著者
樋尾 勝也 安達 崇 山田 隆志 土田 豊 中島 浩衛 細井 祐三
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.1148-1155, 2000 (Released:2008-04-24)
参考文献数
35
被引用文献数
1 1

A study has been made on the effects of Al, Si and Mo on anodic polarization characteristics of Fe-10Cr alloys in 0.05-1.0 kmol·m−3 H2SO4 and NaCl aqueous solutions. Potential decay curves have also been measured in order to evaluate the stability of the passive films formed on Fe-10Cr alloys containing Al, Si and Mo. The analysis of the chemical composition of the passive film has been carried out by AES and XPS.The addition of Mo was very useful to decrease the critical passivation current density of Fe-10Cr alloys which contained Al and Si. The passive current density decreased with addition of 2 mass%Mo to an Fe-10Cr-3Si alloy, while it increased in an Fe-10Cr-3Al alloy. Pitting potential was moved toward the noble direction by the addition of Mo, except for the case of an Fe-10Cr-3Al-3Si-2Mo alloy. It seems that Laves phase (Fe2Mo) was precipitated in this alloy, and Mo-depleted zone was formed locally. The activation time was increased by the addition of Al, Si and Mo to Fe-10Cr alloys. Two step potential decay curves were obtained in Si-containing alloys, and this behavior of the decay curve was shown more clearly in an Fe-10Cr-3Si-2Mo alloy. The results of AES and XPS analysis indicated that Cr and Al concentrated in the passive film of an Fe-10Cr-Al alloy. In the case of an Fe-10Cr-Si alloy, Si concentrated in the surface region of the film and Cr did in the internal region of the film. The confirmation was not possible for the enrichment of Mo in the passive film.
著者
中村 一美 樹野 淳也 米原 牧子 竹原 伸 山田 康枝
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第40回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.2003181, 2013 (Released:2013-08-14)

【目的】交通環境では排気ガスをはじめとする悪臭物質が自動車室内へと流れ込んでいる.そこで本研究では自動車の空調システムにおいて異臭原因物質の主成分であるプロピオン酸,吉草酸,酪酸に着目し,各物質がマウスの自発運動能におよぼす影響を調べた.また,定量的な評価をおこなうため,各物質の投与方法は腹腔内への注射による投与とした.【方法】本研究には18週齢のC57BL雄性マウス24匹を用いた.全てのマウスに対し,自発運動能測定システム(Wheel Manager, MED Associates Inc.)を用いて回し車(直径10.9cm)の回転数を60分間測定し,controlデータとした.次に24匹のマウスを,注射の有無による影響を調べるためのリンゲル液投与群,悪臭物質による影響を調べるためのプロピオン酸(1µg/kg)投与群,吉草酸(1µg/kg)投与群,酪酸(0.5µg/kg)投与群の4群各6匹ずつに分けた.なお,4群のcontrolデータにおいて一元配置の分散分析をおこなった結果,各群の間に統計学的な有意差はなかった(P>0.05).各物質をそれぞれの群のマウスの腹腔内に投与し,controlデータと同様に自発運動能を60分間測定した.各物質の投与による統計学的有意差の検定にはウィルコクソンの符号順位和検定を用いた.【結果および考察】リンゲル液を投与した群では投与の有無による統計学的な有意差はなかった(P>0.05)ため,注射による腹腔内投与の影響はないと判断した.プロピオン酸,吉草酸,酪酸を投与した群では,controlデータと比較して回転数が減少した.とくに酪酸を投与した群においては,統計学的な有意差があった(P<0.05).本研究を通して,悪臭物質がマウスの自発運動能に影響をおよぼすことがわかった.以上のことから,ヒトにおいても悪臭物質は快/不快の感覚に影響を与えるだけではなく,運動能に影響を与える可能性が示唆された.
著者
小宮 貴子 海瀬 博史 山田 公人 石川 孝 松村 一
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.8-16, 2019

<p>乳頭乳輪 (Nipple-areolar complex : NAC) 再建は, 乳房再建の仕上げの手術である。NACは乳房の象徴でもあり, これを再建することで乳房は完成し, 患者の再建への満足度は高くなる。NAC再建では突出度・色・形・サイズ・質感・位置の左右対称性が求められる。再建方法には乳頭移植+乳輪tattoo, 乳頭局所皮弁+乳輪tattoo, 乳頭局所皮弁+大腿植皮, 乳頭移植+乳輪移植, 乳頭移植+鼠径部陰部植皮, three-dimensional tattoo (3D tattoo) の6パターンがある。健側NACの形態 (乳頭と乳輪の大きさ・形) と, 再建乳房の状態 (放射線照射・形態) から医学的に適応とされる術式を選択し, さらに患者の背景や希望 (授乳予定・メスを入れてよいか・費用と時間等) を加えて最善な術式を選択することで, 患者満足度はさらに上がる。</p>

1 0 0 0 OA 宇治山田市史

著者
宇治山田市 編
出版者
宇治山田市
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1929
著者
伊井 公一 山中 健行 鈴木 一弘 廣瀬 健人 神野 佑輔 山田 和政
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.763-767, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
27
被引用文献数
2 1

