著者
山本 和奈 岩島 覚 西尾 友宏 塩澤 亮輔 久保田 晃 三牧 正和
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.967-973, 2019-05-01

ブラインドやカーテン留め等のひも状部分が偶然,子どもの頸部に絡まり,縊頸をきたす事故が報告されている.この事故は世界的にも問題になっており,判明しているだけでも世界15か国で250件以上の死亡事故が報告されている.残念ながら,本邦でもブラインドひもによる小児縊頸事故は発生している.ほとんどの事故死は,啓発により予防することができると考えられるが,本件に関しては発生件数が減少していないのが現状である.われわれ小児科医は保護者や企業,行政と協力し,小児縊頸事故の予防,対策に徹底的に取り組む必要がある.最近,われわれは「ブラインドひもによる縊頸の1例」を経験した.本稿では,小児縊頸事故についての現状を把握し,この事故を防ぐために,現状ではどのような問題が存在し,事故を予防するにはどのような対策が必要なのか,具体例を交えて考察する.

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著者
山本勇夫 著
出版者
昭文堂
巻号頁・発行日
1926
著者
山本 圭
出版者
日本政治学会
雑誌
日本政治學會年報政治學 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.2_267-2_287, 2012

This paper aims to re - think the relationship between populism and democracy, and clarify that populism can hold some advantages for democratic societies. In order to do this I shall, first of all, make a survey of some arguments that have dealt with this relationship, and show that they face a difficult antinomy. I will then argue that the primary reason for this dilemma resides in "two strand theory" in the concept of modern democracy. <br>&nbsp;&nbsp;Secondly, this paper focuses on theories of "radical democracy" to indicate how and why recent democratic theories move closer to populism. After reviewing some representative theories of radical democracy, I shall pick up Ernesto Laclau's political theory on populism, as his thought provides an appropriate example of the encounter between democracy and populism. Finally, through these considerations, I will attempt to clarify "the democratic utilities of populism."
著者
梶原 智之 山本 和英
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.983-992, 2015-03-15

小学生の文章読解支援に向けた語彙平易化を目的として,国語辞典の語釈文から平易な語彙的換言を獲得する手法を提案する.国語辞典の語釈文は,見出し語を平易な語を用いて説明しており,見出し語から語釈文中の語への換言によって語彙の平易化が見込まれる.従来は主要部終端型である日本語の特徴を利用した語釈文末の語への換言が行われてきたが,我々は語釈文全体から見出し語と換言可能性のある候補を広く収集して換言する手法を提案する.換言候補から最終的な換言を選択する際には,文脈を考慮するよりもシソーラスに基づく語の類似度を用いた選択の効果が高いことを実験的に示す.
著者
山根 承子 山本 哲也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.1D4OS22a3, 2018-07-30

<p>ビニール傘に仕掛けを施すことによって、盗難を防ぐことができるのかを実証した。施した仕掛けは、名前シールを貼る、アニメキャラのシールを貼るなどの簡便なものである。これらの傘を大学構内の傘立てに置き、約3ヶ月にわたって実験を行った。</p>
著者
赤羽 久忠 古野 毅 宮島 宏 後藤 道治 太田 敏孝 山本 茂
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.108-115, 1999-02
参考文献数
14
被引用文献数
4

温泉水の中で, 自然の倒木が珪化していることがあり, これが地質時代に形成された珪化木の一つの形成現場であるという報告がある(Leo and Barghoorn 1976;赤羽・古野, 1993).筆者らはさらにこれを確かめるため, 木片を7年間にわたって温泉水の流れに浸し, 珪化の進行を観察した.珪酸の増加は約1年で重量比~0.72%, 2年で~2.90%, 4年で10.65%, 5年で26.78%, 7年で38.11%に達した.珪化は, 珪酸の球状体が木材組織の細胞内腔を充填することによって行われている.珪酸が木材組織へ浸潤する機構について, 珪酸の球状体が道管~道管壁孔を経由し各細胞まで到達した痕跡を確認した.今回確認した珪化木の形成機構は, 地質時代の珪化木形成を説明するものである.すなわち, 条件が整えば, 地質時代に形成された珪化木も数年~数10年という驚くべき短期間で行われた可能性がある.
著者
山本 冴里
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.149, pp.1-15, 2011

