著者
仲松 宏 大城 一郎 端慶山 良助 小禄 洋子 具志堅 明美 具志 成子 新里 かおり 奥山 美智江 比嘉 京子 島田 篤子 比嘉 譲 真喜志 かおり
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.34-38, 1993
被引用文献数
2

1991年4月より1992年3月までの1年間に当院人間ドックで腹部超音波検査時に甲状腺超音波スクリーニングを同時に施行し,5,567例中33例(発見率0.59%)の甲状腺癌を発見した。男性15例,女性18例に認めた。平均年令は47.7歳で,超音波検査で指摘できた33例全例が乳頭癌で,術後標本でみつかった潜伏癌の1個が濾胞癌であった。平均最大径は11.4mmで,腫瘍径10mm以下の微小癌が19例(58%)あった。腫瘍径15mm以下の癌の92%(24例/26例中)は触診上,触知不能(JTO)であった。リンパ節転移n<sub>1</sub>(+)が13例(42%),腺外浸潤 EX(ex)(+)が2例に認められた。超音波検査上,悪性を疑う所見は境界不鮮明(42%),低あるいは不均一な内部エコー(61%),砂状多発の石灰化像(55%)が主であった。超音波による甲状腺スクリーニングは極めて有効で腹部超音波検査時に甲状腺超音波検査を同時に行うことは有用と考えられた。
著者
山田 文雄 友澤 森彦 中下 留美子 島田 卓哉 川田 伸一郎 菊池 文一 小泉 透
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.90, 2013 (Released:2014-02-14)

福島第一原発事故(2011年 3月)による放射性物質の生態系での動態や野生動物の影響を把握するため,地表や土壌中を生活空間とし短寿命のアカネズミなど小型哺乳類を対象に,1)原発から30kmの福島県川内村の国有林(高線量地,空間線量は平均 3.6 μSv/hr,2011年 10月測定)と,2)70kmの茨城県北茨城市の国有林(低線量地,空間線量 0.2 μSv/hr,2011年 12月測定)で継続調査を行った.放射性セシウム濃度(半減期約2年の Cs-134と約 30年のCs-137)は,1年目のアカネズミは高線量地(平均 4,415Bq/ kg生重,最大 18,034-最小 920Bq/kg, n=26)で低線量地(平均 1,124 Bq/kg,5,007-17Bq/kg,n=40)より 4倍,2年目は高線量地(平均 5,950Bq/ kg,最大 19,498-最小567Bq/kg, n=10)で低線量地(平均 370 Bq/kg,882-11Bq/kg,n=30)より 16倍高かった.ヒメネズミは高線量地(平均 5,360Bq/ kg,最大 26,218-最小 91Bq/kg, n=20)で低線量地(平均 221 Bq/kg,7,078-71Bq/kg,n=32)より約 24倍高かった.ヒミズは高線量地(平均10,664Bq/ kg,最大 29,061-最小 41Bq/kg, n=4)で低線量地(平均 650 Bq/kg,2,600-137Bq/kg,n=4)より 16倍高かった.高線量地のヤチネズミ(平均27,290Bq/kg,54,892-12,094, n=4)は高くアズマモグラ(1,017Bq/kg, n=1)は低かった.年変化(事故1年目と2年目)ではアカネズミは高線量地で変化は少ないが低線量地で70%減少し,アカネズミとヒメネズミの濃度は両地で類似し,アカネズミ,ヒメネズミ,ヤチネズミ及びヒミズが高濃度蓄積を示した.
著者
牧迫 飛雄馬 古名 丈人 島田 裕之 赤沼 智美 吉田 裕人 井平 光 横山 香理 鈴木 隆雄
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 = The Journal of Japanese Physical Therapy Association (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.27-33, 2011-02-20
被引用文献数
4