〔目的〕TUGテストにて転倒リスクが低いと判断される高齢者の転倒要因を明らかにし,転倒予防について検討した.〔対象と方法〕TUGテストが13.5秒以内の高齢女性29人を,非転倒群と転倒群に分類した.歩行課題と起立-歩行課題における定常歩行に至る歩数,起立-歩行課題における起立動作時の前方重心移動速度,身体運動機能,転倒恐怖心を調査し,2群間で比較した.〔結果〕非転倒群(19人)と比較して転倒群(10人)は,起立-歩行課題で定常歩行に至る歩数が1歩多く,前方重心移動速度は有意に遅く,また転倒恐怖心のみ有意に低かった.〔結語〕転倒経験のある転倒低リスク高齢者の転倒要因は転倒恐怖心であり,転倒予防として動作方法の工夫もそのひとつの手段であると考えられた.
著者
吉村 紳一 内田 和孝 髙木 俊範 山田 清文 白川 学 立林 洸太朗
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.17-22, 2018 (Released:2018-07-24)
参考文献数
20
被引用文献数
2

我々が行っている急性期脳梗塞の予後改善を目指した基礎・臨床研究とその展望を紹介する.1)血栓回収療法普及プロジェクト(RESCUE-Japan Project):本治療の有効性は確立したが,未だ十分に普及していない.このため,全国調査の結果をもとに,治療の推進に取り組んでいる.2)救急隊用脳卒中病型予測スコア開発:脳梗塞患者の予後改善のためには迅速かつ適切な搬送が必須である.我々が開発したこのアプリケーションは診断率が高く,救急搬送に応用していく.3)急性期脳梗塞および頸部・頭蓋内動脈狭窄に対する脂質低下療法に関する臨床試験:スタチンを用いた研究をベースにPCSK-9 阻害薬を用いた研究を開始する予定である.4)急性期脳梗塞に対する細胞療法の基礎・臨床研究:梗塞後の機能回復を目指した再生医療研究として,骨髄単核球,傷害誘導性多能性幹細胞,羊膜由来間葉系幹細胞を用いた臨床研究を行う予定である.
著者
山田 康二 工藤 崇博 大塚 未来子
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.130, 2005

【はじめに】当院は2002年10月、日本医療機能評価機構による病院機能評価(一般病院B)を取得し、5年後の更新時Ver.5.0の評価を受ける為、各部署患者サービスの向上への取り組みが展開されている。<BR>今回、総合リハビリテーションセンター(以下、センター)では、病院機能評価の大項目にある「リハビリテーション体制の整備」に注目し、その小項目である"リハビリテーションの必要性の検討と方針の確立"をテーマに、センターでの業務機能分化を行い、外来リハビリテーション(以下、外来リハ)チームとして、関わりのシステムを検討し、業務改善を行ったので以下に報告する。<BR>【現状把握】まずは月1回行われる外来リハチーム会議にて、病院機能評価で取り上げたテーマについて確認し、現状の問題点について話し合った。<BR>現状の問題点として、1)外来リハの長期化 2)外来リハの効果判定 4)患者満足度の視点の3点が上がった。また3)については、外来患者を対象にアンケートを実施し結果を分析した。<BR>1)については、外来リハ継続期間は疾患によって異なるが、全体の54%が1年を超えている。<BR>2)については、必要に応じて医師に報告する程度で、カンファレンス時間も取れない状況である。<BR>3)については、待ち時間が長い・担当休日時の対応が不十分・スタッフ接遇(言葉づかいが良くない)についての問題点があがった。<BR>【改善内容】1)については、外来リハ処方時に今回のリハビリ実施期間設定及び週何回行うかの頻度設定を行うよう、医師に依頼した。<BR>2)については、今回のリハビリ実施期間がきれる前、各セラピストが指定の用紙に、期間内行った訓練内容と効果判定評価について記載し、その評価内容によって、医師が終了か継続または他施設への連携の判断を行う事とした。<BR>3)については、当院は2002年11月より電子カルテ導入へ向けてコンピューター委員会が立ち上がり、2004年4月よりまずオーダリングシステムから開始された。オーダリングシステムは、処方オーダー・予約オーダー・入院病棟オーダー・食事オーダーを基本機能とし、各検査オーダー・投薬チェック・診療予約の拡張機能から構成される。外来リハについても、診療予約機能を利用し、完全予約制にする事により待ち時間の軽減・担当休日時のトラブルを回避する事とした。<BR>【改善後外来リハの流れ】患者来院後、各科の医師は外来リハ処方箋発行と同時に、別紙にて今回のリハビリ実施期間と頻度を設定し開始となる。担当はリハビリ終了時、予約台帳を提示し次回の日時・時間予約を行い、コンピューターに入力し予約券を発行する。この作業にて担当のスケジュール管理へ連動し、他の部署からの閲覧も可能である。またその場で予約できない患者についてはコールセンターで電話予約するシステムである。コールセンターへの連携はすべてオーダリングシステム上で行う。<BR> 再来時は、予約券にあるバーコードを読み取り受付を行い、リハビリ科ではコンピューターにて、再来時間や外来診療記録等を確認する。特に検査・画像についてタイムリーな情報を収集できる。効果判定評価については、有効期間内に各担当者が目標設定・訓練内容・評価内容・本人(家族)の希望を記載しカルテへ添付する。その後、医師はリハビリの必要性を検討し、継続または終了の判断がなされる。<BR>【結果及び考察】まず外来リハ1年を超えている患者には、医師より、再度リハビリの目的や期間など説明を受け、今後のあり方について方向性が明確化された。また効果判定評価についても、医師との連携手段の1つに位置付けされた。<BR>完全予約制については、何のトラブルもなくスムーズな流れで運用されている。予約をとることで、患者にとっては、その日の生活時間を有効に活用する目安となると同時に、スタッフにとっても1日の仕事量を把握し、空いた時間に別の予定を組み込むなど、業務の効率化を図ることができたと考える。何より、訓練待ち時間が軽減された事は、患者満足度に大きく反映されるものだと確信している。この事については、今後もアンケート調査を実施したいと考える。<BR>また2005年4月より当院リハビリシステム(リハッシュ)も導入され、日々の業務書類・データ管理・レセプト等が電子化された。今後、電子カルテへリンク体制を整備し、個人情報保護や改ざん防止等の管理面を充実させ、より良いシステムの構築へ向けて改良していきたいと考える。
著者
樋笠 正晃 宇野 理恵 宇野 雄博 山田 茂夫 安澤 数史
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.649-653, 2018

