著者
國丸 香織 島田 侑紀子 徳留 千恵美 屋代 彰子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.1-9, 2009

高齢者では咀嚼機能の低下により摂取する食品が制限されることから低栄養のリスクが高まることが知られており、咀嚼困難者のために調理法の工夫等による軟菜食やソフト食などが考案されている。そこで、本研究では、高齢者には食べにくいとされるが良質なたんぱく質源である肉類(鶏肉・豚肉)を用いて、咀嚼筋活動の側面から食べやすさを明らかにすることを目的とした。被検者はう蝕及び口腔内疾患のない健常な女子学生3名とし、ホルダー筋電計を用いて左右の側頭筋及び咬筋の筋放電量を測定し、咀嚼時間、咀嚼回数、全筋放電量、咀嚼当たりの筋放電量から食品の食べやすさを評価した。豚肉料理はポークソテー、生姜焼き、ごましゃぶなどの調理法においても鶏肉料理の親子丼より噛み応えがあった。しかし、噛み応えのある豚肉でも薄切り肉の使用やすりおろし生姜による前処理によって鶏肉と同様に軟らかく食べやすくなることがわかった。一方、鶏挽肉を使用した親子丼などの噛み応えのないものは咀嚼筋活動は少ないものの、飲み込むまでの時間が長くなることから、噛み応えのないものが食べやすい食品であるとは必ずしも言えないことがわかった。
著者
藤田 正平 島田 尚典 千葉 一美
出版者
日本作物学会
雑誌
日本育種学会・日本作物学会北海道談話会会報
巻号頁・発行日
no.34, pp.32-33, 1993-12

本年北海道十勝地方では,小豆の登熟が遅延し各地で霜害を受けた。十勝農試では登熟促進と防霜効果を期待し登熟期間中の9月7日から不織布(三井油化製パオパオ90)で被覆した。本報では,登熟期間の不織布被覆よる防霜効果及び生育,収量,品質に及ぼす効果を調査した。さらに種子生産で問題になると予想される霜害粒の発芽性について調査したので報告する。
著者
岸川 正大 島田 厚良
出版者
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

