著者
原 浩貴 村上 直子 山下 裕司
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.245-252, 2003-02-28 (Released:2011-03-01)
参考文献数
14
被引用文献数
2

2001年5月より2002年4月までの1年間に, いびき・OSAS患者32名に対し睡眠中のいびき音をMDに録音した後, マルチディメンジョナルボイスプログラムを用いて音響解析を行った.その結果, 周波数分析上, 単純いびき症例では, 基本周波数を中心とした一峰性のピークを持つものがほとんどであるのに対し, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群例では, 1kHz以上の高周波数帯に複数のピークを持つ傾向がみとめられた.また雑音成分は, 単純いびき症でSPIが高く, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群例でNHRが高い結果がえられた.
著者
種本 翔 藤野 雅広 山下 裕之 西本 哲也 兒玉 拓 長尾 光城
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.214-217, 2013

生活習慣病などの改善を目的に実施される運動は,強度や時間の設定次第で,活性酸素種の発生増加を引き起こす.簡便な指標による検討が少ないため,心拍数で強度規定し,酸化ストレス度および抗酸化力の変化について検討した.対象は,運動習慣のある男子学生7名(20.3±2.3歳)とした.漸増負荷での自転車エルゴメータを用いた運動を行い,その後30分の安静を設けた.運動前,60%HRR時,80%HRR時,終了後30分の計4回採血し,酸化ストレス度および抗酸化力を測定した.運動に伴い,d-ROMs testは増加傾向を示した.また,BAP testは運動により有意な増加を認めた.抗酸化力において認められた変化は,酸化-抗酸化の均衡が破綻した状態である可能性が示唆された.一定の運動強度を上回る負荷には注意が必要であることが考えられる.[Purpose] The aim of this study was to examine changes of oxidative stress and antioxidant status during incremental load exercise prescribed by a simple index. [Subjects]Seven students participated in this study. [Method] Subjects performed incremental load exercise on a cycle ergometer. Blood samples were taken at 4 time points: before exercise(Pre), at 60%HRR, 80%HRR, and 30 minutes after exercise, to analyze oxidative stress(d-ROMs) and antioxidant status(BAP). [Results] d-ROMs showed a tendency to increase. BAP were significantly higher in 60%HRR and 80%HRR compared with Pre. [Conclusion] These results suggested that more attention should be paid to load than on constant intensity.
著者
山下 裕之 堀内 昭作 平 知明
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.249-255, 1993 (Released:2008-05-15)
参考文献数
16
被引用文献数
3 7

本研究は4倍性品種と2倍性品種を用いて交配を行い,その雑種個体獲得効率の低い原因を明らかにするとともに,3倍体作出の効率を高めるための胚培養を行った.交配親には4倍性品種の'巨峰と'マスカット•オブ•アレキサンドリア4倍体および2倍性品種の'マスカット•オブ•アレキサンドリア'と'ジュライ•マスカット'を用いた.1.交配により得られた種子の発芽率,胚形成率および胚乳の発育は自然受粉から得た種子と比べて著しく劣っていた.特に2倍体を種子親にしたものにおいて顕著であった.2.2倍体を種子親にした場合の種子の生育は,自然受粉の種子より勝り,逆に4倍体を種子親にした場合は劣っていた.一方,交配後9週間目における2倍体を種子親にした胚の大きさは,自然受粉の胚と比較してその発達程度に著しい差異は認められなかったが4倍体を種子親にした場合には自然受粉の胚に比べて著しく劣った.3.交配60~70日に胚を無菌的に摘出し,MSの基本培地に麦芽抽出物500mg•liter-1を添加した培地に植え付けた.3倍性胚を発芽させ,その後生長させることに成功した.4.実生個体の根端を観察したところ,57本の染色体が認められ,3倍体であることが確認された.5.ブドウの4倍体と2倍体を交配して3倍体を育成する場合,4倍体を種子親にする方が効率的である事が示唆された.
著者
千馬 正敬 板倉 英世 山下 裕人
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 Tropical medicine (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.93-96, 1984-06-30

