著者
岩崎 暁生 三宅 規文 武澤 友二
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.58, pp.138-140, 2007-12-14 (Released:2011-03-02)
参考文献数
5
被引用文献数
2

In 2004 to 2006, organophosphorus, synthetic pyrethroid insecticides, and insect growth regulators (lufenuron and flufenoxuron: IGRs), were sprayed on sugar beets against first-generation larvae of cabbage armyworms in late June to early July, which resulted in equally successful control effects. In September, however, with no additional insecticide application, damage by second-generation larvae varied depending on the insecticide applied in the previous generation. The sugar beets sprayed with IGRs suffered little damage, in contrast to those sprayed with organophosphorus and synthetic pyrethroid insecticides, which suffered severe damage. From these results, we conclude that these differences are a result of the long-term effect of IGR insecticides on cabbage armyworms, rather than of the retention of natural enemies by the selective effects of the IGRs.
著者
岩崎 稔 八尾師 誠 今井 昭夫 金井 光太朗 篠原 琢 米谷 匡史 工藤 光一 小田原 琳 土田 環
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

東アジアを中心とした集合的記憶の動態を、「自己確証的想起」及び「脱中心化的想起」という対概念を方法論として解明した。また分析地域を拡大し、ジェンダー論等の具体的成果の再定義や表象文化分析を行った。その結果、集合的記憶の脱中心化的機能は、ナショナル・アイデンティティを相対化・異化し、支配・被支配関係を転換する効果を持つことが明らかになった。脱中心化的想起という視点を通して、正統的歴史叙述から排除された「消去された声」の再生だけではなく、集合的記憶の動態の中に起こりうるイデオロギーを超えた自己撞着や恣意的操作、アイデンティティポリティクスへの批判的な分析視点をより明確に提示できるようになった。
著者
竹島 雄介 岩崎 由希子 岡村 僚久 藤尾 圭志 山本 一彦
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.12-20, 2017 (Released:2017-05-23)
参考文献数
64
被引用文献数
1 1

細胞の代謝制御の重要性は,癌細胞においてエネルギー産生を解糖系に依存する現象がWarburg効果として報告されたことに始まる.近年,免疫担当細胞における代謝の制御が細胞の分化や機能において鍵となるという知見が蓄積されつつあり,免疫担当細胞が休止状態から活性化状態に入る際には,酸化的リン酸化に依っていたエネルギー産生から,解糖系に依存したエネルギー産生へと大きな代謝状態の変化を要することが明らかとなっている.特にT細胞においては,ナイーブT細胞からエフェクターT細胞への分化過程における代謝制御の研究がより詳細に解明されており,免疫代謝の分野では最も研究が進んだ分野となっているが,B細胞や骨髄球系の細胞においても特徴的な代謝制御が明らかにされつつある.現在,全身性エリテマトーデスを始めとする自己免疫疾患において,免疫担当細胞における代謝変調は慢性的な免疫系の活性化の結果としてばかりでなく,疾患の引き金としても極めて重要であると考えられている.本稿では,全身性エリテマトーデスにおける代謝制御について,T細胞およびB細胞を中心に概説し,病態と如何に関わっているか,更には将来的な治療ターゲットの可能性について考察する.
著者
岩崎 義光
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.209-229, 1995-09-18 (Released:2017-04-08)
参考文献数
22

The theory of grain boundary structure is reviewed from the mathematical point of view. High-order twins are mathematically introduced and developed up to the 4th order twins in the case of cubic crystals. The coincidence-site lattice, 0-lattice and DSC lattice are considered with emphasis on their algebraic aspects. Some applications of high-order twins and coincidence-site boundaries are discussed to point out these importance in the field of material sciences and industries.
著者
岩崎 宏之 仲地 哲夫 並木 美太郎 桶谷 猪久夫 柴山 守 勝村 哲也 星野 聰 石上 英一 高橋 延匡 梅原 郁 石田 晴久
出版者
筑波大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1994

