動物の2系統のTg動物の作出が必要であり、家畜に利用するには難点がある。最近、酵母や細菌で見い出されたloxpと相同な配列を持つ偽(ψ)loxp部位がマウスのゲノムム内にも発見された。このcre/ψloxp系を利用し培養細胞系で外来遺伝子のsite-specificで高率な導入の結果が得られている。本年度は、このcre/ψloxp系を利用したTgマウスの作出を試みた。まず、受精卵の前核内でcre/ψloxp系が作用するかどうかを調べるために、CMV/loxp/stuffer/loxp/lacZプラスミドとcre酵素を共に前核に顕微鏡注入した結果、laczの発現が観察された。つぎに、cre酵素に変えてCAG/creプラスミドを共注入し、胚を借親に移植した結果、胎児ならびに新生小マウスの25%でTgマウスが得られた。以上、本研究で得られた成果は、Tg家畜を作出する上で極めて有効な手段として利用できることが示された。
著者
梶田 忠 高山 浩司 綿野 泰行 綿野 泰行 朝川 毅守 小野 潤哉 富澤 祐紀 Wee Kim Shan Mori Gustavo Saleh Nazre Yllano Orlex Gutierrez Jose 山本 崇 Miryeganeh Matin
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

マングローブは熱帯・亜熱帯の海岸に広がるマングローブ林を中心に構成される生態系で、人類にとって重要な生態系サービスを提供している。しかし、人間活動の影響により、マングローブ林は近年急速に破壊されつつある。そこで我々は、世界のマングローブ林を構成する主要樹種5群に注目し、分布域をおおよそ網羅するようなサンプルを用いて、統一的な手法で遺伝的多様性を解析・評価することで、(1)マングローブ林の遺伝的多様性の全球的空間分布の把握、(2)遺伝構造の形成要因の解析、(3)遺伝的多様性を用いたマングローブ林保全の検討等について、研究を実施した。4年間で5群の遺伝構造をほぼ終了し、報告書に記載の成果をあげた。
著者
小野 瞭
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム
巻号頁・発行日
vol.12, pp.22-30, 1993

Where are capitalism and socialism going to? The essential points to answer this question are 1)the attainment of both liberty and equality, 2)the consideration of fundamentals of exchange and the market, and 3)the realization of a libertarian-egalitarian property system and democratic economic organization.The main points of my argument are as follows; 1.The market is just a place of exchange, not the Walrasian market mechanism of equilibrium.Exchange in the market place has existed throughout our history.So the future economic system will have to be based on the market exchange economy. 2.While the category of capitalism is a particular historical one, the category of the market exchange system is a universal one.In the capitalistic private property system, the corporations as juridical persons are the only holders of the properties, therefore most of the workers don't have the right to enter the market autonomously. 3.But capitalism is already transforming into another economic system, where most working people will become independent and individual entrepreneurs, that is a "non-capitalistic market economy system".That new system will be founded on a new property system which I call "social-individual ownership"in place of "private ownership".This idea may be similar to the concept of "the re-establishment of individual property"in Marx's Capital. 4.In this new system, most social properties will be administered by various social bodies which will never hold a controlling power over the people.Since, the corporations will consist of the collaborative unions or networks of individual entrepreneurs.Every entrepreneur in the expanding market will be able to have the right of access to use and manage all of the social properties.In my view only through replacing capitalism and socialism witn this system can we achieve both economic liberty and equality.
著者
小野 浩一
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-44, 1990-09-30
被引用文献数
1

Four types of research on superstitious behavior in humans and nonhumans were reviewed and discussed from the perspective of recent developments in this area. The first type explains the effects of periodic delivery of food on pigeons' superstitious responding in terms of stimulus substitution or species-specific appetitive behavior. Though this type of research is sometimes said to replicate Skinner (1948)'s experiment, this statement may not be accurate because the experiments emphasize the effects of contingencies in steady-state performance. The second type examines whether or not idiosyncratic and stereotyped patterns of behavior develop under response-independent contingencies with attention to accidental response-reinforcer contiguities. The third type includes a variety of studies examining the effects of response independence, such as delay of reinforcement. The fourth type studies superstitious behavior under response-dependent contingencies. It is suggested that further studies should be designed to examine more precisely the effects of response-reinforcer contiguity, aversive control, accidental reinforcement under response-dependent schedules, and verbal control over human superstitious behavior.
著者
松井 道昭 永岑 三千輝 廣田 功 上杉 忍 浅井 良夫 小野塚 知二
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