アンモニア性銀溶液は病理組織切片の細網線維染色のために世界に広く使用されている.しかしながら,組織染色に使用したアンモニア性銀溶液は黒色の雷酸銀が生成され爆発することがある.この危険は同染色に使用するチオ硫酸ナトリウムを等量,アンモニア性銀溶液の中に加えることにより爆発物質である雷酸銀の生成を未然に防止できる.The ammoniacal silver nitrate solution has been routinly used widely for the purpose of staining of reticulum fibers. However, the used ammoniacal silver nitrate solution may cause explosion due to formation of blackish silver fulminate. (AgONC) in the solution. This possible danger could be prevented by addition of an equal volume of the used sodium thiosulfate into the used ammoniacal silver nitrate solution.
著者
山下 裕企
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : 日本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.45-56, 2002-03-31

投資案の評価を行う際には、キャッシュフローの一部として投資によって生じる法人所得税キャッシュフローを測定する必要がある。この法人所得税キャッシュフローの測定には実効税率が用いられるが、日本の多国籍企業が外国子会社を通じて投資を行う場合には、国際的な二重課税を排除するために外国税額控除方式が用いられているので、これを考慮した実効税率が必要となる。そこで本研究では、まず外国税額控除方式を考慮した実効税率を提案し、投資による法人所得税キャッシュフローを測定する方法を示す。また提案する実効税率は源泉地国の法人所得税率、法人税と住民税の合算税率、事業税率、外国源泉税率、および割引率によって影響を受けるので、次にこれら各要素の変動が実効税率に対して与える影響を検討する。その結果、特に、源泉地国の法人所得税率や外国源泉税率の増加に対して、実効税率は、一定の範囲内で減少し、それ以外では増加するといった特徴的な変化をすることが明らかになる。
著者
鈴木 俊一 福田 俊彦 山下 裕宣
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会誌 (ISSN:09168753)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.480-484, 2004-07-20

L-grade stainless steels as 316NG, SUS316L and SUS304L have been used for the BWR reactor internals and re-circulation pipes as SCC resistant materials. However, SCC of the L-grade material components were reported recently in many Japanese BWR plants. The detail investigation of the components showed the fabrication process such as welding, machining and surface finishing strongly affected SCC occurrence. In this paper, research results of SCC of L-grade stainless steels, metallurgical investigation of core shrouds and re-circulation pipings, and features of SCC morphology were introduced. Besides, the structural integrity of components with SCC, countermeasures for SCC and future R&D planning were introduced.
著者
久保田 尚浩 ポジャナピモン チャイワット 福田 文夫 藤井 雄一郎 小野 俊朗 倉藤 祐輝 尾頃 敦郎 功刀 幸博 小林 和司 茂原 泉 山下 裕之 藤島 宏之
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.9-16, 2009-02