【目的】75歳以上の高齢者における新規要介護認定の発生に対する歩行能力の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】要介護認定を受けていない75歳以上の地域在住高齢者190名を対象とした。ベースライン調査として5m歩行時間(通常速度)を測定し,以降39ヵ月間の要介護認定発生状況との関連を調べた。【結果】39ヵ月間で34名(17.9%)が新規に要介護認定を受けた。5m歩行時間を男女別に4分位で速い群から遅い群のI〜IV群に分類し,要介護発生率曲線の差をLog-rank検定にて検討した結果,5m歩行時間が遅いIV群(男性5.2秒以上,女性5.8秒以上)では,それ以上に速い歩行速度を有する群(I〜III群)と比べて有意に高い要介護認定発生率を認めた(p<0.01)。Cox回帰分析の結果,新規要介護の発生と有意な関連を認めた変数は,BMIと5m歩行時間(秒)であり,5m歩行時間のハザード比は1.65(p<0.01)であった。【考察と結論】地域在住後期高齢者の歩行速度は,将来の要介護認定発生に影響を与える要因のひとつであることが確認された。
著者
小島 浩之 上田 修一 佐野 千絵 安形 麻理 矢野 正隆 吉田 成 内田 麻里奈 森脇 優紀 冨善 一敏 設楽 舞 野中 治 木部 徹 島田 要
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、記録媒体として紙に次ぐ歴史を有するにもかかわらず、これまで学術的な観点から調査・研究がなされてこなかったマイクロフィルムについて、図書館等への訪問実態調査(33機関)、および図書館と文書館への質問紙調査(大学図書館:1,378、都道府県立図書館:58、国立国会図書館:1、公文書館:75、大学文書館:88、専門図書館:380)を基軸とし、生産・出版・保存・活用・管理等の諸側面から総合的に分析した。
著者
長尾 慶子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.211-218, 1994-03-15
被引用文献数
4

ドーナツの揚げ加熱中に生ずる亀裂発生のメカニズムについて,ハードドーナツを試料として実験及び考察を行い,以下の結論を得た.亀裂にはドーナツの上側に見られる上面部亀裂,ドーナツ側面部に見られる側面部亀裂,ドーナツリングの内側に発生する内側部亀裂の3種類がみられた.ドーナツの亀裂の機構は内部圧と外皮硬化部の亀裂時の強度(亀裂圧)との関係で説明できる.ドーナツの亀裂圧は,引張強度,ドーナツ各部の平均曲率,外側硬化部の厚みの測定値から算出した.一方,内部圧は体積歪と体積弾性率を求めることで得た.三種類の亀裂は,内部圧が各部の亀裂圧を上回った時に生じた.
著者
崎元 尚土 島田 荘平 大賀 光太郎 熊谷 治夫 山田 理 海保 守 安田 肇
出版者
The Mining and Materials Processing Institute of Japan
雑誌
Journal of MMIJ : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.126, no.10, pp.608-613, 2010-09-25
被引用文献数
1

CO<SUB>2</SUB> sorption on coal was estimated by two experiments, one is heat of sorption measurement and the other is <SUP>1</SUP>H-NMR measurement. In the heat of sorption measurement, differential heat of sorption (<I>q<SUB>d</SUB></I>) was compared with the calculated one. Measured <I>q<SUB>d</SUB></I> was same value with calculated one at low pressure. It decreased gradually with pressure and became lower than the calculated one. Since it couldn't be explained by the theory based on physisorption, it is estimated that the coal-CO<SUB>2</SUB> system could not be explained by only simple physisorption.<BR>In <SUP>1</SUP>H-NMR measurement, spin-spin relaxation time (<I>T</I><SUB>2</SUB>) and composition fractions of L<SUB>1</SUB>, L<SUB>2</SUB> and G were measured. Composition fractions and <I>T</I><SUB>2</SUB> of L<SUB>1</SUB> increased with CO<SUB>2</SUB> gas pressure. Furthermore, the correlation was observed between volume increments and dissolution amount at over 10 atm. It indicates that part of CO<SUB>2</SUB> sorption capacity was used to coal relaxation.
著者
今井 悦子 畠山 美穂 中村 紀野 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.1233-1243, 1999-12-15
被引用文献数
1

