著者
井上 昂治 ラーラー ディベッシュ 山本 賢太 中村 静 高梨 克也 河原 達也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.H-L51_1-12, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

An attentive listening system for autonomous android ERICA is presented. Our goal is to realize a humanlike natural attentive listener for elderly people. The proposed system generates listener responses: backchannels, repeats, elaborating questions, assessments, and generic responses. The system incorporates speech processing using a microphone array and real-time dialogue processing including continuous backchannel prediction and turn-taking prediction. In this study, we conducted a dialogue experiment with elderly people. The system was compared with a WOZ system where a human operator played the listener role behind the robot. As a result, the system showed comparable scores in basic skills of attentive listening, such as easy to talk, seriously listening, focused on the talk, and actively listening. It was also found that there is still a gap between the system and the human (WOZ) for high-level attentive listening skills such as dialogue understanding, showing interest, and empathy towards the user.
著者
池尻 良平 山本 良太 仲谷 佳恵 伏木田 稚子 大浦 弘樹 安斎 勇樹 相川 浩昭 山内 祐平
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.31-44, 2020 (Released:2020-09-17)
参考文献数
16

近年の高校の歴史教育では,ある時代の因果関係を多面的に分析する歴史的思考力の育成が重視されている。しかし,歴史的思考力の程度が多様な中堅高校において,各生徒の思考力や関心に合わせて柔軟に歴史的思考力を育成できる授業モデルは確立されていない。そこで本研究では,中堅高校における生徒の多様な関心に対応できる動画を複数用意して事前に学習させ,その学習内容をグループで組み合わせることで,ある時代の因果関係を多面的に分析する歴史的思考力を育成するアラカルト型反転授業を開発した。授業実践を通した評価の結果,事前に比べて事後で歴史的思考力が有意に向上し,中程度の効果があることが示された。また,事前ではクラス内での歴史的思考力にばらつきがあったのに対し,事後では26名中25名が中レベル以上の歴史的思考力を身につけていることも示された。さらに,生徒の関心の多様性についても対応できた上で,該当時代の関心が事後で有意に向上し,小~中程度の効果があることが示された。
著者
土屋 武彦 法村 俊之 山本 久夫 畠山 智
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.279-284, 1985 (Released:2010-02-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

The radiations emitted from the front surface of CRT of a color-television and a personal-computer display were measured by GM-counter. No difference was observed in the radiation dose between the cases with and without application of a high voltage to the CRT. The radiations were also measured by Si- and Ge-semiconductor spectrometers. It was found that the radiations emitted from CRT were composed of β- and γ-rays, and were essentially emitted from 40K and the nuclides of uranium- and thorium- series contained within the front glass of CRT. The exposure dose rate of these radiations at 50cm from the surface of CRT was, however, less than 1.6×10-3mrem/hr, and it was practically negligible in comparison with that of natural background radiations.
著者
横光 健吾 高階 光梨 山本 哲也
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-043, (Released:2022-05-20)
参考文献数
27

認知行動療法は、さまざまな臨床心理学的問題に対する心理療法の中心的存在として、問題解決に挑み続けてきている。本論文では、遠隔心理実践の統合モデルを紹介するなかで、①遠隔心理支援の概要、および遠隔心理実践における認知行動療法の位置づけ、②支援者の関わりが少ない支援の中で重要となる要素、および活用事例、③ICTツールを用いた認知行動療法の普及に向けた課題、を整理することを通して、遠隔心理支援に関する支援者のリテラシーの向上に寄与したい。
著者
秋原 悠 小田 俊明 山本 忠志 曽我部 晋哉
出版者
Japan Society of Human Growth and Development
雑誌
発育発達研究 (ISSN:13408682)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.89, pp.22-32, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
25