This study was conducted to investigate the relationship between completion of dormancy of grapevinebud and temperature. Canes of 'Kyoho' and 'Pione' grapevines (Vitis labrusca×V. vinifera) grown in 7 vineyards with different temperature conditions, in Nagano, Northern Okayama, Yamanashi, Okayama, Okayama University, Fukuoka and Miyazaki, were collected at three different chilling exposures,December, January and February. These were then sent to Okayama University all at the same time. Cuttings with one bud were put into growth chambers kept at 25 or 30°C with 14 hours daylength, and budbreak in each cutting was surveyed at two day intervals for 60 days. Cumulative chilling hours (CCH) of exposure to below 7.2°C in each treatment time was largest in Nagano, followed in order by Northern Okayama, Yamanashi, Okayama, Okayama University, Fukuoka and Miyazaki. The CCH in Nagano was 2.5 to 4.8 times larger than in Miyazaki depending on the treatment time. The later the treatment time and the higher the temperature, the fewer were the number of days to first budbreak (NDFB) after treatment, irrespective of cultivar. A similar trend was observed in the number of days to 60% budbreak. In 'Kyoho' the NDFB was short in Nagano, Okayama University and Miyazaki, and longer in Okayama, Yamanashi and Fukuoka. In 'Pione' the NDFB was short in Fukuoka and Okayama University, and longer in Yamanashi and Okayama. The result was a weak negative correlation observed between CCH and NDFB in 4 of 7 vineyards. However, there was a strong positive correlation between NDFB and cumulative temperature (CT), a summation of temperature and hours of exposure to above 0°C from November 1 to treatment time and hours of exposure to 25 or 30°C from start of treatment to budbreak in each plot, in 6 vineyards excluding Miyazaki. The importance of estimating the completion of dormancy in grapevine bud based on CT is discussed.ブドウの芽の休眠完了と温度との関係を調査するため,温度条件の異なる7園(中信農試,山梨果試,岡山農試,岡山農試北部支場,岡山大学,福岡農試および宮崎)で栽培されている'巨峰'と'ピオーネ'から低温遭遇量の異なる3時期(12月,1月,2月)に結果母枝を採取した.直ちに岡山大学に送り,1芽を持つ挿し穂に調整した後,25または30℃のインキュベーター(14時間日長)に入れ,2日間隔で60日間発芽を調査した.処理開始時の7.2℃以下の遭遇量は中信農試で最も多く,次いで岡山農試北部支場,山梨果試,岡山農試,岡山大学,福岡農試,宮崎の順で,中信農試と宮崎では処理時期により2.5~4.8倍の差があった.発芽所要日数は,両品種とも処理時期が遅いほど,また温度が高いほど少なく,60%発芽所要日数もほぼ同様の傾向であった.'巨峰'の発芽所用日数は中信農試,岡山大学および宮崎で少ない一方,岡山農試,山梨果試および福岡農試で多く,また'ピオーネ'では福岡農試と岡山大学で少なく,山梨果試と岡山農試で多かった.7園のうち4園で低温遭遇量と発芽所要日数との間に負の相関がみられたが,相関係数は低かった.一方,11月以降処理開始までの0℃以上の温度の積算値と処理開始から発芽までの25または30℃での積算値を合計した積算温度と発芽所要日数との間には1園を除き極めて高い正の相関が認められた.これらの結果を基に,積算温度によるブドウの休眠完了予測の可能性を考察した.
著者
藤吉 学 磯本 浩晴 白水 和雄 山下 裕一 小畠 敏生 梶原 賢一郎 掛川 暉夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.1116-1120, 1989-05-01
被引用文献数
28

大腸癌卵巣転移の臨床病理学的特徴を明らかにするとともに,予防的卵巣摘除術の適応を明確にする目的で,原発巣切除を受けた女性大腸癌症例309例を対象として検討を行い,以下の結果を得た.1.卵巣転移を5例に認め,全体では5/309(1.6%),閉経前3/61(4.9%),閉経後2/248(0.8%)であった.2.卵巣転移は,深達度a_2,s以上でなおかつリンパ節転移n_2(+)以上の症例に認められた.3.腹膜播種陽性例では,卵巣転移は3/25(12%)と高率であった.以上より予防的卵巣摘除術の適応は,1)明らかに卵巣に異常のあるもの.2)腹膜播種のあるもの.3)明らかな漿膜浸潤や外膜浸潤があり,リンパ節転移高度なものと考えている.
著者
大江 夏子 田原 誠 山下 裕樹 丸谷 優 蔵之内 利和
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.169-177, 2004-12-01
参考文献数
25
被引用文献数
6 3

蒸切干し用に開発されるサツマイモ新品種の不正使用や海外流出に対抗する手段を確立するため,加工品である蒸切干し製品から,その原料となった品種を,DNAの多型を基に高精度に判定する技術を開発することとした.転移因子であるレトロトランスポゾンは,植物のゲノムに多数の複製配列が散在している.サツマイモのレトロトランスポゾンRtsp-1のゲノム挿入部位を,葉から抽出したDNAを用い,蒸切干し用新品種候補を含む12品種についてS-SAP(Sequence-Specific Amplification Polymorphism)法により分析した結果,多数の複製配列の挿入と挿入部位の品種間の多型が検出された。品種間で違いが見られたRtsp-1挿入部位の塩基配列を調べ,挿入を受けた宿主側の配列とRtsp-1の末端反復配列間のPCRによって,それぞれの品種について様々な挿入部位における挿入の有無を調べた.その結果,最少5ヵ所の挿入部位のPCRにより,上記12品種の区別が可能であった.蒸切干しイモのDNAは,イオン交換樹脂カラムを用いて抽出することができたが,加工による断片化が進んでいた.断片化した蒸切干しイモのDNAを鋳型にしたPCRにおいても,明瞭な結果が得られ,原料品種の識別が可能であった.染色体の特定部位におけるレトロトランスポゾン挿入の品種間多型をPCRにより判定し品種識別を行う方法は,DNAが断片化した加工品の分析に適する,再現性が高く操作が容易,マーカー数の確保が容易などの利点があり,高次倍数性の作物や加工品などにおける優れた品種識別マーカーとなる.
著者
近藤 晃 林 洋子 山下 裕
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.111-114, 2007-09