かつて琉球は、東アジア世界における地域間交流の要、「万国之津梁」として繁栄した。この沖縄の地理的重要性は、今日においても変るところがない。沖縄は今も日本、中国、台湾、朝鮮半島、さらには東南アジアの諸地域を包む環東シナ海世界の要である。沖縄をそのような国際社会のなかに位置付けて地域間交流の具体的様相を歴史的に考察し、東シナ海を取り囲む諸民族、いわゆるアジアニーズの歴史的変貌を明らかにすることを課題として重点領域研究「沖縄の歴史情報研究」は平成6年度より同9年度までの4年間の研究期間をもって遂行された。本研究は、領域研究の成果を取りまとめて研究成果報告書を作成し、領域研究の成果である琉球・沖縄史と環東シナ海地域間交流史に関する各種歴史情報を、学界はもとより広くインターネット等を利用して一般に公開・利用に供することを課題とした。琉球・沖縄史と環東シナ海世界の地域間交流史に関する多種多様な歴史資料をいかにして情報化するか、本領域研究では、(1)各種研究文献の統合的把握のための歴史情報の集積と検索システムの開発、(2)古文献、古文書資料など琉球・沖縄に関する歴史資料が、どこに、どのようなものがあるか、各種歴史資料の所在に関する情報の集積と検索システムの開発に関する研究、(3)本領域研究で調査・収集した琉球・沖縄史と環東シナ海世界の地域間交流史に関する基本的史料の画像情報の検索システムの開発とこれら各種資料をインターネット上で広く公開・利用するためのシステムの開発、(4)琉球王朝期の外交文書集「歴代宝案」や琉球家譜、「明実録」「清実録」「島津家琉球外国関係文書」など、琉球・沖縄史研究にとっての基本的文献の全文テキスト・データベースや環シナ海地域間交流史に関する各種の文献史料の情報化、を進めた。計画研究・公募研究の各研究班によって行なわれたこれらの情報化資料はすべて総括班に集積された。本研究課題は、これらの情報化資料の統合、ならびにその検索システムの開発等に関する各種の研究成果の取りまとめを行ない、またこれら収集・集積した各種歴史情報を筑波大学付属図書館の電子図書館サーバーからインターネットに公開・提供するための整備作業を進めた。平成10年8月には、本領域研究の全体を総括した総括班研究成果報告書「沖縄の歴史情報研究」を刊行した。また、本領域研究で収集されたマイクロフィルム等各種歴史情報は、東京大学史料編纂所、筑波大学附属図書館、大阪市立大学学術情報総合センター、沖縄国際大学南島文化研究所等に寄贈し、ひろく学界の利用に提供することにした。
著者
藤田 悦誌 岩崎 敦 東藤 大樹 横尾 真
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.3_156-3_167, 2014-07-25 (Released:2014-09-10)

本論文では,新しい公開型オークションメカニズムのクラスとして,VCG-equivalent in expectationメカニズムを提案する.正直な戦略の組が事後ナッシュ均衡となる公開型オークションメカニズムはクエリの回答が回答者の財の割当と支払額に影響を与えない無関係なクエリを送信する必要がある.露呈される情報に関して参加者が弱い誘因を持つ場合,無関係なクエリを送信するメカニズムは望ましくない.本論文で新しく提案するVCG-equivalent in expectationメカニズムは,割当はVickrey-Clarke-Groves (VCG)メカニズムと等しく,支払額はVCGの支払額の期待値とするメカニズムである.本論文では,VCG-equivalent in expectationメカニズムにおいて,正直な戦略の組が逐次的均衡となること,及び,無関係なクエリを送信しないVCG-equivalent in expectationメカニズムを構築する手法を示した.さらに,提案メカニズムの現実的な応用事例への適用可能性を示すため,日本の第四世代の周波数オークションに適用可能なメカニズムを示した.
著者
岩崎 武夫
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.20-32, 1980-02-10

1 0 0 0 OA 小栗判官 世界

著者
岩崎 武夫
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.24-36, 1964-09-20
著者
森次 幸男 水野 裕久 柴 英幸 今野 浩一 岩崎 幸司
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.156-172, 2018-11-30 (Released:2018-12-08)
参考文献数
5