The purpose of this study was to clarify the characteristics of body composition of Japanese elementary and junior high school students. In this study, body composition was measured using a body composition analyzer (Inbody470).In this method, body composition take as a 4-components model (total body water/protein/mineral/body fat mass), and the subdivided data can be easily analyzed. Subjects that were included in this study total 791 students (Boys: 373, Girls: 418) from the 1st grade of elementary school to the 3rd grade of junior high school.As a result of the analysis, both the boys and girls height and weight gradually increased year by year. The amount of fat-free mass also increased, but body fat mass decreased in boys after the 6th grade of elementary school. For the girls, it increased year by year. The results showed the differences for each gender in all components since junior high school. In particular, there was a marked difference in the 3rd grade of junior high school (total body water: p < 0.001, protein: p < 0.001, mineral: p < 0.001, body fat mass: p < 0.001). In the 4-components, regardless of the age difference in junior high school students, only protein significantly increased in boys (p < 0.05). For the girls, total body water (p < 0.001), protein (p < 0.001), and minerals (p < 0.01) were significantly decreased, and body fat percentage (p < 0.001) was significantly increased.This study clarified the gender differences and age differences of the 4 components of the body. From these results, the deterioration of the body components especially for junior high school student girls were concerned, and the necessity of taking countermeasures in exercise habits and lifestyle habits were indicated.

11 0 0 0 OA 計画経済批判

著者
山本勝市 著
出版者
理想社
巻号頁・発行日
1941
著者
山本 志乃
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.155, pp.1-19[含 英語文要旨], 2010-03

旅の大衆化が進んだ江戸時代の後期、主体的に旅を楽しむ女性が多く存在したことは、近年とくに旅日記や絵画資料などの分析から明らかになってきた。しかしながら、講の代参記録のような普遍化した史料には女性の旅の実態が反映されないことから、江戸時代の女性の旅を体系的に理解することは難しいのが現状である。本稿では、個人的な旅日記を題材に、そこに記された女性の旅の実態を通して、旅を支えたしくみを考える。題材とした旅日記は、❶清河八郎著『西遊草』、❷中村いと著「伊勢詣の日記」、❸松尾多勢子著「旅のなくさ、都のつと」の3点である。❶は幕末の尊攘派志士として知られる清河八郎が、母を伴って無手形の伊勢参宮をした記録である。そこには、非合法な関所抜けがあからさまに行われ、それが一種の街道稼ぎにもなっていた事実が記されており、伊勢参宮を契機とした周遊の旅の普及にともない、女性の抜け参りが慣例化していた実態が示されている。❷は江戸の裕福な商家の妻が知人一家とともに伊勢参宮をした際の日記で、とくに古市遊廓での伊勢音頭見物の記録からは、旅における女性の遊興と、その背景にある確かな経済力を確認することができる。❸は、幕末期に平田国学の門下となった信州伊那の豪農松尾家の妻多勢子が、動乱の最中にあった京都へ旅をし、約半年にわたって滞在した記録である。特異な例ではあるが、身につけた教養をひとつの道具として、旅先の見知らぬ土地で自ら人脈を築き、その人脈を故郷の人々の利用に供したことは注目に値する。女性の旅人の存在は、街道や宿場のあり方にさまざまな影響を及ぼしたと思われる。とくに、後年イギリスの女性旅行家イザベラ・バードが明記した日本の街道の安全性は、女性の旅とは不可分の関係にあり、江戸時代後期の日本の旅文化を再評価するうえで、今後さらに女性の旅の検証を重ねていくことが必要である。
著者
古川 健司 重松 恭祐 岩瀬 芳江 三上 和歌子 星 博子 山本 淳子 大塚 藍 阿部 宏子
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.1154-1161, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
19

【目的】がんは糖質の取り込みが多いことに注目し、糖質制限の厳しいケトン食を用いて、化学療法併用による臨床での安全性と効果を調べた。【方法】当院の倫理委員会の承認の元、ステージⅣの大腸がん、乳がん患者に対し、ケトン比1.5~1:1の修正MCTケトン食を3カ月摂取し、代謝、栄養状態、QOL、臨床効果を調べた。【結果】9名を対象に検討を行い、非糖尿病患者では、ケトン食によりケトーシスにはなったが、尿中排泄によりアシドーシスは軽度であった。-5.4%の体重の有意な減少を伴ったが、肝・腎機能は保たれ、抗がん剤併用でもQOLを下げず、奏効率67%、病態コントロール率78%で、がんの縮小は、血中総ケトン体値とQOLスコアに相関関係が示唆された。【結論】修正MCTケトン食は、抗がん剤併用でも、3カ月の短期間ではあるが、進行がん患者にも安全な食事療法であり、がんの縮小も血中ケトン体値とQOLスコアに相関が示唆された。
著者
大久保 澄子 田中 克浩 野村 長久 山本 裕 池田 雅彦 山本 滋 紅林 淳一 園尾 博司
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.63, no.10, pp.2358-2361, 2002-10-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
15
被引用文献数
1