患者は50歳の女性。2007年4月5日,高熱,悪寒,全身の筋肉痛,関節痛と咳嗽が数日続くため,他医より紹介されて入院した。入院後,HydrocortisoneおよびPredonisoloneの投与を行って解熱したが,4月16日頃から右前腕および右大腿に浮腫性の紅斑が出現した。経過を通じ,白血球増多,CPR高値,赤沈亢進,LDHの上昇,さらにはムコ蛋白の上昇と軽度の肝機能障害があり,臨床的には発熱と咽頭痛,関節炎と皮疹が認められ,リウマトイド因子や抗核抗体は陰性で,血清フェリチン値も高値を示したことから,成人スチル病と診断した。本例はその経過中に,明らかにインフルエンザAの有意の抗体の上昇を認めたため,成人スチル病にこの感染が併発したものと考えた。ステロイドの長期投与によって,2007年5月末の時点では平熱の状態で,関節痛や皮疹も消失している。
著者
林 春男 山下 裕介 田中 重好 能島 暢呂 亀田 弘行 河田 恵昭
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

災害復旧に従事する防災機関のロジスティクス・マネージメントにおいて,災害対応を緊急対策,応急対策,復旧・復興対策という相互に独立し,異なる目標を持つ3種類の対策の組み合わせとして考えることが可能である.しかも,この3種類の対策はすべて災害発生直後から同時に,別々の担当グループによって実施される必要性が明らかになった.その間でのニーズと資源の相互調整過程にロジスティクス・マネージメントの本質があると考え,それを可能にする情報システムの構築を行った.1)防災CALSの構想 災害対策をおこなう関連部局間での状況認識の共有と資源調整を可能にするための情報処理標準の必要性を明らかにし,そのプロトタイプを検討した.2)被害状況の把握,対応状況の整理,資源動員計画の立案,周知広報による情報共有の確立を統一的に推進するシステムの構築を目的として,カリフォルニア州が開発した“OASIS" (OPERATIONAL AREA SATELLITE INFORMATION SYSTEM)と,わが国の災害情報処理報告形式とを比較検討し,わが国における合理的な災害情報処理様式の検討を行った.3)合理的な意思決定を支援するためには,災害対応の各局面における制約条件,過去の教訓棟を的確に参照しうるシステムが必要となるという認識のもとに,SGML (Standard General Markup Language)による災害情報管理システムのプロトタイプを構築した.各種防災計画の改訂や検索に強力な武器になることが明らかになった.4)阪神淡路大震災で初めて注目され,今後の利用法の検討が考えられるべきボランティア問題に関して,実態調査を重ねその問題点を明らかにした.
著者
登喜 和江 高田 早苗 蓬莱 節子 和田 恵美子 山居 輝美 前川 泰子 山下 裕紀 仁平 雅子 柴田 しおり
出版者
大阪府立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