<p>慢性鼻炎として長期治療していた猫が,進行性の瞬膜及び眼球突出を呈し,鼻腔や眼窩を中心として,壊死組織を伴う炎症性肉芽の浸潤性増殖を認めた.病理組織学的検査により真菌感染が原因と診断され,抗真菌剤などによる内科治療や,壊死組織及び肉芽組織のデブリードマン等の外科治療を実施した.しかし,真菌感染は浸潤性に進行し,死亡した.本症例の起因菌の培養形態と高温発育試験及びβチューブリンとカルモジュリン遺伝子の塩基配列は近年分類された<i>Aspergillus felis</i> と一致していた.また,分離株は多くの抗真菌薬に対して高い最少発育阻止濃度を示し,感受性が低いことが示唆された.</p>
著者
添田 真司 高柳 理早 渡邊 昌之 山田 安彦
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.5, pp.589-593, 2017 (Released:2017-05-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In this study, we established a methodology to calculate the rate of overlooking a dispensing error (inspecting error rate) as a new index for the purpose of determining dispensing error and malpractice rates. Using data obtained from analyses of these error rates at our and two other hospitals, an inspecting error rate was calculated for each institution. Our results showed that inspecting errors occurred at a frequency 3-5 times greater as compared to dispensing errors at each of the examined hospitals. We concluded that construction of a higher quality safety management system would be enabled by incorporation of an inspecting error rate as a new index to evaluate medical safety in regard to dispensing of medicines and managing inspection accuracy.
著者
山田 忠比古 後田 澄夫 近藤 芳孝
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.114, no.6, pp.459-466, 1994
被引用文献数
1

Luminosity of wire corona has been observed by the technique of the computed tomography. The light output from wirecorona has been compared with the calculated result. Spatial distributions of space-charge and current density of each type ofcharges carrier in a corona field has been also determined by computing the ionization and attachment process under the Deutschassumption and compared with experimental results.<br>The calculated results along the symmetry axis of the electrodes show very good agreement with measurements.Unfortunately, there is a slight difference between the experimental results and those of the calculation under the Deutschassumption in the distribution of luminosity.
著者
山田 真澄 溜渕 功史 WU Stephen
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.4_21-4_34, 2014 (Released:2014-08-25)
参考文献数
19
被引用文献数
3

現在、気象庁が用いている緊急地震速報の処理には、気象庁の観測網を利用する処理と、Hi-netのデータを用いた着未着法の2つの処理系統がある。これらは独立して行われ、それぞれ計算結果を比較して緊急地震速報に使用している。本研究では、より高精度、高速の緊急地震速報を実現するため、気象庁観測網とHi-netの統合処理を検討する。我々は、Hi-net 速度計に帰納的な方法で機械補正及びハイパスフィルタ処理を行い、気象庁の機械式地震計の応答と揃えた。また、Hi-net速度計が飽和する問題についても検証し、震央距離10km、深さ10kmの場合マグニチュード5.2程度まではP波が飽和せず使用可能である事を示した。Hi-netの地震計データは、適切なフィルタ処理により気象庁の地震計データと併用することが可能である。2つの観測網の統合処理によって、内陸部では平均3.6秒ほど警報発表時間が向上する。
著者
山田 実 本誌
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1216-1221, 1983-11-01

救急医療ドキュメント“救命への道”—救命・救急医療の生々しい現実をとらえた報道写真家・山田実写真展が7月12-17日の6日間,東京銀座にあるニコンサロンで開かれた.第一線の救命看護はフォトジャーナリストのファインダーにどう映ったのか?以下は,2年6か月の長期にわたって救急医療を密着取材した写真家のとらえた救命看護の実像である.