心身障害児(者)は「早く年をとる」とも言われ、剖検例でも脳を含めて老化の徴候とも言うべき年齢不相応な形態学的肇化がしばしば見られる。そこで、愛知県コロニー脳及び組織保存機構に登録されている症例を含めて、10歳代18例、20歳代8例を含む15歳以上の36症例について、海馬、海馬傍回、青斑核でのAT8陽性の過剰リン酸化タウ蛋白(NFT、Neuropile threads)、抗ユビキチン抗体陽性像、ストレス蛋白(αBクリスタリン、Hsp27、Hsp70)の発現頻度などを検討した。その結果、AT8陽性像は10歳代でも16.7%、30歳代は50%に、40歳を過ぎるとほとんどの症例に過剰リン酸化タウの蓄積が見られた。福山型筋ジストロフィー症など、NFTが早期から出現することが知られている疾患を除外しても、10歳代で6.3%、20歳代で43%にAT8陽性像を認めた。また、抗ユビキチン抗体陽性像はAT8の所見に類似した像を呈する一方で、神経原線維変化とは別に雪の結晶類似の構造物(仮称:UPSS=Ubiquitin Positive Snow-like Structure)が広範に散見された。その本態はMicrogliaなのかSwollen oligodendrocyteなのかの鑑別が今後の検討課題として残った。一方、これら異常タウやUPSSなどが出現している症例でも老人斑は全く認められず、一般に見る高齢老人の脳とは少々異なっていた。また、αBクリスタリンは陽性像が見られるものの、Hsp27、Hsp70ではほとんど陰性で、症例の積み重ねと生化学的検索が必要である。
著者
島田増平 著
出版者
文弘堂
巻号頁・発行日
1926
著者
堤本 広大 牧迫 飛雄馬 土井 剛彦 中窪 翔 牧野 圭太郎 島田 裕之 鈴木 隆雄
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1499, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】認知症の前駆症状とされる軽度認知障害(mild cognitive impairment;MCI)では,客観的な認知機能が低下していることが定義とされ,灰白質容量が低下していることが報告されている。認知機能検査の中でも,遂行機能と灰白質容量との関係は多数報告されており,遂行機能が低下している高齢者ほど灰白質容量が低下していることが明らかとなってきている。しかし,MCI高齢者における遂行機能と灰白質容量との関連については議論の余地があり,遂行機能については下位機能が存在するため,灰白質容量低下に関連する下位機能を明らかにすることで,MCI高齢者の早期発見の一助となると考えられる。そこで,本研究では,MCI高齢者における灰白質容量と遂行機能の下位機能検査との関連を横断的に検討する。【方法】対象は,MCIに該当した高齢者83名(平均75.4±6.8歳)とした。遂行機能の下位機能検査として,注意の切り替え機能(Trail Making Test(TMT)),ワーキングメモリ(Digit Span(DS)),および選択的注意・抑制機能(Stroop test(ST))を実施した。灰白質容量の計測については,MRI装置(Magnetom Avanto,Siemens社製)を用いて撮像を行い,FSL(FMRIB's Software Library,Version 5.0)を用いて全脳における灰白質容量を算出した。統計解析では,灰白質容量と各遂行機能との相関関係を調べるためにPearsonの相関係数を算出した。その後,有意な相関関係が認められた遂行機能検査を独立変数とし,従属変数に灰白質容量,共変量に年齢,性別,body mass index,教育歴,mini-mental status examinationスコアを投入した重回帰分析を実施した。なお,統計学的有意水準は5%未満とした。【結果】遂行機能の中で,灰白質容量との有意な相関関係が認められたのはTMTのみで,TMTと灰白質容量との間には負の相関関係が認められた(r=-0.414,p<0.001)。その後,有意な相関が認められたTMTを独立変数とした重回帰分析を実施した結果,共変量で調整してもTMTと灰白質容量との関連性は有意であった(β=-0.376,p=0.001,R2=0.26)。【結論】本研究では,MCI高齢者における灰白質容量と遂行機能の下位機能検査との関連について検討し,注意の切り替え機能が低下しているMCI高齢者ほど灰白質容量が低下していることが示唆された。今後は,注意の切り替え機能が低下している健常高齢者がより早期にMCIへと移行するかどうかを検討する必要性があると考えらえる。また,本研究結果は,MCIのスクリーニングツールの中でもTMTが有用である可能性を示した。

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著者
島田清次郎 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
vol.第2部, 1920
著者
西本 博則 島田 育廣 藤本 一郎 正木 信夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.99, pp.17-22, 2009-06-17
被引用文献数
2

声帯振動や歯茎ふるえ音等の高速で振動する調音器官の観測のための超高時間分解能MRI movieの撮像法を提案する.本手法では光マイクロホンを用いてMRI撮像中の被験者の音声を,さらに空芯ソレノイドコイルを用いてMRIスキャナーの傾斜磁場の磁場変動を両方同時収録することで両者の正確な時間的関係を求め,動画の各フレームを作成している.さらにMRIスキャナーの高性能化によりデータ収録時間の短縮が可能になり,MRI movieの高時間分解能化を実現した.本稿では,振動子からなるファントムによる実証実験を行い,最大6384 fpsのフレームレートの画像が得られた.さらに歯茎ふるえ音発話時の舌の振動の撮像を行い,舌の振動の様子が確認された.
著者
島田 英昭
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.296-306, 2016-09-30 (Released:2016-10-31)
参考文献数
29
被引用文献数
3