Objective:The purpose of this survey was to identify the roles,responsibilities and skills of medical science liaisons(MSLs) in Japan. In addition,we compared to the prior survey results in 2011,2013 and 2015.Method:We contacted 47 pharmaceutical companies with a questionnaire survey on MSLs which included 22 items and analyzed the anonymized results using a web response system.Results:The total number of MSLs increased compared to prior surveys(ranged from 0 to 110). Many companies need MSLs with medical professional qualifications and sophisticated medical expertise. The roles and responsibilities MSLs were expected to perform included managing thought leaders(TL)and/or key opinion leaders (KOL)and implementing medical strategies. On the other hand, issues reported included management of MSLs and cooperation with other stakeholders in the company,and a still low level of recognition of MSLs.Conclusion:The roles of MSL are diverse,and while their activities and status are becoming established they are not yet unified across companies. It is recommended that at the earliest opportunity the roles,responsibilities and key performance indicators(KPI)of MSLs are defined,and educational programs established so that they can act as effective liaisons with medical professionals.
著者
岩崎 雄也 Iwasaki Yuya
出版者
青山学院大学大学院経済学・法学・経営学三研究科
雑誌
青山社会科学紀要 (ISSN:02863901)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.1-17, 2019-03-01

人口減少社会を迎えたわが国において,生産性の向上が大きな課題となっている。そうした中,最低賃金の引き上げが企業の新陳代謝を促し,マクロの生産性の向上に寄与するとの見方があるが,最低賃金が生産性,とりわけ全要素生産性(TFP)にどのような影響を与えるのか,日本を対象に研究を行った例はほとんどない。一方,海外の先行研究では,最低賃金がTFPに与える影響について,理論分析,実証分析,ともに存在する。理論分析としてはAghion et al.(2003)があり,その理論モデルでは,最低賃金の上昇が企業の研究開発投資を減少させ,結果としてTFPが減退すると結論づける。また,実証分析は蓄積が多く,最低賃金がTFPに与える影響は正であるとする結果と,負であるとする結果の双方が存在する。これらの状況を踏まえたうえで,本論文では,最低賃金が企業のTFPに正と負いずれの影響を与えるのか明らかにすること,および,Aghionらの理論が日本で適合するのか否か検証することを目的として実証分析を行った。対象期間は1986年から2007年,対象業種は製造業とし,分析にあたっては都道府県別の完備パネルデータを使用した。結果として,日本の製造業において,最低賃金の上昇は企業のTFPに負の影響を与えることが明らかになった。また,バブル崩壊後の「失われた10年」の時期における負の影響は,Aghionらの理論モデルと整合的であることが分かった。
著者
岩崎 泰正
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

T3がエネルギー代謝全般を促進する分子機序解明のため,T3応答遺伝子の網羅的解析を行った。その結果解糖系/PPP(GK,PFK2,G6PD),ミドコンドリア(POLG1,NRF2,Tfam,CYC1,UCPs,ANTs),FFA合成(CS,ACLY,ACC,FAS,SCD),TG代謝(ME,THRP,GPD1,GPAT3,HSL)を同定した.特に新規標的遺伝子GPAT3を詳細に解析し,プロモーター上のTRE(DR4,-447/-432bp)を介したT3の直接効果を変異解析およびEMSAで確認した.T3は糖脂質ミトコンドリア代謝関連遺伝子を幅広く誘導しエネルギー代謝を促進することを明らかにした.
著者
小林 佐也加 中村 洋之 岩崎 瞳 大林 彩香 山﨑 昌代 喜田 美之 井上 卓哉 喜多 信之 谷本 清隆 岡田 節雄
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.377-382, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
13

「人生の最終段階」における医療・ケアに対して,医師・看護師が,「生命維持治療に関する医師指示書(Physician Orders Life-Sustaining Treatment: POLST)」を用いて終末期指示書を作成し,終末期に患者自身の意思・希望が反映されるよう取り組んだ.多くの患者が終末期に心肺蘇生や挿管を希望しなかった.抗生物質や非侵襲的陽圧換気療法(Non-Invasive Positive Pressure Ventilation: NPPV)は希望者が多く, NPPVは緩和目的を含めて8割が希望した.全ての項目において,肺癌・非肺癌で大きな差は認めなかった.家族は患者より延命治療を希望する傾向にあったが,話し合いの結果,患者自身の希望を尊重する例が多かった.