著者
山本一幸 大瀧保広 野口宏 羽渕裕真 外岡秀行
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.85-93, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
9

近年サイバー攻撃が大学に対しても大規模に行われている.情報セキュリティインシデントへの対応に時間を要すると被害拡大を招き,大学の評価等にも影響を与え得るため,その対応には即応性が求められる.茨城大学は茨城県内の3市町(日立,水戸,阿見)にキャンパスが分散しており,情報環境の整備運用を統括するIT基盤センターの事務室も各キャンパスに設置されている.日立・水戸キャンパスには専任教員,兼任教員,技術職員,事務職員がそれぞれ配置されているが,阿見キャンパスには兼任教員のみ配置されている.本学では,情報セキュリティインシデントが発生すると,IT基盤センター教職員がCSIRT要員として対応している.しかし,即時対応の面において,キャンパスが分散されていることや人員の配置などの問題から情報共有の方法に課題があった.こうした背景の下,情報セキュリティインシデント発生時の迅速な対応には,発生時の技術的な対応力,報告体制の明瞭化とCSIRT要員の情報共有が重要であると考え,本研究では情報セキュリティインシデント対応に特化した茨大型情報共有システムの構築を行った.そして,同システムの導入における対応時間への影響を,過去に本学で発生・対応した事案を用いて解析し,検証した.
著者
古川 福実 船坂 陽子 師井 洋一 山本 有紀 米井 希 松永 佳世子 秋田 浩孝 上田 説子 薄木 晶子 菊地 克子 幸野 健 田中 俊宏 林 伸和
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.3, pp.347-356, 2008

Chemical peeling is one of dermatological treatments for certain cutaneous diseases or conditions or aesthetic improvement, which consists of the application of one or more chemical agents to the skin. Chemical peeling has been very popular in medical fields as well as aesthetic fields. Since scientific background and adequate approach is not completely understood or established, medical and social problems have been reported. This prompted us to establish and distribute standard guideline of care for chemical peeling. Previous guidelines such as 2001 version and 2004 version included the minimums for the indications, the chemicals used, their applications, associated precautions, and postpeeling care and findings. The principles were as follows :1) chemical peeling should be performed under the control and the responsibility of the physician. 2) the physician should have knowledge of the skin and subcutaneous tissue and understand the mechanism of wound-healing. 3) the physician should be board-certified in an appropriate specialty such as dermatology. 4) the ultimate judgment regarding the appropriateness of any specific chemical peeling procedure must be made by the physician in light of all standard therapeutic ways, which are presented by each individual patient. Keeping these concepts, this new version of guidelines includes more scientific and detailed approaches from the evidence-based medicine.

5 0 0 0 OA 経済史の役割

著者
山本 千映
出版者
教育史学会
雑誌
日本の教育史学 (ISSN:03868982)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.69-75, 2018 (Released:2019-04-01)
参考文献数
7
著者
岡部 幸祐 高橋 菜奈子 山本 和雄
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.109, pp.2013, 2018-08-31 (Released:2018-09-08)

創設から2年を経過し,2017年度末には543機関が参加する機関リポジトリコミュニティとなったJPCOARの様々な活動から,オープンアクセスの先端的機能の開発を担うタスクフォースにおける活動と国際会議での発表等,国際的な連携の活動を中心に報告する。このことにより,学術コミュニケーションをめぐる国際的な研究環境の変化の中で,機関リポジトリを核として,大学図書館が果たすべき役割を考察する。
著者
久保 克弘 村田 義人 山本 景子 西崎 友規子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.31, 2017 (Released:2017-10-16)

全自動運転走行システムの現実的な到達点として,システムが指示した場合にのみドライバが手動に切り替えて運転するという準自動走行システムが想定できる.ドライバがシステムからの切替案内にスムーズに応じるか否かは,他者受容性や機械への信頼感等,複数の特性によって異なることが考えられる.そこで,普通免許を所持する大学生40人を対象にドライビングシミュレータを用いた実験を行った.自動運転開始と同時に,参加者は運転とは異なる課題(計算課題)に集中することが求められた.一定時間経過後に,音声によって切替案内が提示され,その反応時間と切替後の運転安全性の変化を分析した.その結果,他者受容性が高いドライバは受容性が低いドライバに比べて,切替後の運転安全性が有意に低くなった.切替案内に従順に従うことによって,ドライバ自身で安全走行を確認しにくくなった可能性が考えられる.
著者
山本 晶樹
出版者
中央学院大学
雑誌
中央学院大学法学論叢 (ISSN:09164022)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.243-263, 2001-03-31
著者
鈴木 ひとみ 山本 昭
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構 一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.105-109, 2009

戦後日本国内で、外国の理工学図書の海賊版が作られ、広く使われていた。1980年代には姿を消した。広く流布していたにもかかわらず、その非合法性から実態が記録されることはなかった。本研究では、新聞記事等の文献、実際にそれらに接した研究者からの聞き取り、実物を入手しての原本との比較の三つの面から、物理的特徴、原本入手から、発注、印刷、頒布までの作成・流通過程等の実態を明らかにした。
著者
中西 秀彦 多賀 敏 山本 剛 服部 直
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.107-112, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
5