松井は、普仏戦争において、最初の国民戦争=総力戦の要素を抉り出した。この戦争において交戦国双方において兵站力が増せば、自ずと戦争は長期化し、持久消耗戦に転化していく可能性がすでに存在したことを摘出できた。永岑は、ヒトラーの戦略と領土膨張構想を秘密文書と国会演説で解きほぐし、第一次大戦と戦後再建のあり方の相互連関を明らかにすると同時に、戦争と復興が内面的に関連することを摘出した。廣田は、「連続性」を指摘されるフランスの福祉国家成立史において、第1次大戦がフランスの経済社会に与えた影響の重要性を明らかにした。小野塚は、1930年代中葉から戦時にかけて、社会主義・労働運動系の音楽運動が活力を回復した要因と、その過程に表れた新たな特質を明らかにして、戦後復興のもう一つの国際連帯の側面を明らかにした。本宮は、横浜における戦後復興の過程に関して、市内神奈川区大口地区を事例に採り上げ、それをとりまく地域社会との関係性も意識しながら、戦後復興過程の具体的様相を考察し、都市横浜における戦後復興過程の研究に奥行きを持たせる上での詩的素材を豊かにした。浅井は、ワシントンの国立文書館で占領後の対日援助政策とその実態に重点を置いて検討を行ない、占領後においても、対日援助が重要な役割を果たしたことを明らかにした。上杉は、冷戦期の黒人公民権運動とその圧力を受けて進められたとされてきた連邦政府の公民権政策の転換に関する近年の研究動向を概観し、(1)この公民権政策の外交戦略的側面への注目が重要であること、(2)冷戦下の「赤狩り」によって公民権運動の軌道が規定されたこと、(3)さらに直接的大衆行動に立ち上がった南部の頑迷な白人人種差別主義者をアメリカ史の逸脱としてとらえるのではなく、アメリカ社会の基本的構成要素としてこれを社会史的に分析することが求められていること、を指摘した。上原は、第二次世界大戦後のフランスが、国力の疲弊という構造的制約のもとで、いかにしてpuissanceパワーを獲得するために、近代化優先政策を展開したプロセスを分析した。小島は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって占領され,戦後に経済復興を遂げたベルギーについて,欧州統合との関係を視点として検討し、ヴァンゼーラントを発掘して、ベルギーの戦後復興にけるイニシアティヴを解明した。
著者
熊田伝一郎, 小野康治 編
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
1925
著者
吉岡 大貴 横山 諒平 劉 傅軍 小野寺 武 内田 誠一 中野 幸二 林 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.409, pp.53-56, 2014-01-17

匂いは目に見えないが,危険信号として重要な情報を持つ.匂いは気体であるため,匂い情報として匂い物質の種類,濃度,空間分布が考えられる.本研究では匂い物質を可視化するために蛍光物質を混ぜたアガロースゲルフィルムを蛍光プローブとして用い,匂い情報を蛍光変化として取り出している.本稿では,蛍光物質を複数用いたマルチ蛍光プローブを用いてマルチスペクトルイメージングを行い,匂い物質の識別を行っている.また,混合匂いに対するマルチ蛍光プローブの反応は各匂い物質毎の各単一蛍光プローブの反応に分割できるため,混合匂いを含めた匂い濃度の空間分布を識別することができる.
著者
小野 田元 小野 晃夫 下田 勉 小野 田憲 岩野 鐵夫 長崎 泰一 千葉 末作
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.151-157, 1998-09-30 (Released:2010-06-22)
参考文献数
16

水稲の周年養液栽培法と生産性の高い栽培技術を確立する目的で, 高圧ナトリウムランプとメタルハライドランプを設置した完全制御室, 太陽光併用高圧ナトリウムランプ室, 混合光室, メタルハライドランプ室および太陽光室を利用し, 1994~1995年に3回, 栽培試験を行った.PPFDの大きさは補光ランプを点灯した完全制御室>高圧ナトリウム室>混合光室>メタルハライド室の順で, 太陽光室は最も小さかった.PPFDは玄米重との間で有意な正の, 屑米重歩合との間では負の有意な相関がみられた.また, 玄米重を決定する変数増減法により重回帰分析を行った緒果, PPFDは第1ステップで取り込むと寄与率は96%で, 水稲の生育・収量に大きく影響を与えていた.とくに完全制御室と混合光室では, ランプの光合成増進効果により生育・収量は優るとみられた.また, 全平均照度は玄米重の決定に寄与するが, PPFDよりも寄与率は大きく劣るとみられた.このように, 高圧ナトリウムランプおよびこれとメタルハライドランプの混合光およびこれに太陽光を併用した場合は玄米重は増収し, 植物工場における増収技術になると考えられるが, 実用場面ではさらに検討を要する.本論文を作成するにあたり, 弘前大学農学部卜蔵健治教授から有益なご教示を賜った.また, 青森県農業試験場育種部長中堀登司光氏, 同前栽培部長玉川和長氏には調査にご協力を戴いた.ここに厚く謝意を表する.
著者
小野 浩
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.316-319, 2004-08-20
被引用文献数
1
著者
小野 永貴 徳光 亜矢子 下山 佳那子 佐藤 翔
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.259-264, 2013-05-25
参考文献数
2

近年、学校図書館の連携に関する実践が盛んである。特に高等学校の場合、公共図書館が学校を支援したり、大学図書館が高校生向けに開放する等の事例も増え、高校生が複数館種を相互に活用できる機会も多い。しかし、実際に生徒が各館種をどう使い分けているか、実態は明らかでない。 そこで本研究では、高校生28人を対象としたフォーカス・グループ・インタビュー調査を実施した。全発話内容の書きおこしと分析を行い、高校生が複数の館種を使い分ける際の基準となりうる要素を 抽出した。