著者
大倉 俊平 村尾 一真 田頭 幸浩 小野 真吾 田島 玲
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.386-393, 2016-10-15

記事推薦システムにおいて,機械学習を用いてユーザと記事をマッチングする手法については,すでにさまざまな研究が成されている.一方で,大規模トラフィックを処理する実サービスにそれらを適用しようとすると,システムの応答速度に関する制約や,季節性によるデータ分布の変化などさまざまな問題が浮上する.また,機械学習の「精度」が利用者の満足に直接結びつくとは限らない.本稿では,筆者らが実際の記事推薦システムを構築する上で,それらの問題にどのように対処したかを事例と実験結果を合わせて紹介する.
著者
木村 明生 峯川 好一 北浦 敏行 中野 宏秋 後藤 郁夫 池田 長繁 阿部 久夫 小野 忠相 中林 敏夫
出版者
The Japanese Association for Infectious Diseases
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.789-796, 1987
被引用文献数
1

大阪空港検疫所において帰国時に下痢を申告した海外旅行者の腸管寄生原虫検索を行った. 1983年と1984年の2年間 (第1期) 及び1985年7月から1986年6月までの1年間 (第2期) に分けて検索を実施して, 次の成績を得た.<BR>1) 第1期調査は, 旅行期間が5日以上の1,256名についての検索を行ない, Giardia lamblia (39例) をはじめとして7種の腸管原虫を検出した (検出率3.9%).<BR>2) 陽性者の旅行期間は, 98%が10日以上であり, 30日以上の長期滞在者は全体の67.4%であった.<BR>3) 検出率には季節的変動が認められた.<BR>4) 第1期のG.lamblia陽性者39名中36名 (92%) がインドへ旅行しており, ついでタイ25名 (64%), ネパール16名 (41%) であった.インドまたはネパール旅行のG.lamblia陽性者中の70%以上は, それぞれの国で10日以上滞在していた.<BR>5) 第2期ではインド・ネパールへ10日以上旅行した者の178名について検索を行ない, G.lamblia 25例 (14.0%) をはじめ3種の腸管原虫を検出した.<BR>6) 両期間のG.lamblia陽性者64名のうち29名 (45.3%) から, 病原細菌や他の腸管原虫が同時に検出された.<BR>7) 第1期でのインド・ネパール10日以上滞在者中のG.lamblia陽性率は, 1983年12.9%, 1984年12.2%で, 第2期 (14.0%) とほとんど変りなかった.
著者
小野寺 英輝
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.74, no.746, pp.2371-2378, 2008-10-25

In Japan, western technology was rapidly introduced from the last stage of the Edo era. However, a lot of examples of technology transfer failure were included in the process. This paper deals with the cause of failure of the Kamaishi national iron mill. Lack of the domestic pig iron demand and insufficient marketing research, the Kamaishi iron mill generated large amount of deficit and was the greatest failure at that period. Analyzing several remained documents, it was understood that Japanese engineers throw large raw ore into the furnace under operation, to make it blockade. It was the simplest way to avoid further financial loss, and to conseal serious carelessness of preliminary survey. Blockage of the furnace was not the main factor of the iron mill business discontinuance, however, it had significant meaning. It was useful to minimize the initial risk of the following private enterprise, which succeeded the iron mill management. And it had big influence in iron manufacture which had grown up to the Japanese key industry in modern ages.
著者
小野田 亮介 松村 英治
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.407-422, 2016
被引用文献数
4

本研究の目的は, 低学年児童の意見文産出活動を対象として (1) マイサイドバイアスの克服におけるつまずきの特徴を解明し, (2) マイサイドバイアスを克服するための指導方法を提案することの2点である。2年生の1学級32名を対象とし, 1単元計5回の実験授業を行った。その結果, マイサイドバイアスの克服におけるつまずきとして, 反論を理由なしに否定する「理由の省略」と, 反論と再反論の理由が対応しないという「対応づけの欠如」が確認された。一方, 他者の意見文を評価する活動においては, 児童は反論想定とそれに対応した再反論を行っている意見文を高く評価していた。そこで, 児童は「良い意見文の型」を理解してはいるが, その産出方法が分からないためにマイサイドバイアスを克服できないのだと想定し, 児童が暗に有している「良い意見文の型」を児童の言葉から可視化する指導を行った。その結果, 児童は教師と協働で「良い意見文の型」を構築・共有することができ, その型を基に独力でマイサイドバイアスを克服した意見文産出ができるようになることが示された。
著者
今村 基尊 山本 妙子 小野 俊朗 今村 節子 会田 栄一 黒須 一夫
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.607-613, 1991-09-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
15
被引用文献数
2