19種類の物性の異なる材料を用い,粒としての認知可能な最小粒度(認知閾値)を粒度の識別の程度を官能検査により明らかにし,物性値との関係を明らかにした.認知閾値はセルロースの51μmから道明寺粉の270μmまでの間に分布した.また粒度が約1.19倍異なる二つの粒子の粒度の識別は全材料がある粒度以上で識別できた.そのある粒度(識別最小粒度)は材料により異なり,セルロースの124μmが最小でそばの487μmが最大であった.しいたけを除いては,すべて認知閾値<識別最小粒度であった.両粒度と各物性値との関係を検討した結果,比較的強固な構造をもち,吸水が緩慢で飽和吸水量も少ないような材料は,両粒度が小さいことが明らかになった.またそのような材料ほど粒度の識別なできなくなってもまだ1粒1粒の認知はできると考えられた.認知閾値は,非常に高い重相関係を持って(R=0.93),七つの物性値を用いた重回帰式で表すことができた.
著者
島田 裕子
出版者
梅光学院大学
雑誌
日本文学研究 (ISSN:02862948)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.25-33, 1993-11-01

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著者
島田 正郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
季刊民族學研究 (ISSN:00215023)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.35-40, 1950-08-15

Among the ceremonial institutions of Liao, there was one called Se-se-i, in which a ceremony of shooting willow-trees was held for the prupose of praying for rain. In the Liao-shih pen-chi we find also a record of praying for rain by shooting willows. Dr. M. Takikawa has argued, on the basis of the association of the willow with water, that the custom derived from the Chinese, and as it had become a mere sport (as it also did later during the Chin dynasty) its original meaning was forgotten. The present author, on the contrary, sees the origin of this ceremony as a shooting contest only, lacking any conceptual association of willow and water. As the time of the ceremony coincided with the dry season, the magical power of bow and arrow, which had been typical of the Ch'i-tan mind, came to be combined with the idea of preventing willow-leaves from withering, and consequently with that of praying for rain. The willow-shooting ceremony continued to be held even when no special intention was attached to it, until it became mere entertainment both in the Chi-shan-i and Se-se-i. This type of ceremony developed ultimately into the "Willow-shooting and polo sports" during the Chin dynasty.
著者
紺野 公明 入江 治行 島田 一平
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.160-162, 1986-05-20

最近,力学系を模索化し,その解析的性質より力学系の性質を調べる試みがなされている。複素化の1つの方法に微分方程式の独立変数を複素化し,解の解析的性質をもとに方程式の可積分性とか,軌道の規則・不規則性の議論がなされている。ここ我々が新しく議論する力学系の複素化の方法は,山口・畑により導入された力学系を生成する母関数の展開パラメタを複素化し,その母関数の解析的性質より力学系が示す規則・不規則性を考察することである。力学系が示す軌道の不安定性を表す量にLyapunov指数がある。力学系を生成する母関数は軌道の振舞を表すが,その軌道の持つ不安定性までは表現できない。そこで我々はその情報を得るために母関数の形式的高階導関数を導入する。特に一階導関数は軌道不安定性を表すLyapunov指数と密接に関係していることが示される。母関数F_0の収束半径とその形式的一階導関数F_1の収束半径にはなんら関係はない。もし母関数の収束半径が一階導関数のそれより大きいなら,母関数は連続であるが微分不可能な領域をもち,フラクタルな性質を示す。この報告では,一次元離散力学系を例に次の事をしめす:(1)F_0とF_1の解析的性質,(2)F_1の収束半径とLyapunov指数との関係,(3)F_0のフラクタル性。
著者
松本 時子 中村 百合子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.46-49, 1995-02-20