<p> 本稿は,主に計量テキスト分析の手法によって,戦後国会の「日本語教育」言及会議における論点を調査し,また,そこで「日本語教育」に言及した人々(アクター)が誰であったのかを調べた結果を記したものである。調査の結果,アクターが文部省関係者を中心としていたことや,時期によって「日本語教育」言及会議数には大きな増減があったこと,また全時期の議論にほぼ通底する使用語彙と,各時期を特徴づける独特の語彙の存在が明らかになった。さらに「日本語教育」言及会議数急増期については,該当時期に特徴的な語を析出し,その特徴的な語と語の関係についてまとめた。</p>
著者
本多 マークアントニー 泉 政文 山本 忠宏 大塚 英志 橋本 英治 Mark Anthony HONDA Masafumi IZUMI Tadahiro YAMAMOTO Eiji OHTSUKA Eiji HASHIMOTO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

WEB表現へのまんがの適応について、その方向性として、①縦及び横の「スクロール形式 」、②「見開き」に基づくまんがの文法を解体し、一頁単位の表示に基づく文法にシフトした形式 、③静止画のスライドショー形式、の3つが仮説としてたてられ、今回の共同研究では、①のうち「縦スクロール形式」と③の「スライドショー形式」について、そこで採用されるべき文法を仮定し、それに基づき実験作品を制作した。縦スクロール形式においては日本まんが表現の「映画的手法」をいかに導入するかに研究の主眼を置いた。その結果、アイレベルを基準とし、それに続くコマでのアングルの極端な切り換え、コマの縦幅の極端な変化における「尺」(時間)の表現などの、紙媒体で成立した手法の中心的な部分が、WEBへの置き換えが可能であることが確認された。その結果、「横スクロール形式」よりも「縦スクロール形式」の方が映画的手法の移植に向いているという仮説が新たに得られた。また「横スクロール」においては、画面の天地ほぼ中央に視線誘導の基準となる中心線を置くことで視覚の流動性を確保したが、「縦スクロール」では画面を二分割して構図を構成することで画面の左右中央に基準線が存在するのに近い印象を与えることができた。
著者
山本 昭宏
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.153-170, 2011

This paper analyzes articles about nuclear energy in three science magazines, Kagaku Asahi (Asahi Science), Shizen (Nature), and Kagaku (Science), which were published in Japan in the 1950s. The analytical methodology used in the study is a combination of quantitative analysis and theory concerned with the agenda-setting function of the media. The study aims to reveal the relationship between the discourse found in the articles and Japanese opinions concerning nuclear energy development and radioactive substances, and to explore the qualitative changes in the discourse of the articles and the reasons underlying such changes. One conclusion that emerges from the quantitative analysis is that the number of discourses concerning nuclear energy increased between 1954 and 1955, and following this started to steadily decrease. Generally speaking, the Lucky Dragon 5 incident in 1954, in which the crew of a Japanese fishing vessel was exposed to nuclear fallout from US nuclear testing on Bikini Atoll, is considered to have started the anti-nuclear movement in Japan. At this time, in the science magazines, there was an increase in specialist discourses concerning topics such as nuclear reactors and methods of measuring nuclear fallout. In reality, almost all the scientists involved in nuclear energy research and development thought that they had no connection to the anti-nuclear movement. Based on a purely dualistic conception of good and bad, they continued to position nuclear energy as something to be used for good. From this perspective, it can be seen that in the Japanese science magazines of the 1950s, the nuclear bombing of Hiroshima and Nagasaki and its effects were understood only in a very limited sense.
著者
林嵜 和彦 児島 明 山ノ内 裕子 中島 葉子 山本 晃輔
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、日系ブラジル人のトランスマイグラントとしての側面に着目しながら、日本で教育を受けた経験のあるブラジル人青年のライフストーリを収集し、進路状況、文化的志向やアイデンティティ、被教育経験をあきらかにしようとした。そして、日本におけるブラジル人学校や、そのほかの日本の学校の機能、支援の在り方等を考察している。その結果、おおくの若者が、日本での被教育経験や生活経験をうまく活用しながら、ブラジルにおいて再チャレンジをはたす姿が見出された。また文化的な貢献として刷新された日本の文化や習慣が旧来の日系社会文化と混成される様子も観察された。
著者
渡邊 裕 新井 伸征 青柳 陽一郎 加賀谷 斉 菊谷 武 小城 明子 柴本 勇 清水 充子 中山 剛志 西脇 恵子 野本 たかと 平岡 崇 深田 順子 古屋 純一 松尾 浩一郎 山本 五弥子 山本 敏之 花山 耕三
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.77-89, 2020-04-30 (Released:2020-08-31)
参考文献数
11