乳歯隣接面齲蝕の診査に咬翼法X線写真を用いることで,齲蝕検出率が高まることはよく知られているが,患者の被爆線量から,頻回撮影することも好ましくない.咬翼法X線写真の撮影回数を減らすために,補助手段としてデンタルフロスによる診査の併用を考え,咬翼法X線写真による診査の結果とデンタルフロスによる診査の結果との関係について検討し,次の結論を得た.1)咬翼法X線診査の結果とデンタルフロスによる診査の結果との一致率は,67.1%~94.3%であった.2)上下顎第一乳臼歯遠心面・第二乳臼歯近心面において,フロスにより異常を感じたならばまず齲蝕があったが,フロスによりsmoothと感じても齲蝕がないとは診断しがたい.3)フロスによる乳歯側方歯群の隣接面齲蝕の診査は,咬翼法X線写真の補助的診査として用いることができると考えられた.
著者
横山 直己 小野 直亮 有田 正規 太田 大策 金谷 重彦
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第39回ケモインフォマティクス討論会 浜松
巻号頁・発行日
pp.P20, 2016 (Released:2016-09-22)
参考文献数
5

ミドリムシ(Euglena gracilis) は、嫌気条件下においてバイオジーゼルの燃料の原料となるワックスエステルを生合成し、細胞内に蓄積することが知られている。しかしその調節メカニズムについてはいまだ不明な点が多い。本研究では、トランスクリプトームデータのもとづいてベイズアノバ法によりミドリムシにおける代謝動態におけるシステム解析を行った。
著者
山田 哲也 Yamada Tetsuya 塚本 敏夫 Tsukamoto Toshio 小野 直俊 Ono Naotoshi 小田 寛貴 Oda Hirotaka 中村 俊夫 Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学年代測定資料研究センター 天然放射性元素測定小委員会
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.10, pp.87-96, 1999-03 (Released:2010-05-25)

第11回名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム(平成10 (1998)年度)報告 名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計第1号機の研究実績と1号機,2号磯の利用計画
著者
八巻 一成 広田 純一 小野 理 土屋 俊幸 山口 和男
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.219-226, 2000-08-16
被引用文献数
7

森林レクリエーション計画においては, 利用ニーズに合った多様なレクリエーション体験の提供が重要な課題である。本研究では, このような視点からレクリエーション空間の計画, 管理のあり方を示したROS(Recreation Opportunity Spectrum)を取り上げ, わが国の森林レクリエーション計画における有効性を探った。まず, わが国における森林レクリエーション空間の実態とレクリエーション計画システムの現状を考察し, 課題を明らかにした。つぎに, ROSの成立過程, 基本概念, 計画作成プロセス, 適用事例について解説し, ROSとは何かを明らかにした。最後に, わが国の森林レクリエーション計画における意義および役割を検討した。その結果, ROSの特色であるレクリエーション体験の多様性という視点が非常に有効であると考えられた。
著者
小野 直達
出版者
日本農業市場学会
雑誌
農業市場研究 (ISSN:1341934X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.53-59, 1998
参考文献数
12
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to clarify the relationship of cyclical fluctuation between cocoon prices and cocoon production from 1982 to 1994. Both the former and the latter were treated by statistical analysis. At first, the use of coefficient of correlation was used. Next in use of ALMON'S LAG was used to calculate the result. As result, the influence of cocoon production against cocoon price appeared one year after most strongly and next, two years after. Namely, in comparing from 1955 to 1981 and from 1982 to 1994, it appears that the correspondense of price in the latter is stronger than in the former. Finally, it is induced that sericultural farm households have given consideration to four facters for cocoon production, namely : 1) fluctuation of cocoon prices, 2) more opportunity of getting cash income from non agricultural works, 3) sericultural income in comparison with other field products and 4) improvement of productivity in cocoon production.
著者
田中 雄一 田中 聡久 京地 清介 小野 峻佑
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は主に大規模センシングデータ処理の高速化手法や次元削減手法に関する研究を行った.以下簡単に成果の概要を述べる.1) 大規模行列の特異値縮退処理の高速化大規模時空間センシングデータを数理的に表現する際には,センサ数x計測回数のサイズを持つ行列が用いられることが多い.センサ数や計測回数が増えるに連れて行列サイズは爆発的に増加するため,行列の処理にも大きな計算コストがかかるようになる.行列を特異値分解し,その特異値を操作(縮退)することは様々な信号処理アルゴリズムの一部で利用されているが,特異値分解は一般に非常に計算量が多い.本年度はチェビシェフ多項式近似と行列のスパース性を利用した特異値縮退の高速化に取り組んだ.結果として,縮退の精度を保ちつつ,最大5倍程度の高速化を達成した.本成果は信号処理分野の一流論文誌である IEEE Trans. Signal Processing へ掲載された.2) マルチモーダルデータの次元削減手法センシングの際,同一計測地点で様々な属性のデータを計測することが多い.例えば気温・気圧等の環境データが最たるものである.このマルチモーダルデータを信号のスパース性を利用して次元削減を用いて圧縮することができれば,大規模センシングデータの効率的な表現が可能となる.従来手法ではチャネルごとに次元削減を行う手法が主流であり,チャネル間の相関をうまく利用できなかった.本年度はコンピュータビジョンで利用されている画像の色モデルである Color Lines をマルチモーダルデータの次元削減に利用することで,新しい視点からのマルチモーダルデータ圧縮に取り組んだ.結果として,PCA等の従来手法と比較し,同圧縮率で最大10 dB 以上のS/N比改善を達成した.本成果は IEEE GRSS のフラッグシップ国際会議である IGARSS 2017 で発表した.
著者
塚本 知玄 浅野 浩正 小野 伴忠
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.127-136, 2003 (Released:2014-03-15)
参考文献数
11