紅玉とふじの熟成度の異なるリンゴを用い、砂糖濃度30%と60%のジャムを調製し,粘弾性と官能検査による識別と嗜好性を検討した。1.リンゴ生果の水分は紅玉の場合,1ケ月保存により87.23%〜85.01%に減少したが,ぶじは,84.50%〜84.12%と,ほとんど変化しなかった。糖度は,Brix値で紅玉(12.0〜13.0),ぶじ(10.9〜14.0)とも熟成が進むにつれて高くなった。紅玉のpH値は,試料間に差がなく(3.50〜3.54),ふじのpH値は3.54〜4.14と熟成が進むにつれ高くなった。粗ペクチン量は,紅玉に多く,特に果皮に多かった。2.紅玉の過熟のジャムが貯蔵弾性率,損失弾性率とも高かったが,パネルはその差を識別できなかった。3.生果では好まれない未熟果も,ジャムにすれば好まれることが分かった。4.総合的た好ましさにおいては,酸味と甘味のいずれも強い紅玉を好む人と,マイルドなふじを好む人に好みの傾向が分かれ,いずれのジャムもそれぞれの好ましさがあることが認められた。終りに本研究にあたり,ご協力いただきましたお茶の水女子大学生活科学部調理学研究室のみたさんに感謝致します。
著者
島田 淳子 綿貫 美奈子 谷澤 容子 畑江 敬子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.199-206, 1992-03-15
被引用文献数
2

1cm厚さの牛肉のサーロイン肉(胸最長筋)を0℃で2日から14日間熟成した. 熟成した生肉および,これを209℃で90秒焼いた肉の物理的特性(剪断力価,硬さ,凝集性,針入載,保水性), 5'-IMP含量, 有機酸量および遊離アミノ酸とオリゴペプチド態アミノ酸の量と組成を測定した. また,官能検査により, 加熱した熟成肉の軟らかさ, うま味の強ち, 総合的好ましさなどが評価された. この結果, 熟成により軟らかさは, 官能評価においても, 客観測定においても顕著に増加した. うま味に関与するグルタミン酸量および5'-IMP量は熟成により,前者は増加,後者は減少した. 両者の量より算出した呈味強度は熟成により増加したが, 官能評価におけるうま味の強さには熟成による有意の増加が認められなかった. 以上より官能評価におけるうま味の強さにはGlu, 5'-IMP以外の成分の寄与が示唆された.
著者
島田 邦雄 藤田 豊久 岡 英夫 赤上 陽一 神山 新一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.67, no.664, pp.3034-3040, 2001-12-25
被引用文献数
25

We propose a new smart or intelligent fluid which reacts upon a magnetic field. It is a magnetic compound fluid (MCF). We measured the relation of shear stress to shear rate with a rotating rheometer as its hydrodynamic characteristics and the complex magnetic permeability at heigh frequency range as its magnetic characteristics. The hydrodynamic characteristics can be varied qualitatively and quantitatively by the direction of the applying magnetic field, the type of a rotating body in the rheometer and the compound rate of the iron and the magnetite particles. The magnetic characteristics can be varied by the the compound rate of the iron and the magnetite particles. Also, the MCF is expectable for engineering applications with using a magnetic field.
著者
小泉 一愉 今村 智弘 高野 裕二 松江 登久 島田 浩章
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.53-57, 2003-06-01

動物の骨組織や酵母細胞を効率的に破砕する方法としてこれまでに密閉容器を用いたセルミル法が開発されている。この方法では、破砕したい細胞組織をステンレス塊(クラッシャー)と一緒に密閉容器に封入し、これを手動で激しく振とうすることによって植物組織が磨砕され、それによって細胞は粉砕される。しかしながら、この方法では、室温で操作を行なうため、細胞内に含まれるDNaseやRNaseなどの夾雑物の影響は避けられない。また、この方法をそのままイネ組織の破砕に準用した場合、植物組織に含まれる様々な繊維状物質やシリカ化合物による強固な細胞構造のために、十分な破砕効果が得られない。そこで、破砕した植物組織から純度の高いDNA、RNAあるいはタンパク質を得るために、これらの分解が少ない液体窒素条件の超低温での細胞破砕を可能にする器具の開発とこれを用いた新規な細胞破砕法の確立を試みた。ここでは、超低温条件下での植物細胞破砕を可能にしたクールミルの開発について報告する。