当科で経験した小児・若年者甲状腺癌14例について検討した.男女比1:2.5, 年齢6~19歳だった.主訴は頸部腫瘤が13例と最も多く,術前診断は血中サイログロブリン値測定と穿刺吸引細胞診が比較的診断率が高かった.手術方法は全摘6例,亜全摘7例,葉切除1例で,リンパ節郭清は12例に行った.全例乳頭癌でリンパ節転移陽性は10例(71%)だった.肺転移は3例(21%)に認めたが現在全例生存中である.小児・若年者は早期からリンパ節転移や肺転移をきたしやすいため,正確な術前評価,手術方法の決定,厳重な術後経過観察が必要だと考えた.
著者
山本 啓二 Keiji Yamamoto 京都産業大学文化学部
出版者
京都産業大学総合学術研究所
雑誌
京都産業大学総合学術研究所所報 (ISSN:13488465)
巻号頁・発行日
no.10, pp.49-57, 2015-07

11世紀のカイロで医者として活躍したアリー・イブン・リドワーンは,プトレマイオスによる占星術書『テトラビブロス』に対してアラビア語で全文註解を施している。この『テトラビブロス註解』は13世紀にラテン語に翻訳され,さらに15世紀には印刷され,広くラテン世界にも知られるようになった。アリーはその註解を書く際に,フナイン・イブン・イスハークによるアラビア語版を用いていた。筆者は現在フナイン版テキストの校訂版を準備しているが,その場合に,13世紀以降のものしか残っていないフナイン版の写本以外に,11世紀にアリーによって註解書に引用されたフナインのテキストも参照すべきであることを認識するに至った。
著者
山本 泰智
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.594-599, 2016-06-15

生命科学分野には,実験で得られたデータおよび実験に基づき記述された論文から得られたデータを納める多種多様なデータベースがあり,そこで記述されている概念を示す語彙の共通化とアクセス方法の共通化による相互運用性の確保は生命科学の効率的な発展に必須である.語彙の共通化を目指して様々な領域オントロジーが開発され,また,アクセス方法の共通化のためにRDFが採用されつつある.この結果,国内外で生命科学分野のLODが充実してきたが,研究の進展により得られた知見はそれまでの語彙構造を変化させ得ることから,蓄積されている膨大なデータや知見の間の関係性を適宜整理できる技術基盤を構築することが望ましい.
著者
長野 友彦 友田 秀紀 小泉 幸毅 森山 雅志 山本 大誠 赤津 嘉樹 德永 武男 梅津 祐一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11287, (Released:2017-12-14)
参考文献数
39

【目的】本研究の目的は,回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者の歩行自立再獲得日数への障害の重症度と低栄養の影響を検証することであった。【方法】対象は病棟内歩行が自立した65 歳以上の脳卒中患者116 名とした。分析は歩行自立再獲得日数に関連する潜在変数を障害の重症度と低栄養に分類してそれらに関連する観測変数から仮説モデルを作成し,共分散構造分析で検証した。【結果】年齢を層別化すると,前期高齢者群ではおもに障害の重症度が歩行自立再獲得日数に関連しており,低栄養の関連性は認められなかった。後期高齢者群では障害の重症度と低栄養が歩行自立再獲得日数に関連し,低栄養には嚥下障害が関連していた。【結論】回復期リハビリテーション病棟の脳卒中患者では,障害の重症度と低栄養のそれぞれが歩行自立再獲得日数に影響することが明らかになった。さらに,嚥下障害を伴う後期高齢者群では栄養管理の重要性が示唆された。