本研究は, 従来の教材研究が精読を前提とした内容理解を目指していることに対し, 読解初期の動機づけ効果に着目した。典型的な教材の構成要素であるタイトル・サブタイトルの有無, 挿絵・写真の有無, および, 挿絵・写真のモノクロ・カラーを操作した防災教材を作成した。教材の2秒間の一瞥の後, 動機づけと主観的わかりやすさについて, 5段階評定を求めた。その結果, 上記の構成要素は, いずれも動機づけ, 主観的わかりやすさの向上に寄与していた。また, 挿絵・写真・カラーの効果が, タイトル・サブタイトルに比較して大きかった。動機づけ効果のプロセスについて共分散構造分析により分析した結果, 挿絵・写真・カラーについては主観的わかりやすさを介さない感性的要因による動機づけの向上が大きかったが, サブタイトルについては主観的わかりやすさを介する認知的要因による動機づけの向上が大きく, タイトルについてはほぼ同等であった。
著者
島田 和佳 半田 政志 近藤 丘 佐藤 伸之 吉田 浩幸 岡田 克典 松村 輔二 高橋 里美 薄田 勝男 羽隅 透 谷田 達男 藤村 重文
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.39-43, 2000-01-15
被引用文献数
4

胸骨切除・再建を要した前縦隔脂肪肉腫の一手術例を経験したので報告する.症例は79歳男性で, 集団検診において, 右肺門部の異常陰影を指摘され精査加療目的で紹介入院した.良性縦隔腫瘍を疑い手術を行ったが, 術中所見にて前胸壁に浸潤を認めたため, 縦隔腫瘍摘除術並びに胸骨・肋骨合併切除を行った.胸壁再建にはMarlex meshでサソドイッチしたレジン板(methyl methacrylate resin)を用いた.術後経過は良好であったが, 術11カ月後に多発転移, 局所再発のため死亡した.脂肪肉腫は, 縦隔に発生することは稀であるため, 文献的考察を加えて報告する.
著者
奥山 綏夫 島田 敏雄 亀谷 寿彦
出版者
低温生物工学会
雑誌
凍結及び乾燥研究会会誌 (ISSN:02888297)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.95-99, 1970-08-30

われわれは1965年10月から冷凍血液を実際に臨床に使用しており,今年3月までに108症例に総計426単位(1単位=200ml, ACD血に相当)を輸血している.まだ凍結洗浄処理方法が完成されたとは云えないが,臨床上では何らの支障なしに安全に使用し得る段階になっている.ここにわれわれの1970年3月までの輸血成績ならびに最近若干の改良を加えたのでその成績を,また血液の供給源として屍体血に着目し,その凍結保存の可能性を実験的に認めているので合わせて報告する.
著者
福島 道広 中村 有美 李 スルギ 土平 洋彰 小林 由佳 川上 秋桜 岡田 朋子 島田 謙一郎 韓 圭鎬 Fukushima Michihiro Nakamura Yumi Lee Seulki Tsuchihira Hiroaki Kobayashi Yuka Kawakami Sakura Okada Tomoko Shirmada Ken-ichiro Han Kyu-Ho
出版者
日本消化吸収学会
雑誌
消化と吸収
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.202-215, 2011-03-31