【目的】摂食嚥下リハビリテーションに関する臨床および研究は,依然として未知の事柄が多く,根拠が確立されていない知見も多い.今後さらに摂食嚥下リハビリテーションの分野が発展していくためには,正しい手順を踏んだ研究が行われ,それから得られた知見を公開していく必要がある.本稿の目的は臨床家が正しい知見を導くために,研究報告に関するガイドラインを紹介し,論文作成とそれに必要な情報を収集するための資料を提供することとした.【方法】日本摂食嚥下リハビリテーション学会誌に投稿される論文は症例報告,ケースコントロール研究,コホート研究,横断研究が多いことから,本稿では症例報告に関するCase report(CARE)ガイドラインと,The Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology Statement(STROBE 声明)において作成された,観察研究の報告において記載すべき項目のチェックリストについて紹介した.【結果】CAREガイドラインについては,症例報告の正確性,透明性,および有用性を高めるために作成された13 項目のチェックリストを説明した.STROBE 声明については研究報告の質向上のために作成された,観察研究の報告において記載すべき22 項目のチェックリストを解説した.【結論】紹介した2 つのガイドラインで推奨されている項目をすべて記載することは理想であるが,すべてを網羅することは困難である.しかしながら,これらのガイドラインに示された項目を念頭に日々の臨床に臨むことで,診療録が充実しガイドラインに沿った学会発表や論文発表を行うことに繋がり,個々の臨床家の資質が向上するだけでなく,摂食嚥下リハビリテーションに関する研究,臨床のさらなる発展に繋がっていくと思われる.本稿によって,より質の高い論文が数多く本誌に投稿され,摂食嚥下リハビリテーションに関する臨床と研究が発展する一助となることに期待する.
著者
平野 哲史 柳井 翔吾 高田 匡 米田 直起 表原 拓也 久保田 直人 南 貴一 広川 千英 山本 杏 万谷 洋平 横山 俊史 北川 浩 星 信彦
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第43回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-252, 2016 (Released:2016-08-08)