生乳輸送をモデルとして,液体輸送の新しい手段であるソフトタンクシステムと従来法の主流であるタンクローリー輸送について,容器の洗浄度,輸送時の品温,菌数,品質の変化等を比較検討した。平成13年夏,5 回の配送試験を実施し(岩手県遠野市から埼玉県行田市へ。平均走行距離600 Km,平均輸送時間19時間),以下の結果を得た。 1. ソフトタンクの洗浄度は良好で,洗浄後の容器内の生菌数測定値も低値で安定していたのに対し,タンクローリーの洗浄度は部位によるムラが見られ,洗浄不十分と考えられる部位が観察された。これは,タンクローリー内部の複雑で洗浄しにくい部分についての情報が洗浄作業者に十分に伝わっていないことが原因と考えられた。 2. タンクローリー輸送では輸送により乳温上昇が観察された。乳温上昇と外気温とに相関関係が見られなかったこと,また,タンク上部のヘッドスペースが少ない過積載状態の輸送では乳温上昇が抑えられたことなどから,タンクローリー配送では,外気温よりも,直射日光によるタンク上部の温度上昇に伴うヘッドスペースの温度上昇が,乳温上昇に大きく影響をあたえることが示唆された。一方,ソフトタンクシステムは輸送中の品温上昇は無かったが,外気温に依存した品温変化が観察された。温度を一定範囲内に制御する工夫が必要と考えられる。 3. いずれの配送においても,菌数の大幅な変化は観察されなかった。 4. タンクローリー輸送では生乳の脂質含量に変化が見られた。これは,輸送中の撹拌,衝撃もしくは振動でチャーニング現象が起こり,巨大脂肪球(クリーム)が生じたためと推察される。ソフトタンク輸送ではこの変化は見られなかった。 これらの結果は,ソフトタンクシステムが,新しい生乳輸送手段として,衛生面と品質面でタンクローリーに劣らない優れたシステムと成り得ることを示している。
著者
小野寺 夏生
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.288-295, 2007-07-31 (Released:2011-09-21)
参考文献数
20
被引用文献数
1

電子ジャーナルのオンライン閲読データに基づき, 論文および雑誌の利用分析を行った最近の海外研究を紹介した。興味ある研究テーマには, 論文または雑誌の閲読数と被引用数の相関, 閲読のオブソレッセンス特性とその引用オブソレッセンスとの比較, 引用と閲読が相互に影響し合う効果, オープンアクセス論文と非オープンアクセス論文の引用度の比較, 等に関するものがある。閲読データと引用データは別の面の利用特性を示すことを論じた。