今回、我々は北海道十勝で生産された豆類やジャガイモ、新規作物として栽培開発を行っているチコリから難消化性糖質を分離、そのプレバイオティクス効果について検証した。豆類では、澱粉の構造がレジスタントスターチタイプ2であり、この澱粉が加熱調理加工過程でタイプ3の老化澱粉とタンパク質の被膜が形成されることにより、消化性が低下する可能性が見い出された。その結果、ラットの盲腸内で酸発酵が増進し、短鎖脂肪酸の上昇とpHの低下が認められ、腸内環境を改善させることが明らかとなった。さらに、十勝の特産物であるジャガイモもエステル結合したリン酸基を持つ澱粉であり、レジスタントスターチタイプ2に分類される。この澱粉も加熱調理加工することによりタイプ3の老化澱粉が増加する可能性がある。このジャガイモ澱粉がラット盲腸内で短鎖脂肪酸量を増加させ、特に酪酸の総短鎖脂肪酸に対する比率の上昇は消化を刺激して、糞便重量を増加させることが明らかであり、酪酸の好材料であることが確認された。また、チコリ由来のイヌリンについても、十勝イヌリンがin vivoおよびin vitro研究で盲腸内微生物叢、特にLactobacillusおよびBifidobacteriumレベルを上昇させ、総短鎖脂肪酸濃度も増加させることが明らかとなり、従来の報告と一致していた。以上の結果より、豆類およびジャガイモのデンプンにはレジスタントスターチの作用を有しており、また十勝で新規に栽培したチコリ由来のイヌリンにも腸内改善効果が認められ、機能性糖質としてプレバイオティクス作用を持つことが明らかとなった。This report describes our recent studies evaluating the prebiotic effects of indigestible sugar separated fromtraditionally cultivated beans and potatoes as well as newly developed chicory harvested in the Tokachi area,Hokkaido,Japan. The results indicated that the structure of starches in beans can be categorized as resistant starch type 2 (RS2). Rats were found to have reduced digestibility of beans,probably due to the conversion ofRS2 to resistant starch type 3(RS3,retrograded starch) as well as interaction with denatured protein formed during the heating process. The study also found that intake of beans facilitated cecal acid-fermentation in rats,increased short chain fatty acid levels,and lowered pH. Consequently,intake of beans was found to beeffective in improving the balance of intestinal flora. Potatoes contain starch composed of esterified phosphorusas well as RS2,which is likely converted to RS3 during the heating process. Administration of potato starch also increased cecal short chain fatty acid levels,particularly lactic acid. Theincreased production of lactic acid was found to facilitate digestion,resulting in increased amounts of fecal matter. Inulin derived from chicory harvested in Tokachi area was also found to be effective in improving fecal fermentation,especiallyby increasing Lactobacillus and Bifidobacterium levels,along with increasing total short chain fatty acidconcentrations. These results are in agreement with previous findings. Overall,it was found that beans and potatoes contain resistant starch with distinct properties,and that these foods,along with chicory-derived inulin demonstrated a health-promoting prebiotic effect through improvement of intestinal flora.http://www.jsdaa.org/kaishi/backnumber.html
著者
酒井 渉 松井 祥子 高倉 一恵 立瀬 剛志 吉永 崇史 水野 薫 原津 さゆみ 瀬尾 友徳 日下部 貴史 島木 貴久子 佐野 隆子 四間丁 千枝 島田 尚佳 宮村 健壮 舟田 久 康川 慎一郎 宮脇 利男 北島 勲
出版者
富山大学保健管理センター
雑誌
学園の臨床研究 (ISSN:13464213)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.77-82, 2013-03

富山大学杉谷(医薬系)キャンパスは、医療系2学部4学科のみからなる。従来、暗黙理に、医師・医療職を目指すに十分な能力とモチベーションをもった学生のみが在籍し、学生支援は必要ないものと理解されてきた。そのため、学生支援を担う部署や教員組織は存在していなかった。かつて学生支援は、医薬系学生課(現医薬系学務グループ)職員、保健医学教員など、その必要性をいちはやく認識した一部の教職員によって個人的に行われていた。杉谷キャンパスの学生支援体制には不備があり、大学としての安全配慮義務の履行や、学生の修学環境保全に、支障をきたしている。支援職種は単一部署に配置すべきである。
著者
島田 邦男 土田 衛 大西 日出男 中野 博子 大東 俊一
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.202-208, 2013
被引用文献数
2

頭皮マッサージのストレスや快適感に及ぼす影響を生理学的指標,心理学的指標を用いて検討した。その結果,頭皮マッサージにより,唾液中のコルチゾール濃度は有意に低下し,分泌性免疫グロブリンA濃度は有意に上昇した。Visual Analogue Scale(VAS)を用いた検討では頭皮マッサージの前後で身体的疲労の軽減,リラックス度の上昇が認められ,POMS短縮版ではネガティブな感情を示す指標の低下が認められた。ストレスに関連した唾液成分濃度の測定およびVASやPOMS短縮版の結果から,頭皮マッサージにはストレスを軽減させる作用や快適性を向上させる作用があることが示唆された。