現在、学術誌の XML オンラインジャーナル化は急速に進展している。その展開は Scientific, Technical, and Medical、いわゆる STM が中心であり、和文人文系学術誌のオンラインジャーナル公開に際しては紙の誌面をそのまま画像もしくは PDF で公開するという方法が主流であった。しかし長く日本のオンラインジャーナルの一翼であった NII-ELS が事業を終了したことにより、多くの NII-ELS 掲載誌が J-STAGE へ移行した。J-STAGE は PDF 掲載も可能とは言え、書誌事項については HTML 公開されており XML 作成が重要である。 本発表では「印度學佛教學研究」という純粋な人文系の学術誌を J-STAGE に掲載した経緯及び技術的諸課題とその克服について報告する。現段階では全文 HTML 公開ではなく、PDF および、書誌 XML のみであるが、注と縦書きにおいて従来のその STM ジャーナルと異なる技術的課題があった。今後の人文系誌の全文 XML に向けてさらに記述規則などを整備する必要がある。
著者
望月 明義 伊藤 哲也 会田 仁 山本 和治 浅川 潔 太田 信行
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.141-144, 2016-12-22 (Released:2017-06-09)
参考文献数
10

長野県安曇野市の犀川で越冬する水鳥のうち,眼球突出を示した個体が2010年から5年間観察された。環形動物門ヒル綱に属するTheromyzon sp. がコハクチョウの腫大した眼部から採集されたが,血液が充満し,状態不良のため種は同定できなかった。水鳥がねぐらとする池において,ミズドリビル(T. tessulatum)の生息が確認されたことから,水鳥の眼球突出は本種ヒルの寄生によるものと考えられた。
著者
山本 美智子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.3, pp.355-362, 2014 (Released:2014-03-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1 5

It is necessary to offer the proper information about prescription drugs for appropriate use of them in clinical practice. However, a lot of time and labor is required to comprehensively collect the information necessary for clinical application and it could be extremely difficult. If the clinical experience and other information is derived solely on a commercial basis, then it may lead to improper prescription practices. “Academic detailing” is a form of interactive educational outreach to physicians to provide unbiased, non-commercial, evidence-based information about medications and other therapeutic decisions, with the goal of improving patient care. In Western countries, the public funds are used to support universities and other research institution programs. The experience from such programs spreads to a broader scientific community. In US, “Academic detailing” was pioneered 30 years ago. National Resource Center for Academic Detailing (NaRCAD) is an initiative supported by Agency for Healthcare Research and Quality (AHRQ) grant. Clinical pharmacists are acting as Detailers in Europe and America, and this improves medical quality. The importance of Academic Detailing activity would be also recognized in Japan, and fully-trained (with six-years of specialized training) pharmacists with evaluative and communication skills can be expected to act as such a specialist.
著者
髙橋 寛治 竹野 峻輔 山本 和英
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.D-H33_1-4, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

This paper presents a novel metric for evaluating stability of machine translation system. A stable system indicates that it keeps almost the same outputs given the inputs with slight changes. In this paper, we propose a stability metric by exploiting TER metric for evaluating the differences between the two texts. We have built an evaluation data set, and demonstrate that a neural-based method is unstable rather than a statistical-based method, while the former outperforms the latter.
著者
東 和之 大田 直友 河井 崇 山本 龍兵 丸岡 篤史 橋本 温 上月 康則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_1091-I_1096, 2012 (Released:2012-09-18)
参考文献数
16
被引用文献数
1

代償措置として創出された人工干潟と模倣した自然干潟においてマクロベントスの定量調査を行い,干潟中下部生態系を再現できているかを検討した.マクロベントスの個体数は,自然干潟の方が人工干潟を大きく上回っており,種数についても自然干潟の方が多い傾向であった.干潟へ流入してくる栄養塩や底生珪藻量も自然干潟の方が高く,自然干潟の豊富な生物量はこれらの栄養塩や一次生産に支えられているようであった.両干潟の決定的な違いは,ホソウミニナの有無であったが,直達発生により分散能力が乏しいため,人工干潟にはほとんど加入していないこと,安定した自然干潟では爆発的な増加力を発揮していることが示唆された.以上のように,造成から約5年が経過した人工干潟であるが,潮間帯中下部の干潟生態系は模倣した干潟とは全く異なっていた.
著者
野呂 文行 山本 淳一 加藤 哲文
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.25-35, 1992
被引用文献数
4 2

無発語自閉症児1名に対して、書字による要求行動の前提条件として、筆記用具を要求するためのサインの形成を行った。その結果、対象児の要求行動を含む行動連鎖場面において、筆記用具を要求するためにサインが使用された。また、先行訓練において反応型が形成されていない非教示サインや、音声モードも行動連鎖場面において使用された。さらに対象児は、3種類のモード(サイン・書字・音声)に関して、要求場面において等価な反応として使い分けが可能になった。これらの結果は、対象児によって示された反応が、特定の反応型に限定されない、要求の機能をもつ反応クラスとして働いていたことを示していると考えられた。加えて、実験条件ごとに示されたコミュニケーション・モードの選択を検討したところ、「先行訓練における強化経験」と「要求アイテムが提示されるまでに必要な反応数と時間」の2つの変数によってその選択が制御されていたことが示された。