脳卒中後遺症としてのしびれや痛みの実態および対処の様相を明らかにすることを目的に面接法と質問紙法による調査を行った。脳卒中後遺症としてのしびれや痛みは,(1)約7割に発症している。(2)約5割の人々が四六時中しびれや痛みを感じている。(3)約7割の人々が生活に支障を感じながらも何とか生活している。(4)最大の強さを100とした場合,約1割の人々が80以上と感じている。(5)個々の参加者によって多様に表現される一方,表現しがたいとする人も少なくない。(6)明確に区別されにくく,人によってはしびれが強くなると痛みに近い感覚として体験される。(7)気象の変化等による深部や内部のしびれ・痛みとして知覚される場合と雨風が直接当たることで誘発される皮膚表面のしびれ・痛みといった一見相反する感覚を併せ持つ。(8)眠ると感じない,他に意識が向いている時は忘れている,しびれ・痛みに意識が集中すると強く感じられる等の特徴が見出された。しびれや痛みの受けとめは,「強さ」「罹病期間」「医療者や身近な人々の対応」に影響を受けていた。治療効果については,様々な医学的治療や民間療法が用いられていたが,「温泉」「マッサージ」「温湿布」などの身体侵襲が少なく心地よさを感じる療法に効果があったとしていた。また,しびれや痛みは,それ自体として知覚されるだけでなく<感覚の不確かさ><温冷感覚の変化><感覚の違和感>といった特異な感覚を伴っている。さらに,この痛み・しびれは,脳卒中者の生活に多様な影響をもたらしており,参加者は<しびれ・痛みそのものへの対応><身体との折り合い><道具世界との協調><周囲との付き合い><自分自身と向き合う>といった対処で生活を維持しようと努めていた。
著者
近藤 晃 穐山 雄一郎 山下 裕
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.372-375, 2006-12

71歳男性で,発熱,両下肢の倦怠感があるため,2006年7月7日当病院に入院した。右肘部背側に小鶏卵大の腫瘤があり,右前腕および上腕屈側に結節および発赤をみとめた。白血球数18200/mm3,好中球86.9%であったため,piperacillinの治療を開始した。入院時の血液培養で,Viblio vulnificusが分離された。その後,piperacillinのほか,imipenem, biapenemに変更して,症状は軽快した。アルコール性肝炎があったが,早期からpiperacillinによる治療を行ったことにより,重症化せずに救命し得たものと考えられた。
著者
大西 広 山下 裕歩
出版者
京都大学経済学研究科
雑誌
京都大学大学院経済学研究科Working Paper
巻号頁・発行日
no.J-20, 2002-01

本稿は近代経済学とマルクス経済学が相互に意志不通である状況を解消し、マルクス経済学を近代経済学に理解可能な形で再構成することを目的としている。この分野では置塩(1957)による「マルクス=置塩の定理」が国際的にも高い評価を得ているが、それでもそれ自身の理論継承者である分析的マルクス主義からも現在は批判を受けるに至っている。また、置塩(1967)は、ケインズ経済学寄りのマルクス解釈でマルクス経済学と近代経済学と の橋渡しを行ない,その後三土(1984)は逆に新古典派的な限界生産力理論を基礎にマルクス搾取理論を再解釈した。これらに対し,本稿では新古典派成長理論を基礎としたマルクス理論の再構成を試みる。 本稿におけるマルクス理論の再構成のもうひとつの特徴は,史的唯物論に明確に基礎を置いた労働価値説と剰余価値説を定式化することである。
著者
北爪 博文 岡田 正 金 昌雄 山下 裕 山崎 芳郎 井村 賢治 信友 政明 中尾 量保 川島 康生 山本 賢司 ヤマモト ケンジ
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.1003-1007, 1982

Total parenteral nutrition (TPN) has gained wide acceptance as valuable adjunct in the care of critically ill patients. However, the risk of catheter-related sepsis is still of continued concern. The investigation on the current state of TPN and incidence of catheter-related sepsis was performed by the questionnaire method to 1,064 general hospitals throughout Japan in 1980. Replies submitted to the questionnaire were obtained from 569 hospitals (53.5%). Catheter-related sepsis was defined as an episode of sepsis, for which no anatomic locus could be identified, that is resolved on removal of the catheter. This time, catheter-related sepsis in pediatric patients seen in 126 hospitals was especially reviewed and analyzed. Catheter-related sepsis in 1979 was associated with 16.2% of catheters and occurred in 13.0% of patients. This incidence was little higher comparing with 11.2% in adult patients. The predominant organism of catheter-tip culture was Staph. epidermidis. The aseptic technique provided at each institution was also investigated. By this analysis, futher need for a precise protocol delivered by an experienced team is emphasized to minimize the incidence of catheter-related sepsis.