【背景】ネオニコチノイドは1990年代に昆虫型ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)を標的として開発された農薬成分である.しかし近年,ネオニコチノイドは哺乳類型nAChRsを介して神経細胞に興奮反応を引き起こすことが示され,昆虫以外の生物に対して不測の影響を与える可能性が懸念されている.我々はこれまでに成熟雄マウスをネオニコチノイドの1種,クロチアニジン(CTD)に4週間曝露すると,新規環境(オープンフィールド)における不安様行動が引き起こされ,その影響は環境ストレス下においてより顕在化することを報告してきた.本研究では,ネオニコチノイドによる行動影響発現に関与する脳領域を明らかにすることを目的とした.【材料と方法】C57BL/6成熟雄マウスに5または50 mg/kgの CTDを単回経口投与し,投与1時間後に高架式十字迷路試験による行動解析を行った.さらに2時間後に脳を摘出し,c-fos発現を指標とした組織学的解析により投与後誘導された神経活動を評価した.【結果と考察】行動解析の結果,CTD 5 mg/kg投与群においては溶媒投与対照群と比較してOpen arm滞在時間および侵入回数の減少がみられた.CTD 50 mg/kg投与群においては,さらに総移動距離の減少ならびに迷路探索時における異常啼鳴(Abnormal vocalization)およびすくみ行動(Freezing)が観察された.組織学的解析の結果,情動およびストレス反応に関与する視床下部,海馬においてc-fos陽性細胞数の増加がみられた.以上の結果から,CTD投与下においては,新規環境ストレスに曝露された際にコリン作動性神経投射を受ける視床下部や海馬における過剰な神経興奮が生じ,不安様行動やストレス応答を濃度依存的に誘発する可能性が示唆された.
著者
佐々木 淳 岡田 啓司 佐藤 至 佐藤 洋 千田 広幸 大谷 久美子 池田 光秀 池田 美喜子 山本 幸男 渡部 典一
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故から1年が経過した頃より、福島県の帰還困難区域内で飼育・維持されている黒毛和牛の皮膚に白斑がみられはじめ、放射線被ばくの影響が懸念されたことから、その原因究明のため調査・研究を行った。白斑は頭頚部、体幹部、四肢などほぼ全身で認められた。白斑の大きさは直径1cm程度であり、白斑部では被毛の白色化とともに皮膚が肌色に退色しているものもみられた。皮膚生検による組織学的検索では、病変部に一致してメラニン色素の減少・消失とメラノサイトの減数が認められた。本研究結果より本病変は尋常性白斑と診断され、原因はメラノサイトの減少と活性低下の可能性が示唆された。
著者
山本 純子
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.24-34, 1991-07-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
28

“BUGEI-ZUFU-TSUUSHI” (in Korean, Muye-Tobo-Tongji) was published in 1790. SOUSYUTOU (Shangusudo) can be seen in this book. SOUSYUTOU was affected by KOUWA (Japanese prisoners of the Invasion of Korea by Toyotomi Hideyoshi) and the drillmasters of Ming China army in the process of its formation. This study attempted to analyze the political situation of a sword arts in Japanese Invasion of Korea from 1592 to 1598. The purpose of this study was to clarify the relationship of SOUSYUTOU with KOUWA and Ming China army.The results can be summarized as follows.1. In those days, a sword arts in Korea was less developed than Japan and China.2. The sword arts was introduced into Korea from Japan and China by KOUWA and Ming China army in KUNRENTOKAN (HullyonTogan).3. SOUSYUTOU was affected by KOUWA and Ming China army through the medium of KANKYO (a man of public functionary in Korea).
著者
山本 耕平 太郎丸 博
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.165-180, 2015 (Released:2016-07-10)
参考文献数
41

本稿では,日本・イギリス・アメリカの社会学の相違を,定量的な比較を通して検討する.具体的には,1)どのような方法がもちいられるか,2)雑誌論文と一般書籍のどちらがより引用されるか(これを引用文化とよぶ),という二点を各国における実証主義の強さの相違を表すものとして比較する.日英米の学術ジャーナル各2誌において2012年に掲載された論文をすべてサンプリングし,それらの論文で用いられている方法を4つに,文献リストに挙げられている文献を4種類に分類した.このデータから,引用文献数と,引用文献中の雑誌論文および一般書籍の割合を比較した.用いられる方法の種類,引用文献数,引用文献中の雑誌論文比をそれぞれ従属変数とし,他の変数を独立変数とする分析の結果,1)方法についてはアメリカにおいて経験的研究,とくに計量への指向が強く,2)引用文献の数は米英日の順で多く,引用文献中の雑誌論文の割合は米英において日本よりも高いことが分かった.以上から,イギリスの位置づけは明確ではないが,実証主義はアメリカでもっとも強く日本でもっとも弱い,という相違が確認できた.